| 【発明の名称】 |
電力ケーブルの故障点標定方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】中村 良晴
【氏名】天野 一夫
【氏名】滝波 直樹
【氏名】千野 孝
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| 【要約】 |
【課題】温度上昇以外の要素を取り入れて電力ケーブルの故障を判断して、温度上昇が少ない場合にもより正確に故障点の位置標定ができる。
【解決手段】分布型温度センサ本体4で電力ケーブル1の長手方向の温度分布を検出し、検出温度分布に基づき、コンピュータ21により、測定点の温度上昇が定常時と比較して所定以上あるか否かの第1の判断基準〔1〕、測定点の前後所定長さの平均温度と測定点との温度差が所定以上あるか否かの第2の判断基準〔2〕、および、測定点の所定回の測定において測定毎に温度が下降するか否かの第3の判断基準〔3〕を、電力ケーブル1長手方向の各測定点について判断する。また、判断の結果に基づき、電力ケーブルの故障点を標定する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 測定対象の電力ケーブルに沿わせて配設した分布型温度センサで当該電力ケーブルの長手方向の温度分布を検出し、検出温度分布に基づき電力ケーブルの故障点を標定する方法において、検出温度分布に基づき、測定点の温度上昇が定常時と比較して所定以上あるか否かの第1の判断基準、測定点の前後所定長さの平均温度と測定点との温度差が所定以上あるか否かの第2の判断基準、および、測定点の所定回の測定において測定毎に温度が下降するか否かの第3の判断基準を、電力ケーブル長手方向の各測定点について判断し、判断の結果に基づき、電力ケーブルの故障点を標定することを特徴とする電力ケーブルの故障点標定方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、電力ケーブルの故障点標定方法に関するもので、温度上昇から事故点を標定する場合の精度を高めたもの、特に、分布型温度センサを用いる場合の故障点の標定精度を高めるものである。 【0002】 【従来の技術】従来、電力ケーブルでは、落雷による衝撃電圧の印加や、電力ケーブルの絶縁体の劣化あるいは電力ケーブルの外傷により絶縁破壊が生じ、この絶縁破壊の生じた部分から大電流が接地系に流れる地絡事故が生じて、その電力ケーブルに損傷が生じる場合がある。このような電力ケーブルの地絡事故等の故障の発生地点を検出する故障点の標定技術には、電力ケーブルに光ファイバを設けて電力ケーブルに断線事故が生じた位置をその光ファイバの破断等の異常から検出する技術がある(例えば特開昭60−174960号、同61−96477号公報参照)。しかしながら、このような技術では光ファイバに異常が生じない限り故障点が標定できないという欠点がある。 【0003】これに対して、分布型温度センサを電力ケーブルに設けて電力ケーブルの長手方向の温度分布を測定し、故障発生前よりも発生後に温度が上昇した地点を事故点と判断している(例えば、特開平4−70527号公報参照)。すなわち、この公報記載の技術においては、ラマン散乱型光ファイバ式分布型温度計を用いてその温度検知部である光ファイバを電力ケーブルの長さ方向に沿わせて当該長さ方向における温度分布を計測することにより、電力ケーブルの線路における地絡事故等の事故により温度上昇した位置(ピーク位置)を検出して、事故発生地点を知得する。 【0004】なお、前記ラマン散乱型光ファイバ式分布型温度センサによる温度分布計測原理は次の通りである。すなわち、光ファイバに光を入射すれば、光ファイバ内のわずかな屈折率の揺らぎや光ファイバを構成する分子、原子による吸収、再発光等による散乱が生じる。この散乱光には、入射光と同じ波長の光であるレーリ散乱光と、入射光と異なる波長の光であるラマン散乱光とがある。後者のラマン散乱光は、光ファイバを構成する分子、原子の熱振動により発生する散乱光で、その強さは温度に大きく依存する。そこで、入射光として特定波長のパルス光(通常はレーザ光)を使用し、散乱光により光が戻ってくるまでの時間の遅れとラマン後方散乱光の強さを検出することにより、光ファイバの長さ方向各位置の温度を計測することができる。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従来の技術により電力ケーブルの長手方向の温度分布を計測して、その温度上昇が高い位置を故障点とするとしても、ケーブルの導体温度を直接計測することは困難あるいは不可能なため、電力ケーブルの遮蔽層あるいはケーブル表面の温度を測定しており、故障による温度上昇が少ない場合、正確な位置標定が困難である。例えば図11に示すように、電力ケーブルaに沿って光ファイバケーブルbが配設されていても地絡容量が小さい電力ケーブルaの場合、電力ケーブルaの箇所cで地絡事故が生じても、光ファイバケーブルbには、事故と判断できる所定以上の温度上昇を検出できず、故障点の正確な位置標定ができないという問題点があった。 【0006】これに対して、事故を判断する所定温度を単に下げただけでは、送電時の温度上昇で事故が生じていないにもかかわらず事故と判断してしまう恐れがある。また、図11に破線で示すように光ファイバケーブルb1、b2、b3・・・を電力ケーブルの表面に密に配設することが考えられるが、コスト上昇を招き現実的ではない。 【0007】本発明は、前記従来の問題点を解消するべくなされたものであって、温度上昇以外の要素を取り入れて電力ケーブルの故障を判断して、温度上昇が少ない場合にもより正確に故障点の位置標定ができる電力ケーブルの故障点標定方法を提供することを課題とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、前記課題を解決するため、測定対象の電力ケーブルに沿わせて配設した分布型温度センサで当該電力ケーブルの長手方向の温度分布を検出し、検出温度分布に基づき電力ケーブルの故障点を標定する方法において、検出温度分布に基づき、測定点の温度上昇が定常時と比較して所定以上あるか否かの第1の判断基準、測定点の前後所定長さの平均温度と測定点との温度差が所定以上あるか否かの第2の判断基準、および、測定点の所定回の測定において測定毎に温度が下降するか否かの第3の判断基準を、電力ケーブル長手方向の各測定点について判断し、判断の結果に基づき、電力ケーブルの故障点を標定することを特徴とする電力ケーブルの故障点標定方法の構成を有する。 【0009】発明者は、電力ケーブルに光ファイバを配設して、光ファイバにより電力ケーブルの温度分布の検出するのを、例えば図5に示すように、光ファイバを円周方向に90度おきに4本複合したケーブルを用いて行った。その結果、地絡容量が小さい(例えば200A×0.1秒)ときに故障点から円周方向で90°離れた部分の光ファイバによる測定温度が、事故点判定レベルである温度上昇5°Cに満たない場合があることが分かった。 【0010】光ファイバ2本で故障点標定を行うならば、円周方向に90°離れた場所での故障点も標定できなければならない。そのため、温度上昇が5°C未満の場合の故障点標定方法を検討した結果、本発明をなしたものである。 【0011】請求項1の発明によれば、分布型温度センサで当該電力ケーブルの長手方向の温度分布を検出し、検出温度分布に基づき電力ケーブルの故障点を標定するに際して、検出温度分布に基づき、測定点の温度上昇が定常時と比較して所定以上あるか否かの第1の判断基準、測定点の前後所定長さの平均温度と測定点との温度差が所定以上あるか否かの第2の判断基準、および、測定点の所定回の測定において測定毎に温度が下降するか否かの第3の判断基準を、電力ケーブル長手方向の各測定点について判断する。また、判断の結果に基づき、電力ケーブルの故障点を標定する。したがって、故障点の標定を温度上昇以外の前記第2および第3の判断基準で行うため、故障により温度上昇が少ない場合にも故障点の標定ができる。 【0012】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は本発明の実施形態に係る多回線対応型の故障点標定装置の説明図、図2はこの故障点標定装置の各光路切り替え器2b、3bの詳細構成図、図3は各電気スイッチ17、18、19の詳細説明図である。 【0013】図1に示す故障点標定装置は、3本の電力ケーブル1(1・1、1・2、1・3)に添わせて配設した温度分布測定用光ファイバ2a(2a1〜2a3)、3a(3a1〜3a3)を有する第1、第2のファイバ検知部2、3と、第1、第2のファイバ検知部2、3にレーザパルス光を入射して温度分布測定用光ファイバ2a(2a1〜2a3)、3a(3a1〜3a3)からのラマン散乱光を検出するセンサ本体4と、検出されたラマン散乱光信号を平均化処理するデジタルアベレージャ20と、平均化処理データを温度分布データに変換する等の他、当該故障点標定装置に制御指令を出力するコンピュータ21とを有する。 【0014】第1、第2のファイバ検知部2、3は、温度分布測定用光ファイバ2a(2a1〜2a3)、3a(3a1〜3a3)の他に、各温度分布測定用光ファイバ2a(2a1〜2a3)を切り替えてレーザパルス光を入射する第1の1xN光路切り替え器2bと、該光路切り替え器2bをセンサ本体4に接続する第1の接続部2cと、各温度分布測定用光ファイバ3a(3a1〜2a3)を切り替えてレーザパルス光を入射する第2の1xN光路切り替え器3bと、該光路切り替え器3bをセンサ本体4に接続する第2の接続部3cとを有している。 【0015】前記第1、第2のファイバ検知部2、3の光路切り替え器2b、3bの構成は、図2(a)、(b)に示すように、接続部2c、3cからの光を反射する反射鏡33、34と、該反射鏡33、34を回転軸31、32を介して回転させるモータ30とを有している。また、各光ファイバ2a、3aの入射側端部は反射鏡33、34を中心とする円周状に沿って配列されており、反射鏡33、34の回転により、前記接続部2c、3cからの光を切り替えて各光ファイバ2a、3aの入射側端部に入射するようになっている。 【0016】なお、図1のように、各電力ケーブル1・1、1・2、1・3には、それに過電流が生じたことを検出する過電流センサが配設されており、過電流センサ信号は過電流信号処理装置22に入力されるようになっている。過電流信号処理装置22は、接点リレー信号をコンピュータ21に出力する。 【0017】ここで、センサ本体4の光源5から出射されたレーザパルス光は、光分岐器6に入射され、この光分岐器6は入射光を2方向に分岐する。これら2つの分岐光(レーザパルス光)の一方は、第1の分波器7を介して第1のファイバ検知部2に入射される。また、前記の分岐光は、この第1のファイバ検知部2から光ファイバ2a1〜2a3に入射され、光ファイバ2a1〜2a3からは後方ラマン散乱光が出射されて、その後方ラマン散乱光は第1のファイバ検知部2を介して第1の分波器7に入射される。 【0018】第1の分波器7は前記後方ラマン散乱光を第1のストークス光(1)および第1の反ストークス光(1’)に分波して、それぞれを受光素子9、10に入射する。受光素子9、10は、それぞれ第1のストークス光(1)および第1の反ストークス光(1’)をストークス電気信号および反ストークス電気信号に変換して各増幅器13、14に出力する。各増幅器13、14ではストークス電気信号および反ストークス電気信号を増幅して第1の電気スイッチ17に導く。 【0019】一方、前記の2つの分岐光(レーザパルス光)の他方は、第2の分波器8を介して第2のファイバ検知部3に入射される。また、前記分岐光は、この第2のファイバ検知部3から光ファイバ3a1〜3a3に入射され、光ファイバ3a1〜3a3からは後方ラマン散乱光が出射されて、そのラマン散乱光は第2のファイバ検知部3を介して第2の分波器8に入射される。第2の分波器8は前記後方ラマン散乱光を第2のストークス光(2)および第2の反ストークス光(2’)に分波して、それぞれを受光素子11、12に入射する。 【0020】受光素子11、12は、それぞれ第2のストークス光(2)および第2の反ストークス光(2’)をストークス電気信号および反ストークス電気信号に変換して各増幅器15、16に出力する。増幅器15はストークス電気信号を増幅して第2の電気スイッチ18に導く。増幅器16は反ストークス電気信号を増幅して第3の電気スイッチ19に導く。 【0021】第1の電気スイッチ17は、2つの入力端子17a、17aと2つの出力端子17b、17bを有している。この2つの入力端子17a、17aは増幅器13、14とそれぞれ接続されている。また、2つの出力端子17b、17bは第2の電気スイッチ18および第3の電気スイッチ19にそれぞれ接続されている。第2の電気スイッチ18は、2つの入力端子18a、18aと1つの出力端子18bを有している。この2つの入力端子18a、18aの内の一方は第1の電気スイッチ17の出力端子17bに接続され、他方は増幅器15に接続される。第3の電気スイッチ19は、2つの入力端子19a、19aと1つの出力端子19bを有している。この2つの入力端子19a、19aの内の一方は第1の電気スイッチ17の出力端子17bに接続され、他方は増幅器16に接続される。 【0022】第2の電気スイッチ18および第3の電気スイッチ19からの出力が、センサ本体4からの出力信号としてデジタルアベレージャ20に入力され、平均化処理が行われ、ノイズ低減がなされる。デジタルアベレージャ20からコンピュータ21にデータが転送され、コンピュータ21で温度分布データに変換される。なお、デジタルアベレージャ20には例えば汎用の2チャンネルのものを用いる。また、デジタルアベレージャ20は光源5へトリガ信号を送るようになっている。 【0023】ところで、各電気スイッチ17、18、19はコンピュータ21からの電気スイッチ制御信号によって制御され、図3の(a)、(b)、(c)に示されるような第1、第2、第3の系統に切り換えるように構成されている。第1、第2の系統は通常時の温度測定に使用され、第3の系統はケーブル故障時に使用される。 【0024】図3の(a)に示すように、第1の系統は、第1のフィアバ検知部2出力のストークス光(1)を、第1の電気スイッチ17から第2の電気スイッチ18を介してデジタルアベレージャ20に入力する。それと共に、第1のフィアバ検知部2出力の反ストークス光(1’)を、第1の電気スイッチ17から第3の電気スイッチ19を介してデジタルアベレージャ20に入力する。また、(b)に示すように、第2の系統は、第2のフィアバ検知部3出力のストークス光(2)を、第2の電気スイッチ18を介してデジタルアベレージャ20に入力する。それと共に、第2のファイバ検知部3出力の反ストークス光(2’)を、第3の電気スイッチ19を介してデジタルアベレージャ20に入力する。また、(c)に示すように、第3の系統は、第1のファイバ検知部2出力の反ストークス光(1’)を、第1の電気スイッチ17から第2の電気スイッチ18を介してデジタルアベレージャ20に入力する。それと共に、第2のファイバ検知部3出力の反ストークス光(2’)を第3の電気スイッチ19を介してデジタルアベレージャ20に入力する。 【0025】本実施形態の故障点標定装置の基本的なフローチャートは、図4に示すようになる。図4に示すように、まず、常時、電力ケーブル1・1、1・2、1・3の温度分布を測定し、事故が発生しているか否かを判断する(ステップ1)。事故が発生したと判断したならば、常時測定から事故発生相の温度測定に瞬時に切り替える。光ファイバケーブルが断芯したか否かを判断し(ステップ2)、断芯した箇所があるならば事故による断芯とみなして故障点の標定を行い(ステップ5)、そこを故障点とする。断芯箇所がなくても、定常時よりも5°以上に温度上昇した場所があるならば(ステップ3)、故障点の標定を行う(ステップ5)。光ファイバケーブルが断芯せずかつ5°C以上温度上昇した箇所がないならば、本発明による温度上昇5°C未満の場合の故障の判別を行う(ステップ4)。故障が判別されたならば、故障点の標定を行う(ステップ5)。 【0026】前記各ステップ1〜5を詳細に説明する。前記ステップ1の通常時の温度測定手順を説明する。電力ケーブル1に配設した第1の温度分布測定用光ファイバ2aと第2の温度分布測定用光ファイバ3aを光学的に接続(光コネクタ接続、光融着接続)する。コンピュータ21から第1のファイバ検知部2および第2のファイバ検知部3へ切り替え制御信号を送出する。この信号により、第1の1xN光路切り替え器2bと、第2の1xN光路切り替え器3bが、第1の電力ケーブル1・1の温度分布測定用光ファイバ2a1および3a1に光学的に接続される。コンピュータ21は、電気スイッチ17、18、19へ電気スイッチ制御信号を送出する。この信号により第1の系統のように電気スイッチ17、18、19が制御される。この結果、第1の電力ケーブル1・1の温度分布測定用光ファイバ2a1の温度分布が測定される。 【0027】次いで、コンピュータ21から、電気スイッチ17、18、19へ電気スイッチ制御信号を送出する。この信号により、前記第2の系統のように電気スイッチ17、18、19が制御される。この結果、第1の電力ケーブル1・1の温度分布測定用光ファイバ3a1の温度分布が測定される。 【0028】次いで、コンピュータ21から第1のファイバ検知部2および第2のファイバ検知部3へ切り替え制御信号を送出する。この信号により、第1の1xN光路切り替え器2bと第2の1xN光路切り替え器3bが、第2の電力ケーブル1・2の温度分布測定用光ファイバ2a2、3a2と光学的に接続される。コンピュータ21は、電気スイッチ17、18、19電気スイッチ制御信号を送出する。この制御信号により、前記第1の系統のように電気スイッチが17、18、19が制御される。この結果、第2の電力ケーブル1・2の温度分布測定用光ファイバ3a2の温度分布が測定される。 【0029】次いで、コンピュータ21から、電気スイッチ17、18、19へ電気スイッチ信号を送出する。この信号により、前記第2の系統のように電気スイッチ17、18、19が制御される。この結果第2の電力ケーブル1・2の温度分布測定用光ファイバ3a1の温度分布が測定される。 【0030】以後、前記と同様の手順により、第3の電力ケーブル1・3の温度分布測定用光ファイバ2a3、3a3の温度分布を測定する。 【0031】ここで、ステップ1〜3のケーブル故障時の温度測定手順は次のようになる。ステップ1において、事故が発生したことは例えば過電流センサにより検出する。すなわち、電力ケーブル1に設けられた過電流センサからの信号により過電流信号処理装置22が電力ケーブル1・1、1・2、1・3の少なくともいずれかに過電流が生じたことをモニターしている。過電流が発生した場合、過電流信号処理装置22からコンピュータ21へ接点リレー信号を送出する。その信号により、コンピュータ21は、故障した電力ケーブル1を認識する。 【0032】仮に第3の電力ケーブル1・3が故障した場合を仮定して説明する。コンピュータ21から第1のファイバ検知部2および第2のファイバ検知部3へ切り替え制御信号を送出する。この信号により、第1の1xN光路切り替え器2bと第2の1xN光路切り替え器3bが、第3の電力ケーブルの温度分布測定用光ファイバ2a3および3a3の温度分布を測定する。この温度測定結果により、ケーブル故障点を標定する。 【0033】さらにステップ4の温度上昇が5°c未満の場合の故障の検出は次のようにする。故障による温度上昇があるならばその点では、以下のような特徴があるはずである。 〔1〕定常時と比較して温度上昇している。 〔2〕長手方向で前後と比較して温度が高い〔3〕故障発生後1→2→3回と測定毎に温度が下降している。 【0034】光ファイバの各地点において、この3つの条件〔1〕〜〔3〕のそれぞれについて、光ファイバ長x(m)の地点が故障点である可能性の高さをしめす関数 fi(x) (0≦fi(x)≦1) …(1) を導入し、 P(x)=w1f1(x)+w2f2(x)+w3f3(x) …(2) ただし、w1,w2,w3:条件〔1〕,〔2〕,〔3〕に対する重みの大きい順に故障点である可能性が大きいと判別する。 【0035】〔1〕定常時からの温度上昇。 光ファイバのm(m)での、定常時(故障前)の温度をt(m,0)、故障後n回目の温度測定結果をt(m,n)として、f1(x)は次式および図5のように定める。 【数1】
【0036】〔2〕前後平均との比較。 例えば前後3mの平均とその地点との温度差により、f2(m)を定める。ここでは、5°C以上温度差があれば、故障点である可能性が高いとする。 【数2】
【0037】〔3〕1→2→3回と測定毎に温度が下降。 この条件については、当てはまるか、そうでないかの2通りになる。 【数3】
【0038】(故障の判別)発明者は、本発明の効果を確認するべく、地絡直後の温度測定で5°C未満の試料4例(TNo.815,817,818,819)について本発明方法で故障点の判別ができるか否かを検討した。この場合の試料は、77kVCVケーブル1×400mm2(銅テープ遮蔽)で、図6に示すように光ファイバθ1〜θ4は電力ケーブル1の周囲に4本円周方向に当分配になるよう複合されている。また、光ファイバθ1〜θ4の電力ケーブルに配設されている長さはそれぞれほぼ6〜7(m)であって、その長手方向のほぼ中央位置で電力ケーブルに針金を打ち込んで地絡を生じさせて試験したものである。また、光ファイバθ1〜θ4はシリーズに接続しており、その光ファイバθ1〜θ4の総延長について温度分布測定をしている。光ファイバθ1とθ2とを一端で光結合し、光ファイバθ2とθ3とを他端で光結合し、θ3とθ4とを一端で光結合して、光ファイバθ1の端部からレーザパルス光を入射して温度分布測定をしたものである。 【0039】検討した4例の、地絡試験時の温度測定結果を表1と図7〜図9とに示す。図7〜図9では、電力ケーブルの地絡により断線した光ファイバθ4の温度分布は省略している。試験の結果、光ファイバは全ての試料(TNo.815,817,818,819)においてθ4で断芯しており、θ1〜θ3の温度上昇は5°C未満である。なお、今回は、3つの条件〔1〕〜〔3〕に対する重みw1〜w3は、w1=0.4w2=0.4w3=0.2とした。 【0040】 【表1】
【0041】(判別結果)判別結果を表2〜5に示す。表中の網掛部分が地絡部分の近傍の位置に対応する光ファイバθ1〜θ3の位置を表す。また、右側の表は、P(m)の値の順に並べたものである。この結果から、4試料ともθ1あるいはθ3でP(m)が一番大きくなっており、これにより、本発明方法が故障点判別の方法として有用なものであることが分かる。 【0042】 【表2】
【0043】 【表3】
【0044】 【表4】
【0045】 【表5】
【0046】なお、前記実施形態では、複数の電力ケーブルについて故障点を標定する装置を示したが本発明の実施範囲は単数の電力ケーブルでも実施できることがもちろんである。また、故障点である可能性の高さを示す関数fiの前記(3)〜(5)式および重みw1〜w3の数値は本発明の一例であり、適宜に他の数式あるいは数値を用いることができる。 【0047】 【発明の効果】以上説明した通り本発明によれば、温度上昇以外の要素を取り入れて電力ケーブルの故障を判断して、温度上昇が少ない場合にもより正確に故障点の位置標定ができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005186 【氏名又は名称】株式会社フジクラ
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)3月24日 |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開平11−271381 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)10月8日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−76226 |
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