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【発明の名称】 電子部品検査装置及び方法
【発明者】 【氏名】佐藤 克哉

【氏名】新井 功

【氏名】古田 経夫

【要約】 【課題】デバイスと測定治具との間の接触状態を良好にでき、安定した測定を行える電子部品検査装置及び方法を提供すること。

【解決手段】測定処理手段5は、TF1に接触したデバイスの各種特性を測定する。相対位置可変手段6は、駆動手段2を駆動してテストフィクスチャ(TF)1を水平な面内で複数の測定点に移動させる。これにより、測定処理手段5は各測定点でデバイスを測定できる。基準データ設定手段9には基準デバイスの基準測定データが記憶され、比較手段8は、基準測定データと各測定点での測定データを比較する。最適位置検出手段10は、比較手段8の比較結果から最も基準測定データに近接した測定データが得られた測定点を最適な測定点と判断し、駆動手段2を駆動してTF1をこの最適な測定点に位置決めする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 電子部品を搬送し所定位置決めを行ったのち測定部の測定治具に接触させて特性を測定する電子部品検査装置において、前記測定治具と電子部品との接触位置を可変させるため、互いが接触する範囲内で設定された複数の測定点に前記測定治具と電子部品を相対的に微動させる駆動手段(2)と、前記駆動手段で可変された各測定点で前記電子部品の特性を測定し、最適な測定状態が得られた測定点を判断し、前記駆動手段を該最適な測定点に移動制御する位置合わせ処理手段(3)と、を具備したことを特徴とする電子部品検査装置。
【請求項2】 前記位置合わせ処理手段(3)は、前記各測定点でそれぞれ電子部品の特性測定を複数回実行し、該複数回の測定結果のばらつきに基づき最適な測定状態が得られた測定点を判断し、前記駆動手段を該最適な測定点に移動制御する請求項1記載の電子部品検査装置。
【請求項3】 前記位置合わせ処理手段(3)は、前記各測定点における前記電子部品の複数回の測定を行なう際、該電子部品と前記測定治具との接触を解除する方向に両者を相対的に移動させた後に、再度両者を接触させるよう前記駆動手段(2)を駆動制御する請求項2記載の電子部品検査装置。
【請求項4】 前記位置合わせ処理手段(3)には、予め基準の電子部品が有する基準データが設定記憶され、前記駆動手段で可変された各測定点で前記電子部品の特性を測定し、前記基準測定データに最も近接する測定点を最適な測定点と判断し、前記駆動手段を該最適な測定点に移動制御する請求項1記載の電子部品検査装置。
【請求項5】 電子部品を搬送し測定部の測定治具に接触させて各種特性を測定する電子部品検査装置において、前記電子部品を保持し前記測定治具(1)に接触させるべく移動するハンドと、前記測定治具を前記ハンドに保持された電子部品の移動方向と直交する面上で移動させるものであり、電子部品に接触する範囲内で設定された複数の測定点にそれぞれ微動させて電子部品との接触位置を可変させる駆動手段(2)と、前記駆動手段で可変された各測定点で前記電子部品の特性を測定し、最適な測定特性が得られた測定点を判断し、前記駆動手段を該最適な測定点に移動制御する位置合わせ処理手段(3)と、を具備したことを特徴とする電子部品検査装置。
【請求項6】 電子部品を搬送し測定部の測定治具に接触させて特性を測定するものであり、電子部品を供給する供給部と、前記測定治具(1)と、測定後の電子部品を回収する回収部とが円周状にそれぞれ配置され、かつ、該円周上を回転自在な回転テーブルとを備え、前記ハンドは、前記回転テーブルの周縁上に複数配置されることにより、回転テーブルの回転により電子部品を前記供給部から測定治具を介し回収部の位置上に搬送するとともに、ハンドの昇降により電子部品を測定治具に接触させるとともに、前記測定治具を前記ハンドの移動方向と直交する面上で移動制御するものであり、電子部品に接触する範囲内で設定された複数の測定点にそれぞれ微動させて電子部品との接触状態を可変させる駆動手段(2)を備えた構成である請求項5記載の電子部品検査装置。
【請求項7】 電子部品を搬送し測定部の測定治具に接触させて各種特性を測定する電子部品検査装置において、前記電子部品を保持し前記測定治具(1)に接触させるべく移動するハンドと、前記ハンドを前記測定治具への移動方向と直交する面上で移動制御するものであり、電子部品に接触する範囲内で設定された複数の測定点にそれぞれ微動させて電子部品との接触状態を可変させる駆動手段(2)と、前記駆動手段で可変された各測定点で前記電子部品の特性を測定し、最適な測定特性が得られた測定点を判断し、前記駆動手段を該最適な測定点に移動制御する位置合わせ処理手段(3)と、を具備したことを特徴とする電子部品検査装置。
【請求項8】 電子部品を搬送し測定部の測定治具に接触させて各種特性を測定する電子部品検査方法において、前記測定治具と電子部品との接触位置を可変させるため、互いが接触する範囲内で複数の測定点を設定する手順と、前記測定治具と電子部品を相対的に微動させ、両者を前記各測定点でそれぞれ接触させる手順と、前記各測定点で前記電子部品の特性を測定する手順と、前記測定により最適な測定状態が得られた測定点を判断する手順と、前記駆動手段を前記最適な測定点に移動制御する手順と、を備えたことを特徴とする電子部品検査方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子部品の各種特性を測定する電子部品検査装置に係り、特に、電子部品と接触する測定治具の位置を可変して測定を安定化できる電子部品検査装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子部品(以下デバイスと略称する)の各種電気特性は、電子部品検査装置で測定される。この電子部品検査装置は、デバイスの供給部、測定治具(テストフィクスチャ:TF)及び測定器を含む測定部、回収部、搬送部などから大略構成される。供給部のデバイスは搬送部で1個づつ取り出し測定部に搬送される。測定部はデバイスの電気特性を測定する。測定後のデバイスは、搬送部で回収部に搬送され、測定結果に応じて所定のランク別に設けられた回収部にそれぞれ選別回収される。このランクには良、不良選別も有する。
【0003】この搬送部は、X,Y,Z方向に移動自在なハンドと、X,Y,Z方向に駆動する駆動源と、ハンドの端部に設けられデバイスを吸着保持するノズルで構成される。搬送部の位置上まで搬送されたデバイスは、ハンドの下降により、リードが測定部の測定治具(テストフィクスチャ:TF)の接触端子に接触する。この後、処理部からの測定信号がケーブル等を介してデバイスに入出力され、各種測定が行われる。測定後、ハンドは上昇してデバイスを回収部まで搬送し、測定結果に応じて複数にランク分けする。
【0004】測定部のTFは、デバイスの種類別、例えばリードの位置及び数に対応したものが用意され、測定する種類のデバイスに合わせたTFが測定部に着脱自在に取付けられるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のTFと装置には、それぞれ位置決め用のピンとピン孔が設けられるが、これらを用いても各部の公差や、ガタ、磨耗などで数10μm〜100μm程度のずれが生じる。ハンドが保持するデバイスとTFとの間にずれが生じたまま測定を行うと、デバイスのリードとTFの接触端子との接触状態が変動するため、正確な測定を行えない場合があった。特に、ハンドとTFとの位置合わせ誤差が累積した場合には、正確な測定を行えないため、測定部がデバイスの良否を誤判定する恐れもある。
【0006】従来は、熟練者が目視して位置合わせを調整していたが、この位置合わせは、TF及びハンド相互で行なわねばならず、勘と手間がかかった。そして、高周波信号を扱うデバイス程、この位置合わせを厳密に行わねばならない。現在、移動通信用のフィルタでは800MHz〜1.9GHz。衛星通信用のFETでは12GHz〜20GHzの周波数にて測定を行う必要があり、例えば12GHzでのFET測定時には、TFとデバイスが0.01mmずれると電気的な位相誤差を約1°生じる。検査上の許容範囲は2〜3°といわれており、したがって20μm程度のずれ量に合わせ込まなければならない。図5は、ある高周波デバイスの裏面図であり、各部の寸法は、図示の如く極小さいものである。同時に、測定治具の接触端子と接触するコンタクト箇所も図中Lで示す如く僅かな範囲となっている。このように測定周波数の高いデバイス、また小型化されたデバイスにあっては、測定時にTFとの接触状態を目視確認すること自体限界にきている。
【0007】近年は、TF上におけるデバイスの位置を画像認識で判断する方法もあるが、コスト高であるとともに、この画像認識は、装置上でのTFの位置が正確であることが前提であり、装置上でTFが上記のように位置出しされていない状態では、デバイス位置を画像認識したとしても、デバイスとTFとの位置が正確であるとは言えないため、上記同様の問題を生じることがある。
【0008】そして、電子部品検査装置は、測定の稼働効率を上げるために、例えばデバイス1個のタクト時間(測定完了〜次のデバイスの測定開始迄の時間)が0.9sec程度(ハンドとTFを2つ用い、2個同時の測定時は0.5sec)である。このように、小さなデバイスを次々にTFに接触させて安定した測定を行なうためには、デバイスとTFとの接触状態をより良好にすることができる手段の提供が望まれていた。
【0009】本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、デバイスと測定治具との間の接触状態を良好にでき、安定した測定を行える電子部品検査装置及び方法を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明の電子部品検査装置は、請求項1記載のように、電子部品を搬送し所定位置決めを行ったのち測定部の測定治具に接触させて特性を測定する電子部品検査装置において、前記測定治具と電子部品との接触位置を可変させるため、互いが接触する範囲内で設定された複数の測定点に前記測定治具と電子部品を相対的に微動させる駆動手段(2)と、前記駆動手段で可変された各測定点で前記電子部品の特性を測定し、最適な測定状態が得られた測定点を判断し、前記駆動手段を該最適な測定点に移動制御する位置合わせ処理手段(3)と、を具備したことを特徴とする。
【0011】また、請求項2記載のように、前記位置合わせ処理手段(3)は、前記各測定点でそれぞれ電子部品の特性測定を複数回実行し、該複数回の測定結果のばらつきに基づき最適な測定状態が得られた測定点を判断し、前記駆動手段を該最適な測定点に移動制御する構成としてもよい。
【0012】また、請求項3記載のように、前記位置合わせ処理手段(3)は、前記各測定点における前記電子部品の複数回の測定を行なう際、該電子部品と前記測定治具との接触を解除する方向に両者を相対的に移動させた後に、再度両者を接触させるよう前記駆動手段(2)を駆動制御する構成としてもよい。
【0013】また、請求項4記載のように、前記位置合わせ処理手段(3)には、予め基準の電子部品が有する基準データが設定記憶され、前記駆動手段で可変された各測定点で前記電子部品の特性を測定し、前記基準測定データに最も近接する測定点を最適な測定点と判断し、前記駆動手段を該最適な測定点に移動制御する構成としてもよい。
【0014】請求項5記載の発明は、電子部品を搬送し測定部の測定治具に接触させて各種特性を測定する電子部品検査装置において、前記電子部品を保持し前記測定治具(1)に接触させるべく移動するハンドと、前記測定治具を前記ハンドに保持された電子部品の移動方向と直交する面上で移動させるものであり、電子部品に接触する範囲内で設定された複数の測定点にそれぞれ微動させて電子部品との接触位置を可変させる駆動手段(2)と、前記駆動手段で可変された各測定点で前記電子部品の特性を測定し、最適な測定特性が得られた測定点を判断し、前記駆動手段を該最適な測定点に移動制御する位置合わせ処理手段(3)と、を具備したことを特徴とする。
【0015】また、請求項6は、請求項5の発明を前提とし、電子部品を搬送し測定部の測定治具に接触させて特性を測定するものであり、電子部品を供給する供給部と、前記測定治具(1)と、測定後の電子部品を回収する回収部とが円周状にそれぞれ配置され、かつ、該円周上を回転自在な回転テーブルとを備え、前記ハンドは、前記回転テーブルの周縁上に複数配置されることにより、回転テーブルの回転により電子部品を前記供給部から測定治具を介し回収部の位置上に搬送するとともに、ハンドの昇降により電子部品を測定治具に接触させるとともに、前記測定治具を前記ハンドの移動方向と直交する面上で移動制御するものであり、電子部品に接触する範囲内で設定された複数の測定点にそれぞれ微動させて電子部品との接触状態を可変させる駆動手段(2)を備えた構成である。
【0016】請求項7記載の発明は、電子部品を搬送し測定部の測定治具に接触させて各種特性を測定する電子部品検査装置において、前記電子部品を保持し前記測定治具(1)に接触させるべく移動するハンドと、前記ハンドを前記測定治具への移動方向と直交する面上で移動制御するものであり、電子部品に接触する範囲内で設定された複数の測定点にそれぞれ微動させて電子部品との接触状態を可変させる駆動手段(2)と、前記駆動手段で可変された各測定点で前記電子部品の特性を測定し、最適な測定特性が得られた測定点を判断し、前記駆動手段を該最適な測定点に移動制御する位置合わせ処理手段(3)と、を具備したことを特徴とする。
【0017】また、本発明の電子部品検査方法は、請求項8記載のように、を備えたことを特徴とする。
【0018】本発明によれば、電子部品は、測定治具1に接触して各種特性が測定される。測定治具1は、駆動手段2により電子部品の移動方向と直交する面方向に互いが接触する所定の範囲内で移動自在である。この移動により電子部品との接触状態が可変される。なお、測定治具1と電子部品は相対的に移動させればよい。位置合わせ処理手段3は、駆動手段2で可変された各測定点で前記電子部品の特性を測定する。そして、最適な測定状態が得られた測定点を判断して駆動手段2を最適な測定点に移動制御する。これにより、以降、測定する電子部品は、測定治具に対しこの最適な測定点で接触し安定した測定を行えるようになる。
【0019】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の電子部品検査装置の実施形態の構成を示すブロック図である。この実施形態では、テストフィクスチャ(TF1)を駆動手段2で移動させてデバイスに対する位置合わせを行なう構成について説明する。そして、位置合わせ処理手段3は、デバイスに対するTFの位置が最適となるよう位置合わせ制御を実行する。また、電子部品検査装置の各部、即ち、供給部、測定部、回収部、搬送部の各制御手段は、図示されておらず説明を省略する。
【0020】TF1は、駆動手段2としてのXYテーブル上に設けられ、このXYテーブルにより装置に対しX軸、Y軸方向に移動自在である。また、XYテーブル上にΘテーブルを設けることにより、TF1を回転方向に廻すこともできる。このX,Yテーブルからなる駆動手段2は、位置合わせ処理手段3によってX,Y,Θの各軸方向に移動制御される。
【0021】位置合わせ処理手段3は、CPU,ROM,RAM,I/F等のハードウェアと、後述する位置合わせ用の制御プログラムからなるソフトウェアで構成されている。ハードウェアは、汎用のパソコンを用いることができる。
【0022】以下、位置合わせ処理手段3の内部構成を説明する。位置合わせ処理手段3は、電子部品検査装置の稼働前において、基準デバイスを用い後述する位置合わせモードでTF1の位置合わせを行なった後、通常モードに切り替わる。この通常モードにおいては、TF1が位置合わせされた状態で装置が稼働し搬送されるデバイスを次々に測定する。
【0023】測定処理手段5は、デバイスがTF1上に接触した状態で、このデバイスの各種特性を測定する。測定項目としては、減衰量、挿入損失、中心周波数、反射率、高調波成分検出(SAWフィルタに対し)、リプルなどがある。そして、操作者が選択した測定項目を抽出して測定する。
【0024】測定処理手段5は、この位置合わせモード時、各測定項目毎に複数回の測定を実行する。そして、各回の測定データを測定データ記憶部5aに格納する。
【0025】相対位置可変手段6は、測定処理手段5の測定時に、デバイスとTF1との位置を可変させる制御を行なう。具体的には、TF1の駆動手段2をX,Y軸方向に異なる箇所に移動制御する。
【0026】図2は、TF1の各移動位置を示す平面図である。TF1は、測定開始時の測定点Oから、順次、測定点A〜B〜(中略)〜Hまで移動する。これら各測定点は、予め設定されており、相対位置可変手段6は、順次駆動手段2のXYテーブル(TF1)をXY軸方向に移動制御する。各測定点の間隔は、例えば図示の如く100μmである。そして、TF1は、各測定点にて移動後固定され、この後、ハンド(不図示)が下降してデバイスがこのTF1に接触して1回の測定が行なわれる。各測定点では、n回づつデバイスの測定が行われる。そして、駆動手段2は、TF1を各測定点でn回づつ測定した後、新たな測定点に移動させる制御を行なう。
【0027】上記説明では、各測定点でn回づつデバイスを測定し、測定点を変えていく制御としたが、これに限らない。例えば、他の構成としては、各測定点でデバイスを1回づつ測定し、全測定点をn回巡回する制御とすることもできる。但し、いずれの制御にあっても、1回の測定毎に、デバイスをTF1から離すようハンドを移動(昇降)制御させる。これにより、ハンドとTF1との機械的位置精度の影響分も含めた測定を行なうことができる。
【0028】これにより、測定データ記憶部5aには、各測定項目別の測定データについて、各測定点の測定データがn個づつ記憶される。測定データは、各測定点別にデバイス(固定位置)に対しTF1が移動して、TF1(の接触端子)に対するデバイス(のリード)の接触状態がそれぞれ異なるため、対応して値のばらつきが生じることとなる。さらに、同一の測定点においてもTF1(の接触端子)に対するデバイス(のリード)の接触状態がそれぞれ異なれば測定データにばらつきが生じる。
【0029】これらばらつきは、■上記ハンドとTF1との相対位置のずれ、■装置(筐体)とTF1の相対位置のずれ、■ハンドと、このハンドに保持された際のデバイスの相対位置のずれ、■TF1に対するデバイスの接触圧力のずれ、■デバイスのリード及びTF1の接触端子の曲がり状態、■測定回路(TF1と測定回路との間の伝送ラインを含む)のノイズや、外乱信号、■環境温度や湿度変化等、測定系を構成する機械要素及び電気要素に影響を与える各種要因で生じる。
【0030】ばらつき演算手段7は、測定データ記憶部5aに記憶された各測定点での複数回nの測定データに基づき、各測定点別の測定データのばらつきを演算する。図3は、ある測定項目(例えば挿入損失)における測定データのばらつきを示すグラフである。図示の如く、各測定点O〜Hでそれぞれ複数回n測定したときの測定データの値は、上下に所定の範囲のばらつきを有している。各測定点における測定回数n回の測定データのばらつき幅は2σで表される。なお、各測定データの略中央の●印は、各測定点の測定データの平均値を示す。
【0031】比較手段8は、各測定点での測定データと基準データ設定手段9に設定された基準データとを比較する。基準データ設定手段9には、図3に示すように、予め基準となるデバイスの同測定項目(挿入損失)の基準データ値が格納されている。
【0032】比較手段8による比較は、種々の方法があるが、一例を挙げると、前記各測定点における測定データの平均値と基準データの値とを比較し、各測定点別の測定データと基準データとの偏差Δ1を出力する。他、各測定点における測定データのばらつきの範囲(2σ)と基準データの値とを比較し、基準データに対する測定データのばらつきの偏差Δ2を出力する構成とすることもできる。
【0033】最適位置検出手段10は、比較手段8が出力する偏差Δに基づき、最適な測定点を判断する。上記偏差Δ1に基づき判断する場合には、この偏差Δ1が最も小さな測定点を最適な測定点と判断する。偏差Δ2に基づき判断する場合にも、この偏差Δ2が最も小さな測定点を最適な測定点と判断する。
【0034】具体的に図3を用いて説明する。偏差Δ1に基づく判断時には、各測定点の測定データが図3に示す状態である場合においては、測定点Cの平均値が最も基準データに近接しており、偏差Δ1が小さいため、この測定点Cが最適点であると判断する。偏差Δ2に基づく判断時には、測定点O,C,Gの測定データのばらつきが基準データの値上に一部重なっている。しかしながら、測定点O,Gについては、ばらつきの端部のみ基準データに重なっているため、最適点から外す。よって、残った測定点Cを最適点であると判断する。
【0035】最適位置検出手段10は、判断した最適点を駆動手段2に出力する。駆動手段2は、TF1をこの最適点の位置に移動させ、この位置に固定保持する。
【0036】次に、上記位置合わせ処理手段が実行する位置合わせモード時の処理手順を図4のフローチャートを用いて説明する。位置合わせモード時には、ハンドに基準デバイスを保持させ、この基準デバイスをTF1上に搬送する(SP1)。次に、基準デバイスを移動させ、この基準デバイスのリードをTF1の接触端子上に所定の接触圧力で接触させる。例えば、ハンドを下降させて基準デバイスを下部のTF1方向に移動させる。始めに駆動手段2は、TF1を測定点Oに位置させる。
【0037】そして、この測定点Oで基準デバイスをn回測定する(SP2)。測定処理手段5は、予め定められた各測定項目を測定し、測定項目別にこの測定点Oでのn回の測定データの値を測定データ記憶部5aに記憶する(SP3)。測定後、基準デバイスを移動させ、この基準デバイスのリードをTF1の接触端子から離す。例えば、ハンドを上昇させて基準デバイスをTF1から離す。
【0038】次に、相対位置可変手段6は、駆動手段2に対し、TF1を新たな測定点Aに移動させる(SP4)。そして、上記SP2,SP3の処理でこの測定点Aでn回の測定データを得る。このようにして、全測定点O〜Hでそれぞれn回の測定を行なう。
【0039】全測定点での測定が終了すると(SP5-YES)、ばらつき演算手段7は、測定データ記憶部5aに記憶されたn個の測定データに基づき、各測定点別のばらつきを求める(SP6)。
【0040】次に、比較手段8は、各測定点での測定データと基準データ設定手段9に設定された基準データとを比較する。そして、最適位置検出手段10は、基準データに最も近接する測定データが得られた測定点を最適位置と判断する(SP7)。上記の構成によれば、各測定点別の測定データと基準データとの偏差Δ1(あるいはΔ2)に基づき、この偏差Δ1(Δ2)の最も小さな測定点を最適位置と判断する。
【0041】そして、最適位置検出手段10は、駆動手段2に対しTF1がこの最適位置となるよう駆動制御する(SP8)。駆動手段2は最適位置となった状態で固定状態に保持される。上記処理ののち、必要となる位置ずれ精度によっては、前記測定点間隔100μmを小さくし、前記処理を繰り返すことにより、更に最適な位置を求めることができる。以上の各処理により、位置合わせモードが終了し、電子部品検査装置を稼働可能な通常モードに切り替える。
【0042】以後、装置の稼働により、ハンドはデバイスをTF1まで搬送してデバイスの各種特性が測定される。このとき、既にTF1側が最適位置に位置出しされているため、デバイスの各種特性を安定して測定できるようになる。
【0043】ところで、上記位置合わせモード時に実行される各処理は、電子部品検査装置で測定しようとするデバイスの測定前に実行される。即ち、デバイスの種類が変更されるときには、上記位置合わせモードの各処理が実行される。なお、デバイスの変更時のみに限らず、所望するタイミングで上記位置合わせ処理を実行してもよい。
【0044】上記位置合わせモードの手順処理では、各測定点でn回の測定を連続して行った後、測定点を変更する処理について説明したが、この他、上記構成で説明したように、測定点で1回の測定を行なう毎に測定点を変更し、測定点をn回巡回する構成の場合には、SP2〜SP5の手順が異なるだけであり、同様の作用効果を得ることができる。
【0045】ところで、上記実施の形態では、ハンドが固定位置で昇降し、TF1側が移動して複数の測定点での測定データを収集する構成とした。このような構成の場合、ハンドが固定位置で昇降するため、ハンド自体は回転テーブルの周縁に複数設けられ、回転テーブルの回転によりデバイスを供給部〜測定部〜回収部に搬送する。一方、ハンドがデバイスを供給部〜測定部〜回収部まで搬送する構成のものもある。このような可動ハンドにおいては、TF1は装置に固定されている。この構成では、前記駆動手段2はハンドを駆動制御する。そして、上記位置合わせモードにおいては、固定されたTF1に対しハンド側を前記各測定点に移動させて測定データを収集する。このように、TF1とデバイスとの位置合わせは相対的にいずれか一方を移動させて最適な測定点を求めればよい。
【0046】
【発明の効果】本発明の請求項1によれば、駆動手段は測定治具と電子部品とを相対的に移動させ、位置合わせ処理手段は、移動の各測定点で電子部品の特性を測定し、最適な測定状態が得られた測定点を判断して駆動手段を最適な測定点に移動制御する構成である。これにより、電子部品は測定治具に位置出しされた状態で接触でき、安定した測定を行えるようになる。また、請求項2のように、各測定点でそれぞれ電子部品の特性測定を複数回実行する構成とすれば、各測定点での測定結果にばらつきが生じても最適な測定点を検出できるようになる。請求項3のように、各測定点における前記電子部品の複数回の測定を行なう際、該電子部品と前記測定治具との接触を解除する方向に両者を相対的に移動させた後に、再度両者を接触させる構成とすれば、機械的な接触状態の変化を含めた複数回の測定が行なえ、最適点の位置検出をより実際的に得ることができるようになる。請求項4のように、基準の電子部品が有する基準データを用いることにより、最適な測定点の判断を適切かつ簡単に判断することができるようになる。請求項5によれば、測定治具が駆動手段で移動する構成に適用して上記効果を得ることができるようになる。請求項6によれば、回転テーブルに複数のハンドが設けられ、ハンドが昇降して電子部品を測定治具に移動させる構成の電子部品検査装置で上記効果を得ることができるようになる。請求項7によれば、測定治具が固定され、ハンド側が移動する構成に適用して上記効果を得ることができるようになる。請求項8記載の方法発明の手順を実行するだけで、電子部品の検査を行なう際における測定治具と電子部品との接触状態を良好にでき、電子部品の特性測定を安定して行えるようになる。この位置合わせ手順は、ある一つの電子部品の測定を測定する際に1度行えばよく、以降、供給される電子部品を次々に搬送して行なう連続測定中は継続して、安定した測定状態に維持できる。
【出願人】 【識別番号】000000572
【氏名又は名称】アンリツ株式会社
【出願日】 平成10年(1998)3月20日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】西村 教光
【公開番号】 特開平11−271374
【公開日】 平成11年(1999)10月8日
【出願番号】 特願平10−72539