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【発明の名称】 プログラムによって再構成可能な回路における自己試験方法および自己試験装置
【発明者】 【氏名】深澤 友雄

【氏名】小林 潔

【氏名】松広 一良

【氏名】武谷 健

【要約】 【課題】再構成可能な部品内部における全配線部分のオープン、ショート、ブリッジ故障の全てに関して、故障検出率が高い試験を行うことができるプログラムによって再構成可能な回路における自己試験方法および自己試験装置を提供することを目的とするものである。

【解決手段】再構成が可能な複数の論理回路部品である複数の再構成可能部品と、上記複数の論理回路部品同士の接続が再構成可能である接続用部品とによって構成されている回路において、上記再構成可能部品に、自己試験用回路と上記接続用部品とをプログラムし、上記プログラムされた上記自己試験用回路によって、上記各再構成可能部品と上記装置との故障を検出するものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 再構成が可能な複数の論理回路部品である複数の再構成可能部品と、上記複数の論理回路部品同士の接続が再構成可能である接続用部品とによって構成されている回路において、上記再構成可能部品に、自己試験用回路と上記接続用部品とをプログラムするプログラム段階と;上記プログラムされた上記自己試験用回路によって、上記各再構成可能部品と上記装置との故障を検出する故障検出段階と;を有することを特徴とするプログラムによって再構成可能な回路における自己試験方法。
【請求項2】 請求項1において、上記故障検出段階は、1つの試験パタン中に0の数と1の数とが同数含まれ、0と1とが種々に組み合わされた全ての試験パタンの中から、0から1への変化または1から0への変化が1回だけ生じる試験パタンを除いた試験パタンを要素とする集合であって、互いに異なる試験パタンの集合である試験パタン系列を発生する試験パタン系列発生段階と;上記発生された試験パタン系列を、試験対象の回路の各ピンに逐次的に印加する試験パタン系列印加段階と;上記試験パタン系列印加によって、全ての上記ピンの縮退故障と、プログラム可能な全ての配線のオープン故障、ショート故障と、プログラム可能な全ての2配線間のブリッジ故障とを検出する検出段階と;を有する段階であることを特徴とするプログラムによって再構成可能な回路における自己試験方法。
【請求項3】 再構成が可能な複数の論理回路部品である複数の再構成可能部品と、上記複数の論理回路部品同士の接続が再構成可能である接続用部品とによって構成されている回路において、1つの試験パタン中に0の数と1の数とが同数含まれ、0と1とが種々に組み合わされた全ての試験パタンの中から、0から1への変化または1から0への変化が1回だけ生じる試験パタンを除いた試験パタンを要素とする集合であって、互いに異なる試験パタンの集合である試験パタン系列を発生する試験パタン系列発生手段と;上記各再構成可能部品と上記装置との故障を検出する期待値比較回路と;を有し、上記試験パタン系列発生手段と、上記期待値比較回路とを、上記再構成可能部品にプログラムすることを特徴とするプログラムによって再構成可能な回路における自己試験装置。
【請求項4】 再構成が可能な複数の論理回路部品である複数の再構成可能部品と、上記複数の論理回路部品同士の接続が再構成可能である接続用部品とによって構成されている回路の自己試験方法において、1つの試験パタン中に0の数と1の数とが同数含まれ、0と1とが種々に組み合わされた全ての試験パタンの中から、0から1への変化または1から0への変化が1回だけ生じる試験パタンを除いた試験パタンを要素とする集合であって、互いに異なる試験パタンの集合である試験パタン系列中の試験パタンを生成する試験パタン生成器を、1つの再構成可能部品にプログラムし、他の再構成可能部品に、期待値比較器をプログラムする第1のプログラム段階と;上記試験パタン生成器が上記試験パタンを1つずつ順次プログラムする毎に、上記試験パタン生成器と上記期待値比較器とによる試験を実行する試験実行段階と;上記試験パタン系列中の全ての試験パタンをプログラムし終えたら、次の再構成可能部品を選択し、この選択された再構成可能部品について、上記第1のプログラム段階と上記試験実行段階とを実行し、これら再構成可能部品の選択と、上記第1のプログラム段階と、上記試験実行段階とを繰り返す繰り返し段階と;全ての再構成可能部品について上記試験実行段階が終了したら、上記試験パタン生成器と上記期待値比較器とを上記再構成可能部品にプログラムし直すプログラムし直し段階と;上記接続用部品について、上記第1のプログラム段階、上記試験実行段階、上記繰り返し段階、上記プログラムし直し段階と同様の段階を実行する段階と;を有し、装置上の全ての可能な配線のオープン、ショート、ブリッジ故障を試験するプログラムによって再構成可能な回路における自己試験方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、論理回路や配線がプログラマブルである再構成可能な回路についての製造試験、フィールドにおける試験において、特定の論理回路または実装試験機能とは独立した試験であり、系統的な試験パタン生成によって、低コストで故障検出率の高い試験を実現する方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、大規模回路の設計検証に用いるエミュレータを実現する場合、または、仕様、機能変更に迅速かつ柔軟に対応する装置を実現する場合、論理回路や配線がプログラマブルである再構成可能部品を搭載した装置を利用することが効果的である。つまり、再構成可能部品を試験する場合、再構成可能部品内に試験回路をプログラムし、可変論理ブロック部分を試験する手法が、従来、提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来例においては、部品内におけるプログラム可能な接続回路を含む、全配線部分における発生可能なオープン、ショート、ブリッジの全てを試験することができないという問題がある。
【0004】再構成可能な回路を試験する場合、従来は、LSIテスタを使用し、実装前に部品単体を試験したり、ボードテスタを使用し、ボード上の実配線を試験したり、特定の論理回路または機能をプログラムした後に、機能試験を実行したりしている。
【0005】上記従来の試験方法では、実装前の部品を試験することができ、プログラムされた回路が必要とする特定の回路要素について試験を実行することはできるが、しかし、装置全体としての故障検出率は充分であるとはいえない。
【0006】したがって、上記従来例においては、再構成可能部品を再構成すると、故障が顕在化する可能性があり、また、プログラムされた回路における機能試験についての故障検出率が低いと、試験済みの回路構成であっても、再構成可能部品の運用中に故障が顕在化する可能性がある。
【0007】また、上記従来例において、再構成可能部品の使用中における装置の試験に関して、プログラムされた回路に対する機能試験以外は、試験の方法が存在しないという問題がある。すなわち、再構成可能部品の運用後において、LSIテスタやボードテスタを用いた故障検出率の高い試験パタンを適用する試験を実行することは、極めて困難であり、不十分な故障検出率しか得られないという問題がある。
【0008】本発明は、再構成可能な部品内部における全配線部分のオープン、ショート、ブリッジ故障の全てに関して、故障検出率が高い試験を行うことができるプログラムによって再構成可能な回路における自己試験方法および自己試験装置を提供することを目的とするものである。
【0009】また、本発明は、再構成可能な部品を装置に実装した後、再構成可能部品の使用のためにプログラムされる回路とは独立に、装置全体の縮退故障と、接続のオープン、ショート、配線のブリッジ故障とについて、故障検出率の高い試験を行うことができるプログラムによって再構成可能な回路における自己試験方法および自己試験装置を提供することを目的とするものである。
【0010】さらに、本発明は、再構成可能な回路の再構成可能部品の使用中に、LSIテスタや、ボードテスタ等の試験専用装置を用いることなく、故障検出率の高い試験を実行することができるプログラムによって再構成可能な回路における自己試験方法および自己試験装置を提供することを目的とするものである。
【0011】また、本発明は、再構成可能な回路の再構成可能部品の使用後、異なる機能を再プログラムする前に、対象ボードとボードと装置とを含めた意味での回路について、故障検出率の高い試験を行うことができるプログラムによって再構成可能な回路における自己試験方法および自己試験装置を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、再構成が可能な複数の論理回路部品である複数の再構成可能部品と、上記複数の論理回路部品同士の接続が再構成可能である接続用部品とによって構成されている回路において、上記再構成可能部品に、自己試験用回路と上記接続用部品とをプログラムし、上記プログラムされた上記自己試験用回路によって、上記各再構成可能部品と上記装置との故障を検出するものである。
【0013】
【発明の実施の形態および実施例】図1は、本発明において、試験対象となる再構成可能な回路100aの内部構成を示す図である。
【0014】図2は、本発明の一実施例であるプログラムによって再構成可能な回路100aにおける自己試験装置100を示す図である。
【0015】自己試験装置100は、再構成可能な部品に試験用回路をプログラムし、その後、上記プログラムされた試験用回路が他の再構成可能な部品を試験するものであり、つまり、自動的に自己試験を行うものである。
【0016】プログラムによって再構成可能なボードまたは装置(以下の説明では、ボード、装置の両者を含めた意味として「回路」を使用する)における自己試験装置100は、具体的には、図1に示す回路構成を有する回路(ボードまたは装置)における再構成可能な論理回路部品FPGAi の1つであるFPGAm に、試験パタン生成器TPGをプログラムし、FPGAi とは異なる再構成可能な論理回路部品FPGA1 〜FPGAm-1 、FPGAm+1 〜FPGAn に、期待値比較回路CMPをプログラムし、そして、試験パタン生成器TPGと期待値比較回路CMPとによって、再構成可能な論理回路部品が自己試験を行うものである。
【0017】また、自己試験装置100は、再構成可能な接続用部品(再構成可能な接続用回路SWi1〜SWin)の制御ピンCi1〜Cinにも、試験用の接続パタンを順次プログラムし、その各接続パタン毎に、試験パタン生成器TPGと期待値比較回路CMPとによって、回路を自己試験するものである。
【0018】上記実施例を、再構成可能部品単体に適用する場合、図1に示す再構成可能な論理回路部品FPGAを使用し、再構成可能な接続用部品SWとして、論理回路同士の接続回路を対応させることによって、上記と同様の自己試験を実現することができる。
【0019】次に、上記実施例における試験パタンの生成方法について説明する。
【0020】図3は、上記実施例の試験対象回路をモデル化したクロスバスイッチ回路SWX(N,M)を示す図である。
【0021】クロスバスイッチ回路SWX(N,M)は、ピン数Nのクロスバ状のネットワークである。まず、長さ2Lビットの試験パタン集合P1を生成する方法について説明する。
【0022】1つの試験パタンが、2Lビットで構成され、その構成ビットの半分(Lビット)が0であり、残りの半分(Lビット)が1である。そして、集合PS0(L)は、上記試験パタンの全てを要素とする試験パタン集合(試験パタン系列)であり、この試験パタン集合PS0(L)を入力する。
【0023】試験パタン集合PS0(L)の要素の数は、2Lのビット列から、L個の位置を選択する組み合わせの数となるので、2LL 個である。
【0024】次に、試験パタン集合PS0の中から、(0,…0,1、…、1),(1,…1,0、…、0)のように、1つの試験パタンを構成する2Lビットのうちで、0がL回連続する試験パタンと、1がL回連続する試験パタンとの2つの試験パタン(0から1への変化が1回のみ存在する試験パタンと、1から0への変化が1回のみ存在する試験パタンとの2つの試験パタン)を除いた試験パタン集合PS1を生成する。
【0025】上記Lビットのそれぞれの値を決定する場合、試験パタン集合PS1の要素数をPN(=2LL −2)とし、ピンの数をNとした場合、N≦PNの条件を満たすように、Lの値を選ぶ。このように決定されたLについて、PN通りの試験パタン列を生成し、図3に示すクロバスイッチ回路SWX(N,M)の各入力ピンX1、…、XNに、互いに異なる試験パタン列を与え、上記入力ピンX1、…、XNに与えられた試験パタン列を、クロスバスイッチ回路SWX(N,M)の故障検出試験パタンとする。
【0026】たとえば、L=2である場合、集合PS0(2)の要素数は、42 =6であり、集合PS0(2)={(0,0,1,1),(0,1,0,1),(0,1,1,0),(1,0,1,0),(1,1,0,0),(1,0,0,1),}である。
【0027】集合PS(2)は、集合PS0(2)から、(0,0,1,1)と(1,1,0,0)とを除くことによって、集合PS(2)={(0,1,0,1),(0,1,1,0),(1,0,1,0),(1,0,0,1),}である。
【0028】集合PS(2)の各要素を異なるピンに与えることによって、端子数が4以下の接続用部品の試験を実行することができる。
【0029】上記生成された試験パタン(故障検出用試験パタン)は、次の■〜■の条件を満たしている必要がある。
■ 各ピンに0と1とを、時系列的に入力する試験パタンであること。
■ 各ピンについて、0→1の変化を入力するものであるとともに、1→0の変化をも入力する試験パタンであること。
■ 上記ピンのうちの任意の2つのピンについて、(0,1)と(1,0)とを設定する。つまり、全てのピンから、任意の2つのピンXi、Xjを選択し、これら2つのピンXi、Xjに与えるパタンをPi、Pjとし、そのk番目の論理値をVi(k)、Vj(k)とした場合、(Vi(k),Vj(k))=(0,1)になる場合と、1≠kにおいて、(Vi(k),Vj(k))=(1,0)になる場合が存在するパタン系列である。
【0030】各試験パタン(故障検出用試験パタン)は1と0とを半数づつ含むように設定されているので、条件■が必ず満足される。また、上記のように、(0,…0,1、…、1),(1,…1,0、…、0)の2つの試験パタンが除外されているので、必ず条件■を満足する。
【0031】また、任意の2つの試験パタン系列は必ず異なるようにしてあるので、任意の2端子Xi、Xj(iとjとは等しくない)について、Xi=0,Xj=1になる試験パタンが試験パタン系列中に必ず存在する。
【0032】端子Xiに与える試験パタンと、Xjに与える試験パタンは、条件■によって1の数と0の数とが同じなので、Xi=0,Xj=1という試験パタンがあれば、必ずXi=1,Xj=0という試験パタンが系列中に存在する。したがって、条件■を満足する。
【0033】つまり、端子Xiに与えるパタン系列をPi、端子Xjに与えるパタン系列をPjとすると、パタン系列PiとPjとは、試験パタン生成器TPGによって生成されるパタン系列であるので、次の3つの条件を満たす。
i)長さが2Lであるという条件、ii) L個の論理値は0、他のL個の論理値は1であるという条件、iii)パタン系列PiとPjとは異なるという条件を満たす。
【0034】パタン系列Pi、Pjのk番目の論理値をそれぞれ、Vi(k)、Vj(k)(1≦k≦2L)とする。(Vi(k),Vj(k))は、(1,0)、(0,0)、(1,1)、(0,1)のいずれかの値をとる。これらの数をそれぞれ、以下のように、A、B、C、Dとする。
【0035】
Vi Vj 要素数1 0 A=n≧10 0 B=L−n1 1 C=L−n0 1 D=n≧1上記条件iii)によって、少なくとも1個以上のVi(k)、Vj(k)は異なる。つまり、Vi(k)=1、Vj(k)=0、または、Vi(k)=0、Vj(k)=1となるkが1個以上存在する。そこで、Vi(k)=1、Vj(k)=0となるkがn(nは1以上)個存在すると仮定する。
【0036】すなわち、iV) A=n≧1とする。ii) の仮定によってPjの0の数はLであるので、V)A+B=Lになる。また、同様に、Piの1の数はLであるので、vi) A+C=Lになる。また、同様に、Pjの1の数はLであるので、Vii)C+D=Lになる。
iv) とV)とから、Viii) B=L−nになり、iv) とVi) とから、iX) C=L・nになり、Vii)とiX) とから、X)D=nになる。すなわち、Vi(k)=1、Vj(k)=0になることがあれば、Vi(k’)=0、Vj(k’)=1となることがあり、これらが同数である。
【0037】ところで、条件■によって、全てのピンの縮退故障(理論値が0に固定されているか、1に固定されているかの故障)を検出することが可能である。
【0038】また、条件■によって、オープン故障検出が可能である。さらに、未接続になるようにプログラムされた部分に対応する入力ピンの期待値として固定値を与えた合、条件■を満足する試験パタンを入力すると、ショート故障の検出も可能になる。
【0039】論理回路のスイッチがCMOSで実現されているときに、片方のトランジスタが故障した場合等、1→0の動作、0→1の動作のいずれか一方の動作のみが特に不良になる場合もあるので、1→0の遷移と0→1の遷移との両方が必要である。
【0040】条件■によって、任意の2端子におけるブリッジ故障の検出が可能になる。
【0041】上記実施例による試験の対象回路は、再構成可能部品内および部品間のプログラマブルな接続スイッチ(再構成可能部品同士の間においてプログラマブルな接続スイッチ)であるので、上記クロスバスイッチ用の試験パタン生成における上記説明が一般性を有する。
【0042】上記実施例において、試験パタン生成器TPGと期待値比較回路CMPとを、再構成可能な論理回路部品にプログラムすることによって、再構成可能な回路の自己試験を行うことができる。また、試験パタン生成器TPGが生成した試験パタンを、再構成可能な接続用部品の制御信号として与えることによって、再構成可能な接続用部品を試験することができる。
【0043】次に、試験パタン生成器TPGと、各再構成可能部品と装置との故障を検出する期待値比較回路CMPとについて説明する。
【0044】まず、シフトレジスタによって試験パタン生成器TPGを構成する具体的手段について説明する。
【0045】まず、1つの試験パタン中に0の数と1の数とが同数含まれ、0と1とが種々に組み合わされた全ての試験パタンの中から、0から1への変化または1から0への変化が1回だけ生じる試験パタンを除いた試験パタンを要素とする集合であって、互いに異なる試験パタンの集合である試験パタン系列を、クラス分けする。つまり、シフトすることによって得られる試験パタン系列の集合に、クラス分けする。
【0046】このクラス分けされた試験パタン系列の集合を、PC1,PC2,…とする。試験パタン系列の集合PC1,PC2,…のうちで、その要素である試験パタン系列の数が、試験パタン長2Lと等しい集合PCi1,PCi2、…、PCinのそれぞれから、任意の試験パタン系列P1∈PCi1,P2∈PCi2、…、Pn∈PCinを選び、P1,P2、…、Pnを初期値とするn個のシフトレジスタを構成する。これらn個のシフトレジスタが、試験パタン生成器TPGである。
【0047】図4は、上記実施例における試験パタン生成器TPGを示す図である。
【0048】試験パタン生成器TPGは、シフトレジスタSR1〜SRnによって構成されている。
【0049】つまり、シフトレジスタSR1〜SRnの初期値P1〜Pnは、以下のようなものである場合、P1=(V11 ,V12 、…、V12L
P2=(V21 ,V22 、…、V22L
…Pn=(Vn1 ,Vn2 、…、Vn2L
n個のシフトレジスタSR1、…、SRnへの初期値の設定を、図4に示してある。なお、Vij =0または1であり、1≦i≦nである。
【0050】また、シフトレジスタSR1は、試験パタン列の集合PCi1={(V11 ,V12 、…、V12L),(V12 ,V13 、…、V11 ),……,(V12L,V11 、…、V12L-1)}をシフトするものである。シフトレジスタSR2は、試験パタン列の集合PCi2={(V21 ,V22 、…、V22L),(V22 ,V23 、…、V21 ),……,(V22L,V21 、…、V22L-1)}をシフトするものである。さらに、シフトレジスタSRnは、試験パタン列の集合PCin={(Vn1 ,Vn2 、…、Vn2L),(Vn2 ,Vn3 、…、Vn1 ),……,(Vn2L,Vn1 、…、Vn2L-1)}をシフトするものである。
【0051】図5は、上記実施例において、上記シフトレジスタを2L回、同期させてシフトしたときに、試験パタン生成器TPGの出力ピンに生成される試験パタン系列を示す図である。
【0052】図5に示すように、長さ2Lビットを有し、互いに異なる試験パタンが試験パタン生成器TPGの各ピンに生成される。これら生成された試験パタンは、上記した試験パタン系列である。なお、Xij は、試験パタン生成器TPGの出力ピンである。
【0053】上記実施例によれば、図5に示すように、2L×n本のピン用の試験パタン生成器TPGが生成される。試験パタン系列の集合PCi1,PCi2、…、PCinを選んだ結果、2L×n<Nである場合(すなわち、全ピン数N分の試験パタン系列を生成できない場合)、上記Lの値を1増やし、上記試験パタン生成方法と同様の方法を繰り返せばよい。
【0054】シフトレジスタSR1〜SRnによって試験パタン生成器TPGを構成すれば、回路規模最小の試験パタン生成器TPGを実現することができる。
【0055】たとえば、L=3である場合、2L=6であり、得られる全試験パタン系列PS(3)は、PS(3)={(0,0,1,0,1,1),(0,1,0,0,1,1),(1,0,0,0,1,1),(0,0,1,1,0,1),(0,1,0,1,0,1),(1,0,0,1,0,1),(0,1,1,0,0,1),(1,0,1,0,0,1),(1,1,0,0,0,1),(0,0,1,1,1,0),(0,1,0,1,1,0),(1,0,0,1,1,0),(0,1,1,0,1,0),(1,0,1,0,1,0,),(1,1,0,0,1,0),(0,1,1,1,0,0),(1,0,1,1,0,0),(1,1,0,1,0,0)}である。
【0056】これを、シフト動作によってクラス分けすると、下記の4つのクラスを生成することができる。
【0057】PC1={(0,0,1,0,1,1),(0,1,0,1,1,0),(1,0,1,1,0,0),(0,1,1,0,0,1),(1,1,0,0,1,0),(1,0,0,1,0,1)}
PC2={(0,1,0,0,1,1),(1,0,0,1,1,0),(0,0,1,1,0,1),(0,1,1,0,1,0),(1,1,0,1,0,0),(1,0,1,0,0,1)}
PC3={(1,0,0,0,1,1),(0,0,1,1,1,0),(0,1,1,1,0,0),(1,1,0,0,0,1)}
PC4={(0,1,0,1,0,1),(1,0,1,0,1,0)}
PC1〜PC4のうち、要素の数が、試験パタン長=2L=6と等しいのは、PC1とPC2とであるから、PC1とPC2とを試験パタン集合として選択する。すなわち、PCi1=PC1,PCi2=PC2となる。PC1とPC2とから任意の試験パタン、たとえば、先頭の要素を選択し、これをシフトレジスタSR1とSR2との初期値とする。すなわち、P1=(0,0,1,0,1,1)、P2=(0,1,0,0,1,1)をシフトレジスタの初期値とする。シフトレジスタの各ビットの初期値は、V11=0,V12=0,V13=1,V14=0,V15=1,V16=1であり、V21=0,V22=1,V23=0,V24=0,V25=1,V26=1である。シフトレジスタSR1とSR2とによって12ピン分の試験パタンを発生することができる。
【0058】図6は、上記実施例において、2L=6である場合におけるシフトレジスタSR1とSR2とが発生する試験パタンを示す図である。
【0059】期待値比較回路CMPは、試験パタン生成器TPGとして構成された再構成可能部品に接続された相手の再構成可能部品内に構成したものであり、対応するシフトレジスタSR1〜SRnと初期値設定回路と比較回路と期待値圧縮回路とを構成したものである。
【0060】期待値比較回路CMPにおけるシフトレジスタSR1〜SRnは、試験パタン生成器TPGのシフトレジスタと同期してシフト動作を行い、逐次比較を行う。必要に応じて、上記逐次比較の結果を圧縮回路が圧縮する。そして、排他的論理和を実現する回路によって、期待値比較回路CMPを容易に構成することができる。
【0061】一般に、設定する期待値は、再構成可能な接続用部品の状態によって変化するが、上記実施例では、試験パタン自体を自動的に生成するので、期待値比較を実行する部品内で、試験パタン生成器の状態を生成することによって、試験パタン生成器TPGの試験パタンや接続試験パタンに限らず、試験パタン生成器TPG、期待値比較回路CMPを、それぞれ1種類ずつ回路構成によって実現することができる。
【0062】上記実施例において、再構成可能部品の使用後に上記自己試験を実行する場合、試験パタン生成器TPG、期待値比較回路CMPをプログラムする手段を回路に具備し、試験モードを設け、この試験モード時に、試験パタン生成器TPGまたは期待値比較回路CMPを順次プログラムすること(回路の再構成)によって、自己試験を実現することができる。
【0063】つまり、再構成が可能な複数の論理回路部品である複数の再構成可能部品と、上記複数の論理回路部品同士の接続が再構成可能である接続用部品とによって構成されている回路の自己試験方法において、第1のプログラム段階と、試験実行段階と、繰り返し段階と、プログラムし直し段階と、上記接続用部品について、上記第1のプログラム段階、上記試験実行段階、上記繰り返し段階、上記プログラムし直し段階と同様の段階を実行する段階とを有するようにしてもよい。
【0064】なお、上記第のプログラム段階は、1つの試験パタン中に0の数と1の数とが同数含まれ、0と1とが種々に組み合わされた全ての試験パタンの中から、0から1への変化または1から0への変化が1回だけ生じる試験パタンを除いた試験パタンを要素とする集合であって、互いに異なる試験パタンの集合である試験パタン系列中の試験パタンを生成する試験パタン生成器を、1つの再構成可能部品にプログラムし、他の再構成可能部品に、期待値比較器をプログラムする第1のプログラム段階である。上記試験実行段階は、上記試験パタン生成器が上記試験パタンを1つずつ順次プログラムする毎に、上記試験パタン生成器と上記期待値比較器とによる試験を実行する試験実行段階である。
【0065】上記繰り返す繰り返し段階は、上記試験パタン系列中の全ての試験パタンをプログラムし終えたら、次の再構成可能部品を選択し、この選択された再構成可能部品について、上記第1のプログラム段階と上記試験実行段階とを実行し、これら再構成可能部品の選択と、上記第1のプログラム段階と、上記試験実行段階とを繰り返す繰り返し段階である。上記プログラムし直し段階は、全ての再構成可能部品について上記試験実行段階が終了したら、上記試験パタン生成器と上記期待値比較器とを上記再構成可能部品にプログラムし直すプログラムし直し段階である。
【0066】再構成可能部品の使用中の回路の再構成方法は、複数のプログラムROMを持つ方法、またはホストからダウンロードする方法等、既によく知られている方法のうちで、回路の実現形態に応じて選択すればよい。
【0067】図7は、上記実施例において、試験験される再構成可能な回路としてのボードB1の構成例を示す図である。
【0068】接続再構成可能部品SW0、SW1、……は、複数の再構成可能な論理回路部品FPGA同士を接続するものである。1つの再構成可能な論理回路部品FPGAに着目した場合、44グループ(各5ビット幅)のソースが180個の接続再構成可能部品SW(各5ビット幅)を介して、他の再構成可能な論理回路部品FPGAに接続されている。
【0069】図8は、上記実施例において、再構成可能なボードB1を試験するために、再構成可能なボードB1を、自己試験装置101として構成した例を示すブロック図である。
【0070】自己試験装置101における試験パタン生成器TPGは、試験パタン生成回路がプログラムされている再構成可能部品であり、期待値比較回路CMPが、期待値比較器と圧縮器とがプログラムされている再構成可能部品である。
【0071】図9は、上記実施例における動作を示すフローチャートである。
【0072】1つの再構成可能な論理回路部品FPGAi を、試験パタン生成器TPGとして選択し、シフトレジスタSR1〜SR22をプログラムし、他の再構成可能な論理回路部品FPGAを、期待値比較器CMPとしてプログラムする(S1)。接続部品の制御ピンに接続部品用試験パタンの1つをプログラムする(S2)。試験パタン生成器TPGと期待値比較器CMPを同期してスタートさせ、試験パタン生成として試験結果比較を実行する(S3)。接続部品に与える全試験パタンが終了したか否かを判断し、未了であれば(S4)、接続部品に与える試験パタンを変え(S5)、ステップS2に戻る。全ての再構成可能な論理回路部品FPGAを試験パタン生成器TPGとしてプログラムし終えたか否か判断し(S6)、終了していれば、試験を終了する(S8)、終了でなければ、試験パタン生成器TPGとしてプログラムしていない再構成可能な論理回路部品FPGAを選択し(S7)、ステップS1に戻る。
【0073】このように、順次、再構成可能な論理回路部品を、試験パタン生成器TPGとしてプログラムし、他の再構成可能部品を、期待値比較器CMPとしてプログラムすることによって、上記各試験を実現することができる。
【0074】図10は、上記実施例において、試験パタンのビット長2L=10ビットである場合における試験パタンの生成例を示す図である。
【0075】2L=10である場合、試験パタン数は、2LL −2=250であり、250個の試験パタンが生成される。この試験パタンを、再構成可能部品のピン数=220に対する試験パタンにするために、22個の試験パタン系列の集合PCi1、…、PCi22にクラス分けし、これら試験パタン系列の集合PCi1、…、PCi22のうちから、P1∈PCi1、…、P22∈PCi22を選択する。この選択結果が、図10に示した試験パタンであり、図10には、22個のシフトレジスタの初期値のみを示してある。また、各シフトレジスタに10個のピンが対応し、結局、再構成可能部品のピン数=220に対する試験パタンを得ることができる。
【0076】図11は、上記実施例において、生成されるピン数が22、試験パタンのビット長さが10である試験パタン系列の例を具体的に示す図である。
【0077】初期値P1〜P22が格納されているシフトレジスタSR1〜SR22が、10回シフト動作すると、試験パタンのビット長=10ビットの試験パタン系列を、220ピンに供給することができる。このようにシフトすることによって、再構成可能論理回路の各ピンにセットされる長さ10ビットの試験パタン系列が、図11に示されている。
【0078】図12は、上記実施例における期待値発生回路SR1、…SRiと、期待値比較器CMPと、結果圧縮回路期待値比較器CMP0 、CMP1 、……、CMPiとの構成例を示す図である。
【0079】期待値発生回路SR1、…SRiは、試験パタン生成器TPGで生成する試験パタン系列と同じ系列の試験パタンを生成する回路を、シフトレジスタSR1、…、SRiとしてプログラムすることによって実現される回路である。
【0080】期待値比較器CMPは、排他的論理和によって実現される。結果圧縮は、時系列毎に圧縮する圧縮器期待値比較器CMP1、…、CMPiと、さらにそれらの結果を圧縮する圧縮器期待値比較器CMP0との2段で構成されている。これによって、ボード上に故障があった場合、図12に示す試験結果出力ピンに故障検出結果が出力され、この出力された故障検出結果を観測することによって、ボードの故障を検出することができる。
【0081】なお、期待値生成シフトレジスタSR1〜SRnは、接続されている試験パタン生成器TPGが生成する試験パタンに対応するものである。
【0082】図13は、上記実施例において、試験パタンのビット数2Lとピン数Nとの関係を示す図である。
【0083】上記実施例によれば、プログラムによって再構成可能な回路の試験において、発生する可能性がある配線のオープン、ショート故障および、任意の2配線間のブリッジ故障を全て検出することができる。
【0084】また、上記実施例の自己試験回路をプログラムする機構を付加すれば、LSIテスタやボードテスタ等の試験専用装置を用いずに、LSIテスタやボードテスタ等の試験専用装置を用いた場合と同様の故障を検出することができる。
【0085】なお、本明細書において、被試験対象としての「回路」は、ボードと、通常の装置との双方を含むものである。
【0086】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、プログラムによって再構成可能な回路の試験において、プログラムする回路または機能とは独立に、部品間のプログラム可能な全ての接続形態のオープン故障、縮退故障および、任意の2配線間のブリッジ故障の検出をする自己試験が可能になり、したがって、プログラムによって再構成可能な回路の信頼性が向上するという効果を奏することができる。
【0087】請求項2に記載の発明によれば、試験パタン数2Lとピン数Nとは、図13に示す関係があるので、短い試験パタン長で、多ピン部品間の配線の試験パタンを生成することができるという効果を奏することができる。
【0088】請求項3に記載の発明によれば、再構成可能な論理回路に搭載可能な程度に充分小さい回路規模で実現可能であるという効果を奏する。
【0089】請求項4に記載の発明によれば、回路の再構成可能部品を使用中、または再構成の前に、コストが低く、信頼性の高い試験を短時間で実行することが可能になり、このプログラム機構は、ホストからのダウンロードまたは、試験回路構成用のROM等の従来技術によって容易に実現することができるという効果を奏することができる。
【出願人】 【識別番号】000004226
【氏名又は名称】日本電信電話株式会社
【出願日】 平成10年(1998)3月23日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】川久保 新一
【公開番号】 特開平11−271404
【公開日】 平成11年(1999)10月8日
【出願番号】 特願平10−95468