| 【発明の名称】 |
電力ケーブルの絶縁劣化診断方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】望月 一寿
【氏名】横須賀 孝一
【氏名】坂本 中
【氏名】大高 巖
【氏名】冨樫 浩孝
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| 【要約】 |
【課題】22kVCVケーブルの様な、ケーブル線路が長いCVケーブルの絶縁診断を実施可能にする。
【解決手段】CVケーブルの導線に直流電圧を印加し、絶縁層を通じて直流漏れ電流Id を流す。比較的長い周期で電流値が変化する、この直流漏れ電流Idの揺らぎ成分を観察する事により、上記CVケーブルの絶縁劣化を診断する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 絶縁層が劣化した電力ケーブルに直流電圧を印加した場合にこの電力ケーブルの絶縁層を通じて流れる直流漏れ電流Id を観察し、この絶縁層の劣化程度を診断する電力ケーブルの絶縁劣化診断方法に於いて、上記直流漏れ電流Id の大きさが時間の経過と共に徐々に不規則に変化する揺らぎ成分を観察する事により、上記絶縁層の劣化を診断する事を特徴とする電力ケーブルの絶縁劣化診断方法。 【請求項2】 電力ケーブルの絶縁層を通じて流れる直流漏れ電流Id を流す回路に、極性がこの直流漏れ電流Id とは逆で、大きさがこの直流漏れ電流Id とほぼ同じで且つ一定の打ち消し電流Ic を流し、これら両電流Id 、Ic の差「Id −Ic 」を観察する事により揺らぎ成分を観察する、請求項1に記載した電力ケーブルの絶縁劣化診断方法。 【請求項3】 電力ケーブルの絶縁層を通じて流れる直流漏れ電流Id を流す回路の途中に設けた抵抗を挟む部位の電圧を検出してこの検出値をディジタル値に変換し、このディジタル値中の低位桁のみをアナログ値に変換して表示部に出力し、この出力を観察する事により揺らぎ成分を観察する、請求項1に記載した電力ケーブルの絶縁劣化診断方法。 【請求項4】 電力ケーブルの絶縁層と並列にコンデンサを配置して、これら電力ケーブルとコンデンサとに同じ直流電圧を印加する事により、上記電力ケーブルの絶縁層を通じて流れる直流漏れ電流Id と、上記コンデンサを通じて流れる変位電流Ic とを求め、これら直流漏れ電流Id と変位電流Ic の変換値k・Ic との差「Id −k・Ic 」を観察する事により揺らぎ成分を観察する、請求項1に記載した電力ケーブルの絶縁劣化診断方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明に係る電力ケーブルの絶縁劣化診断方法は、架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブル(以下「CVケーブル」とする。)の絶縁劣化状態を診断する為に利用する。特に、本発明の電力ケーブルの絶縁劣化診断方法は、22kVCVケーブルの様な、長尺なケーブル線路を有する(継ぎ目のない1本のCVケーブルが長い)CVケーブルの絶縁劣化状態を診断する為に有効である。 【0002】 【従来の技術】長期間に亙って使用されたCVケーブルには、トリー(tree)と呼ばれる破壊痕が生じる場合がある。この様なトリーのうち、CVケーブルが浸水状態或は多湿状態で使用される場合に発生する水トリーは、電気トリーに結び付いて絶縁破壊を起こし、送電事故の原因になる。従って、水トリー等によるCVケーブルの絶縁の劣化状態を予め知っておく事は、送電線の事故発生を防止する為に重要である。この様な目的でCVケーブルの絶縁劣化を診断する方法として従来から、例えば電気学会技術報告第502号第11頁等に記載された方法が知られている。この従来方法は、絶縁が劣化した場合にCVケーブルの内部からの、直流漏れ電流値が増大し、且つ、キックと呼ばれる電流の急激な変動が現れる事を利用するものである。特にこのキックは、上記水トリーによる絶縁劣化の診断に有効であると考えられている。 【0003】即ち、絶縁層中に水トリーが存在するCVケーブルの導線と絶縁層の外周との間に直流電圧を印加し、この導線からCVケーブルの絶縁層を通じて流れ出る直流漏れ電流Id は、図8に示す様に短時間(例えば1秒以内)の間に急激に変化する。この様に直流漏れ電流Id 中に表われる、キックと呼ばれる急激な変化を観察すれば、上記水トリーによる上記CVケーブルの絶縁層の劣化を診断できる。この様な診断方法は、例えば6.6kVCVケーブルの絶縁劣化を診断するには有用であると考えれ、一部で利用されている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】キックにより絶縁状態を診断する従来方法は、6.6kVCVケーブルの様に、比較的ケーブル線路長が短いCVケーブルの場合には有用な診断方法であるが、ケーブル線路長が長い22kVCVケーブルの場合には、絶縁状態の診断を行なえない事が、本発明者等の研究により分った。即ち、22kVCVケーブルの導線に直流電圧を印加し、このCVケーブルの絶縁層を通じて流れ出る直流漏れ電流Id を経時的に観察しても、22kVCVケーブルの直流漏れ電流Id にはキックは表われない。 【0005】従って、従来の様にキックを利用する診断方法では、22kVCVケーブルの絶縁状態を診断できない。実際上も、絶縁破壊事故の直前に実施した22kVCVケーブルの直流漏れ電流測定結果に、上述の様なキックが観測された例は、殆ど見受けられない。この様に、6.6kVCVケーブルに比較して線路が長い、22kVCVケーブルの場合に上記キックが表われない理由に就いて、本発明者等は、次の様な仮説を立てた。即ち、22kVCVケーブルの様に、ケーブル線路長が長く、これに伴って絶縁層の静電容量Cx が大きくなると、直流漏れ電流Id を測定する回路の応答時定数τ{=Cx ・Ro (Ro :直流電源の内部抵抗)}が増大する。この結果、上記直流漏れ電流Id が平滑化されて、上記キックが減少若しくは消滅する。上述の様な仮説を立証する為に本発明者等は、図8に示す様なキックが観測された、水トリーが発生した6.6kVCVケーブルを試料とし、この試料に長尺な22kVCVケーブルの静電容量を模擬して、0.5μFのコンデンサを絶縁層に対し並列に接続した状態で、直流漏れ電流Id を測定した。図9は、この測定結果を示している。この図9と上述した図8とは、縦軸及び横軸とも、単位及び尺度は同じである。この図9を図8と比較すれば明らかな通り、絶縁層の静電容量が大きくなると直流漏れ電流Id 中にキックは表われなくなる。本発明の電力ケーブルの絶縁劣化診断方法は、この様な事情に鑑みて、22kVCVケーブルの如く、絶縁層の静電容量が大きく、直流漏れ電流Id 中にキックが表われない、長尺なケーブル線路を有するCVケーブルの絶縁劣化の診断を行なえる様にすべく発明したものである。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明の電力ケーブルの絶縁劣化診断方法は、従来から知られている電力ケーブルの絶縁劣化診断方法と同様に、絶縁層が劣化したCVケーブルに直流電圧を印加した場合にこのCVケーブルの絶縁層を通じて流れる直流漏れ電流Id を観察し、この絶縁層の劣化程度を診断する。特に、本発明の電力ケーブルの絶縁劣化診断方法に於いては、上記直流漏れ電流Id の大きさが時間の経過と共に徐々に不規則に変化する揺らぎ成分を観察する事により、上記絶縁層の劣化を診断する。 【0007】 【作用】上述の様な本発明の電力ケーブルの絶縁劣化診断方法によれば、22kVCVケーブルの如く、絶縁層の静電容量が大きく、直流漏れ電流Id 中にキックが表われない、長尺なケーブル線路を有するCVケーブルの絶縁劣化の診断を行なえる。即ち、絶縁層が劣化したCVケーブルに直流電圧を印加した場合に、このCVケーブルの絶縁層を通じて流れる直流漏れ電流Id は、図1〜2に示す様になる。この直流漏れ電流Id には、図1に示す様に、前述した従来方法が絶縁劣化の診断に利用していたキックは表われていないが、図2の拡大図に示す様に、1分前後の周期で緩やかに且つ不規則に変動する、0.1μA程度の微小な電流の変動成分、即ち揺らぎ成分が存在する。 【0008】尚、水トリーにより絶縁が劣化したCVケーブルに直流電圧を印加した場合に観察される直流漏れ電流Id 中にキックや揺らぎ成分が発生する理由は、上記水トリー部の絶縁抵抗が時間と共に不安定に変化する為と考えられる。即ち、水トリーの電極接触部には電気トリーの発生が認められる場合があり、この様な場合に電気トリー部で放電が生じると、その放電の前後で放電部位の抵抗が変化して、上記直流漏れ電流Id の電流値が変動する。この変動成分の、比較的周波数の高い成分がキックとなり、周波数が著しく低い周波数成分が上記揺らぎ成分となる。 【0009】これらキックと揺らぎ成分とのうちのキックは、前述した様に、22kVCVケーブルの如く、絶縁層の静電容量が大きなCVケーブルの場合には直流漏れ電流Id 中に表われず、CVケーブルの絶縁劣化診断に利用できないが、揺らぎ成分は表われる。従来は、この様な揺らぎ成分の存在には全く着目されておらず、CVケーブルの絶縁劣化診断に利用する事もなかった。即ち、絶縁が劣化したCVケーブルの特性調査は、主として実験室内で短尺なケーブルで行なう為、ケーブル長が1km程度の長尺なCVケーブルの絶縁が劣化した場合に表われる直流漏れ電流Id の特徴が十分に把握されていなかった。この為、22kVCVケーブルの如く、長尺で絶縁層の静電容量が大きなCVケーブルの場合に直流漏れ電流Id中にキックが表われない事が把握されておらず、キックが表われない場合の対応に就いても対策がなされていなかった。 【0010】これに対して本発明の場合には、上記キックが表われない様な場合でも、上述の様な揺らぎ成分を利用して、CVケーブルの絶縁劣化診断を行なう。この為、キックによる診断を行なえない、22kVCVケーブルの如く、絶縁層の静電容量が大きなCVケーブルの絶縁劣化診断も行なえる。 【0011】尚、長尺なケーブル線路を有するCVケーブルの絶縁層が有する大きな絶縁容量Cx に拘らず、上述の様な揺らぎ成分が表われる理由は、この揺らぎ成分の周波数帯域が直流に極めて近い(周期が著しく長い)為に、測定回路の時定数τ=Cx ・Ro (CVケーブルのケーブル線路の長さが1km程度の場合には、時定数τは10秒程度になる)の影響を受けにくい為である。 【0012】 【発明の実施の形態】本発明の電力ケーブルの絶縁劣化診断方法を効果的に実施すべく、CVケーブルに直流電圧を印加した場合にこの電力ケーブルの導線から漏れ出て絶縁層を通じて流れる直流漏れ電流Id 中に含まれる、揺らぎ成分の検出を効率的に行なう方法の3例に就いて説明する。即ち、本発明の電力ケーブルの絶縁劣化診断方法を実施するCVケーブルは、実際に長期間に亙って送電に利用している、所謂実線路である場合が多い。この様な実線路には、例えば、終端部、中間接続部、更に劣化とは無関係な健全ケーブル部に流れる直流漏れ電流が優勢に含まれている場合がある。従って、多くの場合には、実線路に使用しているCVケーブルの絶縁層の劣化に伴う直流漏れ電流Id の揺らぎ成分は、他の漏れ電流中に埋没し、一般的な方法では明確に検出する事は難しい場合が多い。 【0013】例えば、22kVCVケーブルのケーブル線路の直流漏れ電流Id を測定する場合に、測定値が数μA以上に達する場合が多い。これに対して、絶縁劣化の為に検出しようとする直流漏れ電流の大きさは、前述した様に0.1μA程度である。数μA以上に達する上記直流漏れ電流Id の測定値から、0.1μA程度の揺らぎ成分を明確に見分ける事は、この直流漏れ電流Id に何らの加工も施さない場合には難しく、信頼性の高いCVケーブルの絶縁劣化診断を行なう事は難しい。そこで、以下に述べる実施の形態の各例は、上記直流漏れ電流Id 中から揺らぎ成分を効果的に抽出して、信頼性の高いCVケーブルの絶縁劣化診断を行なえる様に工夫している。 【0014】先ず、図3〜5は、請求項2に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。この第1例の場合には、図3に示す様な回路により、直流漏れ電流Idの一部を打ち消し、揺らぎ成分を際立たせる。先ず、この図3に示した回路に就いて説明する。絶縁劣化診断を行なう際に、試料であるCVケーブル1には、直流印加電源2により、導線と絶縁層の外周面との間に、直流電圧を印加する。この結果、上記絶縁層と抵抗3とを通じて、上記直流漏れ電流Id が流れる。一方、電流検出部であるこの抵抗3と並列に、打ち消し電源4を設け、この打ち消し電源4からこの抵抗3部分に、上記直流漏れ電流Id と逆方向(極性が逆)の打ち消し電流Ic を流す。尚、上記打ち消し電源4と直列に、上記抵抗3よりも十分に大きな抵抗値を有する抵抗5を設けている。この抵抗5は、上記打ち消し電源4を設けた回路側に上記直流漏れ電流Id が流入する事を抑制する為のもので、上記電流検出部である抵抗3よりも、最低でも2桁程度以上大きな抵抗値を有する。 【0015】この様な回路を使用する本例によれば、直流漏れ電流Id 中に含まれる揺らぎ成分を明確に抽出して、信頼性の高い絶縁劣化診断を行なえる。即ち、絶縁劣化診断を行なう際には、上記直流印加電源2により導線と絶縁層の外周面との間に直流電圧を印加し、この絶縁層を通じて流れる直流漏れ電流Id を測定する。そして、上記打ち消し電源4により上記抵抗3部分に、図4に示す様に、測定された直流漏れ電流Id とほぼ同じ大きさの打ち消し電流Ic を、電流検出部である上記抵抗3部分に流す。この結果、上記直流漏れ電流Id の一部が打ち消され、この抵抗3部分で測定される電流が、「Id −Ic 」なる微小電流になる。そこで、図5に示す様に、この「Id −Ic 」なる微小電流を増幅して、揺らぎ成分△Id の有無を確認する。この様な揺らぎ成分△Id の有無及び大きさにより、上記絶縁層の劣化状態を判定できる。即ち、この揺らぎ成分△Id の存在に基づき、絶縁層の劣化に結び付く水トリーの存在を知る事ができ、揺らぎ成分△Idの大きさにより、劣化状態を知る事ができる。尚、この揺らぎ成分△Id の大きさと絶縁層の劣化程度との関係は、実験により予め求めておく。 【0016】次に、図6は、請求項3に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合も、絶縁劣化診断を行なう際に、直流印加電源2により、試料であるCVケーブル1の導線と絶縁層の外周面との間に直流電圧を印加し、抵抗3に直流漏れ電流Id を流す。本例の場合には、この抵抗3を挟む部位の電圧を検出して、A/D変換器6によりこの検出値をディジタル値に変換する。次いで、このディジタル値中の低位桁のみを、D/A変換器7によりアナログ値に変換して、ペンレコーダ等の表示部8に出力する。そして、この出力を観察する事により、揺らぎ成分の有無及び大きさを観察する。 【0017】この様にして、上記直流漏れ電流Id を処理すると、この直流漏れ電流Id 中の直流レベル、即ち揺らぎ成分に関係なく変化しない部分を自動的に除去して、この揺らぎ成分の測定を高感度で行なえる。例えば、検出用の抵抗3の抵抗値を1kΩとし、分解能が1μV、5桁出力のディジタル直流電圧計を用いた場合を例に説明する。この様な場合に、最低位(1〜9μV)の桁から第3桁目(0.1〜0.9mV)までのディジタル出力を選択して(上位2桁を捨てて)アナログ値に変換すれ(例えば、ディジタル直流電圧計の測定値から求められる電流値が15.234μA〜15.876μAの場合に、15μAを捨てて、0.234μA〜0.876μAのみをアナログ値に変換する)ば、検出感度が1nAから0.999μAまでの直流漏れ電流のみを検出できる。言い換えれば、1μA以上の直流電流を自動的に除去して、揺らぎ成分を高感度で検出できる。 【0018】次に、図7は、請求項4に対応する、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の場合も、絶縁劣化診断を行なう際に、直流印加電源2により、試料であるCVケーブル1の導線と絶縁層の外周面との間に直流電圧を印加し、抵抗3に直流漏れ電流Id を流す。特に、本例の場合には、試料であるCVケーブル1と並列にコンデンサ9を配置している。このコンデンサ9の静電容量は、上記絶縁層の静電容量にできるだけ近いものとする。そして、これらCVケーブル1とコンデンサ9とに、上記直流印加電源2により、同じ直流電圧を印加する。又、抵抗3部分で上記CVケーブル1の絶縁層を通じて流れる直流漏れ電流Id を、別の抵抗10部分で上記コンデンサ9を通じて流れる変位電流Ic を、それぞれ測定自在としている。 【0019】それぞれを上述の様にして求める、これら直流漏れ電流Id と変位電流Ic とのうち、直流漏れ電流Id は直接、変位電流Ic は直流増幅器11等の変換器を介してk倍に増幅(変換)してから、ぞれぞれ差動増幅器12に入力している。そして、この差動増幅器12は、上記直流漏れ電流Id から変位電流Ic の増幅値k・Ic を減じた値「Id −k・Ic 」を出力する。本例の場合には、この値「Id −k・Ic 」を観察する事により、揺らぎ成分の有無及び大きさを診断する。本例の方法を実施する場合に好ましくは、次の様な調整作業を行なっておく。即ち、規定の直流漏れ電流Id を得る為に必要な測定電圧よりも低い直流電圧を上記CVケーブル1及びコンデンサ9に印加し、その際に流れる変位電流Icにより、予め上記差動増幅器12の出力「Id −k・Id 」が最小になる様に、上記直流増幅器11の増幅値kを調整しておく。この様な調整作業を予め行なっておけば、次述する様な、上記差動増幅器12で検出される信号中に含まれる、CVケーブル1の絶縁層中の静電容量Cx に流れる変位電流成分の影響、並びに直流印加電源2の直流出力電圧の変動の影響を大幅に低減して、直流漏れ電流Id の揺らぎ成分の評価の信頼性を高くできる。 【0020】本例の場合には、上述の様な構成を採用する事により、直流印加電源2の出力電圧の変動等の要因を除去して、より信頼性の高い電力ケーブルの絶縁劣化診断を行なえる。即ち、上記直流印加電源2から試料であるCVケーブル1に直流電圧を課電した場合、このCVケーブル1は、直流印加電源2の内部抵抗Ro とCVケーブル1の静電容量Cx から成る時定数τ=Cx ・Ro で充電される。そして、この静電容量Cx が大きくなると、上記抵抗3を設けた測定回路中に、この静電容量Cx に基づく変位電流が長時間に亙って流れる。又、上記直流印加電源2として一般的には、100〜200Vの交流を整流して用いる。この為、交流入力電圧が変動すると、直流出力電圧が変動し、この変動による変位電流成分が、上記CVケーブル1の静電容量Cx を経て、測定回路に流れ込む。即ち、この電流印加電源2は、コンデンサを内蔵しており、起動時の電力値は入力値よりも出力値が大きくなるが、定常時の電力値は、入力値と出力値とで、ほぼ同じになる。この定常時に、上述の原因で直流出力電圧が変動する。 【0021】前述した第1〜2例の場合には、揺らぎ成分を顕在化させる為に直流定常電流を除去する方法を採用している為、上述の様な原因で発生する変位電流を打ち消す事はできない。特に、直流印加電源2の出力が変動する事に伴う変位電流の成分は、直流漏れ電流Id の揺らぎ成分と区別がしにくい。従って、より信頼性の高い電力ケーブルの絶縁劣化診断を行なう為には、上記変位電流成分の影響を受けない測定方法を採用する事が好ましい。本例の場合には、この様な変位電流成分を除去して、上記CVケーブル1の絶縁層を通じて流れる直流漏れ電流Id の揺らぎ成分の検出を安定して行なえる。 【0022】 【発明の効果】本発明の電力ケーブルの絶縁劣化診断方法は、以上に述べた通り構成され作用するので、従来方法では困難であった、22kVCVケーブルの様な、長いケーブル線路を有するCVケーブルの絶縁劣化の診断を、十分な信頼性を持って行なえる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003687 【氏名又は名称】東京電力株式会社 【識別番号】000003263 【氏名又は名称】三菱電線工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)3月23日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】小山 武男 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−271386 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)10月8日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−73668 |
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