| 【発明の名称】 |
電池残容量検出方法、携帯用電子機器の電池容量管理方法、及び携帯用電子機器 |
| 【発明者】 |
【氏名】山田 民夫
【氏名】井上 祐一
【氏名】小山 和宏
【氏名】広富 淳
【氏名】野口 正博
【氏名】武藤 淳
【氏名】川合 昇
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| 【要約】 |
【課題】電池寿命末期を正確に検出すると共にユーザーに適切な電池交換を促すこと。
【解決手段】携帯用電子機器20にセットされている電池11に一定負荷電流を流して得られたその時の電池電圧を示す検出データを携帯用電子機器20で想定される重負荷電流が電池11に流れた場合の最大電位降下電圧に換算し、該換算結果に基づいて電池11の残容量検出を行う。さらに、ユニット毎の作動時及び待機時における各消費電流の実データを予め記憶しておき、ユニットが動作する毎に実データを参照してその時々の消費電力を計算して積算し、電池11の残容量検出を行う。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 携帯用電子機器にセットされている電池の残容量検出方法であって、前記電池に一定負荷電流を流してその時の電池電圧を示す検出データを得、この検出データを前記携帯用電子機器で想定される重負荷電流が前記電池に流れた場合の最大電位降下電圧に換算し、該換算によって得られた結果に基づいて前記電池の残容量検出を行うようにした電池残容量検出方法。 【請求項2】 携帯用電子機器にセットされている電池の残容量検出方法であって、前記携帯用電子機器を構成する回路を複数のユニットに分け、これらのユニットの作動時及び待機時における各消費電流の実データを予め記憶素子に記憶しておき、前記ユニットが動作する毎に前記実データを参照してその時々の消費電力を計算して積算しておき、積算された消費電力の値に基づいて前記電池の残容量検出を行うようにした電池残容量検出方法。 【請求項3】 請求項1記載の方法により電池残容量を検出し、電池残容量が所定値以下となった場合に、前記携帯用電子機器の使用者に電池交換を行うか否かを問う表示を行うようにした携帯用電子機器の電池残容量管理方法。 【請求項4】 請求項2記載の方法により電池残容量を検出し、電池残容量が所定値以下となった場合に、前記携帯用電子機器の使用者に電池交換を行うか否かを問う表示を行うようにした携帯用電子機器の電池残容量管理方法。 【請求項5】 請求項1記載の方法により電池残容量を検出し、電池残容量が所定値にまで減少したときに、電池切れにより動作を停止する旨の表示を行ってから強制的に電源をオフとするようにした携帯用電子機器の電池容量管理方法。 【請求項6】 請求項2記載の方法により電池残容量を検出し、電池残容量が所定値にまで減少したときに、電池切れにより動作を停止する旨の表示を行ってから強制的に電源をオフとするようにした携帯用電子機器の電池容量管理方法。 【請求項7】 請求項1記載の方法で電池残容量を検出すると共に請求項2記載の方法でも電池残容量を検出し、少なくともいずれか一方の検出結果による電池残容量が所定のレベル以下である場合には、電池の寿命警告表示を行うようにした携帯用電子機器の電池容量管理方法。 【請求項8】 請求項7において、いずれか一方の検出結果による電池残容量が所定のレベル以下である場合には、電池切れにより動作を停止する旨の表示を行ってから強制的に電源オフとするようにした携帯用電子機器の電池容量管理方法。 【請求項9】 請求項7において、いずれか一方の検出結果による電池残容量が間もなく前記所定のレベルに達する状態にある場合、前記携帯用電子機器の使用者に電池交換を行うか否かを問う表示を行うようにした携帯用電子機器の電池容量管理方法。 【請求項10】 請求項1または請求項2記載の電池残容量検出方法を採用し、電池の残容量を検出するように構成したことを特徴とする携帯用電子機器。 【請求項11】 請求項3ないし請求項8いずれか一項記載の電池容量管理方法を採用し、電池の容量を管理するように構成したことを特徴とする携帯用電子機器。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、電池残容量検出方法及びこれを用いた携帯用電子機器の電池容量管理方法並びに携帯用電子機器に関するものである。 【0002】 【従来の技術】腕時計、電子手帳の如く電池を電源として用いている携帯用電子機器にあっては、その電池の残存容量を使用者が把握していることが望まれる。特に、携帯用電子機器がCPUを搭載しており、CPUで実行されるプログラムがRAMに格納されているような場合、RAMの内容が電池切れと共に消失してしまうという問題を生じるからである。また腕時計の場合において多機能化を図るため、CPUを搭載して計時以外の各種の機能を果している場合も同様である。さらに、腕時計単機能であったとしても、電池の残存容量を正確に把握できれば電池の交換を適切に行うことができ、電池切れによる時刻表示の突然の停止によって不測の事態が生じるのを回避できる。また、電池の容量は、同一の型式のものであっても製造メーカーによる製品の品質のバラツキや使用する環境温度による消耗度合の変化があるため、画一的に使用時間のみで電池交換を行うことは電池の有効利用を図ることができず、資源の無駄使いになる虞もある。 【0003】このため、従来では、電池の残存容量を検知してこれを管理する方法として、電池電圧を検出して、放電初期と放電末期との電位違いから放電末期電位を検出したとき電池寿命の警告報知を行うようにした方法や、電池から回路に流れ込む電流を電池と回路の間に挿入した微小抵抗の電位降下として検出し、その電位降下の持続時間から電池放電量を求め、電池寿命及び電池残容量表示を行うようにした方法が公知である。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の方法によると、システムが低消費電流モードで動作している場合、放電初期と放電末期との電位差が小さいため、電池残容量の検出が困難である。このため、電池の容量がまだ充分であると誤判断されてしまい、その後システムが高消費電流モードで動作した場合に電池電圧が著しく低下し、システムが動作不能に陥ってしまったり、あるいは、使用環境温度が急変するなどして電池電圧が著しく低下し、システムが動作不能に陥ってしまったりするという不具合があった。 【0005】また、後者の方法によると、システムが低消費電流モード動作時のとき、電池から回路に流れ込む電流を電池と回路の間に挿入した微小抵抗の電位降下が極めて小さいので、その検出回路を付加しなければならず、回路のコストアップ、回路全体の消費電流増加を招くという問題点を有している。さらに、新たにセットされた電池の初期容量が一定でないと電池寿命、電池残量表示が正確に行えないため、同一型式の電池であっても製造メーカーによって電池容量がばらついたりすると電池の残存容量が殆どないにも拘らず電池の容量が充分である等の残量表示が出てしまう虞が生じる。 【0006】このほか、回路を幾つかの回路モジュールに分け、それぞれの回路モジュールの動作時、及び待機時の消費電流を既定値としてROMに定めておき、それら回路モジュールの動作モードと動作時間を監視して電池消費電力を推定し、電池寿命や電池残容量表示を行う方法も提案されているが、やはり新たにセットされた電池の初期容量が一定でないと電池寿命、電池残容量表示が正確に行えないという問題を有している。さらに、幾つかの回路モジュールに分けられたそれぞれの回路モジュールの動作時、待機時の消費電流の既定値のバラツキが小さくできない場合にあっては、電池の残存容量の推定を正確に行うことができないという問題点を有している。 【0007】本発明の目的は、従来技術における上述の問題点を解決することができる電池残容量検出方法及びこれを用いた携帯用電子機器の電池容量管理方法を提供することにある。すなわち、本発明は、1) 電池寿命末期を正確に検出し、ユーザーに適切な電池交換を促す。 【0008】2) 電池の電流供給能力の限界にきたことを正確に検出し、電池の電流供給能力がシステムの正常動作不可能なレベルに達する前にシステム動作を自ら停止し、フラッシュメモリー等の記憶素子の内容破壊防止を図る。 3) 電池残容量をユーザーが知ることができるよう電池残容量を表示させる。ことを目的としている。 【0009】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明の第1の構成では、携帯用電子機器にセットされている電池の残容量検出方法であって、前記電池に一定負荷電流を流してその時の電池電圧を示す検出データを得、この検出データを前記携帯用電子機器で想定される重負荷電流が前記電池に流れた場合の最大電位降下電圧に換算し、該換算によって得られた結果に基づいて前記電池の残容量検出を行うように電池残容量検出方法を構成した。 【0010】この方法によると、実際に電池に流す電流は小さくて済むので電池が寿命末期にあったとしても、残容量検出のために電池電圧が極端に低下せしめられて携帯用電子機器の動作に支障が生じるのを回避しつつ、電池が重負荷電流を供給できるか否かの判別を行うことができる。また、本発明の第2の構成では、携帯用電子機器にセットされている電池の残容量検出方法であって、前記携帯用電子機器を構成する回路を複数のユニットに分け、これらのユニットの作動時及び待機時における各消費電流の実データを予め記憶素子に記憶しておき、前記ユニットが動作する毎に前記実データを参照してその時々の消費電力を計算して積算しておき、積算された消費電力の値に基づいて前記電池の残容量検出を行うように電池残容量検出方法を構成した。 【0011】この方法では、各ユニットにおける電流消費状態を実測してその結果得られた実データをROMその他の記憶素子に記憶させておき、この実データを用いて電池の消費電力の積算を行うから、極めて正確に消費電力の積算を行うことができる。さらに、本発明の第3または第4の構成では、それぞれ前記第1または第2の方法により電池残容量を検出し、電池残容量が所定値以下となった場合に、前記携帯用電子機器の使用者に電池交換を行うか否かを問う表示を行うように携帯用電子機器の電池容量管理方法を構成した。 【0012】さらにまた、本発明の第5または第6の構成では、それぞれ前記第1または第2の方法により電池残容量を検出し、電池残容量が所定値にまで減少したときに、電池切れにより動作を停止する旨の表示を行ってから強制的に電源をオフとするように携帯用電子機器の電池容量管理方法を構成した。これらの方法によると、携帯用電子機器内に蓄えられているデータ、プログラム等が電池電圧の低下により消失するのを未然に防ぐことができる。 【0013】さらにまた、本発明の第7の構成では、前記第1の方法で電池残容量を検出すると共に第2の方法でも電池残容量を検出し、少なくともいずれか一方の検出結果による電池残容量が所定のレベル以下である場合には、電池の寿命警告表示を行うように携帯用電子機器の電池容量管理方法を構成した。この構成によれば、電池の初期容量のバラツキにより電池の実際の容量が少なく、実際には既に寿命末期に来ているにも拘らず電池の残存容量表示が充分な残存量を示しているような場合であっても、電池に実際に負荷電流を流すことによって生じる電池電圧の降下値により電池の寿命末期を確実に検出することができるので、適切な寿命警告表示を行うことができる。逆に、実際には電池が寿命末期にあるが、使用環境温度が高いため、電池に負荷電流を流しても所定の電圧降下が得られない場合には、消費電力の積算による電池の残存容量から電池の寿命末期をチェックすることができる。この結果、電池の寿命末期を確実に検知することができる。 【0014】さらにまた、本発明の第8の構成では、前記第7の構成において、いずれか一方の検出結果による電池残容量が所定のレベル以下である場合には、電池切れにより動作を停止する旨の表示を行ってから強制的に電源オフとするように携帯用電子機器の電池容量管理方法を構成した。さらにまた、本発明の第9の構成では、前記第7の構成において、いずれか一方の検出結果による電池残容量が間もなく前記所定のレベルに達する状態にある場合、前記携帯用電子機器の使用者に電池交換を行うか否かを問う表示を行うように携帯用電子機器の電池容量管理方法を構成した。 【0015】さらにまた、本発明では、前記電池残容量検出方法または全治残容量管理方法を採用して、それぞれ電池の残容量を検出するように、または電池の容量を管理するように携帯用電子機器を構成した。 【0016】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態の一例について説明する。図1は本発明の方法により電池の残容量を検出してその容量を管理するようにした携帯用電子機器の実施の形態の一例を示すブロック図である。この携帯用電子機器20は、電池11を電源とするものであり、システムを制御するCPU1と、マスクROM2、スタティックRAM3及びフラッシュRAM4からなるメモリー部Aと、各種情報を表示する液晶表示パネルモジュール5と、キー操作確認音や警告報知音を発するためのブザー発鳴モジュール6と、暗がりで表示パネルを見やすく照らすためのEL発光モジュール7と、電池11の電圧を検出する時に電池11に一時的に一定の負荷電流を流すための疑似負荷回路8と、他の情報機器と赤外線で通信するための赤外通信モジュール9と、電池11の電圧をAD変換して電池電圧を測定するためのAD変換電池電圧検出モジュール10とを備えている。 【0017】メモリー部AのマスクROM2には、AD変換電池電圧検出モジュール10での電池電圧検出結果による電池容量管理データとして、(1) 量産された製品である携帯用電子機器20において予想される最大負荷消費電流が流れた時の電池11の電圧降下を想定して、電池交換を促すメッセージを表示すべき電池電圧値BLD1を示すデータと、(2) 一旦電池電圧が前記電圧値BLD1となって電池交換を促すメッセージを表示したが、その後電池11の電圧が復帰して電池交換をする必要がなくなり電池交換を促すメッセージを解除するための電池電圧値BLD3を示すデータと、(3) 携帯用電子機器20の正常動作保証ができなくなる電池電圧値BLD2を示すデータとが格納されている。 【0018】メモリー部AのフラッシュRAM4には、アセンブルされた携帯用電子機器20毎に実際に測定された最大負荷消費電流に見合った電池交換を促すメッセージを表示すべき電池電圧値BLD1aと、電池11の電圧が一旦電池電圧値BLD1aとなって電池交換を促すメッセージを表示したが、その後電池電圧が復帰して電池交換をする必要がなくなり電池交換を促すメッセージを解除するための電池電圧値BLD3aと、携帯用電子機器20の正常動作保証ができなくなる電池電圧値BLD2aとが格納されている。 【0019】また、携帯用電子機器20を構成する回路を複数のユニットに分け、これらのユニットの作動時及び待機時における各消費電流の実データを予め記憶しておき、各ユニットが動作する毎に記憶されている実データを参照してその時々の消費電力を計算して積算しておき、積算された消費電力の値に基づいて電池11の残容量検出を行うようにするため、メモリー部AのマスクROM2には、携帯用電子機器20に内蔵されている回路モジュールユニット毎の予想される最大消費電流が流れた時の積算すべき値が、個々のユニットの作動時及び待機時における各消費電力の管理データとして、格納されている。 【0020】更に、この値を用いて積算された電池11の消費電力の積算結果に基づいて求められた電池残容量を管理すべきデータとして、電池交換を促すメッセージを表示すべき電池残容量値BLDY1と、携帯用電子機器20の正常動作保証ができなくなる電池残容量値BLDY2とが、メモリー部AのマスクROM2に格納されている。 【0021】メモリー部AのフラッシュRAM4には、アセンブルされた携帯用電子機器20毎に個々のユニットの実消費電流が測定され、この測定された電流に見合った複数のユニットに分けられた個々のユニットの作動時及び待機時における積算されるべき値が格納されている。この値を用いて積算された電池11の消費電力の積算結果に基づいて求められた電池残容量を管理すべきデータとして、電池交換を促すメッセージを表示すべき電池残容量値BLDY1aと、携帯用電子機器20の正常動作保証ができなくなる電池残容量値BLDY2aとが格納されている。 【0022】次に動作について説明する。先ず、AD変換電池電圧検出モジュール10での電池電圧検出動作について説明する。携帯用電子機器20の電源がオンされると、CPU1はフラッシュRAM4に電池11の容量を管理するための電池電圧値BLD1a、BLD2a、BLD3aのデータが格納されているかどうかをチェックする。 【0023】該データが格納されているときは、以下の動作を行う。携帯用電子機器20の電源がオンされ、動作が開始され軽負荷状態(負荷電流の大きいブザー発鳴モジュール6、EL発光モジュール7、赤外通信モジュール9が駆動されていない状態)である時、CPU1は所定の時間間隔で単パルスの疑似負荷電流を流しながら電池11の電圧をAD変換して電池電圧を監視する。この疑似負荷電流は、電池11の電圧を著しく低下させることのない比較的小さいレベルの一定電流、例えば3.5mAに設定される。このAD変換して求められた電池電圧はフラッシュRAM4に格納されている電池電圧値BLD1a、BLD2a、BLD3aと比較される。 【0024】この比較結果により電池11の電圧が電池電圧値BLD1aと一致していることを検出した場合、図2(a)に示すような電池交換を促すメッセージが表示される。このメッセージに表示されているNoを選択すると表示は元に戻り今までの動作を継続する。一方Yesを選択すると図3(a)の表示となる。使用者が電池交換手順を理解していない場合には、表示メッセージに戻って矢印キーを操作すると、図3(b)〜(i)に示すメッセージが次々と表示される。 【0025】一方、比較の結果、AD変換して求められた電池11の電圧が電池電圧値BLD3aと一致したとき、携帯用電子機器20が電池電圧値BLD1a検知後の電池交換を促すモード状態であれば、このモードは解除される。このような状態は、屋外の寒いところにいたために電池電圧が低下し、その後屋内の暖かいところに戻った場合に電池電圧が回復することによっておこる。AD変換して求められた電池電圧が電池電圧値BLD2aと一致したとき、これ以上携帯用電子機器20の正常動作継続が保証できないとして図2(b)に示す表示を所定の時間表示した後オートパワーオフして図2(c)に示すように、表示が消えて機能停止する。 【0026】携帯用電子機器20の動作が開始し軽負荷状態となっている場合に、負荷電流の大きいブザー発鳴モジュール6、EL発光モジュール7、赤外通信モジュール9などが駆動されると、これらのモジュールが駆動されている間CPU1はAD変換電池電圧検出モジュール10により、電池11の電圧の変化を所定の時間間隔で検出する。このようにして検出された検出電圧が、携帯用電子機器20の正常動作を保証できない電池電圧値BLD1aになったとき、CPU1は直ちに負荷電流の大きいブザー発鳴モジュール6、EL発光モジュール7、赤外通信モジュール9の駆動を停止し、つぎに指定された動作モードを継続する。 【0027】フラッシュRAM4に電池電圧値BLD1a、BLD2a、BLD3aのデータが格納されていなかった時は、電池電圧値BLD1a、BLD2a、BLD3aのデータの代わりにマスクROM2に格納されている電池電圧値BLD1、BLD2、BLD3の値を用いて上述の動作を行う。なお、既に説明したように、疑似負荷電流は携帯用電子機器20の最大負荷電流よりも小さめに設定されており、この疑似負荷電流での電池電圧降下は携帯用電子機器20の最大負荷電流での電池電圧降下よりも小さいので、常に携帯用電子機器20の誤動作に至らない電池電圧範囲で、携帯用電子機器20の正常動作保証ができなくなる電池電圧を検知することができる。 【0028】次に、電池の消費電力を積算する方法によって電池11の残容量を検出する動作について説明する。携帯用電子機器20がパワーオンされると、CPU1はフラッシュRAM4に、量産された携帯用電子機器20個々に内蔵されている回路モジュールの個々のユニットの作動時及び待機時における各消費電力の管理データとして、ユニット毎の動作時、待機時の予想される消費電流が流れた時の積算すべき値と、電池残容量管理データとして電池残容量値BLDY1a、BLDY2aのデータが格納されているかどうかをチェックする。 【0029】これらのデータが格納されているときは、CPU1は以下の動作を行う。携帯用電子機器20がパワーオンされると、CPU1は複数に分けられたユニットを動作状態、待機状態にするたび毎にフラッシュRAM4に格納されている個々のユニットの作動時及び待機時における積算すべき値を参照して消費電力の積算を行い、この積算データと電池残容量管理データである電池残容量値BLDY1a、BLDY2aとを比較する。この比較結果、積算データが電池残容量値BLDY1aと一致すると、図2(a)に示すような電池交換を促すメッセージが表示される。このメッセージに表示されているNoを選択すると表示は元に戻り今までの動作を継続する。この電池残容量検出動作は積算データが電池残容量値BLDY2aと一致したことが検出されるまで繰り返される。 【0030】一方、Yesを選択すると図3(a)に示す表示状態となる。使用者が電池交換手順を理解している場合には、Enterキーを押すと携帯用電子機器20はオートパワーオフ状態となり、なにも表示されない状態となる。使用者が電池交換手順を理解していない場合には、表示メッセージに戻って矢印キーを操作すると、図3(b)〜(i)に示すメッセージが次々と表示される。積算して求められた電池残容量値を示す積算結果が電池残容量値BLDY2aと一致したとき、これ以上正常動作継続が保証できないとして図2(b)に示す表示を所定の時間表示したのち携帯用電子機器20をオートパワーオフして図2(c)に示すように、表示が消えて機能停止する。 【0031】フラッシュRAM4に、量産された携帯用電子機器20個々に内蔵されている回路モジュールを複数のユニットに分けた個々のユニットの作動時及び待機時における各消費電力の管理データとして、ユニット毎の動作時、待機時の予想される消費電流が流れた時に積算すべき値と、電池残容量管理データとしての電池残容量値BLDY1a、BLDY2aのデータが格納されていなかった時は、該データの代わりにマスクROM2に格納されている量産された携帯用電子機器20個々に内蔵されている回路モジュールを複数のユニットに分けた個々のユニットの作動時及び待機時における各消費電力の管理データとして、ユニット毎の動作時、待機時の予想される消費電流が流れた時の積算すべき値と、電池残容量管理データとしての電池残容量値BLDY1a、BLDY2aの値を用いて上述の動作を行う。 【0032】AD変換電池電圧検出モジュール10での電池電圧検出動作と、消費電力の積算による電池容量検出動作とは、同時に平行して行われており、どちらか一方でも電池容量管理データである電池交換を促す値や、システムの正常動作保証できない値を検出すると、電池交換を促すメッセージを表示したり、これ以上正常動作継続が保証できないとして図2(b)に示す表示を所定の時間表示したのちオートパワーオフして図2(c)に示すように、表示が消えて機能停止する動作をする。 【0033】以上の構成によれば、電池電圧を検出するとき比較的小レベルの一定電流を疑似負荷電流として流して電池11の電位降下を生ぜしめ電池電圧を検出するようにしたので、軽負荷電流で検出した電池電圧から電池11が放電末期状態であるか否かを識別し易くなった。また、疑似負荷電流は携帯用電子機器20の最大負荷電流よりも小さめに設定されており、この疑似負荷電流での電池電圧降下は携帯用電子機器20の最大負荷電流での電池電圧降下よりも小さいので、常にシステムの誤動作に至らない電池電圧範囲で、携帯用電子機器20の正常動作保証ができなくなる電池電圧を検知することができるという効果を有する。 【0034】通常、携帯用電子機器20の電池寿命は、量産されてできる製品の最大消費電流となるものにあわせて設定されるのが常であったため、消費電流が少ないものでも電池寿命は最大消費電流のものと一緒にしなければならなかったが、電池の消費電力を積算して電池の容量を検出するに際して、携帯用電子機器20を構成する回路を複数のユニットに分け、これらのユニットの作動時及び待機時における各消費電流の実データを参照してその時々の電力を計算して積算するようにしたので、量産された携帯用電子機器20のうち前記消費電流が少ないものは、電池寿命が長くなるよう設定できるので、電池の有効利用を最大限に図ることができる。 【0035】また、電池交換を問う表示を行うようにしたので電池交換を促す表示が常時なされず、必要な情報のみをディスプレイに表示することができディスプレイの有効活用がはかれる。さらに、電池切れによる動作停止する旨の表示を行ってから強制的に電源をオフとするようにしたので、使用者が操作中に突然表示が消え動作停止してもその理由が容易に知ることができる。また、これにより電池の電流供給能力が携帯用電子機器の正常動作不可能なレベルに達する前に携帯用電子機器を自ら停止させるので、フラッシュメモリ等の記憶素子の内容が破壊されるのを未然に防止することができる。 【0036】 【発明の効果】本発明による効果は以下の通りである。 (1) 電池電圧を検出するとき比較的小レベルの一定負荷電流を流して電池の電位降下を生ぜしめ電池電圧を検出し、軽負荷電流で検出した電池電圧から電池が放電末期状態であるか否かを判別するようにしたので、電池の残容量を識別し易くなった。 【0037】(2) また、一定負荷電流は携帯用電子機器の最大負荷電流よりも小さめに設定されており、この一定負荷電流での電池電圧降下は携帯用電子機器の最大負荷電流での電池電圧降下よりも小さいので、常に携帯用電子機器の誤動作に至らない電池電圧範囲で携帯用電子機器の正常動作保証ができなくなる電池電圧を検知することができるという効果を有する。 【0038】(3) 通常、携帯用電子機器の電池寿命は、量産されてできる製品の最大消費電流となるものにあわせて設定されるのが常であったため、消費電流が少ないものでも電池寿命は最大消費電流のものと一緒にしなければならなかったが、電池の消費電力を積算して電池の容量を検出するに際して、携帯用電子機器を構成する回路を複数のユニットに分け、これらのユニットの作動時及び待機時における各消費電流の実データを参照してその時々の電力を計算して積算するようにしたので、量産された携帯用電子機器のうち消費電流が少ないものは、電池寿命が長くなるよう設定できるので、電池の有効利用を最大限に図ることができる。 【0039】(4) また、電池交換を問う表示を行うようにしたので電池交換を促す表示が常時なされず、必要な情報のみをディスプレイに表示することができディスプレイの有効活用がはかれる。 (5) さらに、電池切れによる動作停止する旨の表示を行ってから強制的に電源をオフとするようにしたので、使用者が操作中に突然表示が消え動作停止してもその理由が容易に知ることができる。 【0040】本発明による構成によれば、自己放電が進んだ電池や、他の機器で使っていた電池を緊急に代用した場合のように、電池の初期容量が規定値を有していなかったり、電池個々の容量値のバラツキで、消費電力の積算による方法では電池残存量表示が十分な残存量を示しているような場合であっても、電池に実際に負荷電流を流すことによって生じる電池電圧の降下値により電池の寿命末期を確実に検出できる。 【0041】また、使用環境温度が低いために、消費電力の積算による方法では電池残存量表示が、十分な残存量を示しているような場合であっても、電池に負荷電流を流した時に電池電圧が異常に低下して機器の誤動作を招くことを防ぐことができる。逆に、実際には電池が寿命末期にあるが、使用環境温度が高いために、電池に負荷電流を流しても所定の電圧降下が得られないばあいには、消費電力の積算による電池の残存容量から電池の寿命末期をチェックする事ができる。 【0042】前記2つの電池残容量検出方法を併用しているので、この結果、電池初期容量のバラツキや、使用環境温度に左右されずに電池の使用不可となる時期を確実に検知することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002325 【氏名又は名称】セイコーインスツルメンツ株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)3月20日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】林 敬之助
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| 【公開番号】 |
特開平11−271407 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)10月8日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−72783 |
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