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【発明の名称】 デコンボルーション回路
【発明者】 【氏名】中島 喜明

【要約】 【課題】より簡単な方法で、より迅速に、より正確なデコンボルーション結果を得る。

【解決手段】受信アンテナの指向性パターンを与えるパターン関数値から採取間隔p+Δp及びp−Δpにて採取し、その結果を利用して作成した装置関数行列Hを用いて、デコンボルーションを行う。採取間隔p+ΔpでのS/Nと採取間隔p−ΔpでのS/N値を比較し、その結果に応じて装置関数行列H導出時の採取間隔pを逐次更新する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 受信アンテナの指向性パターンを示すパターン関数から角度間隔pで採取したM個のパターン関数値に基づき信号受信系の応答関数を表すM行M列の装置関数行列Hを作成するH作成部と(但しM:2以上の自然数)、任意のレンジビンに関し相並ぶM個のスイープ方位方向から得られたM個の観測データをその成分とするM次元ベクトルである観測データベクトルYと、上記装置関数行列Hとを用い、式HX=Y又はこれと等価な式を解いてM次元の解ベクトルXを求める、という処理を、相並ぶM個のレンジビンそれぞれに関して実行することにより、Mレンジビン×Mスイープ方位の広がりを有し観測対象の2次元空間について原波形を推定するX演算部と、推定された波形の信号対雑音比を求めるS/N演算部と、求められた信号対雑音比がより大きくなるよう上記H作成部にてパターン関数値の採取に用いる角度間隔pを漸次更新するp更新部とを備えることを特徴とするデコンボルーション回路。
【請求項2】 受信アンテナの指向性パターンを示すパターン関数から角度間隔pで採取したM個のパターン関数値に基づき信号受信系の応答関数を表すM行M列の装置関数行列Hを作成するH作成部と(但しM:2以上の自然数)、任意のスイープ方位に関し相並ぶM個のレンジビンから得られたM個の観測データをその成分とするM次元ベクトルである観測データベクトルYと、上記装置関数行列Hとを用い、式HX=Y又はこれと等価な式を解いてM次元の解ベクトルXを求める、という処理を、相並ぶM個のスイープ方位それぞれに関して実行することにより、Mレンジビン×Mスイープ方位の広がりを有する2次元空間について原波形を推定するX演算部と、推定された波形の信号対雑音比を求めるS/N演算部と、求められた信号対雑音比がより大きくなるよう上記H作成部にてパターン関数値の採取に用いる角度間隔pを漸次更新するp更新部とを備えることを特徴とするデコンボルーション回路。
【請求項3】 請求項1又は2記載のデコンボルーション回路において、上記X演算部が、解ベクトルXを求めるに際し、反復法を用いて式(HTH)X=HTYを解くことを特徴とするデコンボルーション回路。
【請求項4】 請求項1乃至3記載のデコンボルーション回路において、上記X演算部が、Mレンジビン×Mスイープ方位よりも大きな広がりを有する2次元空間に関し原波形の推定結果が得られるよう、Mレンジビン×Mスイープ方位の広がりを有する2次元空間について原波形を推定する処理を、推定に係る2次元空間を変更しながら繰返し実行することを特徴とするデコンボルーション回路。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーダ装置等から出力される観測データの分解能を改善する技術、特にデコンボルーション回路に関する。
【0002】
【従来の技術及びその問題点】レーダ装置特にパルスレーダ装置は、所定の繰返し周期を有するパルスを無線送信し、送信された電磁波の一部は目標物によって反射され受信アンテナに到来する。この到来波が目標から受信回路のA/D変換器に至る系は、一つの伝達要素と見なすことができる。いま、この伝達要素を「信号受信系」と呼び、その時間領域における応答関数(装置関数)が正確に与えられているとするならば、レーダ装置の出力たる観測データは、目標物からの反射波そのものの特性(以下「原波形」)と、(アンテナビーム幅等より決まる)装置関数との畳込み積分(コンボルーション)として、表現できる。従って、原波形を未知のベクトルとし、装置関数と原波形のコンボルーション結果を一方の辺に、また観測データを他方の辺においた式を立てれば、この式は解の存在する(未知ベクトルを解くことのできる)方程式となるので、これを解けば原理上、原波形を推定乃至再現することができる。
【0003】この処理を実現するには幾つかの困難がある。まず、原波形の推定対象たる2次元空間が、仮に、Mスイープ方位×Mレンジビンに亘る広がりを有しているとする(M:2以上の自然数)。この場合、観測データ及び原波形はいずれもM次元のベクトルにて表され、また装置関数はM行M列行列にて表される。従って、原波形を推定乃至再現するには、M個の未知数を有するM元連立一次方程式を解く必要がある。
【0004】一般に多元連立一次方程式を解く方法としては、一定の手順を一回繰り返すだけで解を求める直接法と、ある値から出発して繰り返し演算(解の修正演算)を行い、満足のいく精度に達したところで繰り返しを止めて近似解を求める反復法に分けられる。直接法は未知数(元の同じ)の数Mが小さいときによく用いられるが、反復法では、以下に示す(1)〜(4)の利点がある。
【0005】(1)修正演算のアルゴリズムが簡単なので、ハードウエアで構成しやすい。
【0006】(2)行列要素がほとんど0である場合には、無意味な掛算演算、加算演算等を行わず簡単に演算結果を出力できる。
【0007】(3)HX=Yの多元連立一次方程式において、雑音の加算した観測ベクトルYを用いて解ベクトルXを算出する場合、直接法では演算途中にオーバーフロー等が起きることがあるが、反復法では、HX=Yを最小二乗条件の下にHTHX=HTYに変形した式を用いて反復修正を繰り返し、所定の反復回数に達したとき修正演算をストップさせることにより、オーバーフローの演算になったり、発散解を求めてしまうことをなくすことができる。
【0008】(4)式HTHX=HTYの左辺と右辺の差をk倍(0<k<k1:k1は1.0以下の実数)し、この結果を修正量として解ベクトルXに加算してベクトルXを修正し(これを第1回目の反復演算とする)、修正されたXを用いてHTHX=HTYの左辺と右辺の差のk倍を算出し、前と同様にこれを修正量としてベクトルXに加算する(これを2回目の反復演算とする)というように定係数kを用いてXを目的の値に一定の速度で収束させる方法の他に、最急降下法を用いて収束速度を制御しながら目的の値に早く収束させる方法もある。しかしながら、レーダで観測した観測データを用いる場合について、実際にデコンボルーション処理をした場合、最急降下法を用いずにkの値を一定にして20回〜40回程度の反復回数で演算を終了するだけでも相当な分解能を向上の効果があることが実際の処理演算で確認された。
【0009】時間領域でのコンボルーション演算は周波数領域での積に対応するという定理を用いると、上記コンボルーション処理を周波数領域で行う(これを逆フィルタ処理演算と呼ぶ)ことも良く行われている。即ち信号受信系の装置関数行列をフーリエ変換することにより、h(s)[ここでs=j(2π/T)×i(i=0,1,2,…M-1)]を算出し、観測ベクトルYをフーリエ変換することにより、y(s)[ここでs=j(2π/T)×i(i=0,1,2,…M-1)]を算出し、y(s)/h(s)を各iについて計算して得られたM個のデータを逆フーリエ変換することにより、解ベクトルXを算出する方法であるがこの方法は、(特定のiにおける割り算の場合)分母が0に近いにも関わらす、分子は相当大きな値を持つことも起こりうる。つまり逆フィルタの演算方法は割り算演算の段階で、ノイズ成分が増幅され、雑音に非常に弱いという問題があることになる。
【0010】また、これまでの議論では、信号受信系の装置関数が正確に与えられていることを仮定していたが、実際には、信号受信系の装置関数をアンテナパターン関数等から正確に算出するのは難しい。例えば、装置関数の算出方法として、Levinson-Durbinの方法を応用した場合、線形予測係数の計算、観測データベクトルの共分散の計算、測定系の伝達関数の計算、その逆フーリエ変換といった手順にて装置関数を求めることとなるが、この一連の計算には膨大な計算量が必要になる。なお、この方法に関しては、計測技術、87.12.95、p92「信号処理技術」、小畑秀文等を参照されたい。
【0011】
【発明の概要】本発明の目的の一つは、複雑な計算無しでかつより迅速に原波形を推定乃至再現可能なデコンボルーション回路を提供することにある。この目的を達成するため、本発明に係るデコンボルーション回路は、次の様な機能を有するH作成部、X演算部及びp更新部を備える。
【0012】まず、H作成部は、受信アンテナの指向性パターンを示すパターン関数から角度間隔pで採取したM個のパターン関数値に基づき、信号受信系の応答関数を表すM行M列の装置関数行列Hを作成する(但しM:2以上の自然数)。採取した関数値をh0,h1,…,hM-1と表すこととした場合、装置関数行列Hは、次の式【数1】

により表すことができる。このような形の装置関数行列Hを用いることにより、装置関数と原信号ベクトルの複雑な畳込み積分演算を、後述のX演算部において行列式の積つまりHXの演算により実行可能となる。
【0013】次に、X演算部は、観測データベクトルYと装置関数行列Hとを用い式HX=Y又はこれと等価な式を解いてM次元の解ベクトルXを求める。観測データベクトルY及び解ベクトルXは、次の式【数2】

により表されるM次元ベクトルである。観測データベクトルYの成分Y0,Y1,…,YM-1は、ある同一のレンジビンにおいて、相並ぶM個のスイープ方位から得られたM個の観測データである。解ベクトルXの各成分X0,X1,…,XM-1は、観測データベクトルYの成分Y0,Y1,…,YM-1それぞれに対応しており、当該レンジビンに係る原波形を表している。X演算部は、解ベクトルXを求める処理を、相並ぶM個のレンジビンそれぞれに関して実行することにより、Mレンジビン×Mスイープ方位の広がりを有し観測対象の2次元空間について原波形を推定する。なお、観測データベクトルYの成分Y0,Y1,…,YM-1を、ある同一のスイープ方位において相並ぶM個のレンジビンから得られたM個の観測データとし、X演算部が、解ベクトルXを求める処理を相並ぶM個のスイープ方位それぞれに関して実行するようにしても、同様の結果が得られる。本発明は、そのような構成をも包含する。
【0014】更に、S/N演算部は、推定された波形の信号対雑音比を求め、p更新部は、求められた信号対雑音比がより大きくなるよう、H作成部にてパターン関数値の採取に用いる角度間隔pを漸次更新する。この処理を繰返し実行することにより、より正確な装置関数行列にHを修正でき、そのHを用いて誤差の分散値を最小にするという性質を持つ(=最小二乗条件式が組み込まれた)HTHX=HTYという式からXを算出するため、Hの値が正確であればあるほど、解ベクトルXから算出されるS/N値は良くなる。この理由は以下の様に説明される。
【0015】最小二乗条件の組み込まれた式HTHX=HTYはYに含まれるガウス性の雑音が消去された解ベクトルXを算出してくれるが、HとXのコンボルーションがYである(時間軸ではマトリックス式Y=HXで表現され、周波数軸ではy(s)=h(s)・x(s)と表現される)という関係から連立方程式をたてているので、もしHに計算誤差があれば、計算誤差の影響はXに反映されてくる。従って、Hの計算誤差が大きいほど、式HTHX=HTYにより、ガウス性の雑音消去度が悪くなり、解ベクトルXから算出されるS/N値が劣化する。
【0016】従って、処理後のS/N値が向上する方向に装置関数行列Hを修正し、レーダ装置、観測環境をより正確に反映したHを算出した後に、そのHを用いて、デコンボルーション処理を行うという本発明の手順により、分解能の優れた原波形を算出できる。
【0017】当然のことながら、上記Hの修正は一度実施すれば、基本的にはその後測定装置、測定環境に変更、変動があるまで、行う必要はない。
【0018】また、Mレンジビン×Mスイープ方位よりも大きな広がりを有する2次元空間に関し原波形の推定結果を得るには、Mレンジビン×Mスイープ方位の広がりを有する2次元空間について原波形を推定する処理を、推定に係る2次元空間を変更しながら繰返し実行すればよい。具体的には、(第0〜第M−1番目のレンジビン)×(第0〜第M−1番目のスイープ方位)に亘る領域、(第0〜第M−1番目のレンジビン)×(第M〜第2M−1番目のスイープ方位)に亘る領域、(第M〜第2M−1番目のレンジビン)×(第0〜第M−1番目のスイープ方位)に亘る領域、及び(第M〜第2M−1番目のレンジビン)×(第M0〜第2M−1番目のスイープ方位)に亘る領域それぞれについて、前述の原理に従い原波形を推定するようにすれば、2Mレンジビン×2Mスイープ方位に亘る広がりを有する2次元空間について原波形を推定できる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態に関し図面に基づき説明する。
【0020】図1に、本発明の一実施形態に係るデコンボルーション回路の構成を示す。この図のデコンボルーション回路はレーダ装置と共に(又はその一部として)用いられる回路であり、レーダ装置にて得られた観測データ即ちデコンボルーション処理を施すべきデータを入力するための波形入力部10を備えている。波形入力部10は、例えば読み出しと書き込みが可能なRAMや、汎用のコンピュータ又はパソコンのハードディスクの記憶回路等で実現できる。また、この図中の初期設定部12は、パターン関数及びそのパターン関数値を採取する間隔pを、2個のH作成部14A及び14Bに初期設定する。ここでいうパターン関数とは、レーダ装置の受信アンテナの指向性パターンを示す関数である。(図2(a)参照)。H作成部14A及び14Bは初期設定されたパターン関数を間隔pで採取した結果に基づき装置関数行列Hを作成する。ただし、H作成部14Aにおける採取間隔はp+Δp、H作成部14Bにおけるそれはp−Δpである。(Δp:所定の微少正値)。なお、採取間隔pについては後の処理にて逐次更新されるため、正確な設定は必要でない。
【0021】H作成部14Aの後段には、N個のレンジビンに対応するようN組のY作成部16及びX演算部18が設けられており、H作成部14Bの後段にも、M個のレンジビンに対応するようM組のY作成部16及びX演算部18が設けられている。Y作成部16は、波形入力部10により入力される観測データのうち、対応するレンジビンに係る観測データに基づき、ベクトルYを作成する。X演算部18は対応するY作成部16にて作成されたベクトルYと、対応するH作成部(14A又は14B)にて作成された装置関数Hとに基づき、解ベクトルXを演算する。解ベクトルXの演算手法としては、Gauss-Seidelの反復法や、Jacobiの反復法等を用いることができる。また、解ベクトルXを求める際に用いるマトリックス方程式としては、(HTH)X=HTYを用いることができる。更に、(HTH)X=HTYのマトリックス方程式からベクトルXを算出する演算をする際でも、HX=Yと言うマトリックス方程式を解くためのルーチン及びハードウェアを利用することができる。即ち、HX=Y中のYにHTYを、HXに(HTH)Xをおけばよい。なお、本願出願人による特願平7−131867号及び特願平7−264650号をも参照されたい。また、この図では各レンジビン毎にY作成部16及びX演算部18を設け並列処理を行っているが、これは図示の便宜によるものであり、実際には、単一のハードウェア又は数個のハードウェア乃至ルーチンをM回又はM/n(nは2〜10程度)回繰り返し使用するようにしてもよい。
【0022】波形記憶部20A及び20BはH作成部14A及び14Bに対応して設けられており、波形記憶部20Aはパターン関数波形採取間隔をp+Δpとしたときの解ベクトルXを、波形記憶部20Bはパターン関数波形採取間隔をp−Δpとしたときの解ベクトルXを、相連続するM個のレンジビンに亘って記憶する。S/N演算部22Aは波形記憶部20A上のデータに基づきS/N値を計算する。S/N演算部22Bは波形記憶部20B上のデータに基づきS/N値を計算する。S/Nの算出に際しては、対応する波形記憶部(20A又は20B)上のピークレベルを検出し、これを信号のピーク値(S0)とし、デコンボルーション演算対象とする2次元空間の内信号は存在しないと思われる領域のデータについて標準偏差値を算出しこれの値をσとする。S/N値は S0/σの値で近似的に与えればよい。p更新部24は、S/N演算部22Aにて演算されたS/N即ちS1とS/N演算部22Bにて演算されたS/N即ちS2とを比較し、その結果に基づき更新したサンプル間隔pをH作成部14A及び14Bに設定する。例えば、【数3】S1−S2>ΔSであるときp←p+ΔpS1−S2<−ΔSであるときp←p−Δp|S1−S2|≦ΔSであるときはpを更新せず処理を終了とする(但し、ΔS:所定の正の微少値)。なお、S1−S2>ΔSの状態とS1−S2<ΔSの状態とが交互に現れてしまう場合には、交互に現れた回数が所定回数の至ったときに処理を終了すればよい。表示部26はCRTやLCD(表示処理表示制御等を含む)であり、処理の途上であるいは処理を終了した時点で、波形記憶部20A又は20B上にあるデータ即ちデコンボルーション処理の結果を、陰線処理してその画面上に立体表示する。
【0023】今回はデコンボルーション処理する前の観測データとして以下のものを用いた。すなわち海上に2隻の船舶を置き目標物とした。サンプルクロック(=レンジビンクロック)を10[MHz]とし、0〜511のレンジビンに相当する区間を1スイープとし、0.1度ずつ方位を変えて128スイープにわたって512×128のデータを8ビットのA/D変換器で採取したデータを(レーダ装置による観測地点で、)フロッピーディスクに格納し、このフロッピーに格納されたデータを用いてオフラインで以下の演算処理を行った。
【0024】一定のレンジビンの、方位方向(=スイープ方位方向)に連ねた観測データで要素数128のYを作成し、このYを初期値とした未知ベクトル(=解ベクトル)X及び128×128の要素のHベクトルからHTHX=HTYという行式を作成して、同一レンジビン上の方位方向に連なる128データのデコンボルーション演算を実施し結果を記憶回路20A,20Bで記憶させる。同様にして、同一の演算をレンジビン番号0からレンジビン番号511まで行った。(ここでは見やすくするため、処理結果のうちレンジビン番号で385〜510の範囲と3次元表示することにした。)
前記128×128の要素を持つH行列は、前の説明からpの値により変わってくるものであり、pの値を、演算結果の3次元グラフのS/N値により、より正確なHとなるように変更して、(Hは一度算出すれば、運用装置が変わらない限り変更する必要はない。)より正確なデコンボルーション演算を行うのが本発明の眼目であるが、pの値により、演算された3次元のグラフはどの程度変化が見られるかを示しているのが、表1及び図5〜図12の3次元表示されたグラフとなる。また図3は観測データをそのまま処理せずに3次元表示したものであり、図4は図3に示された観測データを逆フィルタ処理した場合の一例を参考のために添付したものである。
【0025】
【表1】

図3に示したように、デコンボルーション処理前の観測データでは、2隻の船舶を分離識別することができない。これに逆フィルタ処理を施すことで、2隻の船舶を分離することは可能になるが、S/Nが悪くなる(図4参照)。これに対し、本実施形態に係るデコンボルーション処理を観測データに施した場合、図5乃至図12に示されるように2隻の船舶を分離識別することが可能になるのに加えS/Nも向上する。本実施形態においては、このように従来に比べ高い品質の処理結果を得ることができる。また、上述のようにS/Nの比較対照評価の結果に基づきサンプリング間隔pを更新し、p+Δpのときとp―Δpのときの間でS/Nの有意差が生じなくなったとき処理を終了するようにしているため、最適な処理結果(上の例では図6)を出力することができる。
【出願人】 【識別番号】000004330
【氏名又は名称】日本無線株式会社
【出願日】 平成9年(1997)11月26日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 研二 (外2名)
【公開番号】 特開平11−160416
【公開日】 平成11年(1999)6月18日
【出願番号】 特願平9−324608