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【発明の名称】 半導体集積回路検査装置及びその故障検出方法
【発明者】 【氏名】松岡 和幸

【要約】 【課題】VFIM回路のレンジ切替リレーの故障が発生した場合に、従来の方法では、その検出が遅れた場合、不良品を出荷する恐れがある。

【解決手段】VFIM回路の設定電圧出力部15に一定電流を流したとき、各レンジ切替リレー7、8、9、10を1個づつ閉じて、テスタでその電流値を測定し、その測定値と正常時の電流値を比較することにより故障を検出する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数のレンジ切替リレーを備えたレンジ切替リレー部により複数の電流レンジを持った電圧印加電流測定回路を有する半導体集積回路検査装置の故障検出方法において、任意のレンジ切替リレーを閉じ、上記電圧印加電流測定回路の電圧印加部より所定の電流を流したときの実測値と期待値とを比較して、上記閉じたレンジ切替リレーの故障の有無を判断することを特徴とする、半導体集積回路検査装置の故障検出方法。
【請求項2】 複数のレンジ切替リレーを備えたレンジ切替リレー部により複数の電流レンジを持った電圧印加電流測定回路を有する半導体集積回路検査装置の故障検出方法において、一のレンジ切替リレーを閉じ、上記電圧印加電流測定回路の電圧印加部より所定の電流を流したときの実測値と期待値とを比較して、上記閉じたレンジ切替リレーの故障の有無を判断することを上記全てのレンジ切替リレーについて行うことを特徴とする、半導体集積回路検査装置の故障検出方法。
【請求項3】 半導体集積回路検査装置によるチップテスト工程中のチップ交換中に行うことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の半導体集積回路検査装置の故障検出方法。
【請求項4】 半導体集積回路検査装置によるウエハ状態でのチップテスト工程中のウエハ交換中に行うことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の半導体集積回路検査装置の故障検出方法。
【請求項5】 複数のレンジ切替リレーを備えたレンジ切替リレー部により複数の電流レンジを持った電圧印加電流測定回路を有する半導体集積回路検査装置において、上記電圧印加電流測定回路の電圧印加部に所定の値の電流をレンジ切替リレーに流す定電流源を備えたことを特徴とする半導体集積回路検査装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数のレンジ切替リレーを備えたレンジ切替リレー部により複数の測定レンジを持つ電圧印加電流測定回路を備えた半導体集積回路検査装置及びその故障検出方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体集積回路は半導体集積回路検査装置(以下、「テスタ」と略記する。)の出荷検査で良品と判定されたものが出荷される。ここで使用されるテスタには、半導体集積回路の消費電流などを測定するために、電圧印加電流測定(以下、「VFIM」と略記する。)回路がある。ここでは、大電流から、微小電流までを計測するために複数のレンジ抵抗を設け、リレーでレンジ抵抗を選択することにより正確に電流を測定している。
【0003】ここで使用するリレーは、機械式のものが一般的で長期的に使用した場合故障し、期待したレンジ抵抗の設定ができない場合がある。レンジ切替リレーがオン状態で故障した場合、期待したレンジ抵抗以外のレンジ切り替えリレーにも電流が流れる場合がある。また、リレーがオフ状態で故障した場合、期待したレンジ抵抗に電流が流れない。そのため正確な電流を測定することが出来ないという問題点が生じる。
【0004】そこで、リレーの故障は、定期的にテスタの機能を診断するプログラム(診断プログラム)で、それ専用の測定治具を使用して検出する。しかし、この場合、テスタの他の機能も診断するため長時間かかる。また容易に、且つテスト効率を落とさないように診断が出来ないため、リレーの故障の発見が遅れやすく、不良品を出荷してしまう恐れがある。
【0005】また、このような問題を解決する目的で、例えば、特開昭63−252271号公報に開示された技術がある。これは、リレーの一端を0Vに設定し、もう一端に電圧測定回路を付加し、その回路とリレーの間を5Vのプルアップすることで、リレーを閉じたとき0Vが検出されなければ、リレーの開放の故障が検出できるというものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】情報化社会の中で普及が進んでいる携帯情報端末は等に搭載されるLSIでは、消費電流値が重要な問題となり、LSIの出荷検査等で厳重に管理している。上記技術では、リレーの解放故障の検出は可能だが、リレー溶着故障した場合の検出は出来ない。リレー溶着故障した場合は、設定しようとしたレンジ抵抗以外のレンジ抵抗も設定される可能性があるため、計測した電流値が、本来の電流値より少なくなり、消費電流測定試験においてスペックオーバーの不良品を良品としてしまう不具合が発生する。そのため、VFIM回路のレンジ切替リレーの故障が発生した場合に、従来の方法では、その検出が遅れた場合、不良品を出荷する恐れがある。
【0007】本発明はVFIM回路のレンジ切替リレーの故障を容易に、またテスト効率を下げることなく任意のタイミングで検出し、半導体集積回路の出荷品質の向上を図ることを可能とする半導体集積回路検査装置及びその故障検出方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明の半導体集積回路検査装置の故障検出方法は、複数のレンジ切替リレーを備えたレンジ切替リレー部により複数の電流レンジを持った電圧印加電流測定回路を有する半導体集積回路検査装置の故障検出方法において、任意のレンジ切替リレーを閉じ、上記電圧印加電流測定回路の電圧印加部より所定の電流を流したときの実測値と期待値とを比較して、上記閉じたレンジ切替リレーの故障の有無を判断することを特徴とするものである。
【0009】また、請求項2に記載の本発明の半導体集積回路検査装置の故障検出方法は、複数のレンジ切替リレーを備えたレンジ切替リレー部により複数の電流レンジを持った電圧印加電流測定回路を有する半導体集積回路検査装置の故障検出方法において、一のレンジ切替リレーを閉じ、上記電圧印加電流測定回路の電圧印加部より所定の電流を流したときの実測値と期待値とを比較して、上記閉じたレンジ切替リレーの故障の有無を判断することを上記全てのレンジ切替リレーについて行うことを特徴とするものである。
【0010】また、請求項3に記載の本発明の半導体集積回路検査装置の故障検出方法は、半導体集積回路検査装置によるチップテスト工程中のチップ交換中に行うことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の半導体集積回路検査装置の故障検出方法である。
【0011】また、請求項4に記載の本発明の半導体集積回路検査装置の故障検出方法は、半導体集積回路検査装置によるウエハ状態でのチップテスト工程中のウエハ交換中に行うことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の半導体集積回路検査装置の故障検出方法である。
【0012】更に、請求項5に記載の本発明の半導体集積回路検査装置は、複数のレンジ切替リレーを備えたレンジ切替リレー部により複数の電流レンジを持った電圧印加電流測定回路を有する半導体集積回路検査装置において、上記電圧印加電流測定回路の電圧印加部に所定の値の電流をレンジ切替リレーに流す定電流源を備えたことを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
【0014】本発明は、VFIM回路の電圧印加(以下、「VF」と略記する。)出力部に一定電流を流したとき、各レンジ切替リレーを1個づつ閉じて、テスタでその電流値を測定し、その測定値と正常時の電流値を比較することにより故障を検出することを特徴とし、また、故障が検出されたとき、各レンジ切り替えリレーを閉じたときの測定値と、開放・溶着時のすべての故障パターンの電流値を比較することにより、故障したレンジ切り替えリレーの特定を行う方法とを、テスタにこの機能を組み込む事により、容易かつテスト効率を下げることなくリレーの故障検出をすることを可能とすることを特徴とするものである。
【0015】任意のタイミングでテスト効率を下げることなく異常が検出でき、直前のリレーチェック時に遡って再テストすることが容易になるため、半導体集積回路の出荷品質の向上が図れる。
【0016】図1に本発明の実施例1を示す。図1において、符号1は電源電圧±15V、クランプ電圧±10Vの設定電圧出力回路であり、出力電圧設定部2で設定した電位が、設定電圧出力部15に出力されるように、出力電圧感知部4でセンシングし、設定電圧印加部3より設定電圧出力部15に出力電圧設定部2で設定された電位が検出されるような電圧を出力する。
【0017】また、図1において、符号5は電源電圧±15V、クランプ電圧±10Vの電流測定回路であり、設定電圧出力部3と設定電圧出力部15の電位差を検出し、ADC入力部6を通して、設定電圧印加部3−設定電圧出力部15間に流れる電流を計測することができる。
【0018】また、図1において、符号7、8、9、10は、レンジ切替リレーであり、これらをオン/オフすることにより、それぞれ1MΩ、100kΩ、10kΩ、1kΩの抵抗値を持つレンジ抵抗11、12、13、14に、電流を流すことができる。
【0019】全てのレンジ切替リレーに故障が無い状態で、出力電圧設定部2を0Vに設定し、レンジ切替リレー7を閉じる。クランプ電圧が±10Vの定電流源を外部に設け、設定電圧出力部15を通して5μAの一定電流を流すとき、ADC入力部6では5Vが検出される。
【0020】また同様に、レンジ切替リレー8、9、10についても、それぞれ50μA、500μA、5mAの電流を流すことにより、ADC入力部6で5Vが検出される。
【0021】ここで、レンジ切替リレー7に解放の故障があった場合、レンジ切替リレー7を閉じようとしても閉じないため、どのレンジ抵抗にも電流は流れない。このとき定電流源は5μAの電流を流そうとして、クランプ電圧値まで電圧をさげるので、設定電圧出力部15は電位が−10Vになる。
【0022】一方、設定電圧出力部15の−10Vが出力電圧感知部4で感知され、出力電圧設定部2で設定した0Vが出力されていないと設定電圧出力回路1で判断され、設定電圧印加部3から出力される電圧を上げる。
【0023】しかし、どのレンジ抵抗も接続されていないことにより、設定電圧出力部15の電位は変わらず、設定電圧出力回路1は設定電圧印加部3から出力される電圧を更に下げる。結果的に設定電圧印加部3から出力される電圧は、クランプ電圧値いっぱいまで電圧上げられ、10Vになる。
【0024】これにより、設定電圧印加部3と設定電圧出力部15の電位差は20Vになり、ADC入力部6ではクランプ電圧値の10Vが出力される。正常な場合には、ADC入力部6で5Vが検出されるはずだが、10Vが検出されたことにより、レンジ切替リレー7に解放の故障が有ることが分かる。また、他のレンジリレーについても、電流値を5μAから、50μA、500μA、5mAと変更すると同様の手法で開放の故障を検出できる。
【0025】次に、上記設定で、レンジ切替リレー7に溶着の故障があった場合は、ADC入力部6で5Vが検出される。この場合、故障は検出されないが、次にレンジ切替リレー8を閉じて、定電流源の電流値を50μAに設定すると、ADC入力部6で4.56Vが検出され、その電圧値を解析することにより、レンジ切替リレー7に溶着の故障があることが分かる。
【0026】また、他のレンジリレーについては、レンジ切替リレー8に溶着の故障がある場合、定電流源を5μAに設定し、レンジ切替リレー7を閉じて測定すると、正常な場合5Vが検出されるところ、0.456Vが検出され、レンジ切替リレー8に溶着の故障が有ることが分かる。同様にレンジ切替リレー9、10についても、それぞれ定電流源を50μA、500μAに設定し、レンジ切替リレー8、9を閉じてADC入力部6の電位を計測することにより、溶着の故障を容易に検出できる。
【0027】図2に本発明の実施例2を示す。17はレンジ切替部である。16は定電流源である。テスタの電流測定能力内の適当な電流がレンジ切替部17に流れるように定電流源16より電流を流す。これにより外部に特別な回路を設けることなく、容易に、テスト効率を下げることなく実施例1の方法でレンジ切替リレーの故障が検出できる。
【0028】図3に従来のテスタ診断過程を含むテスト工程全体のフローチャートを示す。この図3に示すフローチャートの様に、通常診断は定期的(例えば1ヶ月毎)に約30分かけて行われる。定期診断の間隔を短くすれば、より早くリレー故障検出が可能で、故障発生後に生産したLSIの再検査数も少なくて済む。しかし、間隔を短くすれば生産に割り当てられる時間が減少し、生産効率が低くなってしまう。
【0029】図4に従来のテスタ診断過程中のフローチャートを示す。この図4に示すフローチャートの様に、テスタ診断においては、テスタ全機能及びテスタ性能の診断並びにテストの調整を行う。この間、テスタ機能・性能によって異なるが約30分は必要であるのと、診断前にテスタ測定用治具を診断用に付け替え、診断後に生産用に付け替えの作業が必要となる。
【0030】図5に本発明におけるリレーチェックを含むテスト実施(生産)のフローチャートを示す。本発明を適用すると、図3における、テスト実施(生産)の部分が図5に示すフローの様になる。本発明のフローでは、1チップ毎にリレーのチェックを実施する。実施タイミングは、1チップテスト後〜次チップテスト前の、チップ交換時間(インデックスタイム)を利用する。インデックスタイムはウェハプローバで約50msあり(ハンドラではそれ以上)、チェックするリレー数によるが、時間内に本発明のリレーチェックを行うことが可能である。こうすることによって、テスト効率を全く下げずにテスト品質を保つことができる。
【0031】また、リレー数が多くなりインデックスタイム内にできなければ、数チップ毎・或いはウェハ単位毎に行うように本発明を適用する。この場合でも有効性は十分ある。尚、本発明では、リレーチェックを行うための機能をテスタ内に所有するために、テスタ測定用治具を取り替える必要は無いので、インデックスタイム内に実行可能となる。
【0032】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明によれば、VFIM回路のレンジ切替リレーの故障が容易かつ早期に検出できる。そのため、レンジ切替リレーの故障によるVFIMの試験漏れがなくなり、半導体集積回路の信頼性向上が図れる。
【0033】請求項3及び請求項4に記載の本発明を用いることにより、テスト効率を全く下げずにテスト品質を保つことができる。
【0034】請求項5に記載の本発明を用いることにより、外部に特別な回路を設ける事なく、容易にテスト効率を下げることレンジ切替リレーの故障を検出することができる。
【出願人】 【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
【出願日】 平成10年(1998)3月25日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】小池 隆彌
【公開番号】 特開平11−271398
【公開日】 平成11年(1999)10月8日
【出願番号】 特願平10−76778