トップ :: G 物理学 :: G01 測定;試験




【発明の名称】 ICテスト装置
【発明者】 【氏名】高畑 幸弘

【要約】 【課題】ICテスト装置において被測定デバイスに入力されるドライバー出力の立上時間及び立下時間を検証する。

【解決手段】被測定デバイスに検査信号を入力しその動作状態を検査するICテスト装置において、検査に先立って検査信号の立上時間と立下時間の良否を判定する評価手段を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 被測定デバイスに検査信号を入力しその動作状態を検査するICテスト装置において、検査に先立って検査信号の立上時間と立下時間の良否を判定する評価手段を備えることを特徴とするICテスト装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被測定デバイスとしてのIC(Integrated Circuit)を検査するICテスト装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ICテスト装置を用いて被測定デバイスの動作状態を検査しようとする場合、該検査に先立って被測定デバイスに入力される検査信号(ドライブ信号)の異常が確認される。従来では、このドライブ信号の先行確認において、ドライブ信号(パルス信号)のL(ロー)レベル及びH(ハイ)レベルの各電圧値が規定レベルの範囲内にあるか否かが確認されてる。しかし、従来のドライブ信号の先行確認は、Lレベル及びHレベルの各電圧値の確認のみしか行われていないため、ドライブ信号の良否を正確に確認することができないという問題点があった。
【0003】本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、以下の点を目的とするものである。
(1)検査信号の良否をより正確に確認する。
(2)検査信号の立上時間と立下時間をも確認可能とする。
(3)被測定デバイス検査の信頼性を向上させる。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明では、被測定デバイスに検査信号を入力しその動作状態を検査するICテスト装置において、検査に先立って検査信号の立上時間と立下時間の良否を判定する評価手段を備えるという手段を採用する。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、図1及び図2を参照して、本発明に係わるICテスト装置の一実施形態について説明する。
【0006】図1は、本実施形態の機能構成を示すブロック図である。この図において、符号Xは被測定デバイス(IC)、1は波形出力回路、2はドライバー、3はスイッチ、4,7a1〜7ai〜7an,12a1〜12an,13a1〜13anはリレー(n:ICの検査対象ピン数、i:ピン番号)、5,8はコンパレータ、6,9は判定回路、10はアラーム回路、11はディスプレイ、14a1〜14an,15a1〜15an,16,17はD/Aコンバータである。なお、上記コンパレータ8と判定回路9とリレー12a1〜12an,13a1〜13anとD/Aコンバータ14a1〜14an,15a1〜15anとは、本発明の評価手段を構成するものである。
【0007】波形出力回路1は、プログラム設定に基づいて所定のパルス信号を発生してドライバー2に出力する。ドライバー2は、D/Aコンバータ14a1の出力電圧VIHとD/Aコンバータ15a1の出力電圧V1Lに基づいて、上記パルス信号のHレベルを電圧VIHかつLレベルを電圧V1Lに変換し、ドライブ信号としてスイッチ3に出力する。スイッチ3は、ドライバー2の出力とコンパレータ5の入力端子とを切り換えてリレー4の片端に接続する。リレー4の他端は、被測定デバイスXの端子1に接続されると共に、リレー7a1の片端に接続される。
【0008】また、コンパレータ5は、スイッチ3を介して入力端子に入力された信号(すなわち、入出力共用端子を備えたICからの出力信号)に対して、D/Aコンバータ16の出力電圧VOHをHレベルのしきい値、D/Aコンバータ17の出力電圧VOLをLレベルのしきい値として波形成形し、判定回路6に出力する。判定回路6は、ICからの出力信号に対して時間軸方向の複数点における電圧値をサンプリングし、そのサンプル値から当該出力信号の良否を判定するものである。
【0009】この図には示していないが、上記構成は、被測定デバイスXの各端子1〜i〜n毎に設けられている。この被測定デバイスXは、例えば入出力共用端子を備えたDRAM等のメモリである。
【0010】さらに、上記各端子1〜i〜nに片端が接続されたリレー7a1〜7ai〜7anの各他端は、共通接続されてコンパレータ8の入力端子に接続されている。一方、各D/Aコンバータ14a1〜14anの出力は、各々にリレー12a1〜12anの片端に接続され、リレー12a1〜12anの他端はコンパレータ8に供給されるようになっている。例えば、図示するように、D/Aコンバータ14a1の出力はリレー12a1の片端に接続され、D/Aコンバータ14anの出力はリレー12anの片端に接続され、リレー12a1,12anの他端は共通接続されてコンパレータ8に接続されている。
【0011】また、各D/Aコンバータ15a1〜15anの出力は、各々にリレー13a1〜13anの片端に接続され、リレー13a1〜13anの他端はコンパレータ8に供給されるようになっている。例えば、図示するように、D/Aコンバータ15a1の出力はリレー13a1の片端に接続され、D/Aコンバータ15anの出力はリレー13anの片端に接続され、リレー13a1,13anの他端は共通接続されてコンパレータ8に接続されている。
【0012】コンパレータ8は、高速動作するウインドウコンパレータであり、入力端子に入力された信号に対して、D/Aコンバータ14a1〜14anのいずれかから入力された電圧V1HをHレベルのしきい値、D/Aコンバータ15a1〜15anのいずれかから入力された電圧V1LをLレベルのしきい値として波形成形し、被検信号として判定回路9に出力する。
【0013】判定回路9は、このようにしてコンパレータ8から入力された被検信号に対して、時間軸方向の複数点における電圧値をサンプリングし、そのサンプル値から当該出力信号の良否を判定し、アラーム回路10に出力する。判定回路9における判定動作の詳細については、後述する。アラーム回路10は、該判定結果が「不良」を示す場合に警報を発するものである。ディスプレイ11は、アラーム回路10を介して入力された判定結果を画面表示するものである。
【0014】なお、上記リレー7a1〜7ai〜7an,12a1〜12an,13a1〜13anは、検査しようとする被測定デバイスXのピン番号iに応じて同一添字のものが導通状態となるように構成されている。例えば、ピン番号1の端子について検査する場合、リレー7a1,12a1,13a1が導通状態となり、これ以外のリレー7a2〜7ai〜7an,12a2〜12an,13a2〜13anは非道通状態を維持する。また、ピン番号nの端子について検査する場合、リレー7an,12an,13anが導通状態となり、これ以外のリレー7a1〜7ai〜7an-1,12a1〜12an-1,13a1〜13an-1は非道通状態を維持する。
【0015】次に、図2のタイミング図を参照して、上記ICテスト装置の動作について説明する。被測定デバイスXのピン番号1の端子について検査する場合、被測定デバイスXがライトモード(データの書込モード)に設定される。そして、このライトモード時には、スイッチ3はドライバー2とリレー4とを接続するように動作され、ドライブ信号はスイッチ3とリレー4とを介して被測定デバイスXのピン番号1の端子に供給される。
【0016】このとき、リレー7a1,12a1,13a1は導通状態となり、これ以外のリレー7a2〜7ai〜7an,12a2〜12an,13a2〜13anは全て非道通状態とされる。すなわち、コンパレータ8の入力端子には、リレー7a1を介してドライブ信号が入力されると共に、D/Aコンバータ14a1の出力電圧V1HがHレベルのしきい値としてコンパレータ8に供給され、またD/Aコンバータ15a1の出力電圧V1LがLレベルのしきい値としてコンパレータ8に供給される。
【0017】また、ドライバー2には、D/Aコンバータ14a1の出力電圧V1Hがドライブ信号のHレベルを規定する電圧として供給され、またD/Aコンバータ15a1の出力電圧V1Lがドライブ信号のLレベルを規定する電圧として供給される。したがって、ドライブ信号のHレベルは電圧V1Hに、またドライブ信号のLレベルは電圧V1Lにそれぞれ設定される。
【0018】このようにHレベル及びLレベルが電圧設定されたドライブ信号は、スイッチ3とリレー4とを介して被測定デバイスXのピン番号1の端子に供給されると共に、リレー7a1を介してコンパレータ8の入力端子に被検信号として入力される。
【0019】図2は、このようなドライバ信号及び各節点N1〜N5の波形及びそのタイミングを示している。なお、節点N1は波形出力回路1の出力端、節点N2はD/Aコンバータ14a1の出力端、節点N3はD/Aコンバータ15a1の出力端、節点N4は被測定デバイスXのピン番号1の端子、節点N5はコンパレータ8の出力端である。なお、各波形については、説明の都合上、立上時間及び立下時間を強調して描いてある。
【0020】節点N1の波形図に示すように、波形出力回路1からは一定周期のパルス信号が出力される。このパルス信号の周波数は、例えば125MHzであり、立上時間及び立下時間は数nsのオーダーである。このパルス信号は、節点N2に示す一定の電圧V1H及び節点N3に示す一定の電圧V1Lによって、Hレベルが電圧V1HかつLレベルが電圧V1Lのドライバ信号に変換される。
【0021】このようにHレベルが電圧V1HまたLレベルが電圧V1Lに設定されたドライブ信号は、節点N4の波形図に示すように、スイッチ3やリレー4等、伝送経路の各種素子のインピーダンスの影響によって遅延と波形歪みを受けて被測定デバイスXのピン番号1の端子に入力される。このようなピン番号1の端子の入力信号は、節点N5の波形図に示すように、コンパレータ8によって波形成形され被検信号として判定回路9に入力される。
【0022】判定回路9では、このような被検信号に対し、例えばパルス信号の数周期(この図では、時刻t0から時刻t1までの期間)に亘り、特定の時間ステップ△tで複数時刻における電圧値をサンプリングし、該サンプリングデータを一旦記憶する。
【0023】そして、判定回路9は、このサンプリングデータに基づいて、例えば高い方の電圧値で電圧値が変化しない部分aをHレベル部分として検出し、低い方の電圧値で電圧値が変化しない部分bをLレベル部分として検出する。判定回路9は、この検出結果を正常なドライブ信号を規定する規格値と比較し、その良否を判定する。
【0024】ここで、当該ピン番号1の端子に供給するドライバ信号を検査する場合に、コンパレータ8には、D/Aコンバータ14a1,15a1から各しきい値すなわち電圧V1H及び電圧V1Lが供給され、ドライバ2には、同じくD/Aコンバータ14a1,15a1から電圧変換用の電圧V1H,V1Lが供給されている。すなわち、ドライバ信号のHレベルとLレベルと被検信号のHレベルとLレベルとは完全に一致する。したがって、被検信号のHレベルとLレベルとに基づいてドライバ信号のHレベルとLレベルを確認検証することができる。
【0025】本実施形態では、他のピン番号の端子、例えばピン番号nの端子に供給するドライバ信号を検査する場合には、コンパレータ8にはD/Aコンバータ14an,15anから各しきい値が供給される、すなわち当該ドライバ信号を供給するドライバ(図示略)に供給される電圧変換用の電圧と全く同一の電圧が供給される。したがって、全てのピン番号の端子に供給されるドライブ信号のHレベルとLレベルとを端子毎に正確に確認することができる。
【0026】また、上記判定回路9は、部分aの後縁部の時刻と部分bの前縁部の時刻とに基づいて立下時間Tdを算出し、部分bの後縁部の時刻と部分aの前縁部の時刻とに基づいて立上時間Trを算出する。そして、判定回路9は、この検出結果を正常なドライブ信号を規定する規格値と比較し、その良否を判定する。
【0027】このようにして得られたHレベル及びLレベル並びに立上時間及び立下時間に判定結果及びその算出データは、アラーム回路10に入力される。アラーム回路10は、この判定結果に「不良」の判定項目がある場合にはアラーム音を報知すると共に、当該判定結果と算出データとをディスプレイ11に出力する。この結果、ディスプレイ11には、当該ピン番号1の端子に係わるドライバ信号の上記判定結果と算出データが画面表示される。
【0028】上述したドライバ信号の事前判定は、全てのピン番号の端子について順次行われる。そして、その判定結果及び算出データがディスプレイ11に表示され、当該被測定デバイスXに係わるドライバ信号の判定が終了する。
【0029】なお、被測定デバイスXからの出力信号を検査する場合には、上記スイッチ3は、リレー4をコンパレータ5に接続するように動作する。この場合、ピン番号1の端子から出力されたパルス信号は、コンパレータ5によって波形成形され、判定回路6によってHレベル及びLレベル並びに立上時間及び立下時間が判定回路9と同様に検査される。
【0030】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明に係わるICテスト装置によれば、被測定デバイスに検査信号を入力しその動作状態を検査するICテスト装置において、検査に先立って検査信号の立上時間と立下時間の良否を判定する評価手段を備えるので、従来では確認していなかったドライブ信号の立上時間と立下時間を確認することができる。したがって、ドライブ信号の良否をより正確に確認した上で、被測定デバイスを検査することができるので、検査の信頼性が向上する。
【出願人】 【識別番号】000117744
【氏名又は名称】安藤電気株式会社
【出願日】 平成10年(1998)3月24日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武 (外9名)
【公開番号】 特開平11−271403
【公開日】 平成11年(1999)10月8日
【出願番号】 特願平10−76307