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【発明の名称】 半導体素子位置決め治具
【発明者】 【氏名】村上 治

【氏名】山田 祥

【氏名】伊藤 浩一

【氏名】森川 哲也

【要約】 【課題】半導体素子を優れた精度で所定の位置に着座させる半導体素子位置決め治具を提供する。

【解決手段】リード線を有し、かつX軸と平行で対向する一対の半導体素子のモールドの第1の部分を所定の位置に誘導するX軸と平行な第1の斜面を保持する第1のモールドガイド部31と、半導体素子のリード線を所定の位置に誘導するX軸と平行な第2の斜面を保持するリードガイド部32とを、一対の半導体支持部材30に設けた。さらに、一方の上記半導体支持部材の第1のモールドガイド部31とリードガイド部32とが、他方の半導体支持部材の第1のモールドガイド部31とリードガイド部32のそれぞれと対向させるように設置し、半導体素子をY軸方向の所定の位置に着座させた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 X軸方向及びY軸方向に広がるモールド部と、上記モールド部から上記Y軸方向に突出する複数のリード線を有し、所定の位置に着座させられた半導体素子を、検査装置のソケット部に装着する半導体素子位置決め治具において、一対の半導体支持部材を備え、該各半導体支持部材が、上記リード線を有し、かつ上記X軸と平行で対向する一対の上記モールドの第1の部分を上記Y軸方向において上記所定の位置に誘導する、上記X軸と平行な第1の斜面を保持する第1のモールドガイド部と、上記リード線を上記Y軸方向において上記所定の位置に誘導する、上記X軸と平行な第2の斜面を保持するリードガイド部とを含み、一方の上記半導体支持部材の上記第1のモールドガイド部と上記リードガイド部とが、他方の上記半導体支持部材の上記第1のモールドガイド部と上記リードガイド部のそれぞれと対向し、上記半導体素子を上記Y軸方向において上記所定の位置に着座させることを特徴とする半導体素子位置決め治具。
【請求項2】 上記Y軸と平行で上記リード線が突出していない上記モールドの対向する第2の部分を、上記X軸方向における上記所定の位置に導く、上記Y軸と平行な第3の斜面有し、互いに対向する一対の第2のモールドガイド部を、上記各半導体支持部材が備える請求項1記載の半導体素子位置決め治具。
【請求項3】 上記リードガイド部が、上記ソケット部の位置決め用部材と嵌合する突起形状に形成された請求項1又は2記載の半導体素子位置決め治具。
【請求項4】 上記リードガイド部と上記第1のモールドガイド部との間に上記リード線の余剰先端部分を受ける間隙が、形成されている請求項1〜3のいずれか一つに記載の半導体素子位置決め治具。
【請求項5】 上記第1のモールドガイド部と上記リードガイド部とを備え、絶縁性材料からなる上記半導体支持部材に、導電性材料からなる上記第2のモールドガイド部が一体成形されている請求項2〜4のいずれか一つに記載の半導体素子位置決め治具。
【請求項6】 上記半導体支持部材と、該半導体支持部材を支え、導電性材料からなる架台部材との二つの部材から形成されている請求項5記載の半導体素子位置決め治具。
【請求項7】 上記第2のモールドガイド部が、上記架台部材を介して、上記モールド部の表面電荷を上記検査装置に設けられたアース部に放電させる請求項6記載の半導体素子位置決め治具。
【請求項8】 上記第1のモールドガイド部と上記リードガイド部とを備えた上記半導体支持部材、及び上記半導体支持部材を支える架台部材を含む絶縁性材料からなる第1の成型部と、上記第2のモールドガイド部を含み、上記架台部材の側底面まで連続する導電性材料からなる第2の成型部とが、一体成形されている請求項2〜4のいずれか一つに記載の半導体素子位置決め治具。
【請求項9】 上記第2のモールドガイド部が、上記第2の成型部を介して、上記モールド部の表面電荷を上記検査装置に設けられたアース部に放電させる請求項8記載の半導体素子位置決め治具。
【請求項10】 上記絶縁性材料と上記導電性材料との接触面が、互い嵌合する形状である請求項5〜9のいずれか一つに記載の半導体素子位置決め治具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体素子の電気的な検査を行う検査装置に半導体素子を装着する際に利用される、半導体素子位置決め治具に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体素子の電気的な検査とは、例えば半導体素子の所定のリード線間に電圧を印加し、その応答を評価するものである。従って、検査装置内のソケットに半導体素子を装着させる必要があり、ソケットに半導体素子を装着する際には、半導体素子位置決め治具が利用される。
【0003】半導体素子をソケットへ挿入するときは、位置決め治具内で半導体素子の位置決めを行い、位置決め治具を上部に移動することによって上記半導体素子をソケットに装着する。このため、位置決め治具内で半導体素子を優れた精度で位置決めすること、及び位置決め治具とソケットの位置関係が厳密に要求されている。
【0004】従来の位置決め治具80は、図8に示すように、半導体素子の長辺を受けるモールド支持部材100、半導体素子のX方向の位置決めをするX方向ガイド部材93、半導体素子のY方向の位置決めをするY方向ガイド部材101から構成される。なお、半導体素子をソケットに装着する場合に上下方向にストロークが必要なため、位置決め治具80は脚部92を有する。
【0005】詳細には、図9で示すように上記位置決め治具80は、導電性材料からなる架台90に、熱可塑性の絶縁性材料を射出成形して作製したモールド支持部材100及びY方向支持部材101を、複数のネジ102で固定したものである。架台90は、金属材料を切削して形成したベース本体91の四隅から直立する第1脚部92、さらに該第1脚部92の上端部を加工して形成したX方向ガイド部材93を含んでいる。従って、X方向ガイド部材93を備えた第1脚部92は、複雑な形状となる。
【0006】半導体素子を位置決め治具に保持する為に、半導体素子の寸法公差の累積が大きい場所を位置決めに利用する。具体的には、半導体素子のモールド部とリード線を利用し、半導体素子をX方向ガイド93に当設させることで、X方向の位置決めを行う一方、Y方向の位置決めは、図8の線X−Xに沿った断面図である図10で示すように、半導体素子60のモールド部61をモールド支持部100で支え、半導体素子60から突出するリード線61をY方向ガイド101に当接させることで行われる。つまり、半導体素子60のY方向の位置決めはリード線の外形寸法に依存する。
【0007】なお、X方向ガイド93は導電性材料で形成されているので、半導体素子の表面電荷を検査装置のアース部に逃がし、半導体素子の静電破壊を防止する役割を果たす。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の半導体素子位置決め治具は、(1)図10で示されるように、リード線を切断し寸法を揃える半導体素子の製造工程において発生するリード線かえり62aを、リード線62が保持しているので、リードの外形寸法の振れ幅が大きく、先に説明したY方向の位置決め精度に悪影響を与える。また、半導体素子60のモールド部61に存在する微小なバリ61aが位置決め治具内の滑りを悪くすることも、半導体素子の位置決め精度に悪影響を与える。
【0009】(2)ベース部の第1脚部92は複雑な形状であるので、加工するのに長時間を必要する。また、架台90、Y方向ガイド部材101、モールド支持部材100からなる3種類の部材が、ネジ102で組み合わせられ、固定されているので製造工程が複雑となり、各部材の寸法精度管理が困難である。また、半導体素子との摩擦により消耗するモールド支持部材100とY方向ガイド部材101とは交換が必要であるが、かかる交換には、ネジ102を外し、消耗したモールド支持部材100とY方向ガイド部材101を取り外し、新しいモールド支持部材100とY方向ガイド部材101とを取り付けるといった、長時間を要する作業が必要である。
【0010】本発明は、従来技術が有する前述の問題点を解決するためになされたもので、本発明の第1の目的は、半導体素子を優れた精度で所定の位置に着座させる半導体素子位置決め治具を提供することである。
【0011】さらに、本発明の第2の目的は、高製造及び消耗部材の交換を短時間で行うことができる、高い寸法精度の半導体素子位置決め治具を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる半導体素子位置決め治具は、一対の半導体支持部材を備え、上記各半導体支持部材が、X軸と平行な第1の斜面を保持する第1のモールドガイド部と、X軸と平行な第2の斜面を保持するリードガイド部とを有し、一方の半導体支持部材の第1のモールドガイド部とリードガイド部とが、他方の半導体支持部材の第1のモールドガイド部とリードガイド部のそれぞれと対向するように、両半導体支持部材を設置したことを特徴とする。上記のような構成においては、半導体素子のモールドのX軸と平行な長辺部分が第1の斜面を滑り、半導体素子のリード部が第2の斜面を滑ることで、半導体素子がY軸方向における所定の位置に導かれる。
【0013】また、Y軸方向と平行な第3の斜面を有し、互いに対向する一対の第2のモールドガイド部を各半導体支持部材に備えていてもよい。このような構成においては、リード線が突出していないモールドのY軸と平行な短辺部分が上記第3の斜面を滑ることで、X軸方向における所定の位置に導かれる。
【0014】さらに、上記リードガイド部が、上記ソケット部の位置決め用部材と嵌合する突起形状に形成されていることが好ましい。こうすることで、上記位置決め治具が、上記ソケット部に優れた精度で半導体素子を装着することができる。
【0015】また、リードガイド部と第1のモールドガイド部との間に間隙が形成されていてもよい。こうすることで、リード線の余剰部が上記間隙に吸収され、半導体素子の位置決めを精度良く行うことができる。
【0016】本発明にかかる半導体素子位置決め治具は、絶縁性材料からなる第1のモールドガイドとリードガイド部とを保持する半導体支持部材に、導電性材料からなる第2のモールドガイド部が、一体成形されている。第2のモールドガイド部と半導体支持部材とを一体成型化することで、位置決め治具の寸法精度が優れたものになり、かつ従来行われている絶縁性樹脂成形品と導電性樹脂成形品との組立が不要になる。
【0017】さらに、本発明にかかる半導体素子位置決め治具は、上記一体成型化された半導体支持部材、及び導電性材料からなる架台部材の二つの部材から形成されていてよい。こうすることで、半導体支持部材の交換を容易に行うことができる。
【0018】また、第2のモールドガイドが、架台部材を介して、モールド部の表面電荷を上記検査装置に設けられたアース部に放電することで、半導体素子の静電破壊を防止することができる。
【0019】本発明にかかる半導体位置決め治具は、第1のモールドガイド部とリードガイド部とを備えた半導体支持部材、及び半導体支持部材を支える架台部材を含む絶縁性材料からなる第1の成型部と、第2のモールドガイドを含み、架台部材の側底面まで連続する導電性材料からなる第2の成型部とを一体成形し、位置決め治具の寸法精度を優れたものにしている。
【0020】また、第2のモールドガイド部が、第2の成型部を介して、モールド部の表面電荷を上記検査装置に設けられたアース部に放電することで、半導体素子の静電破壊を防止することができる。
【0021】なお、絶縁性材料と導電性との接触面が、互い嵌合する形状であるのが好ましい。こうすることで、導電性材料と絶縁性材料との密閉を確保することができる。
【0022】
【発明の実施形態】実施の形態1.以下に図1〜4を参照して、本発明の実施形態1にかかる半導体素子位置決め治具10について説明する。図1で示すように、位置決め治具10は、架台20とその上に配置される一対の半導体支持部材30とからなる。
【0023】上記架台20は、ベース本体21とその四隅から直立する4本の第1脚部22と、その一対の脚部22のX方向のほぼ中間においてそれぞれ直立する第2脚部23を有し、導電性材料である金属材料を切削して形成されたものである。なお、上記第1脚部の上端には、さし込み穴22aが穿設される一方、上記第2脚部の上端には、ネジ穴23aが螺設されている。
【0024】他方、上記半導体支持部材30は、その両端にY方向モールドガイド31、Y方向リードガイド32及びX方向モールドガイド33が設けられている。
【0025】詳しくは、図2(a)で示すように、半導体支持部材30に端部のY方向において、内面の内方に突出する内側突出部を設け、その上端部内側に下向きに傾斜するテーパ面31aを設けることにより、Y方向モールドガイド31が形成される。また、Y方向モールドガイド31の外側、即ち端部Y方向外面において、外方にかつ上方に突出する外側突出部を設け、その内面に上方に延びる傾斜面32aを設けることにより、Y方向リードガイド32が形成される。このY方向リードガイド32は、位置決め治具10を装着する検査装置のソケットに設けられた治具装着用部材を押圧し、嵌合する形状である。
【0026】なお、上記Yモールドガイド31及びY方向リードガイド32を含む半導体支持部材30は、絶縁性材料から形成される。これに対し、上記X方向ガイド33は、導電性材料からなり、上記半導体支持部材30のX方向端面に上方に突出し、その突出部内面に上方に延びる傾斜面33aが形成されてなる。
【0027】また、半導体支持部材30は、絶縁性樹脂材料を一次射出成形することでY方向モールドガイド31とY方向リードガイド32とを含む図2(b)に示した一次部材37を作製し、続いて導電性樹脂材料を二次射出成形することでX方向モールドガイド33を備える二次成形部材39を上記一次成形部材37に形成した一体部材である。なお、一次成形部材37の両端面、即ち一次形成部材37と二次成形部材39との接触面には、異なる2種類の樹脂材料の密着性を堅固にするリブ38が形成されている。
【0028】本実施の形態では、絶縁性樹脂としてガラス繊維を30重量%充填したポリブチレンテレフタレート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチック社製ノバドゥール5010G30)を、導電性樹脂として炭素繊維を30重量%充填したポリブチレンテレフタレート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス社製ノバドゥール5308CFN-X)を用いた。また、樹脂材料として、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリアミド樹脂、液晶性樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂等を、導電性の充填材として、銅、アルミニウム等の金属繊維、球状又は板状のフイラーを用いてもよい。
【0029】なお、図1で示すように架台20に上記支持部材30をネジ止めする為に、上記支持部材30のほぼ中間に固定部材35が設けられ、半導体支持部材30のY方向下端面からは、固定用挿入ピン36が、下方に突出して設けられている。
【0030】上記挿入ピン36を架台20の第1脚部22のさし込み穴22aに挿入するとともに、上記固定部材35を第2脚部23上端にネジ止めすることにより、上記半導体素子支持部材30が架台20に固定され、図3に示す位置決め治具10が組み立てられる。
【0031】次に、上記位置決め治具10の半導体素子を保持する部分について説明する。図3の線IV−IVに添う断面図である図4(a)で示すように、一対の半導体支持部材30が対向するように設置されていて、一方の上記支持部材30の上記Y方向モールドガイド部31のテーパ面31aと上記Y方向リードガイド部32の傾斜面32aとが、他方の上記半導体支持部材30に形成されたテーパ面31aと傾斜面32aのそれぞれと対向している。また、両半導体支持部材30のY方向モールドガイド31とY方向リードガイド32とで挟まれる部分には、間隙である受け溝34が形成されている。
【0032】以下に、モールドの一対の長辺からリード線が突出する半導体素子を、上記位置決め治具に着座させた場合について説明する。
【0033】上記半導体素子は、その長辺が半導体支持部材30で保持されるように着座させられる。半導体素子を着座させた状態の図3の線IV−IVに沿う断面図である図4(b)で示すように、Y方向モールドガイド部31のテーパ部31aは、半導体素子6のモールド部61の形状に対応するので、モールド部61に付随している微小なモールドバリ61aに妨げられることなく、モールド部61がテーパ部31aを滑り、該モールド部61が所定の位置に誘導され、モールドガイド部31に支えられる。
【0034】また、半導体素子60のリード線62も、Y方向リードガイド部32の傾斜面32aを沿って所定の位置に誘導される。この際、リード線62の余剰先端部であるリード線かえり62aは、受け溝34に受け入れられるので、リード線かえり62aの影響を受けずにリード線62を所定の位置に誘導される。
【0035】つまり、Y方向モールドガイド31でモールド部61を、Y方向リードガイド部32でリード線62を誘導することで、半導体素子60をY方向における所定の位置に誘導し、位置決めが実行される。
【0036】一方、半導体素子のモールドのリード線が無い一対の短辺が上記X方向モールドガイド33の傾斜面33aによって所定の位置に誘導されることで、半導体素子のX方向の位置決めが実行される。この際、導電性材料からなるX方向ガイド33が半導体素子のモールド部に当接するので、モールドの表面電荷を、架台20を介して検査装置のアース部に逃がし、半導体素子の静電破壊を防止することができる。
【0037】本実施の形態にかかる変型例として、図3(b)で示すリブ38を、図5(a)で示す逆テーパ形状、図5(b)で示す△形状としてもよく、若しくは図5(c)で示されるように、絶縁性材料と導電性材料の接触面を荒くしてもよい。さらに、図5(d)で示すようにリブ38に貫通穴38aを設けることもできる。このようにしても、2種類の樹脂材料の密着性を堅固にすることができる。
【0038】実施の形態2.続いて、図6、7を参照して、本発明の実施形態2にかかる半導体素子位置決め治具70について説明する。図6で示すように、上記位置決め治具70は、絶縁性材料から形成された一次成形部71と、該一次成形部71のX方向の側面を、側底面まで連続して覆う導電性材料から形成された二次成形部72とを含む一体部材である。
【0039】さらに上記一次成形部71は、ベース部71aと、該ベース71aの四隅から直立する脚部71bを有する。該脚部71bの上端部のY方向内面に内方に下方傾斜するテーパ面73aを設けることで、Y方向モールドガイド73が形成され、上記Y方向モールドガイド73のY方向の外側で上方に突出する脚部71bの外側突出部の内面に上方に延びる傾斜面74aを設けることで、Y方向リードガイド74が形成される。該Y方向リードガイド74は、位置決め治具70を装着する検査装置のソケットに設けられた治具装着用部材を押圧し、嵌合する形状である。
【0040】一方、上記二次成形部72の脚部71bの上方に突出する部分に、X方向内方に下方傾斜する傾斜面75aを設けることで、X方向モールドガイド部75が形成される。
【0041】Y方向モールドガイド73とY方向リードガイド74とを両端に備えている一対の半導体支持部71cは、X軸と平行に対向して設置され、上記実施の形態1と同様に、一方の上記支持部材71のY方向モールドガイド部73のテーパ面73aとY方向リードガイド部74の傾斜面74aとが、他方の上記半導体支持部材71cに形成されたテーパ面73aと傾斜面74aのそれぞれと対向している。また、各Y方向モールドガイド73とY方向リードガイド74とで挟まれる部分には受け溝(図示せず)が形成されている。
【0042】なお、図7で示すように、本実施の形態にかかる位置決め治具70は、絶縁性樹脂材料を一次射出成形することで一次成形部71を作製し、続いて導電性樹脂材料を二次射出成形して、上記一次成形部71に二次成形部72を形成することで完成する。
【0043】本実施の形態で用いる樹脂材料は、上記実施の形態1で利用した樹脂材料と同じものである。
【0044】また、一次成形部材77のX方向の両端面、即ち一次成形部71と二次成形部72との接触面には、異なる2種類の樹脂材料の密着性を堅固にするリブ78が形成されている。また、該リブ78は、上記図5で示したように変型させてもよい。
【0045】前述した実施の形態2にかかる位置決め治具で半導体素子を保持する場合、上記実施の形態1と同様に、Y方向モールドガイド73で半導体素子モールド部を、Y方向リードガイド部74で半導体素子のリード線を誘導することで、半導体素子をY方向の所定の位置に誘導し、リード線かえりが受け溝に受け入れられることで、半導体素子のY方向の位置決めが実行され、X方向モールドガイド75によって、半導体素子のX方向の位置決めが実行される。
【0046】また、導電性部材からなるX方向モールドガイド75が半導体素子のモールド部に当接するので、モールドの表面電荷を、二次成型部72を介して検査装置のアース部に逃がし、半導体素子の静電破壊を防止することができる。
【0047】続いて上記実施の形態1、2及び従来技術に基づいて製造した位置決め治具を検査装置に組み込み、該検査装置のソケットへ半導体素子の装着し、脱着する挿抜試験を行った。各位置決め治具を用いて、半導体素子の挿抜を10000回行った際に発生する、誤装着の回数を以下の表1に示す。
【0048】
【表1】

【0049】
【発明の効果】本発明にかかる半導体素子位置決め治具は、テーパ部を有するY方向モールドガイド及び斜面を有するY方向リードガイドを備えた一対の半導体支持部材を、上記テーパ部と上記斜面が対向するように設置したものである。こうすることで、半導体素子のモールド部がテーパ部を滑り、該モールド部を所定の位置へ導き、Y方向リードガイドの斜面を半導体素子のリード線が滑ることで、該リード線を所定の位置に導いて、半導体素子の誤装着を防止することができる。
【0050】本発明にかかる半導体素子位置決め治具は、Y方向と平行な斜面を保持するX方向ガイドを有する。半導体素子のモールド部が、上記斜面を滑ることで、位置決め治具内のX方向の所定の位置に半導体素子を高い精度で誘導することができる。
【0051】本発明にかかる半導体素子位置決め治具は、Y方向リードガイド部を検査装置のソケットの位置決め部材と嵌合するように形成したものである。こうすることで、ソケットの所定の位置に正確に半導体素子を装着することができる。
【0052】本発明にかかる半導体素子位置決め治具は、リードかえりを受ける受け溝を、半導体支持部材に設けたものである。こうすることで、リードかえりの寸法に影響されることなく、半導体素子位置決め治具内のY方向の所定の位置に半導体素子を、高い精度で誘導することができる。
【0053】本発明にかかる半導体素子位置決め治具は、絶縁性材料からなるモールド支持部と導電性材料からなるX方向ガイド部とが、一体部材をなすものである。こうすることで、半導体素子位置決め治具の製造工程を簡略化することが可能で、さらに優れた寸法精度の半導体素子位置位置決め治具を製造することができる。
【0054】本発明にかかる半導体素子位置決め治具は、半導体支持部材と導電性材料からなる架台部材の二つの部材から形成されたものである。こうすることで、半導体支持部材の交換が容易になる。
【0055】本発明にかかる半導体素子位置決め治具、X方向モールドガイドが、架台部材を介して、モールド部の表面電荷を上記検査装置に設けられたアース部に放電するものである。こうすることで、半導体素子の静電破壊を防止することができる。
【0056】本発明にかかる半導体位置決め治具は、Y方向モールドガイドとY方向リードガイド部とを備えた半導体支持部材、及び該半導体支持部材を支える架台部材を含む絶縁性材料からなる第1成型部と、X方向モールドガイドを含み、上記架台部材の側底面まで連続する導電性材料からなる第2成型部とを一体成形したものである。こうすることで、位置決め治具の寸法精度を優れたものにしている。
【0057】本発明にかかる半導体位置決め治具は、X方向モールドガイドが、第2成型部を介して、モールド部の表面電荷を上記検査装置に設けられたアース部に放電するものである。こうすることで、半導体素子の静電破壊を防止することができる。
【0058】本発明にかかる半導体位置決め治具は、絶縁性材料と導電性との接触面が、互い嵌合する形状である。こうすることで、導電性材料と絶縁性材料との密閉を確保することができる。
【出願人】 【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
【出願日】 平成10年(1998)3月26日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】青山 葆 (外1名)
【公開番号】 特開平11−271395
【公開日】 平成11年(1999)10月8日
【出願番号】 特願平10−78992