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【発明の名称】 回路定数調整方法
【発明者】 【氏名】▲よし▼川 嘉茂

【氏名】堀池 良雄

【要約】 【課題】低コストで信頼性の高い回路定数調整方法を得る。

【解決手段】回路基板1上に複数の回路部品を配置し、回路2の特性の測定結果から所望の特性を得るために接続すべきショートランド4を決定し、次に前記ショートランドを接続する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】回路基板上に複数の回路部品を配置し、測定手段により回路の特性を測定し、前記測定結果より前記回路が所望の特性となるために接続すべき前記回路基板上の配線パターンに形成されたショートランドを決定し、次に前記ショートランドを接続する回路定数調整方法。
【請求項2】回路基板上に複数の回路部品を配置し、測定手段により回路の特性を測定しながら前記回路基板上の配線パターンに形成されたショートランドを接点器具で接触して導通することにより所望の特性となるために接続すべきショートランドを調べ、次に前記接続すべきショートランドを接続する回路定数調整方法。
【請求項3】回路基板上に配置された複数の回路部品を並列に接続し、前記複数の回路部品の各々の片方の端子はそれぞれショートランドにより配線が切断されている構成とした請求項2記載の回路定数調整方法。
【請求項4】回路基板上に配置された複数の回路部品を直列に接続し、前記回路部品の各々の2端子間を短絡できるように形成されたショートランドを備えた請求項2記載の回路定数調整方法。
【請求項5】回路基板上に構成された第1のプローブおよび第2の端子にそれぞれ第1および第2のプローブを接触し、測定手段により回路の特性を測定しながら前記第1のプローブと第2のプローブの間に接続した回路定数の値を可変することにより所望の特性を得るための前記回路定数の値を調べ、前記所望の特性を得るための前記回路定数の値と同一または近い値となるように予め基板上に配置した複数の回路部品の接続を決定し、次に前記決定に従って接続を行う回路定数調整方法。
【請求項6】回路基板上に配置された複数の回路部品を並列に接続し、前記複数の回路部品の各々の片方の端子はそれぞれショートランドにより配線が切断されており、回路定数の調整は前記ショートランドを接続して行う請求項5記載の回路定数調整方法。
【請求項7】回路基板上に配置された複数の回路部品を直列に接続し、回路定数の調整は前記回路部品の各々の2端子間を短絡して接続することにより行う請求項5記載の回路定数調整方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として回路基板上に複数の部品を実装して構成された電子回路機器の特性を調整するための回路定数調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図5は、従来の回路定数調整方法を示すブロック図である。
【0003】図5において、1は回路基板、2は回路、14は可変抵抗、5は測定手段である。
【0004】まず従来の回路定数調整方法について説明する。基板上に各種の回路部品が形成されて回路 が構成されている。回路の特性を調整するために可変抵抗14が回路2に接続されている。回路の特性は回路に接続された測定手段により測定される。この測定と同時に可変抵抗14を可変して予め設定された所望の特性となるように調整する。ここで、特性は回路により異なるが電流値、電圧値、周波数などである。
【0005】ここでは、可変部品は可変抵抗の場合の例を示したが、他に可変コンデンサや可変インダクタなどが調整に用いられる場合もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来の回路定数調整方法では、可変抵抗や可変コンデンサなどの可変部品を使用しているため、部品コストが高いという課題や、これらは可動の接点を持っているため経時変化や衝撃等により接触不良や定数変化等が発生しやすいという課題があった。
【0007】本発明は上記の課題を解決するものであり、低コストで、経時変化等に関して信頼性の高い機器を実現できる回路定数調整方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、回路基板に調整用の回路部品を複数配置しておき、測定手段で測定した回路の特性より前記回路が所望の特性となるために接続すべき前記回路基板上の配線パターンに形成されたショートランドを決定し、次に前記ショートランドを接続するものである。
【0009】上記発明によれば、可変部品を用いず固定部品を用いるため低コストであり、調整はショートランドの接続により行うため高い信頼性を得ることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】回路基板上に複数の回路部品を配置し、測定手段により回路の特性を測定し、前記測定結果より前記回路が所望の特性となるために接続すべき前記回路基板上の配線パターンに形成されたショートランドを決定し、次に前記ショートランドを接続するものである。そして、可変部品を用いる必要がないため安価な固定部品を用いて回路定数を調整でき、信頼性を向上することができる。
【0011】また、回路基板上に複数の回路部品を配置し、測定手段により回路の特性を測定しながら前記回路基板上の配線パターンに形成されたショートランドを接点器具で接触して導通することにより所望の特性となるために接続すべきショートランドを調べ、次に前記接続するべきショートランドを接続するものである。そしてショートランドを接続したときの特性を測定で確認してから接続を行うため確実かつ正確に定数調整を行うことができる。
【0012】また、回路基板上に配置された複数の回路部品を並列に接続し、前記複数の回路部品の各々の片方の端子はそれぞれショートランドにより配線が切断されている構成としたものである。そして、回路部品を並列接続としたためコンデンサなどの定数の調整をリニアに行うことができる。
【0013】また、回路基板上に配置された複数の回路部品を直列に接続し、前記回路部品の各々の2端子間を短絡できるように形成されたショートランドを備えたものである。そして、回路部品を直列接続としたため抵抗やインダクタなどの定数の調整をリニアに行うことができる。
【0014】また、回路基板上に構成された第1および第2の端子にそれぞれ第1および第2のプローブを接触し、測定手段により回路の特性を測定しながら前記第1のプローブと第2のプローブの間に接続した回路定数の値を可変する。これによって所望の特性を得るための前記回路定数の値を調べ、前記所望の特性を得るための前記回路定数の値と同一または近い値となるように予め基板上に配置した複数の回路部品の接続を決定し、次に前記決定に従って接続を行うものである。そして、回路基板外の回路定数を変えて最適な定数の値を調べるため、最適値を求める時間を短縮することができ、接続するショートランドの組み合わせが複雑な場合でも即座に答えを得ることができる。
【0015】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例について説明する。
【0016】(実施例1)図1は、本発明による回路定数調整方法の実施例の構成を示すブロック図である。図1において、1は回路基板、2は回路、3は抵抗部品、4はショートランド、5は測定手段である。
【0017】回路基板1に回路2が構成されており、特性調整のために複数の抵抗部品3が配置されており、どの抵抗部品を接続するかにより回路の特性が変わるように設計されている。ここで、特性とは回路により異なるが電流値、電圧値、周波数などである。そして、回路の特性が測定手段5により測定される。この時点では、測定された回路の特性は予め設定した所望の特性から外れている場合が多い。この測定結果より複数の抵抗部品3の内、どの抵抗部品を接続すれば所望の特性が得られるかを決定する。これに従って対応するショートランド4を接続する。
【0018】以上のように定数調整に高価な可変部品を用いる必要がなく、安価な固定部品で構成して回路定数を調整でき、信頼性を向上することができる。
【0019】尚、本実施例では、調整する定数を抵抗としたが、コンデンサ、インダクタなど任意の回路定数を用いることもできる。
【0020】また、接続するショートランドは1カ所とは限らず、複数のショートランドを接続することにより選択できる定数値を多くすることができる。
【0021】また、ショートランドの形状は、図1に示した半円状の他に任意の形状を用いることができ、接続して導通することができれば特にランドの形をとる必要はない。
【0022】また、ショートランドの代わりにスイッチ部品を用いても良い。
(実施例2)図2は、本発明による回路定数調整方法の実施例2の構成を示すブロック図である。図2において、6はコンデンサ部品、7は接点器具、8は半田、9は半田ごてである。また、図1と同じ構成要素については同一の番号を付けて示した。本実施例の特徴は、ショートランドを接点器具6で接触して導通しながら測定手段5で特性を確認している点である。接点器具7により接触するショートランドを順に変えていくことにより最適なショートランドの接続箇所を調べることができる。その後、決定したショートランドを接続する。本実施例では半田ごて9を用いて半田8によりショートランド4を接続している。
【0023】以上のように、ショートランドを接続したときの特性を測定で確認してから接続を行うため確実かつ正確に定数調整を行うことができる。尚、本実施例ではコンデンサ部品6を用いたが、抵抗部品、インダクタ部品等の任意の回路部品を用いることもできる。
【0024】また、本実施例でコンデンサ部品6を並列に接続している。このように並列接続とすることにより定数値の調整をリニアにすることができる。例えば、複数のコンデンサ部品6を全て同一の容量とすればよい。また、それぞれ異なった値とすることにより調整のステップを任意に設定することができる。例えば、各コンデンサの値の比をそれぞれ2のN乗として接続するショートランドを組み合わせることにより調整範囲を大きくとることができる。
【0025】(実施例3)図3は、本発明による回路定数調整方法の第3の実施例の構成を示すブロック図である。図3で、図1、2と同じ構成要素については同一の番号を付けて示した。
【0026】本実施例では、抵抗部品3を直列に接続している。また、各ショートランド4は各抵抗部品の両端子を短絡できるように構成されている。このように抵抗部品を直列接続とすることにより定数値の調整をリニアにすることができる。例えば、複数の抵抗部品6を全て同一の抵抗値とすればよい。また、それぞれ異なった値とすることにより調整のステップを任意に設定することができる。尚、インダクタ部品等についても同様に調整することができる。また、コンデンサ部品等についても同様の方法を用いることができる。
【0027】(実施例4)図4は、本発明による回路定数調整方法の実施例4の構成を示すブロック図である。図4において、10は第1の端子、11は第2の端子、12は第1のプローブ、13は第2のプローブ、14は可変抵抗である。また、図1、2と同じ構成要素については同一の番号を付けて示した。本実施例の特徴は、外部の可変抵抗を可変することにより最適な抵抗値を調べることにある。第1および第2の端子を設け、これにそれぞれ第1および第2のプローブを接触させている。前記第1および第2のプローブに可変抵抗14が接続されている。可変抵抗14の値を変えることにより第1、第2の端子間の抵抗値を変えることができる。ここで測定手段5により特性がモニターされる。以上の操作により最適な抵抗値が調べられる。
【0028】次に、最適な抵抗値を基板上に予め配置された複数の抵抗部品3の組み合わせにより得るために接続すべきショートランド4を求める。これは、予め抵抗値と接続するショートランドの対応表を用意しておくか、計算機を用いて求めることができる。そして、決定したショートランドを半田8で接続することにより定数の調整が行われる。
【0029】本実施例では、最適な抵抗値をまず求め、これを得るためのショートランドの接続箇所を表または計算により求めるため複雑な調整に対応できる利点がある。すなわち、調整ステップ数を大きくするため抵抗部品の個数が多くなりショートランドの数が多くなった場合、あるいは図2に示したようになショートランド形状で、抵抗値の値の選択肢が多くなった場合を考えると、例えば実施例2の方法では接点器具により接触するショートランドの組み合わせが大変多くなり調整に長時間を要することが考えられる。このような場合でも本実施例の方法では、最適な抵抗値が分かれば、即座に接続するショートランドを決定することができる。尚、本実施例では抵抗部品3と可変抵抗14を用いたが、コンデンサ部品と可変コンデンサ、あるいはインダクタと可変インダクタ等を用いても同様に調整を行うことができる。
【0030】また、コンデンサ部品6などの回路部品を調整する場合、回路部品を並列に接続する構成とすることにより定数値の調整をリニアにすることができる。
【0031】また、抵抗部品やインダクタ部品などの回路部品を調整する場合、回路部品を直列に接続し、各回路部品の両端子を短絡できるように構成することにより、定数値の調整をリニアに行うことができる。
【0032】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明の回路定数調整方法よれば、次の効果が得られる。
【0033】測定手段により回路の特性を測定した結果より回路が所望の特性となるために接続すべきショートランドを決定して接続するため、安価な固定部品で構成して回路定数を調整でき、信頼性を向上することができる。
【0034】また、測定手段により回路の特性を測定しながらショートランドを接点器具で接触して導通することにより所望の特性となるために接続するべきショートランドを調べるため、ショートランドを接続したときの特性を確認でき、確実かつ正確に定数調整を行うことができる。
【0035】また、第1および第2の端子に第1および第2のプローブを接触し、測定手段により回路の特性を測定しながら回路定数の値を可変することにより前記回路定数の値を調べ、この値と同一または近い値となるように予め基板上に配置した複数の回路部品の接続を決定し接続を行うため、最適値を求める時間を短縮することができる。
【0036】また、コンデンサ部品などの回路部品を並列に接続して定数を調整する構成とすることにより、定数の調整をリニアに行うことができるという効果がある。また、抵抗部品、インダクタ部品などの回路部品を直列に接続して定数を調整する構成とすることにより、定数の調整をリニアに行うことができる。
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【出願日】 平成10年(1998)3月24日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】滝本 智之 (外1名)
【公開番号】 特開平11−271377
【公開日】 平成11年(1999)10月8日
【出願番号】 特願平10−75241