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【発明の名称】 複数レーダ一括画面表示制御装置
【発明者】 【氏名】大鋸 康功

【要約】 【課題】広域の監視のために複数のレーダを用い重複表示を避けて一括表示する。

【解決手段】大部分の覆域がそれぞれ異なるレーダ装置を複数台接続し、所定の表示形式によるこれら各レーダ装置からの受像信号を重複の優先度を定めて抽出して、走査変換して一括画面データとして表示部に送る画像制御部を備えた。または、フェーズドアレイ・アンテナによる送信受信を行い同一時刻に覆域が重複しないようこれらフェーズドアレイ・アンテナの位相方向を制御するか、または各レーダ装置の受信タイミングが重複しないよう制御するようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 大部分の覆域がそれぞれ異なるレーダ装置を複数台接続し、所定の表示形式による上記各レーダ装置からの受像信号を重複の優先度を定めて抽出して、走査変換して一括画面データとして表示部に送る画像制御部を備えた複数レーダ一括画面表示制御装置。
【請求項2】 フェーズドアレイ・アンテナによる送信受信を行い、大部分の覆域がそれぞれ異なるレーダ装置を複数台接続し、所定の表示形式による上記各レーダ装置からの受像信号を抽出して、走査変換して一括画面データとして表示部に送る画像制御部を備えて、同一時刻に覆域が重複しないよう上記フェーズドアレイ・アンテナの位相方向を制御するか、または各レーダ装置の受信タイミングが重複しないよう制御する複数レーダ一括画面表示制御装置。
【請求項3】 一部のレーダ装置におけるフェーズドアレイ・アンテナには通常の空港面監視とは異なる仰角方向にも覆域を切換える位相制御を行い、目標追尾部を備えて、該目標追尾部からの制御信号で上記仰角方向からも受像信号を受けるようにしたことを特徴とする請求項2記載の複数レーダ一括画面表示制御装置。
【請求項4】 航空機識別情報を受け、該航空機識別情報に基づく付加画像を仰角方向からの受像信号に付加して表示するようにしたことを特徴とする請求項3記載の複数レーダ一括画面表示制御装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば複数の滑走路を備えた広大な面積を持つ空港で、全空港面を一括監視(一画面表示)する空港面監視レーダに関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在使用されている空港面探知レーダの、主な構成を図6に示す。図において1はセンサーとなるレーダ、2は受信ビデオを画面表示するための走査変換装置、3は表示するコンソール型ディスプレイ、4は上記レーダ1、走査変換装置2、ディスプレイ3等の制御あるいは動作状態の監視を行う動作監視制御装置である。
【0003】次に動作について説明する。送信装置1aで生成される送信RF信号を空中線装置1cによって空間に放射する。空中線装置1cは一定の速度で回転し、逆コセカンド2乗の垂直パターンにより一様に空港面に電波を放射する。放射された電波は目標物に反射し空中線装置1cで受信され、受信装置1bによりビデオ信号に変換される。そして、変換された受信ビデオ信号は走査変換装置2により積分やデータ圧縮した後、rθ−XY座標変換されコンソール表示装置3に表示される。
【0004】なお、他の従来例として、特開平2−140681号公報に示されたレーダ・ステーションによって検出した航空機の位置を表示する方法においては、複数センサーからの入力を座標変換して所定のシステムに位置表示する方法が開示されている。これは座標上での個々の複数入力を正確に変換して所定の値を得る座標変換の工夫を主として記述している。また更に他の従来例として、特開平3−220486号公報に示された飛行場レーダ処理装置がある。これは空港面探知レーダに目標検出装置と追尾装置を付加し、空港面探知レーダで検出された映像による対象物の識別性を向上するものである。上記はいずれも複数のレーダによる連続したビデオ映像を統合して表示することを目的としたものではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の空港面探知レーダは以上のように構成されているので、複数のレーダを設置してもそれぞれ別画面で表示される。これらの画面間の位置関係が精密には表示できないので、広域を複数のレーダ覆域で一括して表示できるシステムが望まれている。また、探知距離内でも1つのレーダのみでは、覆域外や建物のブラインド部分の検出及び表示が行えないという課題があった。
【0006】この発明は上記のような課題を解消するためになされたもので、広域の監視のために複数のレーダが必要となる空港を、一画面にて集中監視する一括画面表示装置を得ることを目的とする。また更に、任意の特定範囲を時分割で監視したり、重複する覆域を見易く表示制御する装置を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明に係る複数レーダ一括画面表示制御装置は、大部分の覆域がそれぞれ異なるレーダ装置を複数台接続し、所定の表示形式によるこれら各レーダ装置からの受像信号を重複の優先度を定めて抽出して、走査変換して一括画面データとして表示部に送る画像制御部を備えた。
【0008】または、フェーズドアレイ・アンテナによる送信受信を行い、大部分の覆域がそれぞれ異なるレーダ装置を複数台接続し、所定の表示形式によるこれら各レーダ装置からの受像信号を抽出して、走査変換して一括画面データとして表示部に送る画像制御部を備えて、同一時刻に覆域が重複しないようこれらフェーズドアレイ・アンテナの位相方向を制御するか、または各レーダ装置の受信タイミングが重複しないよう制御するようにした。
【0009】また更に、一部のレーダ装置におけるフェーズドアレイ・アンテナには通常の空港面監視とは異なる仰角方向にも覆域を切換える位相制御を行い、目標追尾部を備えて、この目標追尾部からの制御信号で仰角方向からも受像信号を受けるようにした。
【0010】また更に、航空機識別情報を受け、この航空機識別情報に基づく付加画像を仰角方向からの受像信号に付加して表示するようにした。
【0011】
【発明の実施の形態】実施の形態1.監視域を拡大するために複数のレーダからの受像信号を1つの画面に集中表示する画面表示制御装置を説明する。図1は本実施の形態における一括画面表示制御装置の構成を示す図である。図において、11はレーダ1、12はレーダ1が持つ空中線装置、14は同じくレーダ内の送信装置、15はレーダ内の受信装置である。21はレーダ2で、レーダ1と同様の内部装置、空中線装置22、送信装置24、受信装置25を持っている。31はレーダ3で、同様に空中線装置32、送信装置34、受信装置35から構成されている。41は画像制御部、42はディスプレイ等の表示部、43は中央データ処理部である。図2は、図1の装置の動作を説明するレーダの覆域と滑走路の関係を示す平面図である。図において、レーダ1は点51aに設置され、覆域51をカバーする。同様にレーダ2は点52bに設置され、覆域52をカバーする。レーダ3は点53cに設置され、覆域53をカバーする。54と55は滑走路である。Aはレーダ1とレーダ2が覆域を重複する部分、Bはレーダ1とレーダ3が覆域を重複する部分、Cはレーダ2とレーダ3が覆域を重複する部分である。レーダ1がカバーする覆域は例えば直径3キロの範囲であり、4ないし6キロの範囲をカバーするには複数のレーダ装置が必要である。
【0012】上記図1の構成による装置の動作を図2を用いて説明する。レーダ1ないしレーダ3は中央データ処理部43より設定されて図2に示す覆域を持っている。各レーダの単体としての動作は従来と変わるところがなく、レーダ1からは、送信装置14が送信RF信号を生成して、空中線装置12から覆域51に放射する。目的物からの反射信号は空中線装置12経由で受信装置15で画像信号になる。これらレーダ1ないし3からの画像信号は、高速ビデオLANのバスを経由して、中央データ処理部43の制御の下に画像制御部41に送られる。r 座標形式で送られてきたこれらの受像信号は、新しい座標位置51a、52b、53cをr 座標中心としてシフトされて表示処理される。この時例えばレーダ1、レーダ2、レーダ3の順に表示優先度を定めて、重複部分A、B、Cはそれぞれレーダ1、レーダ1、レーダ2からの受像信号を優先抽出する。その後、XY座標変換して、ラスタスキャン形式で表示部42に画像データを送る。従って、表示部42には図2で示される3つのレーダからの受像信号が1つの一括画面に表示できることになる。
【0013】実施の形態2.左記の実施の形態における装置では通常の機械的走査方式の空中線装置として説明したが、フェーズドアレイ・アンテナを用いて、その指向性走査を制御して更に複数のレーダ間の相互干渉を低減したシステムを説明する。本実施の形態における装置は、図1の構成で各空中線装置12、22、32としてフェーズドアレイ・アンテナを用いるとともに、13、23、33のBSC(Beam Steering Controller)を設けている。図3は本実施の形態における装置の動作を説明するレーダの覆域を示す平面図(図3(a))及び側面図(図3(b))である。図において、斜線を施した51d、52e、53fが、それぞれレーダ1、レーダ2、レーダ3の覆域となる。また図4は、図3の覆域に向けてBSCがフェーズドアレイ・アンテナの位相を制御する時間に対する角度の関係を説明するタイミングチャートであり、図中の0度、180度等の角度は、図3の各覆域で真上を0度、時計方向に90度、180度、270度と定めた角度に対応している。例えばレーダ1は、覆域51dを時刻t2に真上の0度から順次時計方向に走査して、時刻t4に真下の180度の方向で1度の走査を終わる。
【0014】先の実施の形態における図2の説明図による装置では、一括画面への表示の際に、重複する部分の優先度を定めて抽出して表示するようにしていた。本実施の形態においても同様の表示もできるが、本実施の形態においては、フェーズドアレイ・アンテナを用いるので、例えば図4に示すタイミングで覆域をカバーするよう位相制御すれば、各レーダが同時には同じ場所に放射せず、従って時間的にずれて、干渉が無いようカバーする範囲をずらせることができる。なお、図5はフェーズドアレイ・アンテナのビームの形状を説明する図であり、図において62はファンビーム断面を示している。63、64は降雨時のレインクラッタを反射する部分であり、61のペンシルビーム形状にビームを絞り込むと、ターゲット65の確認に対する信号/雑音が向上する。
【0015】実施の形態3.本実施の形態の装置は、フェーズドアレイ・アンテナの覆域を例えば図3においてレーダ1で51g、レーダ3で53hの範囲にも拡大するものである。図3(b)に示すように、この場合の拡大覆域51g、53hは、レーダ設置点51aと53cから上方をカバーしている。51d、52e、53fが下方の空港面をカバーしているのに対し、拡大覆域51g、53hは航空機の位置確認ができる。この際、図1の構成で44の目標追尾部を付加して、拡大覆域の範囲としての方向信号を目標追尾部44の追尾出力に従って対応するBSCに送るようにする。こうして1つのレーダが時分割で2つの異なる覆域をカバーして、広範囲の状況を一括表示できることになる。なお、図示はしなかったが、拡大覆域は上方の航空機用だけでなく、地上用であっても近くと遠くの距離を分割してカバーするようにしてもよい。
【0016】また図1の構成において、他のARTSシステムから着陸する航空機の識別情報を中央データ処理部43が受け取るようにして、これを加工して必要な識別画像情報として画像制御部41に送るようにすると、航空機の識別が更に容易になる。
【0017】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば覆域の異なる複数のレーダからの受像信号を重複を防いで一括表示するようにしたので、広い空港等でも正確な複数の対象物の位置を1画面で表示して監視が容易になる効果がある。また更に、レーダは任意の場所に増設が可能で、しかも相互干渉を防いだ見易い画面が得られる効果がある。
【出願人】 【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
【出願日】 平成9年(1997)11月28日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 金雄 (外2名)
【公開番号】 特開平11−160413
【公開日】 平成11年(1999)6月18日
【出願番号】 特願平9−327267