| 【発明の名称】 |
時分割多重通信システムおよび運航管理システム |
| 【発明者】 |
【氏名】林 忠夫
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| 【要約】 |
【課題】一定航路について一定作業順序で作業を行う作業船と情報センタとの間で報告/指示およびそれらの確認を行いながら容易に運航管理できるようにした運航管理システム、およびこのような多数の子局と親局とを含むシステムにおいて、定められた時間間隔で必要な情報の伝送を確実に行えるようにした時分割多重通信システムを提供する。
【解決手段】情報センタはVTSトランスポンダ基地局を介して各作業船のVTSトランスポンダ船上局21に対して作業船別データまたは共通データをダウンリンクし、各作業船からGPS時刻に同期したタイムスロットごとのアップリンクデータを受信し、情報センタで各作業船の位置等を把握し、所定の作業船に対して工事区域の出入域管理などを行う。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 GPS衛星からの電波の受信により生成した基準タイミング信号に同期するそれぞれ個別のタイムスロットで、送信データにより変調した電波を親局へ送信する手段を複数の子局に設け、各子局からの電波を受信し、前記タイムスロット毎の各子局からの送信データを抽出する手段を親局に設けて成る時分割多重通信システム。 【請求項2】 前記各子局に、親局からの信号を受信するとともに、自局宛の識別符号が付されているデータを選択受信する手段を設け、前記親局に、所定の子局の識別符号を付した子局宛の個別情報と、全子局に対する共通情報とを周期的に送信する手段を設けた請求項1に記載の時分割多重通信システム。 【請求項3】 各子局が、GPS衛星からの電波の受信により生成した基準タイミング信号に同期するそれぞれ個別のタイムスロットで、送信データにより変調した電波を親局へ送信し、親局が、各子局からの電波を受信し、前記タイムスロット毎の各子局からの送信データを抽出するようにした時分割多重通信システムにおいて、前記各タイムスロットのうち、少なくとも或るタイムスロットとそれに隣接する他のタイムスロットとの間に空き時間を設け、その空き時間にいずれかの子局からの送信信号が有ることを検出したとき、全ての子局からの送信を停止し、前記空き時間に全ての子局からの送信信号が無くなったことを検出したとき、親局が各子局に対して送信許可を順次与えて異常な子局を検出する時分割多重通信システムにおける時刻同期異常局検出方法。 【請求項4】 請求項1または2に記載の親局を情報センタに設け、各子局を各作業船に設け、一定順序の作業を行う毎に情報センタから各作業船へ各作業船の運航に関する指示情報を伝送する手段と、各作業船から情報センタへ前記指示情報に対する確認情報または他の報告情報を伝送する手段を設けたことを特徴とする運航管理システム。 【請求項5】 前記確認情報を前記情報センタへ送信していない作業船を識別表示する手段を前記情報センタに設けたことを特徴とする請求項4に記載の運航管理システム。 【請求項6】 所定位置に設けられる親局と、複数の移動体にそれぞれ設けられる複数の子局とで構成される運航管理システムにおいて、親局に設けられ、所定の子局の識別符号を付した子局宛の移動体の運航に関する個別情報と、全子局に対する移動体の運航に関する共通情報とを、GPS衛星からの電波の受信により生成した基準タイミング信号に同期して周期的に送信する送信手段と、前記複数の子局にそれぞれ設けられ、前記親局からの信号から自局宛の識別符号が付されているデータを選択受信するとともに、GPS衛星からの電波の受信により生成した基準タイミング信号に同期するそれぞれ個別のタイムスロットで、移動体の運航に関する送信データにより変調した信号を前記親局へ送信する手段とからなる運航管理システム。 【請求項7】 所定位置に設けられる親局と一定順序の作業を行う複数の移動体にそれぞれ設けられる複数の子局とで構成される運航管理システムにおいて、所定の作業を行う毎に親局または子局から各子局または親局へ各移動体の運航に関する情報を伝送する手段と、各子局または親局から親局または子局へ前記運航に関する情報に対する確認情報または他の情報を伝送する手段とからなる運航管理システム。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、船舶の運航管理システム、それに適する時分割多重通信システム、およびそのシステムにおける時刻同期異常局検出方法に関する。 【0002】 【従来の技術】船舶の運航を管理するシステムは、たとえば湾岸の埋め立て工事を行う作業船など、一定の海域を航行する船舶を基地局で管理するために用いられている。 【0003】従来の運航管理システムは、管理すべき複数の船舶にそれぞれ子局を設け、陸地のセンタに親局を設けて、各子局に識別符号を割り当て、親局から子局に対して何らかのデータを送信する際、その識別符号を付して送信し、子局側では、自局に該当する識別符号が付されている場合に、そのデータの格納およびそれに応答するデータを送信する。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところが、このようにポーリング方式によってデータ通信を行う方式では、限られた周波数帯域を用いて複数の子局と親局との間でデータ通信が可能であるが、親局が各子局から必要な情報を得るために、すべての子局に対して必ず識別符号を付したデータ送信要求を順次出さなければならず、限られた時間に通信可能な子局の数が制限されてしまい、逆に、多数の子局が存在する場合に、短時間周期で情報収集を行うことができないという問題があった。 【0005】また、従来の船舶の航行を管理するシステムでは、一定の海域(サービスエリア)に入った船舶について、基地局側でその登録を行うことによって、サービスエリアにおける各船舶の位置とそれぞれの船舶についての情報を把握するだけであり、たとえば海上空港の埋め立て工事などを、多数の作業船が一定のルーチンで作業を繰り返す場合に、センタ側でそれぞれの作業船に的確な指示を行い、作業船からセンタへ作業状況等を報告し、また作業内容の指示や報告の確認を双方で容易に行えるようにしたものはなかった。 【0006】この発明の目的は、一定作業順序で作業を行う作業船と情報センタとの間で報告/指示およびそれらの確認を行いながら容易に運航管理できるようにした運航管理システムを提供することにある。 【0007】この発明の他の目的は上記運航管理システムのように、多数の子局と親局とを含むシステムにおいて、定められた時間間隔で必要な情報の伝送を確実に行えるようにした時分割多重通信システムを提供することにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】この発明の時分割多重通信システムは請求項1に記載のとおり、GPS衛星からの電波の受信により生成した基準タイミング信号に同期するそれぞれ個別のタイムスロットで、送信データにより変調した電波を親局へ送信する手段を複数の子局に設け、各子局からの電波を受信し、前記タイムスロット毎の各子局からの送信データを抽出する手段を親局に設ける。このようにGPS衛星からの電波の受信により生成した基準タイミング信号に同期してタイムスロットを設け、そのタイムスロットのタイミングで各子局から親局へ順次データを送信するようにしたため、ポーリング方式とは異なり、親局から各子局への送信勧誘を行う必要がない。その分、限られた時間内に多数の子局からのデータを収集することが可能となる。たとえば各作業船の船位情報などのアップリンクデータを18バイトとし、これを40msのタイムスロットで送信する場合、250隻の作業船からの情報を10秒周期でセンタが収集することができる。 【0009】また、この発明の時分割多重通信システムは請求項2に記載のとおり、前記各子局に、親局からの信号を受信するとともに、自局宛の識別符号が付されているデータを選択受信する手段を設け、前記親局に、所定の子局の識別符号を付した子局宛の個別情報と、全子局に対する共通情報とを周期的に送信する手段を設ける。これにより親局から各子局に対して個別情報および共通情報を周期的に与えることができ、親局と複数の子局との間でデータ通信を効率的に行えるようになる。 【0010】また、この発明は上記時分割多重通信システムにおいて時刻同期の異常な局を検出するために、請求項3に記載のとおり、各タイムスロットのうち、少なくとも或るタイムスロットとそれに隣接する他のタイムスロットとの間に空き時間を設け、その空き時間にいずれかの子局からの送信信号が有ることを検出したとき、全ての子局からの送信を停止し、前記空き時間に全ての子局からの送信信号が無くなったことを検出したとき、親局が各子局に対して送信許可を順次与えて異常な子局を検出する。 【0011】すべての子局が正常に時刻同期をとっていれば、上記空き時間においてはどの子局からも送信が行われないが、いずれかの子局の時刻同期が異常となれば、上記空き時間に送信が行われる場合がある。子局側でその空き時間での送信を検出する場合、その異常な送信が自局の時刻同期の異常によって誤検出されたものであるか、他のいずれかの子局がその時刻同期の異常により送信されたものであるかは判定できないし、また、親局側で上記の異常な送信を検出する場合でも、どの子局からの送信であるかは判らないので、上記異常な送信を検出した各子局が個別に送信を停止するか、親局がすべての子局に対して送信停止を指示することによって、全ての子局の送信を一旦停止する。その後、親局が各子局に対して順次送信許可を与えて、その子局から指定どおりのタイムスロットで送信が行われるか否かを判定することによって、時刻同期の異常な子局を検出することになる。このような時刻同期の異常な子局を検出すれば、以降はその異常な子局に対して送信許可を与えないようにすれば、時分割多重通信システムを復旧させることができる。 【0012】この発明の運航管理システムは上記時分割多重通信システムを適用したものであり、請求項4に記載のとおり、親局を情報センタに設け、各子局を各作業船に設け、一定航路を運航するとともに一定順序の作業を行う毎に親局と子局との間で前記時分割多重通信システムを用いて、情報センタから各作業船へ運航に関する指示情報を伝送する手段と、各作業船から情報センタへ前記指示に対する確認情報または他の報告情報を伝送する手段を設ける。 【0013】このようにシステムを構成すれば、親局から各子局に対してそれらの子局が設けられている作業船の行うべき作業を指示するとともに、その応答を親局で確認することができる。また各子局からの報告内容を親局で確認することも可能となり、一定航路を一定の作業順序で作業を行う作業船と情報センタとの間で報告/指示およびそれらの確認を行いながら容易に運航管理ができるようになる。 【0014】また、この発明の運航管理システムは、請求項5に記載のとおり、前記確認情報を前記情報センタへ送信していない作業船を識別表示する手段を前記情報センタに設ける。これにより、何らかの指示に対して未応答の作業船を容易に把握できる。また、たとえば情報センタが全作業船に対する指示情報として何らかの警報を発したとき、その警報に未応答の作業船を情報センタ側で把握できるので、安全管理にも利用できる。 【0015】また、この発明の運航管理システムは、請求項6に記載のとおり、所定位置に設けられる親局と、複数の移動体にそれぞれ設けられる複数の子局とで構成し、所定の子局の識別符号を付した子局宛の移動体の運航に関する個別情報と、全子局に対する移動体の運航に関する共通情報とを、GPS衛星からの電波の受信により生成した基準タイミング信号に同期して周期的に送信する送信手段を親局に設け、この親局からの信号から自局宛の識別符号が付されているデータを選択受信するとともに、GPS衛星からの電波の受信により生成した基準タイミング信号に同期するそれぞれ個別のタイムスロットで、移動体の運航に関する送信データにより変調した信号を前記親局へ送信する手段を前記複数の子局にそれぞれ設ける。このようにシステムを構成すれば、親局と各子局との間で各移動体の運航に関する情報を確実に送受信でき、運航管理が容易となる。 【0016】また、この発明の運航管理システムは、請求項7に記載のとおり、所定位置に設けられる親局と一定順序の作業を行う複数の移動体にそれぞれ設けられる複数の子局とで構成し、所定の作業を行う毎に親局または子局から各子局または親局へ各移動体の運航に関する情報を伝送する手段と、各子局または親局から親局または子局へ前記運航に関する情報に対する確認情報または他の情報を伝送する手段とを設ける。このようにシステムを構成すれば、親局と各子局との間で各移動体の運航に関する情報の伝送およびその確認を行うことができ、運航管理が容易となる。 【0017】 【発明の実施の形態】この発明の実施形態に係る運航管理システムの全体の構成をブロック図として図1に示す。同図において情報センタは地理的にはたとえば大規模海上工事を行う区域に隣接する位置に設け、各種工事作業を行う作業船との間で時分割多重通信を行う。情報センタから作業船へのダウンリンクデータは入域順位、入出域指示、運航状況確認などの作業船を特定した情報と、気象・海象情報、安全情報、工事区域情報、土源情報などの全作業船に共通な情報であり、作業船から情報センタへのアップリンクデータは識別番号、現在位置、進路、速度、運航状況などの各種作業船ごとの情報である。 【0018】図2は運航管理システムの各局の構成を示すブロック図である。同図においてVTS(Vessel Traffic Service)トランスポンダ基地局はたとえば工事区域の湾全体を見渡せるビルの屋上などに設けている。VTSトランスポンダ基地局と情報センタとの間は高速ディジタル専用回線を介して接続している。情報センタのVTSトランスポンダ制御装置11はこの高速デジタル専用回線を介してVTSトランスポンダ基地局の制御を行う。このVTSトランスポンダ基地局とVTSトランスポンダ制御装置11が本願発明に係る親局に相当する。情報センタのVTSトランスポンダモニタ局12は、VTSトランスポンダ基地局から送信されるダウンリンクの電波を受信してその動作状態をモニタリングする。また、このVTSトランスポンダモニタ局12は、後述する各作業船のVTSトランスポンダ線上局と同様の構成であり、チェック用のアップリンクデータを送信するとともに、それがVTSトランスポンダ基地局で受信されて、VTSトランスポンダ制御装置11を介して戻ってきたデータと比較することによって、アップリンクデータが正常に受信されているか否かをモニタリングする。もし異常を検知すればその報知を行う。出入域管理装置13は各作業船に対する工事区域の出入域管理に用いる。監視卓14は各作業船の位置と作業状況などの監視に用いる。また監視卓14はレーダからの工事区域の湾全体のレーダ映像情報を入力し、後述するように、各作業船の位置を表すマークとともに、そのレーダ映像を表示する。データベース/サーバ15は管理すべき全ての作業船などについての各種情報をデータベース化して蓄積する。出入域管理装置13および監視卓14はこのデータを参照して必要な表示などを行う。 【0019】作業船においてVTSトランスポンダ船上局21は、時刻同期用GPS受信機を内蔵していて、VTSトランスポンダ基地局との間で時分割多重通信を行い、この基地局を経由して作業船と情報センタとの間で前述した各種データのアップリンクおよびダウンリンクを行う。このVTSトランスポンダ船上局21が本願発明に係る子局に相当する。作業船のGPS受信機22はGPS衛星からの電波を受信して作業船の位置を測位する。またその際、GPS基準局から放送されるディファレンシャル測位用の情報を受信して測位精度を上げる。船上局端末23は自船の位置の表示および情報センタからの各種作業の指示内容などを表示し、またその確認入力などを行う。 【0020】図3は上記VTSトランスポンダ基地局とその周辺の構成を示すブロック図である。VTSトランスポンダ基地局はGPS受信機を内蔵していて、GPSアンテナ42で受信したGPS衛星の電波から基準タイミング信号を生成し、それに同期したタイムスロットで各VTSトランスポンダ船上局21に対してデータの送信を行う。また各作業船のVTSトランスポンダ船上局21から送信されてくる電波を受信する。送信信号はアンテナ44から送信し、受信信号はアンテナ45,46を介して入力する。情報センタと基地局には、両者間で高速デジタル専用回線を介してデータ伝送を行うためにターミナルアダプタTAを設けている。 【0021】図4は作業船と情報センタとの間で行うアップリンクおよびダウンリンクのタイミング関係を示す図である。この例ではアップリンクは、10秒間を250のタイムスロットに分割し、各タイムスロットの先頭に0.003秒のガードタイムを設けて1つのタイムスロットを0.037秒とし、その間に18バイト分のデータをアップリンクデータとして各作業船から情報センタへ送信する。上記0.003秒のガードタイムによって、切り替え時の混信を防止する。またダウンリンクデータは、毎秒1ページ、10秒周期で10ページ分のデータとして情報センタから各作業船へ送信する。1ページ分のデータはGPS同期時刻の毎秒の先頭から0.003秒の部分に空き時間を設けて、残りの0.997秒で送信する。1ページから8ページの途中までで、最大250隻の作業船に対する、作業船を特定した4500バイトのデータを送信し、8ページの途中から10ページの終わりまで全作業船に共通な1440バイトのデータを送信する。 【0022】図5は作業船から情報センタへのアップリンクデータの構成を示すブロック図である。ここでフレームヘッドは、ビット同期信号、フレーム同期データ、制御データ、およびFEC(Forward Error Correction)コードから構成している。またデータブロックは後述するように18バイト分であり、最後にCRCコードを付加している。またデータブロックとCRCの各バイトにはそれぞれ4ビットのFECコードを付加して、1バイト中に1ビットの誤りがあった場合に正しい符号に復元できるようにしている。また、その誤り訂正が正しくなされたか否かはCRCビットでエラーチェックすることにより判定する。 【0023】図6はアップリンクデータの例を示す図である。ここで「識別符号」はどの作業船からのアップリンクであるかを識別するための符号、「測位時刻」は位置データを求めた時刻、「カウンタ」は前回(10秒前)に受信したカウンタの値と比較してデータの連続性をチェックするためのデータ、「測位フラッグ」はGPS測位方式の種類を示すデータある。たとえば0=測位中断、1=単独測位、2=ディファレンシャル測位、3=キネマティック測位のようにして、測位フラッグの値によって、測位精度や測位値の信頼度を判定するため等に用いる。「位置」は0.0001分(緯度18cm、経度15cm)分解能で工事区域の湾全域を表すデータ、「船速」はその作業船の現在の船速、「進路」は現在の進行方位、「運航報告/指示確認コード」は後述するように、往路報告、基点到着報告などの各種報告内容を示すコードや、入域指示、出域指示などの各種指示の確認を示すコードである。「積載量」は現在積載している土砂の量または投入した土砂の量、「投入区域」はその土砂の投入すべき区域、または投入した区域を示すデータである。これらのデータを図5に示したデータブロックに入れて送信する。 【0024】図7は情報センタから作業船へのダウンリンクデータの構成を示す図である。同図に示すように1フレームはフレームヘッドと33ブロックのデータブロックからなる。フレームヘッドの構成は図5に示したものと同様である。33ブロックの各データブロックには、(B)に示すように作業船別情報または共通情報とCRCコードからなる。この33ブロックが1ページ分のデータであり、図4に示したように第1ページから第8ページの途中までで、最大250隻の作業船についての個別の情報を送信し、第8ページの一部のブロックと第9および第10ページの全ブロックで全作業船に共通の情報を送信する。 【0025】図8はダウンリンクデータの例を示す図である。(A)は作業船別情報であり、「識別符号」は宛先となる作業船のVTSトランスポンダ船上局の識別符号、「出入域番号」はその作業船に対して割り当てる出入域番号、「カウンタ」は前回の(10秒前の)データからの連続性をチェックするためのデータである。「運航確認/指示コード」は往路報告、基点到着報告などの各種報告に対する確認を示すコードや、入域指示、出域指示などの各種指示の確認を示すコードである。「タイムスロット指定」は作業船のVTSトランスポンダ船上局に対して送信すべきタイムスロットを指定するためのデータである。「泊地、着桟コード」は停泊すべき場所または着桟すべき場所を示すデータである。また「泊地、着桟時刻」はその指定時刻である。図8の(B)は全ての作業船に対する共通情報であり、「メッセージ種別コード」は後に続くデータ(メッセージ)の種別を表すコードであり、たとえば後に続くデータが気象データなのか、警報なのか、工事現場の情報なのかなどを、コードにより判別可能としている。このメッセージ種別コードが警報を示すコードであれば、全作業船がこれを受信するので、一斉同報通信として用いることができる。「メッセージ番号」はメッセージ種類毎の連続番号であり、受信済データであるか否かをこれにより判定する。「発行年月日」はこのメッセージを発行した日付を示すデータである。「データ」はたとえば気象情報、海象情報、警報、工事現場の情報などの文字メッセージデータである。 【0026】図9はVTSトランスポンダ船上局の構成を示すブロック図である。同図においてCPU211はROM216に予め書き込んだプログラムを実行する。RAM217はそのプログラムの実行に際してデータバッファやその他のワーキングエリアとして用いる。CPU211は時刻同期用GPS受信機220から時刻データを入力し、割り当てられたタイムスロットに応じてタイムスロット設定レジスタにデータを設定する。このタイムスロット設定レジスタ212はアップリンクデータを送信すべきタイミングを設定するためのレジスタであり、その設定値によって、図4に示した250のうちいずれかのタイムスロットを設定する。タイミング発生回路213は時刻同期用GPS受信機220から出力される毎秒パルス信号1PPSを入力し、タイムスロット設定レジスタ212に設定された値に基づいてCPU211に対する割り込み信号INT0を出力し、また無線送信機218に対する送信ON/OFFタイミング信号TxONを出力する。無線送信機218はTxON信号を受けてたとえば2ms以内に起動する。CPU211は船上局端末23からの送信用データをシリアル入力し、GMSK変調/復調IC214へ順次与える。GMSK変調/復調IC214はそのデータ列に応じて無線送信機218をGMSK変調(Gaussian filtered Minimum Sift Keying)する。GMSK変調/復調IC215は無線受信機219からの受信信号に対してGMSK復調を行ってデータ列を生成する。CPU211はその受信データを船上局端末23へ出力する。無線送信機218はVTSトランスポンダ基地局へアップリンクデータをたとえば400MHz帯で送信する。無線受信機219はVTSトランスポンダ基地局からのダウンリンクデータを受信する。このダウンリンクで用いる周波数はアップリンクで用いる周波数よりたとえば16MHz離れていて、アップリンクとダウンリンクを同時に行えるようにしている。また、上記GMSK変調を採用したことにより、占有周波数帯域幅を僅か8kHzとして8000bpsの速度でデータ伝送を行う。なお、後述するVTSトランスポンダ基地局の場合と同様に、受信系統を2系統設けてスペースダイバーシティ方式とすることにより信頼性を向上させてもよい。 【0027】図10〜図13はVTSトランスポンダ船上局のCPUの処理手順を示すフローチャートである。 【0028】図10は図9に示したタイミング発生回路213から所定のタイムスロットで発生される割り込み信号INT0による割り込み処理内容、およびGMSK変調/復調ICからのデータ要求割り込み信号INT1による処理内容を示すフローチャートである。所定のタイムスロットでINT0の割り込みがかかればGMSK変調/復調IC214のコマンドレジスタへTDB(Transmit Data Block )を書き込む。このTDBが書き込まれる前に、GMSK変調/復調IC214には既に1つのデータブロックが書き込まれていて、TDBの書込によりGMSK変調/復調IC214はデータ出力を開始し、INT1により次のデータブロックを要求する。CPUは船上局端末23から、送信すべきデータを読み取り、これをINT1の割込処理にてGMSK変調/復調IC214へ転送する。GMSK変調/復調IC214はそのデータブロックに対してFECコードおよびCRCコードを付加して変調を行う。これにより所定バイト数のアップリンクデータが所定のタイムスロットで送信される。 【0029】図12は時刻同期異常によるシステムダウンを回避するための、1PPS(1秒パルス)の割り込み処理の内容であり、まず毎秒の先頭の0.003秒においてアップリンクおよびダウンリンクの周波数帯でのキャリアの有無を検出し、キャリアがあれば、すなわちいずれかのVTSトランスポンダ船上局またはVTSトランスポンダ基地局からの送信があれば、タイムスロット設定レジスタ212の全ビットを0とする。これにより図9に示したタイミング発生回路213はTxON信号をOFF状態に保ち、またINT0の出力を停止し、自局からの送信を停止する。全作業船のVTSトランスポンダ船上局が自ら送信を停止した後、後述するようにVTSトランスポンダ基地局の機能によって、時刻同期の正常なVTSトランスポンダ船上局が復帰して、システムが復旧することになる。なお、VTSトランスポンダ船上局は、電源ONの際にタイムスロット設定レジスタ212の全ビットを0とする。そのため、その後、VTSトランスポンダ基地局からタイムスロットが指示されない限り、キャリアが送信されることはない。 【0030】図13はダウンリンク処理およびタイムスロット番号の設定処理の手順を示すフローチャートである。まずGMSK変調/復調IC215からデータを読み取るとともに、各項目データを抽出する。そして含まれている識別符号がROM216に予め書き込まれている自局の識別符号と一致するか否かを判定する。これが一致し且つ受信データにタイムスロット番号が指定されていれば、これをタイムスロット設定レジスタ212に設定する。これにより、指定されたタイムスロットで割り込み信号INT0が発生されるとともにTxONが出力される。また受信した各項目データを船上局端末23へ伝送する。もしタイムスロット番号が指定されていなくて3分が経過していれば、タイムスロット設定レジスタ212の全ビットを0にして、以降新たにタイムスロット番号が指定されない限り、送信を停止する。このように一定時間(3分間)タイムスロットの指定内容を維持し、その後は自動的に送信を停止するようにしたため、VTSトランスポンダ基地局側では少なくとも3分間に1度の割合でタイムスロット番号を再指定すればよく、またタイムスロット番号を指定しないままでおくだけで自動的にトランスポンダ船上局からの送信を停止させることができ、データ伝送効率が高まるとともに基地局側の負担も軽減される。 【0031】図14はVTSトランスポンダ基地局の構成を示すブロック図である。図9に示したVTSトランスポンダ船上局と基本部分は同一である。基地局では受信をスペースダイバシティで行うため、無線受信機429と430を用い、スペースダイバシティ処理回路432によって受信信号の切り替え処理を行っている。CPU411、ROM416、RAM417、GMSK変調/復調IC414,415、タイムスロット設定レジスタ412、およびタイミング発生回路413の構成は、図9に示したVTSトランスポンダ船上局のものと同様である。従ってCPU411などの動作も同一であるが、電源投入時、CPUはROM416から、基地局用の識別符号を読み取り、タイムスロット設定レジスタ412に対して基地局用の値を設定する。これによりタイミング発生回路413は所定の周期で割り込み信号INT0および無線送信機418のON/OFFタイミング信号TxONを出力する。更にCPU411に対する割り込み信号として1PPS信号を出力する。具体的には、図4に示したように、GPS同期時刻の毎秒の先頭から0.003秒遅れてINT0およびTxON信号を発生する。これによりCPU411はターミナルアダプタTAから読み取った送信用データをGMSK変調/復調IC414へ転送する。その転送タイミングはGMSK変調/復調IC414からの割り込み信号INT1に基づいて行う。一方、GMSK変調/復調IC415に入力されるアップリンクデータはCPU411がそれを順次読み取ってターミナルアダプタTAへ転送する。図2に示した情報センタのVTSトランスポンダ制御装置11はターミナルアダプタTAを介してこのデータを受信し、各作業船からのアップリンクデータをデータベース/サーバ15へ順次格納する。 【0032】図15はVTSトランスポンダ基地局の1PPS信号の割り込みによる時刻同期異常からの復旧処理内容を示すフローチャートである。まずアップリンクの周波数帯のキャリアを検出し、いずれかのVTSトランスポンダ船上局からの送信の有無を判定する。もしキャリアがあれば、フラグF1をセットし、キャリアが検出されないまま10秒が経過すれば、すなわち全てのVTSトランスポンダ船上局からの送信が停止したことを検知すれば、いくつかのVTSトランスポンダ船上局に対して送信タイムスロットを割り当て、それぞれの船上局が指定したタイムスロットでアップリンクデータを送信しているか否かを判定する。これらの全部が正常であれば、次にその他のいくつかのVTSトランスポンダ船上局に他の送信タイムスロットを指定し、同様にそれぞれの指定したタイムスロットでアップリンクデータが送信されているか否かを判定する。これを繰り返すうち、指定したタイムスロット以外のタイミングでアップリンクデータを送信している船上局を検出すれば、そのVTSトランスポンダ船上局を時刻同期異常の局と見なして、そのVTSトランスポンダ船上局に対するタイムスロットの割り当てを解除し、アップリンクデータの送信を停止させる。このようにして時刻同期の異常な局からの送信を自動的に停止させて、システム全体を復旧させる。 【0033】次に運航管理システムの構成を図16〜図31を参照して説明する。 【0034】図16は作業船と情報センタ間での報告/確認および指示/確認の順序を示す図である。まず、作業船が土砂の積み込みを行い、土原桟橋から離桟する際、作業船(の船長)は情報センタへ離桟報告の操作を行い、情報センタはこれを確認する操作を行う。続いて作業船は往路を航行することを示す往路報告を自動で行い、情報センタはこれを自動確認する。(図中の括弧書きは自動処理を表している。)その後、作業船は工事区域の基点に到着した際に到着報告を行い、情報センタはこれを確認する。続いて作業船は入域待機報告を自動で行い、情報センタはその確認を自動で行う。その後、情報センタでは島内への入域が可能であることを判断すれば入域許可指示を与える。作業船はその確認を行い、島内に入った際に入域報告を行い、情報センタはそれを確認する。その後、島内の所定箇所に土砂を投入した後、投入報告を行い、情報センタはそれを確認する。続いて作業船は出域待機状態にあることを自動で情報センタへ報告し、情報センタではこれを自動確認する。その後、情報センタではその作業船に対して出域許可指示を与える。その指示内容には、どの桟橋に着桟すべきか、またはどこに停泊すべきかの情報が含まれている。そして作業船はその確認を行う。作業船が島内を出域した際、その出域報告を行い、情報センタはそれを確認する。続いて作業船は復路報告を自動で行い、情報センタはそれを自動確認する。作業船は工事区域、土源桟橋、またはその他の指示された区域に停泊した際、停泊報告を行い、情報センタはそれを確認する。その後、作業船は土源桟橋の所定の桟橋に着桟した際、着桟報告の操作を行い、情報センタがその確認を行う。以降同様の作業を繰り返すことになる。他の作業船についても、この手順で作業を繰り返す。 【0035】ここで、情報センタと作業船との間で交換される情報の内容を示す。 【0036】 【表1】
【0037】このように、情報センタと作業船における運航状況の表示は、現在の作業船の運航状況を示している。また、作業船から何らかの報告が行われて、その運航状況の表示が点滅しているときは、その報告が情報センタで未だ確認されていない(確認のための操作が行われていない)状態を示している。また、情報センタから何らかの指示が行われて、その運航状況の表示が点滅しているときは、その指示の確認が作業船で未だ確認されていない(確認のための操作が行われていない)状態を示している。 【0038】図17は情報センタにおける出入域管理装置の表示例を示す図である。この出入域管理装置は、出域管理装置と入域管理装置から成る。(ここでは2つの装置に分けて説明するが、出入域管理装置をハードウエアの構成上単一の装置とし、表示部を出域管理用と入域管理用とに分けるか、切り替え表示するようにしてもよい。)(A)は入域管理装置の表示例であり、入域番号、船名、運航状況、離桟時刻、到着時刻、入域許可時刻、入域時刻、投入区域、投入量の各々の項目について入域番号順に一覧表示し、また現在の入域隻数(島内の作業船の数)、入待隻数(入域指示を待っている作業船の数)、および往路隻数(往路に就いている作業船の数)を表示する。画面の下部にはいくつかのボタン表示を行う。同図においてたとえば入域番号17に登録されている第18日本丸は10時00分に離桟確認を行い、11時00分に到着確認を行ったことを示している。この表示および運航状況の表示から、第18日本丸は現在工事区域の基点に到着していて、入域許可指示待ちの状態であることが判る。また入域番号16の第17日本丸は現在入域許可状態にあり、入域許可指示を11時15分に出したことを示している。また入域番号15の第16日本丸は10時53分に入域確認を行ったことを示している。なお、各船の投入区域は通常、各作業船に対して工事事務所から船舶電話等の他の通信システムを介して指定され、投入量は船上局端末から入力されるが、これらの情報は情報センタからダウンリンクデータとして各作業船に指示することも可能である。画面内の表示は、これらがアップリンクデータとして情報センタに送られてきたものである。 【0039】図17の(B)は出域管理装置の表示例であり、出域番号、船名、運航状況、入域許可時刻、投入時刻、出域許可時刻、出域時刻、着桟時刻、および泊地/桟橋指示のそれぞれの項目について出域番号順に一覧表示するとともに、現在の入域隻数(入域している作業船の数)、出待隻数(出域許可指示を待っている作業船の数)、復路隻数(復路に就いている作業船の数)を表示する。たとえば出域番号14の第15日本丸は現在出域待機状態にあり、投入確認を11時00分に行ったことを示している。また、たとえば出域番号13の第13日本丸は出域許可指示を10時55分に行い、泊地/桟橋指示として淡路泊−Bを指示したことなどを示している。 【0040】図17の(A),(B)において画面内の横一直線のマークはカーソルであり、マウス操作により選択される。画面下部のボタン表示は、所定のボタンに矢印カーソルを合わせてクリックすることによってそのボタン機能が実行されるものであり、たとえば「ダイアル」ボタンを操作すれば、現在のカーソルで指定されている作業船に対して船舶電話等を介して呼び出し、音声通話を行うことになる。「確認/指示」ボタンを操作すれば、現在のカーソルで指定されている作業船に対して確認コードをダウンリンクデータに載せて送信することになる。たとえば(A)の表示状態で「確認/指示」ボタンを操作すれば、現在時刻が入域番号13の投入確認の欄に表示されるとともに、第13日本丸宛のダウンリンクデータにその投入確認コードが載せられることになる。また、たとえば入域番号17の位置にカーソルを移動させて「確認/指示」ボタンを操作すれば、その時の現在時刻が入域許可の項目に表示されるとともに、入域許可指示コードがダウンリンクデータに載せられて、第18日本丸宛のダウンリンクデータとして送信されることになる。また、たとえば(B)の表示状態でカーソルを出域番号14に合わせて確認/指示ボタンを操作すれば、現在時刻が出域許可の欄に表示されるとともに、第15日本丸に対するダウンリンクデータに出域許可指示コードが載せられて送信される。 【0041】図17に示したような、各作業船に対する入域番号または出域番号は当日の朝または前日までにスケジュールが決定されていて、事前に登録されているが、現実の作業の進行状況に応じてその順序を入れ替える場合には、指定位置にカーソルを合わせた状態で「順位上げ」ボタンまたは「順位下げ」ボタンを操作する。このことによって、該当する作業船とその前または後の作業船に対する入域番号または出域番号との入れ替えを行う。新たな出入域番号は該当する作業船に対してダウンリンクされることになる。また「個別情報」ボタンを操作すれば、カーソルで指定されている作業船に関するたとえばトン数などの詳細情報を表示する別のウインドウを開く。また「その他」ボタンを操作すれば、全作業船向けの共通情報の作成画面などの他の画面に切り替わる。 【0042】図18および図19は船上局端末における画面の表示例を示す図である。図18の(A)は航海画面、(B)は投入画面、図19の(A)は文字画面、(B)は運航状況選択画面(ウィンドウ)である。図18の(A)に示す航海画面モードでは工事区域全体を含む広域の海図とともに自船の位置、進路をノースアップモードでグラフィック表示するとともに、自船情報、入出域番号、運航確認/指示内容を文字表示する。同図の(B)に示す投入画面モードでは工事区域の特に投入区域付近の海域について、海図とともに自船の位置などをグラフィック表示し、自船情報、投入指示情報などを文字表示する。図19の(A)の文字画面モードでは情報センタからの全船共通のデータと個別の自船宛のデータを文字表示する。同図の(B)の運航状況選択画面(ウィンドウ)では作業船から情報センタへの各種報告および情報センタからの指示に対する確認のボタンおよびその内容を送信する送信ボタンなどを表示する。 【0043】これらの各モードの画面において自船情報としては、基準位置を原点とするx−y座標で表した自船の位置、船速、進路、到着時刻、運航状況および積載量を表示する。また入出域番号として、自船の入域番号および出域番号を表示するとともに、現在入域している船の入域番号および出域している船の出域番号をそれぞれ表示する。これによって待ち順の順番を把握できるようにする。また運航確認/指示内容として自船に対する最新の指示内容またはそれに対する確認内容を時刻とともに表示する。また特に図18の(B)に示す投入画面モードでは、投入指示番号とともに投入すべき位置のxy座標、投入時の北を基準とする船首方位を表示する。 【0044】これらの各画面のモードにおいて画面下部にボタンの表示を行う。これらのうち「文字画面」ボタンを操作すれば図19の(A)に示す文字画面モードとなり、「航海画面」ボタンを操作すれば図18の(A)に示す航海画面モードとなり、「投入画面」ボタンを操作すれば図18の(B)の投入画面モードとなり、さらに「運航状況」ボタンを操作すれば図19の(B)のウインドウが表示されることになる。 【0045】また、これらの各画面のモードにおいて、画面の右下部には新情報の有無を表示する。新情報がある場合、図18の(A)のようにその旨を表示し、図19の(A)の文字画面において、画面左上に全船共通の情報を表示する。この表示内容を読んだ場合には「確認」ボタンを操作することになる。これにより、その確認コードをアップリンクすることになる。 【0046】図18の(B)の投入画面において船型のマークは投入位置と船首方位を示すマークであり、自船の位置がこのマークの中央に入り、且つ船首方位を示す矢印が画面の真上を向くようにした状態で投入を開始すればよい。またこのモードでは風向風速、潮流の流向流速および潮位も合わせて表示する。図19の(B)の運航状況選択ウインドウでは積載量も入力できるようにしている。 【0047】図20、図21は情報センタにおける監視卓の表示画面の例を示す図である。図20は全域表示モードでの表示例であり、海図内の△○□のそれぞれのマークは各種作業船の位置を示す。因みに△は土運船、○はガット船、□はリクレーマ船をそれぞれ表す。これらのマークに付く矢印の方向は進路方位、矢印の長さは船速を示している。このマークの近傍に付されているC−42などの符号は船名に対応する識別符号である。なお、前述した全船共通の情報に対して、確認コードがアップリンクされていない作業船については、そのマークの色を目立つ色に表示する。これにより、たとえば警報情報を一斉同報した際、その確認を行っていない作業船が一目で判別可能となる。またこれらのマークに重畳されている映像はそれらの作業船のレーダエコーであり、マークの付されていないエコーは操業中の漁船や航路帯を航行する客船・貨物船などのその他の船舶のエコーである。また海図上の破線は運航経路であり、この表示によりこの経路に沿って航行する各作業船の位置が容易に把握できる。 【0048】図21は工事区域表示モードでの表示例であり、工事用の局地座標により表示する。 【0049】図20および図21において+マークの近傍に表示されているX,Yの値は十字カーソルの交差位置のxy座標の表示であり、マウス操作などにより十字カーソルを所定の作業船マーク位置に合わせることによって、その作業船に関する情報を画面の右側に表示する。この例では前回に指定した作業船に関する情報と今回指定した作業船に関する情報を併記表示する。作業船に関する情報としては、作業船の位置、船速、進路、到着時刻、運航状況および積載量を表示する。また画面の右側には、さらに気象/海象情報および工事状況を表示する。たとえば入域指示および出域指示を与えた最新の番号、島内の作業船数を土運搬船やリクレーマ船などの作業船の種別ごとに表し、また入域待ちおよび出域待ちの船数を表示する。 【0050】図20、図21における画面下部の各種ボタン表示のうち「ダイアル」ボタンを操作すれば、十字カーソルで指定した作業船を船舶電話等を介して呼び出し、通話できるようになる。また「個別情報」ボタンを操作すれば、十字カーソルで指定した作業船の文字情報を、既に述べたように画面の右側に表示する。「警戒艇」ボタンを操作すれば、警戒艇の出動を要請する電話を自動的にかける。たとえば工事区域内に管理対象外の未確認の船舶が接近してきた際、この操作を行う。「工事区域表示」ボタンを操作すれば、図21に示す画面に切り替え、「全域表示」ボタンを操作すれば図20に示す状態に切り替える。 【0051】図22は船上局端末の構成を示すブロック図であり、基本的にパソコンで構成する。同図においてCPUはROMに予め書き込まれたIPL(イニシャルプログラムローダ)を実行し、ハードディスクドライブ装置HDDまたはフロッピーディスクドライブ装置FDDのフロッピーディスクに予め書き込まれているプログラムをRAMにロードして実行する。これにより、CPUはシリアルインタフェースを介してVTSトランスポンダ船上局から受信データを入力し、また送信データを出力する。またCPUはGPS受信機22から測位データを入力する。さらにCPUはトラックボールおよびキーボードの操作内容を読み取って、後述する処理を行い、表示すべきデータを表示インタフェースに書き込んでCRTに表示する。 【0052】図23は情報センタにおける出入域管理装置の出域管理装置、入域管理装置、および監視卓の構成を示す図である。これらはLANインタフェースを備えることと、ポインティングデバイスとしてマウスを用いることを除いて、船上局端末と略同様の構成である。 【0053】図24は船上局端末の航海画面モードでの処理内容を示すフローチャートである。このモードでは、まず自船位置、自船の航跡データおよび海図データをもとにノースアップ画面データを生成し、これを表示メモリに書き込む。続いて図18の(A)に示したように自船情報、入出域番号、運航確認/指示の表示をそれぞれ行い、さらに画面モード切替ボタンの表示を行う。そして画面モード切替ボタンの操作が行われるまでこの処理を繰り返す。画面モード切替ボタンが操作されたなら、それに対応する画面モードの処理へ移る。図25は船上局端末における投入画面モードの処理内容を示すフローチャートである。このモードでは、まず自船位置、自船の航跡データおよび海図データをもとに、投入方位を画面の上方とする画面データを生成し、これを表示メモリに書き込む。続いて図18の(B)に示したように自船情報、投入指示の表示をそれぞれ行い、さらに画面モード切替ボタンの表示を行う。そして画面モード切替ボタンの操作が行われるまでこの処理を繰り返す。画面モード切替ボタンが操作されたなら、それに対応する画面モードの処理へ移る。 【0054】図26は船上局端末における文字画面モードでの処理内容を示すフローチャートである。まず全作業船に対する共通情報としてダウンリンクされた情報を表示し、自船宛にダウンリンクされた作業指示内容を表示する。以降は他の画面モードの場合と同様に、自船情報、入出域番号、運航確認/指示の表示をそれぞれ行い、さらに画面モード切替ボタン等の表示を行う。そして確認ボタンが操作されたなら、その確認コード(運航報告/指示確認コード)を設定する。これにより、VTSトランスポンダ船上局の作用により、運航報告/指示確認コードを含むアップリンクデータが所定のタイムスロットで送信されることになる。また、次頁ボタンが操作されたなら、共通情報表示の際、次頁の表示を行う。もし画面モード切替ボタンが操作されたなら、それに対応する画面モードの処理へ移る。 【0055】図27は船上局端末における運航状況選択ウインドウでの処理内容を示すフローチャートである。まず各種報告/確認ボタンやその他の送信ボタンなどを表示し、それらの操作の有無を読み取る。所定のボタンが操作されたなら、その内容を一時記憶し、その後送信ボタンが操作されたなら、該当の運航報告/指示確認コードをアップリンクデータに載せるべきコードとして設定する。また、操作されたボタンの表示を未操作のボタンとは異なった表示して、運航状況の報告をどこまで行ったかを判読可能とする。これにより、VTSトランスポンダ船上局の作用により、運航報告/指示確認コードを含むアップリンクデータが所定のタイムスロットで送信されることになる。尚、キャンセルボタンが操作されたなら、この運航状況選択ウインドウを消去する。 【0056】図28は出入域管理装置のうち入域管理を行う装置の処理手順を示すフローチャートである。まず、入域番号順に図17の(A)に示したように各項目の表示を行い、往路隻数、待ち隻数、入域数をそれぞれ表示し、各種ボタンの表示を行う。何らかのボタン操作が行われるまでは上記の処理を繰り返して最新の状況を常に表示する。これに合わせてマウス操作による入力を読み取り、画面内のいずれかの箇所がクリックされたなら、その箇所に横一直線のカーソルを表示させる。そしてたとえば「確認/指示」ボタンが操作されたなら、カーソル位置で示される作業船に応じた運航確認/指示コードを該当の作業船のVTSトランスポンダ船上局宛のダウンリンクデータに載せるべきコードとして設定する。これにより、VTSトランスポンダ基地局の作用により、運航確認/指示コードを含むダウンリンクデータが送信されることになる。また、これにより図28における最初のステップで入域番号順に各項目を表示する処理で、今回の確認または指示を行った時刻を該当の欄に表示することになる。また「順位上げ」ボタンまたは「順位下げ」ボタンが操作されたなら、カーソル位置の作業船とその前または後ろの順位の作業船の入域番号とを交換する。すなわち、該当する2つの作業船のVTSトランスポンダ船上局に対するダウンリンクデータの出入域番号を変更する。これにより、VTSトランスポンダ基地局の作用により、その後のダウンリンクによって該当の作業船に対する入域番号の割当が更新されることになる。また「個別情報」ボタンが操作されたなら、カーソル位置の作業船について、位置、船速、進路、運航状況、積載量等の詳細な情報を別のウインドウで表示する。 【0057】出域管理装置の処理についても入域管理の場合と基本的に同様であるのでここではフローチャートを省略する。 【0058】図29は監視卓の処理内容を示すフローチャートである。まず現在選択されているモードに応じて、各作業船の位置、船速、進路、種別、および海図データを基に、図20に示した全域表示画面または図21に示した工事区域表示画面のいずれかのデータを生成し、その表示を行う。ここで、前述した全船共通の情報に対して、確認コードがアップリンクされていない作業船については、そのマークの色を目立つ色に表示する。これにより、たとえば警報情報を一斉同報した際、その確認を行っていない作業船を一目で判別可能とする。続いて、気象/海象情報を表示し、工事状況の表示を行い、さらに各種ボタンの表示を行う。ボタン操作が行われるまでは上記の処理を繰り返して、常に最新のデータを基にグラフィックおよび文字の表示を行う。何らかのボタン操作が行われれば、前述したようにそのボタンに応じた処理を行う。 【0059】なお、図2に示したVTSトランスポンダ制御装置11は各作業船からのアップリンクデータを高速ディジタル専用回線を介して受信するとともに、これらを各作業船別のデータとし、データベース/サーバ15へ格納/更新する。 【0060】上述した監視卓と出入域管理装置の操作結果は全てLANを介して図2に示したデータベース/サーバ15に書き込まれる。これにより、情報センタ内の監視卓、出入域管理装置、VTSトランスポンダ制御装置等は、他の装置の操作結果を共有できる。また、監視卓や出入域管理装置を2台以上設置して複数のオペレータが並行して操作することも可能となる。 【0061】上述の運航管理システムにおいては、10秒間を250のタイムスロットに分割し、最大250隻の作業船がそれぞれ10秒周期で順次アップリンクするようにしたが、各作業船に対してタイムスロットをダイナミックに割り当ててもよい。たとえば重要な作業船については、そのアップリンクが短周期で行われ、重要でない作業船については、そのアンプリンクが長周期で行われるように、タイムスロットの割当を行うようにしてもよい。その例を図30〜図33を参照して説明する。 【0062】図30は重要度に応じた4種類の作業船についてのアップリンク周期と割当隻数などとの関係を示す図である。(A)の例では、1秒周期でアップリンクする作業船として10隻分を割り当て、5秒周期でアップリンクする作業船として10隻分を割り当て、10秒周期でアップリンクする作業船として50隻分を割り当て、さらに1分周期でアップリンクする作業船として480隻分を割り当てる。1スロットは0.04ms、1周期は1分であり、1分間に最大1500スロットのアップリンクを行う。この(A)の例では、1500スロットを550隻の作業船が使用する。一方(B)の例は、既に示した運航管理システムで採用したものに相当するものであり、10秒周期でアップリンクする作業船として250隻分を割り当てる。このように、1周期のタイムスロットが1500で同じであっても、それを使用する作業船の最大数は、アップリンク周期の割り当てに応じて変化する。 【0063】上記1秒周期でアップリンクする作業船はたとえば工事区域内の島内の作業船、5秒周期でアップリンクする作業船はたとえば工事区域内の他の作業船、10秒周期でアップリンクする作業船はたとえば土桟橋の作業船、1分周期でアップリンクする作業船はたとえば往路中の作業船、復路中の作業船またはその他の作業船である。 【0064】図31は図30の(A)に示した割り当て方での各作業船からのアップリンクのタイミング例を示す図である。同図においてスロットの数値はタイムスロット番号、括弧内の数値はその部分の連続するタイムスロットの数である。この例では、1秒周期でアップリンクする10隻の作業船はタイムスロット0〜9,25〜34,50〜59,75〜84・・・1475〜1484でそれぞれアップリンクし、5秒周期でアップリンクする10隻の作業船はタイムスロット10〜19,130〜139,260〜269,・・・でそれぞれアップリンクし、10秒周期でアップリンクする50隻の作業船はタイムスロット20〜24,35〜49,60〜74,85〜99・・・の合計50スロットでアップリンクし、1分周期でアップリンクする480隻の作業船はタイムスロット110〜124,140〜224,235〜249・・・1485〜1499の合計480スロットでアップリンクする。これを1分周期で繰り返す。 【0065】このようにタイムスロットをダイナミックに割り当てる場合の作業船側および情報センタ側の構成は、先の実施形態で示したものと基本的に同様であるが、情報センタから各作業船へダウンリンクされるデータに含まれる「タイムスロット指定データ」としては、1分周期の最初のタイムスロット番号とアップリンク周期を表すデータとする。そしてVTRトランスポンダ船上局はタイムスロット設定レジスタにデータを設定する際、上記1分周期の最初のタイムスロット番号とアップリンク周期を表すデータとを基に、次に送信すべきタイムスロットの番号を設定する。 【0066】以上に示した例では、各作業船が所定周期で必ずアップリンクするようにしたが、たとえば通信区域外に出ようとする作業船にまで、タイムスロットを割り当てておく必要はない、また、タイムスロットを割り当てていない作業船が通信区域外から通信区域内に入った場合、その作業船に対して新たにタイムスロットを割り当てる必要がある。この場合、船上局端末は図32に示す処理を行い、入域管理装置は図33に示す処理を行う。 【0067】すなわち船上局は、図32に示すように、タイムスロットが割り当てられていない状態で、GPS受信機の測位結果により自船が通信区域内に入ったことを検知すれば、情報センタに対してタイムスロットの割当を要求する。その際、タイムスロットの割当要求用に予め設定している幾つかのタイムスロットのうち1つを乱数により定めて、そのタイムスロットを用いてタイムスロットの割当要求を行う。その後、一定時間(たとえば20秒)が経過しても情報センタからタイムスロットの割当がなければ、他のタイムスロットの割当要求用のタイムスロットを乱数により定めて、そのタイムスロットを用いて再度タイムスロットの割当要求を行う。情報センタからタイムスロットの割当があれば、以降そのタイムスロットを用いて定められた周期でアップリンクを行う。また、タイムスロットが割り当てられている状態で、GPS受信機の測位結果により自船が通信区域外へ出ようとすることを検知すれば、情報センタに対してタイムスロットの割当解除を要求する。なお、上述したように、タイムスロットの割当要求用に予め設定している幾つかのタイムスロットのうち1つを乱数により定めて用いることにより、他の作業船によるタイムスロットの割当要求との混信を防止する。 【0068】入域管理装置は図33に示すように、作業船(船上局端末)からのタイムスロット割当要求を受ければ、ダウンリンクにより該当の作業船(船上局端末)にタイムスロットの割当を行う。また、タイムスロットの割当解除要求を受ければ、その作業船に対するタイムスロットの割当を解除する。この解除されたタイムスロットは他の作業船に対して必要に応じて割り当てることになる。 【0069】なお、以上に示した例ではアップリンクとダウンリンクを別の周波数の電波を用いて行うようにしたが、これを1周波で行うことも可能である。たとえば、毎秒の前半の0.5秒をダウンリンクに割り当て、後半の0.5秒をアップリンクに割り当てることも可能である。この場合、通信容量が半減するが、アップリンクとダウンリンクによるデータの更新周期がある程度遅くなってもよいシステムや、子局の数が少ないシステムに使用できる。 【0070】 【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、GPS衛星からの電波の受信により生成した基準タイミング信号に同期してタイムスロットを設け、そのタイムスロットのタイミングで各子局から親局へ順次データを送信するようにしたため、ポーリング方式とは異なり、親局から各子局への送信勧誘を行う必要がなく、限られた時間内に多数の子局からのデータを収集することが可能となる。 【0071】請求項2に記載の発明によれば、親局から各子局に対して個別情報および共通情報を周期的に与えることができ、親局と複数の子局との間でデータ通信を効率的に行えるようになる。 【0072】請求項3に記載の発明によれば、時刻同期の異常な子局を検出することができ、以降はその異常な子局に対して送信許可を与えないことにより、時分割多重通信システムを復旧させることができる。 【0073】請求項4に記載の発明によれば、親局から各子局に対してそれらの子局が設けられている作業船の行うべき作業を指示するとともに、その応答を親局で確認することができ、また各子局からの報告内容を親局で確認することも可能となるため、一定航路を一定の作業順序で作業を行う作業船と情報センタとの間で報告/確認を行いながら容易に運航管理できるようになる。 【0074】請求項5に記載の発明によれば、何らかの指示に対して未応答の作業船を容易に把握でき、また、たとえば情報センタが全作業船に対する指示情報として何らかの警報を発したとき、その警報に未応答の作業船を情報センタ側で把握できるので、安全管理にも利用できる。 【0075】請求項6に記載の発明によれば、親局と各子局との間で各移動体の運航に関する情報を確実に送受信でき、運航管理が容易となる。 【0076】請求項7に記載の発明によれば、親局と各子局との間で各移動体の運航に関する情報の伝送およびその確認を行うことができ、運航管理が容易となる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000166247 【氏名又は名称】古野電気株式会社 【識別番号】598064761 【氏名又は名称】関西国際空港用地造成株式会社 【識別番号】594141727 【氏名又は名称】関西国際空港株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)11月27日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】小森 久夫
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| 【公開番号】 |
特開平11−160411 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)6月18日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−325872 |
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