| 【発明の名称】 |
無線方向探知機 |
| 【発明者】 |
【氏名】比嘉 盛雄
|
| 【要約】 |
【課題】無線方向探知機の性能向上を目的とする。
【解決手段】アンテナ部を1組または複数組のアレーアンテナで構成し、上記各アレーアンテナは、金属平板の上に複数個のアンテナ素子を並べた直線アレーアンテナで構成した。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数個のアンテナ素子から成るアンテナ部と、上記アンテナ部に接続された複数個の受信機と、上記受信機の出力を取り込み、A/D変換しかつディジタル処理を行う信号処理部とを備え、各アンテナ素子で受信した到来電波をディジタル信号処理することにより到来電波の方向を探知する無線方向探知機において、上記アンテナ部を、1組または複数組のアレーアンテナで構成し、上記各アレーアンテナは、金属平板の上に複数個のアンテナ素子を並べた直線アレーアンテナとしたことを特徴とする無線方向探知機。 【請求項2】 複数個のアンテナ素子から成るアンテナ部と、上記アンテナ部に接続された複数個の受信機と、上記受信機の出力を取り込み、A/D変換しかつディジタル処理を行う信号処理部とを備え、各アンテナ素子で受信した到来電波をディジタル信号処理することにより到来電波の方向を探知する無線方向探知機において、上記アンテナ部を、複数組のアレーアンテナと上記各アレーアンテナの中の1組の出力を切替選択して上記受信機に送る切替装置とで構成し、上記各アレーアンテナは、金属平板の上に複数個のアンテナ素子を並べた直線アレーアンテナとし、かつ、上記信号処理部の一部を、上記各アレーアンテナの出力を順次切り替えて使用する手段と、到来電波の入射方向により上記各アレーアンテナの中の1個を選択し、上記選択した1個のアレーアンテナの出力を連続して使用する手段とで構成したことを特徴とする無線方向探知機。 【請求項3】 複数個のアンテナ素子から成るアンテナ部と、上記アンテナ部に接続された複数個の受信機と、上記受信機の出力を取り込み、A/D変換しかつディジタル処理を行う信号処理部とを備え、各アンテナ素子で受信した到来電波をディジタル信号処理することにより到来電波の方向を探知する無線方向探知機において、上記アンテナ部を、複数組のアレーアンテナと上記各アレーアンテナの中の1個の出力を切替選択して上記受信機に送る切替装置とで構成し、上記各アレーアンテナは、金属平板の上に複数個のアンテナ素子を並べた直線アレーアンテナとし、かつ、上記信号処理部の一部を、上記各アレーアンテナの出力を順次切り替えて使用する手段と、到来電波の入射方向により上記各アレーアンテナの中の1組を選択し、上記の選択した1組のアレーアンテナの出力を連続して使用する手段と、到来電波の入射方向と上記使用中のアレーアンテナの金属平板に垂直な方向との成す角度が設定角度を越えたときに、連続して使用するアレーアンテナを切り替える手段とで構成したことを特徴とする無線方向探知機。 【請求項4】 複数個のアンテナ素子から成るアンテナ部と、上記アンテナ部に接続された複数個の受信機と、上記受信機の出力を取り込み、A/D変換しかつディジタル処理を行う信号処理部とを備え、各アンテナ素子で受信した到来電波をディジタル信号処理することにより到来電波の方向を探知する無線方向探知機において、上記アンテナ部を、複数組のアレーアンテナと上記各アレーアンテナの中の1組の出力を切替選択して上記受信機に送る切替装置とで構成し、上記各アレーアンテナは、金属平板の上に複数個のアンテナ素子を並べた直線アレーアンテナとし、かつ、上記信号処理部の一部を、上記各アレーアンテナの出力を順次切り替えて使用する手段と、到来電波の入射方向により上記各アレーアンテナの中の1組を選択し、上記の選択した1組のアレーアンテナの出力を連続して使用する手段と、到来電波の入射方向と上記使用中のアレーアンテナの金属平板に垂直な方向との成す角度が、隣接する2個のアレーアンテナの金属平板に垂直な方向の成す角度の2分の1よりも大きな設定角度を越えたときに、連続して使用するアレーアンテナを切り替える手段とで構成したことを特徴とする無線方向探知機。 【請求項5】 複数個のアンテナ素子から成るアンテナ部と、上記アンテナ部に接続された複数個の受信機と、上記受信機の出力を取り込み、A/D変換しかつディジタル処理を行う信号処理部とを備え、各アンテナ素子で受信した到来電波をディジタル信号処理することにより到来電波の方向を探知する無線方向探知機において、上記アンテナ部を、複数組のアレーアンテナと上記各アレーアンテナの中の1組の出力を切替選択して上記受信機に送る切替装置とで構成し、上記各アレーアンテナは、金属平板の上に複数個のアンテナ素子を並べた直線アレーアンテナとし、かつ、上記信号処理部の一部を、上記各アレーアンテナの出力を順次切り替えて使用する手段と、到来電波の入射方向により上記各アレーアンテナの中の1組を選択し、上記の選択した1組のアレーアンテナの出力を連続して使用する手段と、定期的に上記全アレーアンテナの出力を順次切り替えて使用する手段とで構成したことを特徴とする無線方向探知機。 【請求項6】 複数個のアンテナ素子から成るアンテナ部と、上記アンテナ部に接続された複数個の受信機と、上記受信機の出力を取り込み、A/D変換しかつディジタル処理を行う信号処理部とを備え、各アンテナ素子で受信した到来電波をディジタル信号処理し、混信分離アルゴリズムを用いて同一周波数の複数到来波がある場合にもそれぞれの方向と電界強度を探知する無線方向探知機において、上記アンテナ部を、複数組のアレーアンテナと上記各アレーアンテナの中の1組の出力を切替選択して上記受信機に送る切替装置とで構成し、上記各アレーアンテナは、金属平板の上に複数個のアンテナ素子を並べた直線アレーアンテナとし、かつ、上記信号処理部の一部を、上記各アレーアンテナの出力を順次切り替えて使用する手段と、複数到来電波の電界強度の大きさの順位のうち、任意の順位の到来波を指定波としてオペレータが選択できる手段と、上記指定波の到来電波の入射方向により上記各アレーアンテナの中の1組を選択し、上記の選択した1組のアレーアンテナの出力を連続して使用する手段とで構成したことを特徴とする無線方向探知機。 【請求項7】 複数個のアンテナ素子から成るアンテナ部と、上記アンテナ部に接続された複数個の受信機と、上記受信機の出力を取り込み、A/D変換しかつディジタル処理を行う信号処理部とを備え、各アンテナ素子で受信した到来電波をディジタル信号処理し、混信分離アルゴリズムを用いて同一周波数の複数到来波がある場合にもそれぞれの方向と電界強度を探知する無線方向探知機において、上記アンテナ部を、複数組のアレーアンテナと上記各アレーアンテナの中の1組の出力を切替選択して上記受信機に送る切替装置とで構成し、上記各アレーアンテナは、金属平板の上に複数個のアンテナ素子を並べた直線アレーアンテナとし、かつ、上記信号処理部の一部を、上記各アレーアンテナの出力を順次切り替えて使用する手段と複数到来波の電界強度の大きさの順位のうち、任意の順位の到来波を指定波としてオペレータが選択できる手段と、上記指定波の到来電波の入射方向により上記各アレーアンテナの中の1組を選択し、上記の選択した1組のアレーアンテナの出力を連続して使用する手段と、上記指定波の入射方向と上記使用中のアレーアンテナの金属平板に垂直な方向との成す角度が設定角度を越えたときに、連続して使用するアレーアンテナを切り替える手段とで構成したことを特徴とする無線方向探知機。 【請求項8】 複数個のアンテナ素子から成るアンテナ部と、上記アンテナ部に接続された複数個の受信機と、上記受信機の出力を取り込み、A/D変換しかつディジタル処理を行う信号処理部とを備え、各アンテナ素子で受信した到来電波をディジタル信号処理し、混信分離アルゴリズムを用いて同一周波数の複数到来波がある場合にもそれぞれの方向と電界強度を探知する無線方向探知機において、上記アンテナ部を、複数組のアレーアンテナと上記各アレーアンテナの中の1組の出力を切替選択して上記受信機に送る切替装置とで構成し、上記各アレーアンテナは、金属平板の上に複数個のアンテナ素子を並べた直線アレーアンテナとし、かつ、上記信号処理部の一部を、上記各アレーアンテナの出力を順次切り替えて使用する手段と、複数到来電波の電界強度の大きさの順位のうち、任意の順位の到来波を指定波としてオペレータが選択できる手段と、上記指定波の到来電波の入射方向により上記各アレーアンテナの中の1個を選択し、上記の選択した1個のアレーアンテナの出力を連続して使用する手段と、上記指定波の入射方向と上記使用中のアレーアンテナの金属平板に垂直な方向との成す角度が、隣接する2個のアレーアンテナの金属平板に垂直な方向の成す角度の2分の1よりも大きな設定角度を越えたときに、連続して使用するアレーアンテナを切り替える手段とで構成したことを特徴とする無線方向探知機。 【請求項9】 複数個のアンテナ素子から成るアンテナ部と、上記アンテナ部に接続された複数個の受信機と、上記受信機の出力を取り込み、A/D変換しかつディジタル処理を行う信号処理部とを備え、各アンテナ素子で受信した到来電波をディジタル信号処理し、混信分離アルゴリズムを用いて同一周波数の複数到来波がある場合にもそれぞれの方向と電界強度を探知する無線方向探知機において、上記アンテナ部を、複数組のアレーアンテナと上記各アレーアンテナの中の1組の出力を切替選択して上記受信機に送る切替装置とで構成し、上記各アレーアンテナは、金属平板の上に複数個のアンテナ素子を並べた直線アレーアンテナとし、かつ、上記信号処理部の一部を、上記各アレーアンテナの出力を順次切り替えて使用する手段と、複数到来電波の電界強度の大きさの順位のうち、任意の順位の到来波を指定波としてオペレータが選択できる手段と、上記指定波の到来電波の入射方向により上記各アレーアンテナの中の1個を選択し、上記の選択した1個のアレーアンテナの出力を連続して使用する手段と、定期的に上記全アレーアンテナの出力を順次切り替えて使用する手段とで構成したことを特徴とする無線方向探知機。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、不特定の方向から到来する電波の到来方向を測定する無線方向探知機に関するものである。 【0002】 【従来の技術】図14は従来の無線方向探知機の構成を示すブロック図であり、図において、1−1〜1−Mはアンテナ素子、2−1〜2−Mは上記複数のアンテナ1−1〜1−Mにそれぞれ対応して設けられた受信機、3は上記複数の受信機2−1〜2−Mの受信信号が入力され、それを処理する信号処理部である。図15は従来の信号処理部3で行う方向探知処理のフローチャート例である。図16は従来のアンテナ素子の配列例を示す図である。 【0003】次に動作について説明する。不特定の方向から到来した電波は、複数のアンテナ素子1に入射する。上記の入射した信号は、上記複数のアンテナ素子それぞれに対応して接続された複数の受信機2を経由して信号処理部3に取り込まれる。信号処理部3では、上記複数の信号をA/D変換した後、ディジタル信号処理し、到来電波の方向を算出する。到来電波の方向を算出する手順の一例を、図15のフローチャートに従って説明する。まず、マルチビーム形成4を行う。マルチビーム形成4とは、図17に示すように、数1に従って複数の信号S1〜SMに所定の複素係数を乗じた後合成した合成ビーム5を、ボアサイト方向を一定角度間隔で変化させながら、方向探知を行う全対象角度範囲を覆うまでK回繰り返し計算することである。 【0004】 【数1】
【0005】次に、マルチビーム振幅比較6を行う。すなわち、各合成ビーム5の振幅を比較し、振幅が最大となる合成ビームを特定する。最後にモノパルス方探7を行う。モノパルス方探7では、信号処理部3で、図2に従って、上記複数の信号S1〜SMに所定の複素係数を乗じた後合成し、図18に示すような、ボアサイト方向に主ビームを持つ和パターン8と、ボアサイト方向にヌル点を持つ差パターン9とを形成する。 【0006】 【数2】
【0007】この場合のボアサイト方向は、マルチビーム振幅比較6で特定した振幅が最大となる合成ビームのボアサイト方向と一致させる。和パターンの合成後出力Σと、差パターンの合成後出力Δの比Δ/Σ10は図19に示すように、ボアサイト方向の近傍では到来電波の入射角度を変数とする単調関数となり、従ってΔ/Σの値から到来電波の入射方向を算出できる。上記は到来電波が1波の場合の処理手順例を示したが、同一周波数帯の複数の到来電波がある場合に、それぞれの到来方位を算出する他の処理手順例を、図20のフローチャートに示す。図20は、例えばIEEE Trans.,AP−34,3,pp.276−280(1986)に示されているMUSIC(MUltiple SIgnal Classification)と呼ばれる処理方法である。MUSICでは、原理的には、アンテナ素子数−1個の到来電波の方位をそれぞれ算出することができる。 【0008】また、従来の複数のアンテナ素子1の配列は、水平面内の全角度範囲を探知する場合には、どの方位から電波が到来しても同様に電波を受信できるように、図16に示すように水平面内に円形に配列するのが一般的である。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】従来の無線方向探知機は以上のように構成されているので、アンテナ部が、周辺地域の中で最も高い鉄塔の最上段等に設置され、かつ、周辺に干渉源となる既存の発信源が存在しないという条件が満たされる場合は、正しく方向探知を行えるが、上記条件が満たされない場合は方位測定誤差が大きくなるという問題点があった。 【0010】この発明は上記のような課題を解消するためになされたもので、周辺の反射物や干渉源が存在する場合にも、方位測定精度の劣化が小さく、従って、設置場所の選定が容易な無線方向探知機を得ることを目的とする。 【0011】 【課題を解決するための手段】第1の発明による無線方向探知機は、アンテナ部を1組または複数組のアレーアンテナで構成し、上記各アレーアンテナは、金属平板の上に複数個のアンテナ素子を並べた直線アレーアンテナで構成したものである。 【0012】また、第2の発明による無線方向探知機は、アンテナ部を、複数組のアレーアンテナと上記各アレーアンテナの中の1組の出力を切替選択して受信機に送る切替装置とから構成し、上記各アレーアンテナは、金属平板の上に複数個のアンテナ素子を並べた直線アレーアンテナとし、かつ、信号処理部の一部を、上記各アレーアンテナの出力を順次切り替えて使用する手段と、到来電波の入射方向により上記各アレーアンテナの中の1個を選択し、上記の選択した1個のアレーアンテナの出力を連続して使用する手段とから構成したものである。 【0013】また、第3の発明による無線方向探知機は、アンテナ部を、複数組のアレーアンテナと上記各アレーアンテナの中の1個の出力を切替選択して受信機に送る切替装置とで構成し、上記各アレーアンテナは、金属平板の上に複数個のアンテナ素子を並べた直線アレーアンテナとし、かつ、信号処理部の一部を、上記各アレーアンテナの出力を順次切り替えて使用する手段と、到来電波の入射方向により上記各アレーアンテナの中の1組を選択し、上記の選択した1組のアレーアンテナの出力を連続して使用する手段と、到来電波の入射方向と上記使用中のアレーアンテナの金属平板に垂直な方向との成す角度が設定角度を越えたときに、連続して使用するアレーアンテナを切り替える手段とから構成したものである。 【0014】また、第4の発明による無線方向探知機は、アンテナ部を、複数組のアレーアンテナと上記各アレーアンテナの中の1組の出力を切替選択して受信機に送る切替装置とから構成し、上記各アレーアンテナは、金属平板の上に複数個のアンテナ素子を並べた直線アレーアンテナとし、かつ、信号処理部の一部を、上記各アレーアンテナの出力を順次切り替えて使用する手段と、到来電波の入射方向により上記各アレーアンテナの中の1組を選択し、上記の選択した1組のアレーアンテナの出力を連続して使用する手段と、到来電波の入射方向と上記使用中のアレーアンテナの金属平板に垂直な方向との成す角度が、隣接する2個のアレーアンテナの金属平板に垂直な方向の成す角度の2分の1よりも大きな設定角度を越えたときに、連続して使用するアレーアンテナを切り替える手段とから構成したものである。 【0015】また、第5の発明によるに係る無線方向探知機は、アンテナ部を、複数組のアレーアンテナと上記各アレーアンテナの中の1組の出力を切替選択して受信機に送る切替装置とから構成し、上記各アレーアンテナは、金属平板の上に複数個のアンテナ素子を並べた直線アレーアンテナとし、かつ、信号処理部の一部を、上記各アレーアンテナの出力を順次切り替えて使用する手段と、到来電波の入射方向により上記各アレーアンテナの中の1組を選択し、上記の選択した1組のアレーアンテナの出力を連続して使用する手段と、定期的に上記全アレーアンテナの出力を順次切り替えて使用する手段とから構成したものである。 【0016】また、第6の発明による無線方向探知機は、アンテナ部を、複数組のアレーアンテナと上記各アレーアンテナの中の1組の出力を切替選択して受信機に送る切替装置とから構成し、上記各アレーアンテナは、金属平板の上に複数個のアンテナ素子を並べた直線アレーアンテナとし、かつ、信号処理部の一部を、上記各アレーアンテナの出力を順次切り替えて使用する手段と、複数到来波の電界強度の大きさの順位のうち、任意の順位の到来波を指定波としてオペレータが選択できる手段と、上記指定波の到来電波の入射方向により上記各アレーアンテナの中の1組を選択し、上記の選択した1組のアレーアンテナの出力を連続して使用する手段とから構成したものである。 【0017】また、第7の発明による無線方向探知機は、アンテナ部を、複数組のアレーアンテナと上記各アレーアンテナの中の1組の出力を切替選択して受信機に送る切替装置とから構成し、上記各アレーアンテナは、金属平板の上に複数個のアンテナ素子を並べた直線アレーアンテナとし、かつ、信号処理部の一部を、上記各アレーアンテナの出力を順次切り替えて使用する手段と複数到来波の電界強度の大きさの順位のうち、任意の順位の到来波を指定波としてオペレータが選択できる手段と、上記指定波の到来電波の入射方向により上記各アレーアンテナの中の1組を選択し、上記の選択した1組のアレーアンテナの出力を連続して使用する手段と、上記指定波の入射方向と上記使用中のアレーアンテナの金属平板に垂直な方向との成す角度が設定角度を越えたときに、連続して使用するアレーアンテナを切り替える手段とから構成したものである。 【0018】また、第8の発明による無線方向探知機は、アンテナ部を、複数組のアレーアンテナと上記各アレーアンテナの中の1組の出力を切替選択して上記受信機に送る切替装置とから構成し、上記各アレーアンテナは、金属平板の上に複数個のアンテナ素子を並べた直線アレーアンテナとし、かつ、信号処理部の一部を、上記各アレーアンテナの出力を順次切り替えて使用する手段と、複数到来波の電界強度の大きさの順位のうち、任意の順位の到来波を指定波としてオペレータが選択できる手段と、上記指定波の到来電波の入射方向により上記各アレーアンテナの中の1個を選択し、上記の選択した1個のアレーアンテナの出力を連続して使用する手段と、上記指定波の入射方向と上記使用中のアレーアンテナの金属平板に垂直な方向との成す角度が、隣接する2個のアレーアンテナの金属平板に垂直な方向の成す角度の2分の1よりも大きな設定角度を越えたときに、連続して使用するアレーアンテナを切り替える手段とから構成したものである。 【0019】また、第9の発明による無線方向探知機は、アンテナ部を、複数組のアレーアンテナと上記各アレーアンテナの中の1組の出力を切替選択して上記受信機に送る切替装置とから構成し、上記各アレーアンテナは、金属平板の上に複数個のアンテナ素子を並べた直線アレーアンテナとし、かつ、信号処理部の一部を、上記各アレーアンテナの出力を順次切り替えて使用する手段と、複数到来波の電界強度の大きさの順位のうち、任意の順位の到来波を指定波としてオペレータが選択できる手段と、上記指定波の到来電波の入射方向により上記各アレーアンテナの中の1個を選択し、上記の選択した1個のアレーアンテナの出力を連続して使用する手段と、定期的に上記全アレーアンテナの出力を順次切り替えて使用する手段とから構成したものである。 【0020】 【発明の実施の形態】 実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1のアンテナ部の構成を示す図であり、11−1〜11−Nはアレーアンテナであり、各アレーアンテナ11は、金属平板12と複数のアンテナ素子1−1〜1−Lとから成る、金属平板12上にアンテナ素子1を配置することにより、アンテナの指向性は図2の例に示すように、金属平板12のアンテナ素子1がある側で利得が高く、反対側で利得が低くなる。これにより、利得が低い角度範囲内に電波の反射体や電波干渉源が存在しても影響を受けにくく、方位測定精度の劣化が小さい。ただし、アンテナ利得が低い角度範囲から電波が到来した場合には方向探知が困難となるので、1個のアレーアンテナ11が受け持つ角度範囲は、アンテナ利得が高い領域に限定する必要があるが、複数のアレーアンテナを向きを変えて設置することにより、水平面内の全角度範囲を探知することも可能である。上記のようにアンテナ部を構成することにより、従来は設置できなかった図3に示すような電波干渉源の存在する建物屋上等や図4に示すような鉄塔中段にも無線方向探知機のアンテナ部を設置することができる。 【0021】実施の形態2.図5はこの発明の実施の形態2の構成を示すブロック図であり、図において1−1〜1−Mはアンテナ素子、2−1〜2−Lは受信機、3は信号処理部、11−1〜11−Nはアレーアンテナ、13は上記各アレーアンテナ11の中の1組の出力を切替選択して上記受信機2に送る切替装置である。実施の形態1で示したように複数のアレーアンテナを使って無線方向探知する場合、各アレーアンテナに対応した受信機を設けることもできるが、受信機は1組とし、各アレーアンテナ11を切替選択して受信することにより、受信機の数量を減らしてコスト低減ができる。切替装置13の切替制御は信号処理部3からの指示により行う。図6にこの発明の実施の形態2の信号処理フローを示す。まず最初に、初期アレーアンテナ選択14を行い、そのアレーアンテナを使ったマルチビーム形成4を行う。次に、アレーアンテナ切替15を行い、再びマルチビーム形成4を行う処理を、全てのアレーアンテナを選択するまで行う。次に全てのアレーアンテナで形成したマルチビームに対してマルチビーム振幅比較6を実施し、電波の概略到来方向を見つける粗方探を行う。次に、電波の到来方位を測定領域とするアレーアンテナを選択16し、以降はこのアレーアンテナに切替装置13を固定し、例えばモノパルス方探7等のアルゴリズムにより詳細に電波の到来方向を測定する精方探を行う。 【0022】実施の形態3.図7はこの発明の実施の形態3の信号処理フローを示す図であり、図において17は到来電波の入射方向と設定角度との比較処理、18は精方探で使用するアレーアンテナの切替処理である。長時間にわたって移動する電波発射源を探知する場合には、図8に示すように、最初に選択した精方探に使用するアレーアンテナ11−Kの測定領域から到来電波の入射方向19がはずれる可能性がある。これに対処するため、測定領域端20を示す設定角度21と、到来波の入射方向を示す入射角度22との差を常時モニタし、入射角度22が設定角度21を越えたときに精方探で使用するアレーアンテナを切り替える。 【0023】実施の形態4.図9はこの発明の実施の形態4の精方探用のアレーアンテナ切替の判定に使用する設定角度を示す図である。実施の形態3で示したように、到来電波の入射方向によって精方探用のアレーアンテナを切り替える場合に、入射方向が設定角度のごく近傍で変動すると、短時間の間に頻繁にアレーアンテナを切り替えることになる。例えば、到来電波の入射方向の測定だけでなく、到来電波を復調して音声もモニタする装置などでは、アレーアンテナを頻繁に切り替えることは復調音声のノイズの要因になる。図9に示すように、設定角度21を、隣接するアレーアンテナの金属平板に垂直な方向23の成す角度の2分の1よりも大きくし、隣接するアレーアンテナの測定領域に重なる部分をつくることにより、アレーアンテナの切替頻度を小さくできる。 【0024】実施の形態5.図10はこの発明の実施の形態5の信号処理フローを示す図であり、24は精方探開始からの経過時間と、設定時間との比較を行う処理である。実施の形態2で、選択した1個のアレーアンテナで精方探を実施している際、他のアレーアンテナの測定領域内に、最初の粗方探時には存在しなかた新たな電波発射源が発生することがあり得る。例えば、全電波源の中で最大受信電力の発射源の方向を探知する目的で無線方向探知機を使用する場合などには、一定時間毎に粗方探を繰り返すことにより、精方探で使用するアレーアンテナを再選択することができる。 【0025】実施の形態6.図11はこの発明の実施の形態6の信号処理フローを示す図であり、25は例えばMUSIC等の、同一周波数帯の複数の到来波が混信している場合にも、それぞれの到来波の方向を探知できる混信分離処理、26は複数到来波の中から方向探知を行う指定波をオペレータ等が選択する処理、16は指定波の到来方位を測定領域とするアレーアンテナを精方探用として選択する処理である。複数の到来波が混信しているときに、それぞれの到来方向を算出できる混信分離機能を持つ無線方向探知機の場合でも、オペレータが複数の到来波の中のどの電波を方向探知するかを選択26すれば、その指定波に対して、実施の形態2と同様に、1個のアレーアンテナ分を1組の受信機のみを使って、粗方探処理と精方探処理を行うことができる。オペレータが指定波を選択する方法としては、例えば、各到来波の電界強度の大きさの順位から指定する方法等が考えられる。 【0026】実施の形態7.図12はこの発明の実施の形態7の信号処理フローを示す図である。混信分離機能を持つ無線方向探知機で、全アレーアンテナを順次切替15ながら混信分離方探処理25を行い、その後指定波を選択し、指定波入射方向を測定領域に含む精方探用アレーアンテナを選択16する。その指定波の入射角度と設定角度を比較17することにより、選択16したアレーアンテナの測定領域から到来電波の入射方向が外れた場合でも、精方探用アレーアンテナを切替18て、方向探知を継続することができる。 【0027】実施の形態8.混信分離機能を持つ無線方向探知機で、実施の形態6と同様に指定波を選択し、その指定波の入射方向が精方探用として選択したアレーアンテナの測定領域端近傍で変動しても、実施の形態4と同様に、隣接するアレーアンテナの測定領域に重なる部分をつくることにより、アレーアンテナの切替頻度を小さくできる。 【0028】実施の形態9.図13はこの発明の実施の形態9の信号処理フローを示す図である。混信分離機能を持つ無線方向探知機において、指定波を選択26および精方探用アレーアンテナ選択16後の混信分離方探処理25中に、新たな電波発射源が発生しても、設定時間毎に全アレーアンテナを順次切替15を行って方探処理を行うことにより、精方探で使用するアレーアンテナを再選択することができる。 【0029】 【発明の効果】第1の発明によれば、電波の反射体や電波の干渉源による方探精度劣化を低減できるという効果がある。 【0030】また、第2の発明によれば、受信機の数量を減らしてコスト低減ができるという効果がある。 【0031】また、第3の発明によれば、到来波の入射方向が変動して、アレーアンテナの測定領域を外れても精方探を継続できるという効果がある。 【0032】また、第4の発明によれば、隣接するアレーアンテナの測定領域境界近傍で到来波の入射方向が変動した場合でも、アレーアンテナの切替頻度を小さくできるという効果がある。 【0033】また、第5の発明によれば、最初に粗方探を行った後に、新たな電波発射源が発生しても方向探知を行えるという効果がある。 【0034】また、第6の発明によれば、混信分離機能を持つ無線方向探知機で、受信機の数量を減らしてコスト低減ができるという効果がある。 【0035】また、第7の発明によれば、混信分離機能を持つ無線方向探知機で、到来波の入射方向が変動して、アレーアンテナの測定領域を外れても精方探を継続できるという効果がある。 【0036】また、第8の発明によれば、混信分離機能を持つ無線方向探知機で、隣接するアレーアンテナの測定領域境界近傍で到来波の入射方向が変動した場合でも、アレーアンテナの切替頻度を小さくできるという効果がある。 【0037】また、第9の発明によれば、混信分離機能を持つ無線方向探知機で、最初に粗方探を行った後に、新たな電波発射源が発生しても方向探知を行えるという効果がある。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000006013 【氏名又は名称】三菱電機株式会社
|
| 【出願日】 |
平成9年(1997)7月8日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】宮田 金雄 (外2名)
|
| 【公開番号】 |
特開平11−23687 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)1月29日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−182322 |
|