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【発明の名称】 高周波用コンタクタ
【発明者】 【氏名】松林 弘人

【要約】 【課題】摩耗劣化および位置ずれが生じにくい高周波用コンタクタを提供する。

【解決手段】枠体11は、信号伝送線路24と可動接触端子31との電気的接続を行なうため金属材料で形成される第1枠体11aと、所定の収容空間11kをほぼ形づくるゴムで形成される第2枠体11bとを含んでいる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 半導体製品に設けられる入出力端子と高周波用テスト治具の信号伝送線路との間に介在するように配置される高周波用コンタクタであって、内部に所定の収容空間が設けられ、前記信号伝送線路との電気的接続を行なうための枠体と、一部が前記枠体に収容され、露出する部分において前記枠体に電気的に接続される接続部と前記入出力端子と接する接触部とが設けられる可動接触端子と、前記枠体内部に位置し、前記可動接触端子の前記入出力端子との接触による前記可動接触端子の移動によって生じる力を緩衝するための緩衝部材と、を有し、前記枠体は、前記信号伝送線路と前記可動接触端子との電気的接続を行なうため金属材料で形成される第1枠体と、前記収容空間をほぼ形づくる非金属材料で形成される第2枠体と、を含む、高周波用コンタクタ。
【請求項2】 前記第2枠体は、セラミックで形成される、請求項1に記載の高周波用コンタクタ。
【請求項3】 前記第2枠体は、弾性部材で形成され、かつ、前記第2枠体と前記緩衝部材とは一体となるように設けられる、請求項1に記載の高周波用コンタクタ。
【請求項4】 半導体製品に設けられる入出力端子と高周波用テスト治具の信号伝送線路との間に介在するように配置される高周波用コンタクタであって、内部に所定の収容空間が設けられ、前記信号伝送線路との電気的接続を行なうための枠体と、一部が前記枠体に収容され、露出する部分において前記枠体に電気的に接続される接続部と前記入出力端子と接する接触部とが設けられる可動接触端子と、前記枠体内部に位置し、前記可動接触端子の前記入出力端子との接触による前記可動接触端子の移動によって生じる力を緩衝するための緩衝部材と、を有し、前記枠体と前記信号伝送線路との間には、整合回路が設けられる、高周波用コンタクタ。
【請求項5】 半導体製品に設けられる入出力端子と高周波用テスト治具の信号伝送線路との間に介在するように配置される高周波用コンタクタであって、前記信号伝送が形成される基板と、内部に所定の収容空間が設けられ、前記信号伝送線路との電気的接続を行なうための枠体と、一部が前記枠体に収容され、露出する部分において前記枠体に電気的に接続される接続部と前記入出力端子と接する接触部とが設けられる可動接触端子と、前記枠体内部に位置し、前記可動接触端子の前記入出力端子との接触による前記可動接触端子の移動によって生じる力を緩衝するための緩衝部材と、を有し、前記基板は、前記高周波用テスト治具に対して接合部材によって固定される、高周波用コンタクタ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、高周波用コンタクタに関し、より特定的には、半導体製品を検査する際に、半導体製品に設けられる入出力端子と高周波用テスト治具に設けられる信号伝送線路との間に介在するように配置される高周波用コンタクタの構造の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図5〜図7を参照して、従来の高周波用コンタクタの構造について説明する。なお、図5は、高周波用コンタクタ10、高周波用テスト治具20および半導体製品30の平面図を示し、図6は、半導体製品30が装着されていない状態での図5中X−X′線矢視断面図であり、図7は、半導体製品30が高周波用テスト治具20に装着された場合の、高周波用コンタクタ10の拡大断面図である。
【0003】まず、高周波用テスト治具20は、治具本体25とこの治具本体25上に配置される基板21とを有している。
【0004】基板21には半導体製品30を載置するための、凹部からなるグランド面22が設けられている。このグランド面22に半導体製品30を載置することにより、半導体製品30と高周波用テスト治具20とが同電位となり、正確に半導体製品30の検査を行なうことが可能になる。
【0005】また、このグランド面22を跨ぐように、セラミック基板23が配置され、このセラミック基板23の上には、金属材料からなる高周波信号を伝達するための信号伝送線路24が設けられている。
【0006】高周波用コンタクタ10は、図5および図6に示すように、グランド面22を挟むように配置された信号伝送線路24上に対向するように1対配置される。この高周波用コンタクタ10は、それぞれ同じ構造を有するものが用いられている。
【0007】次に、図7を参照しながら、高周波用コンタクタ10の構造について説明する。高周波用コンタクタ10は、内部に所定の収容空間11kが設けられ、信号伝送線路24との電気的接続を行なうための金属材料からなる枠体11を有している。
【0008】枠体11内には、一部が収容空間11k内に収容され、露出する部分において、枠体11に電気的に接続される接続部12aと、半導体製品30に設けられた入出力端子31と接する接触部12bとが設けられる金属材料からなる可動接触端子12が設けられている。
【0009】なお、枠体11および可動接触端子12に用いられる金属材料としては、高周波特性がよい金属を用いる必要がある。特に、可動接触端子12には、マイクロ波帯からミリ波帯の信号を伝達させる必要があるため、金などを用いることが好ましい。
【0010】さらに、枠体11内には、可動接触端子12に入出力端子31が接触し、半導体製品30が治具抑え(図示省略)で上部から抑えられた場合に、半導体製品30の入出力端子31と可動接触端子12との接触時における可動接触端子12の移動によって生ずる力を緩衝するため、ゴムなどからなる緩衝部材13が設けられている。
【0011】上記構成よりなる高周波用コンタクタ10において、高周波用信号は、入出力端子31、可動接触端子12、枠体11および信号伝送線路24を伝播することになる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述した高周波用コンタクタ10においては、図5〜図7で説明したように、高周波用テスト治具20上に載置した状態で使用される。その結果、枠体11と信号伝送線路24との接触、入出力端子31と可動接触端子12との接触により、枠体11および可動接触端子12が接触により摩耗および劣化しやすいという問題があった。
【0013】また、単に、高周波用コンタクタ10を信号伝送線路24上に載置しているためであるため、信号伝送線路24に対する高周波用コンタクタ10の位置ずれが生じるという問題もあった。
【0014】さらに、今日半導体製品の低価格化に伴い、半導体製品のテストに必要とされるコストの削減が同時に要求されており、たとえば上述した枠体11が摩耗および劣化してしまうと高周波用コンタクタを交換する必要が生じ、高周波用コンタクタに必要とされるコストの上昇という問題があった。
【0015】したがって、この発明の目的は、高周波用テスト治具に設けられる信号伝送線路上に載置した場合に、信号伝送線路との接触によっても摩耗劣化の少ない枠体を有する高周波用コンタクタを提供することにある。
【0016】さらに他の目的として、高周波用テスト治具に設けられた信号伝送線路上に載置した場合においても、この信号伝送線路に対する高周波用コンタクタの位置ずれが生じにくい高周波用コンタクタを提供することにある。
【0017】また、さらに他の目的として、摩耗劣化した部品のみを交換することにより、高周波用コンタクタに必要とされるコストの低下を図ることのできる高周波用コンタクタを提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】この発明に基づいた高周波用コンタクタの1つの局面においては、半導体製品に設けられる入出力端子と高周波用テスト治具に設けられる信号伝送線路との間に介在するように配置される高周波用コンタクタであって、内部に所定の収容空間が設けられ、上記信号伝送線路との電気的接続を行なうための枠体と、一部が上記枠体に収容され、露出する部分において上記枠体に電気的に接続される接続部と上記入出力端子と接する接触部とが設けられる可動接触端子と、上記枠体内部に位置し、上記可動接触端子の上記入出力端子との接触による上記可動接触端子の移動によって生じる力を緩衝するための緩衝部材とを有している。
【0019】さらに、上記枠体は、上記信号伝送線路と上記可動接触端子との電気的接続を行なうため金属材料で形成される第1枠体と、上記収容空間をほぼ形づくる非金属材料で形成される第2枠体とを含んでいる。また、好ましくは、上記第2枠体は、セラミックで形成されている。
【0020】このように、上記枠体を第1枠体と第2枠体とによって構成し、第1枠体は、信号伝送線路と可動接触端子との電気的接続を行なうための金属材料で形成することによって、高周波用コンタクタに必要とされる高周波信号の伝達経路を確保するとともに、第2枠体をセラミックを用いて形成することによって、信号伝送線路との接触によっても摩耗劣化することがない。
【0021】また、好ましくは、上記第2枠体は、弾性部材から形成され、かつ、上記第2枠体と上記緩衝部材とは一体となるように設けられている。
【0022】たとえば、第2枠体をゴム材料で構成し、緩衝部材もゴム材料で構成することによって、第2枠体と緩衝部材とを一体に形成することが可能となる。
【0023】一方、この発明に基づいた高周波用コンタクタのさらに他の局面においては、枠体と信号伝送線路との間には整合回路が設けられている。これにより、より広範囲なインピーダンス調整が可能となる。
【0024】また、この発明に基づいた高周波用コンタクタの他の局面においては、上記基板は、上記高周波用テスト治具に対して接合部材によって固定されている。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、図を参照しながら、この発明に基づいた高周波用コンタクタの実施の形態について、説明する。なお、高周波用テスト治具20および半導体製品30の構成については、従来と同様であるためその詳細な説明は省略し、同一符号を用いることとする。また、高周波用コンタクタについても、従来と同一部分については同一の参照符号を付し、重複する部分の説明は省略する。
【0026】(実施の形態1)まず、図1を参照して、実施の形態1における高周波用コンタクタ100について、説明する。
【0027】この実施の形態における高周波用コンタクタ100は、枠体11が、第1枠体11aと第2枠体11bとを有している。第1枠体11aは、可動接触端子12と信号伝送線路24との間の信号経路を確保するため、高周波特性がよい金属材料から形成されている。また、第2枠体11bは、所定の内部空間11kを形成するように、セラミックなどからなる非金属材料から形成されている。可動接触端子12および緩衝部材13については従来と同様のものが用いられる。
【0028】このように、本実施の形態における高周波用コンタクタ100においては、枠体11を金属材料からなる第1枠体11aとセラミックなどの非金属材料からなる第2枠体11bとを用いて構成することによって、信号伝送線路24との接触部分がほぼ第2枠体11bとなる。その結果、信号伝送線路24に対して枠体11が位置ずれを起こさない。
【0029】また、信号伝送線路24との接触による摩耗劣化は、金属材料で形成される第1枠体11aにのみ生じるため、第1枠体11aのみを交換するように構成することが可能になる。これにより、高周波用コンタクタ100に必要とされるコストの低下を図ることのできる高周波用コンタクタを提供することが可能になる。
【0030】(実施の形態2)次に、図2を参照して、実施の形態2における高周波用コンタクタ200の構造について、説明する。
【0031】本実施の形態における高周波用コンタクタ200は、枠体11が、金属材料からなる第1枠体11aと、ゴムなどの弾性部材などからなる第2枠体11bとを有している。さらに、上記実施の形態1において設けられていた緩衝部材13が、第2枠体11bと一体化するように設けられている。
【0032】このように、第2枠体11bをゴム部材などからなる弾性部材を用いて形成することにより、可動接触端子12の半導体製品30に設けられる入出力端子31との接触による移動によって生ずる力を緩衝する。また、枠体11の信号伝送線路24との摩耗および劣化を防止し、さらに、高周波用コンタクタ200の信号伝送線路24に対する位置ずれを防止することが可能となる。
【0033】また、第2枠体11bを弾性部材を用いて形成することによって、第2枠体11bが安価に製造できるため、高周波用コンタクタ200に必要とされるコストの低下をさらに図ることが可能になる。
【0034】(実施の形態3)次に、この発明に基づいた実施の形態3における高周波用コンタクタ300の構造について、図3を参照して説明する。
【0035】この実施の形態における高周波用コンタクタ300は、図5〜図7で説明した従来の高周波用コンタクタ10と同一のものが用いられており、相違点は、枠体11と信号伝送線路24との間に、コンデンサ、インダクタおよび抵抗などより構成される整合回路50が設けられている。
【0036】このように、枠体11と信号伝送線路24との間に整合回路50を設けることにより、より広範囲なインピーダンス調整が可能となる。また、DC電圧印加に対して、この整合回路50により、半導体製品30内のトランジスタの素子発振を容易に抑制することが可能となる。
【0037】また、本実施の形態においては、高周波用コンタクタとして、従来技術における高周波用コンタクタと同一の構成を用いる場合について説明したが、たとえば、上記実施の形態1および実施の形態2における高周波用コンタクタ100,200を用いても、同様の作用効果を得ることができる。
【0038】(実施の形態4)以下、この発明に基づいた実施の形態4における高周波用コンタクタ400の構成について図4を参照して説明する。なお、(a)は平面図、(b)は(a)中Y−Y′線矢視断面図である。
【0039】本実施の形態における高周波用コンタクタ400の構成は、図5〜図7で説明した従来技術における高周波用コンタクタ10と同じ構成を有している。相違点は、図4(a)、(b)に示すように、基板21が治具本体25にボルト40などの接合部材を用いて接合されている。この構成を採用することにより、枠体11と信号伝送線路24との信号伝達を安定させることが可能になる。
【0040】なお、本実施の形態においては、高周波用コンタクタとして、従来技術と同じ構成よりなる高周波用コンタクタを用いた場合について説明したが、たとえば実施の形態1および実施の形態2における高周波用コンタクタ100,200を用いることも可能である。
【0041】今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0042】
【発明の効果】この発明に基づいた高周波用コンタクタの1つの局面によれば、信号伝送線路に対して枠体が位置ずれを起こさない。また、信号伝送線路との接触による摩耗劣化は、金属材料で形成される第1枠体のみ生じるため、第1枠体にみを交換するように構成することが可能になる。これにより、高周波用コンタクタに必要とされるコストの低下を図ることのできる高周波用コンタクタを提供することが可能になる。
【0043】また、好ましくは、上記第2枠体と上記緩衝部材とは一体となるように設けられていることにより、さらに枠体の信号伝送線路との摩耗劣化を緩和させて、信号伝送線路との位置ずれを生じさせることがない。
【0044】一方、この発明に基づいた高周波用コンタクタのさらに他の局面においては、枠体と信号伝送線路との間には整合回路が設けることにより、より広範囲なインピーダンス調整が可能となり、また、DC電圧印加に対して、この整合回路により、半導体製品内のトランジスタの素子発振を容易に抑制することが可能となる。
【0045】また、この発明に基づいた高周波用コンタクタの他の局面においては、高周波用テスト治具枠体と信号伝送線路との信号伝達を安定させることが可能になる。
【出願人】 【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
【出願日】 平成10年(1998)3月24日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】深見 久郎 (外3名)
【公開番号】 特開平11−271393
【公開日】 平成11年(1999)10月8日
【出願番号】 特願平10−75578