| 【発明の名称】 |
電子部品検査装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】古田 経夫
【氏名】新井 功
【氏名】佐藤 克哉
|
| 【要約】 |
【課題】電子部品を搬送するハンドの動作状態を検知して動作不良を判断でき、また、ハンドの移動時間などの調整を容易に行なうことができること。
【解決手段】計測手段13は、シリンダ1の駆動指令が入力された時からシリンダ1が移動位置に達するまでの時間を測定する。動作判別手段14は、初期値設定手段15に設定されている初期値動作時間と計測手段13から出力される実際の移動時間とを比較する。初期値動作時間には、所定の許容範囲が附されており、実際の移動時間がこの許容範囲内であれば正常とし、許容範囲を越えたときに動作異常として表示手段9上に表示する。操作者は、表示手段9上に表示された移動時間に基づき、調整及び交換等の点検を行なう。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 電子部品をハンドで搬送し、測定治具方向に移動させて該電子部品の特性を測定する電子部品検査装置において、前記ハンドの駆動源としてのシリンダ(1)と、前記シリンダに対する駆動信号の送出時から実際にシリンダが移動位置に達するまでの移動時間を計測する計測手段(13)と、前記計測手段で測定された実際の移動時間を予め設定された初期動作時間と比較して該シリンダの動作状態を判別する動作判別手段(14)と、を備えたことを特徴とする電子部品検査装置。 【請求項2】 前記計測手段(13)は、シリンダ(1)に対する往動、及び復動について、駆動信号の送出時から実際にシリンダが移動位置に達するまでの移動時間(TA’,TB’)をそれぞれ計測し、前記動作判別手段(14)は、前記計測手段で測定された実際の移動時間を予め設定された往動、及び復動の初期動作時間(TA,TB)と比較して該シリンダの動作状態を判別する請求項1記載の電子部品検査装置。 【請求項3】 電子部品をハンドで搬送し、測定治具方向に移動させて該電子部品の特性を測定する電子部品検査装置において、前記ハンドの駆動源としてのシリンダ(1)と、前記シリンダに対する駆動信号の送出時から実際にシリンダが移動位置に達するまでの移動時間を計測する計測手段(13)と、予め前記計測手段で測定したシリンダの移動時間を初期動作時間(TA,TB)として設定格納する初期値設定手段(15)と、前記計測手段で測定された実際のシリンダの移動時間(TA’,TB’)を予め設定された前記初期動作時間と比較して該シリンダの動作の良否状態を判別する動作判別手段(14)と、前記動作判別手段の判別結果、及び前記計測手段で計測された移動時間(TA,TA’,TB,TB’)をそれぞれ表示する表示手段(9)と、を備えたことを特徴とする電子部品検査装置。 【請求項4】 前記動作判別手段(14)は、前記初期値設定手段(15)に設定格納された初期動作時間に対し前後に所定時間を加えた時間範囲(TA±α,TB±β)と、実際の動作時間(TA’,TB’)とを比較し、実際の動作時間が前記時間範囲内に納まっていればシリンダの動作が正常であり、実際の動作時間が前記時間範囲該のときシリンダの動作が異常であると判断して対応する判別結果を前記表示手段(9)上に表示出力する請求項3記載の電子部品検査装置。 【請求項5】 電子部品検査装置には、複数のハンドと対応する複数のシリンダが設けられ、該複数のハンド毎に前記電子部品を順次前記測定治具方向に移動させて特性を測定するものであり、前記動作判別手段(14)は、各シリンダそれぞれを個別に動作判別する構成とされた請求項3記載の電子部品検査装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、電子部品の各種特性を測定する電子部品検査装置に係り、特に、電子部品を搬送する搬送部の動作状態を自己診断できる電子部品検査装置に関する。 【0002】 【従来の技術】電子部品(以下デバイスと略称する)の各種電気特性は、電子部品検査装置で測定される。この電子部品検査装置は、デバイスの供給部、測定治具(テストフィクスチャ:TF)と測定器を含む測定部、回収部、搬送部などから大略構成される。供給部のデバイスは搬送部で1個づつ取り出し測定部に搬送される。搬送後、測定部はデバイスの電気特性を測定する。測定後のデバイスは、搬送部で回収部に搬送され、測定結果に応じて所定のランク別に設けられた回収部にそれぞれ選別回収される。このランクには良、不良選別も有する。 【0003】この搬送部は、X,Y,Z方向に移動自在なハンドと、X,Y,Z方向に駆動する駆動源と、ハンドの端部に設けられデバイスを吸着保持するノズルで構成される。搬送部の位置上まで搬送されたデバイスは、ハンドの下降により、リードが測定部の測定治具(TF)上の接触端子に接触する。この後、処理部からの測定信号がケーブル等を介してデバイスに入出力され、各種測定が行われる。測定後、ハンドは上昇してデバイスを回収部まで搬送し、測定結果に応じて複数にランク分けする。 【0004】このハンドの駆動源としては、コストの面からエアシリンダが多用されている。そして、エアシリンダは、搬送部におけるハンドの移動範囲、及び移動速度に適合したものを選択して用いている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】このようなハンドにとって、大量のデバイスを測定検査するにあたって安定に精度よく動作することが望まれている。ところで、前記ハンドの移動特性(特に、移動速度)は、装置の製造時に得られた特性に対し、装置稼働後は経年変化等で特性が変化する。そして、ハンドの駆動源であるシリンダについては、移動時間がある程度長くなったときに、寿命であるとして交換される。しかしながら、この交換時期の特定は、故障を除き多くの場合、経験的な判断で行われており、必ずしも適切な時期に交換されているとは言いがたい。 【0006】特に、エアシリンダは、移動速度が調整ツマミで行なわれるものであり、この調整ツマミは、エアの吸入口と、排出口それぞれに設けられている。そして、エアシリンダの移動速度の調整は、一方の調整ツマミの調整だけでは行えず、これら2つの調整ツマミを合わせ込み調整しなければならない。 【0007】また、電子部品検査装置では、測定時間の短縮化のために、ハンドの(行き)往動の動作時間を、(帰り)復動の動作時間に比して早くするようエアシリンダの調整ツマミを調整していた。 【0008】従来の電子部品検査装置では、これら各種の調整作業を全て手操作で行っており、調整時に調整状態を定量的に知ることができず、調整作業に手間がかかっていた。また、装置の稼働中におけるエアシリンダの故障及び異常の発生は、外見上からしか判断できなかった。 【0009】本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、電子部品を搬送するハンドの動作状態を検知して動作不良を判断でき、また、ハンドの移動時間などの調整を容易に行なうことができる電子部品検査装置を提供することを目的としている。 【0010】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明の電子部品検査装置は、請求項1記載のように、電子部品をハンドで搬送し、測定治具方向に移動させて該電子部品の特性を測定する電子部品検査装置において、前記ハンドの駆動源としてのシリンダ(1)と、前記シリンダに対する駆動信号の送出時から実際にシリンダが移動位置に達するまでの移動時間を計測する計測手段(13)と、前記計測手段で測定された実際の移動時間を予め設定された初期動作時間と比較して該シリンダの動作状態を判別する動作判別手段(14)と、を備えたことを特徴とする。 【0011】また、請求項2記載のように、前記計測手段(13)は、シリンダ(1)に対する往動、及び復動について、駆動信号の送出時から実際にシリンダが移動位置に達するまでの移動時間(TA’,TB’)をそれぞれ計測し、前記動作判別手段(14)は、前記計測手段で測定された実際の移動時間を予め設定された往動、及び復動の初期動作時間(TA,TB)と比較して該シリンダの動作状態を判別する構成としてもよい。 【0012】また、請求項3記載の発明は、電子部品をハンドで搬送し、測定治具方向に移動させて該電子部品の特性を測定する電子部品検査装置において、前記ハンドの駆動源としてのシリンダ(1)と、前記シリンダに対する駆動信号の送出時から実際にシリンダが移動位置に達するまでの移動時間を計測する計測手段(13)と、予め前記計測手段で測定したシリンダの移動時間を初期動作時間(TA,TB)として設定格納する初期値設定手段(15)と、前記計測手段で測定された実際のシリンダの移動時間(TA’,TB’)を予め設定された前記初期動作時間と比較して該シリンダの動作の良否状態を判別する動作判別手段(14)と、前記動作判別手段の判別結果、及び前記計測手段で計測された移動時間(TA,TA’,TB,TB’)をそれぞれ表示する表示手段(9)と、を備えたことを特徴とする。 【0013】また、請求項4記載のように、前記動作判別手段(14)は、前記初期値設定手段(15)に設定格納された初期動作時間に対し前後に所定時間を加えた時間範囲(TA±α,TB±β)と、実際の動作時間(TA’,TB’)とを比較し、実際の動作時間が前記時間範囲内に納まっていればシリンダの動作が正常であり、実際の動作時間が前記時間範囲該のときシリンダの動作が異常であると判断して対応する判別結果を前記表示手段(9)上に表示出力する構成としてもよい。 【0014】また、請求項5記載のように、電子部品検査装置には、複数のハンドと対応する複数のシリンダが設けられ、該複数のハンド毎に前記電子部品を順次前記測定治具方向に移動させて特性を測定するものであり、前記動作判別手段(14)は、各シリンダそれぞれを個別に動作判別する構成としてもよい。 【0015】装置からハンドを移動させる動作指令が入力されると、計測手段13は、この動作指令の入力時から、シリンダが移動位置に達するまでの期間を計測する。動作判別手段14は、この期間と初期値設定手段15に設定された初期時の移動時間とを比較する。初期値動作時間には、所定の許容範囲を示す移動時間が附されている。比較結果、実際の移動時間が許容範囲を越える場合には、シリンダの移動が異常であると判断し表示手段9に異常表示する。操作者は、表示手段9の表示に基づき、交換や調整等の点検作業を行う。 【0016】 【発明の実施の形態】図1は、本発明の電子部品検査装置の構成を示すブロック図である。この装置では、電子部品を搬送するハンドの駆動源としてエアシリンダを用い、このエアシリンダの動作状態を監視する構成についてのみ抽出して記載してある。即ち、電子部品の検査にかかる構成は省略した。 【0017】図示の如く、エアシリンダ1は、管理処理手段5で管理制御される。なお、エアシリンダ1は装置に複数個設けられており、各エアシリンダ1の動作が管理制御される。管理処理手段5の管理制御内容、即ち、エアシリンダ1の動作状態、及び制御状態の管理は、CRTやLCD,あるいは数値LEDなどからなる表示手段9に表示される。 【0018】エアシリンダ1は、吸入及び排出口1A,1Bを有し、この吸入及び排出口1A,1Bは、電磁弁20を介してエア源Pに接続されている。以下、1Aが吸入口、1Bが排出口となっている場合を例に説明する。エア源Pからのエアが吸入口1Aから供給されると、ロッド1Cが一方(往動方向)に移動(突出)し、エア源Pからのエアが排出口1Bから供給されると、ロッド1Cが他方(復動方向)に移動(収縮)する。これら吸入口1A,排出口1Bから供給されるエアはスピードコントローラ2A,2Bを手動調整することによって流入量が調整でき、この調整でロッド1Cの移動速度を可変できる。 【0019】また、エアシリンダ1には、ロッド1Cの移動位置を検出する2つの位置検出センサ8a,8bが設けられている。これら位置検出センサ8a,8bは、エアシリンダ1の両端位置にそれぞれ設けられる。位置検出センサ8aは、ロッド1Cが一方に変位しているとき(例えばロッド1Cが突出した往動位置にあるとき)ON状態となり、他方に変位している期間はOFF状態の検出信号を出力する。位置検出センサ8bは、ロッド1Cが他方に変位しているとき(例えばロッド1Cが収縮した復動位置にあるとき)ON状態となり、一方に変位している期間はOFF状態の検出信号を出力する。 【0020】管理処理手段5は、CPU,ROM,RAM,I/Fなどのハードウェアと、後述する診断プログラムからなるソフトウェアで構成されている。ハードウェアとしては、汎用のパソコンを用いることもできる。 【0021】駆動手段12は、電子部品検査装置の制御手段(不図示)から駆動指令を受けると、このエアシリンダ1の電磁弁20を開閉制御する。具体的には、駆動手段12は、電磁弁20のソレノイドを駆動する。電磁弁20は、エア源Pと、エアシリンダ1との間に設けられており、エア源から供給されるエアをエアシリンダ1の吸入口1A、あるいは排出口1Bに切り替えて供給する。駆動手段12は、この電磁弁20の切り替えを制御する。 【0022】計時手段13は、エアシリンダ1の往動、及び復動にかかる時間を計測する。ここで、計時手段13は、駆動手段12に駆動指令が入力されてから、エアシリンダ1のロッド1Cが実際に駆動指令の位置(往動位置あるいは復動位置)に達するまでの時間を計測し、計測された動作時間を出力する。 【0023】例えば、ロッド1Cが収縮状態にあるエアシリンダ1に対し、往動方向への駆動指令が入力されたときには、この駆動指令の入力時から位置検出センサ8aにてロッド1Cが往動位置に達するまでの期間を計時する。一方、ロッド1Cが突出状態にあるエアシリンダ1に対し、復動方向への駆動指令が入力されたときには、この駆動指令の入力時から位置検出センサ8bにてロッド1Cが復動位置に達するまでの期間を計時する。具体的には、位置検出センサ8a,及び8bは、ロッド1Cが往動位置に達したときにONするようにされていて、そのONになったときのタイミングで計時する。 【0024】動作判別手段14は、前記計時手段13から出力された動作時間と、初期値設定手段15に設定されている初期動作時間とを比較する。比較結果、動作時間が初期動作時間と所定の偏差内にあれば、エアシリンダ1が正常であると判断する。一方、動作時間が初期動作時間と所定の偏差から外れたときにエアシリンダ1が異常であると判断する。ここで、動作判別手段14は、初期動作時間に前後所定範囲の時間(上限値及び下限値)を偏差分として付与したものと、動作時間を比較する。 【0025】具体的には、往動方向への駆動指令時には、この駆動指令の入力時から位置検出センサ8aにてロッド1Cが往動位置に達するまでの期間と、初期値設定手段15に設定されている往動方向の初期動作時間とを比較する。一方、復動方向への駆動指令時には、この駆動指令の入力時から位置検出センサ8bにてロッド1Cが復動位置に達するまでの期間と、初期値設定手段15に設定されている復動方向の初期動作時間とを比較する。 【0026】ところで、初期値設定手段15に格納されている2つの初期動作時間は、電子部品検査装置の出荷時など装置稼働の初期時に実測して設定される。例えば、出荷時におけるハンドの往動時間と復動時間がそれぞれ前記計測手段13で計測される。この計測された各時間が初期動作時間として初期値設定手段15に設定格納される。 【0027】動作判別手段14の判別結果は、表示手段9に出力される。表示手段9は、動作判別手段14が動作異常を示す異常信号を出力したときには、エアシリンダ1を点検あるいは交換する旨を異常ランプの点灯などで報知する。なお、異常信号出力時には、図示しない報知手段からブザーなどで異常状態を報知する構成としてもよい。また、この表示手段9は、計時手段13で計測された往動時間と、復動時間をそれぞれ数値LED等の数値表示部上に数値表示する。 【0028】次に、上記構成による動作を説明する。図2は、管理処理手段5が実行する診断プログラムの各処理を示すフローチャートである。始めに、装置設置時などの初期状態において、ハンドの移動時間を測定する(SP1)。ハンドは、デバイスの測定時に測定治具に向けて移動(下降)させ、測定後に測定治具から離す方向に移動(上昇)させる。このため、エアシリンダ1はロッド1Cを伸縮してハンドを往動、復動させる。 【0029】具体的には、操作パネル等を手動操作して「往動」の駆動指令を出力し、このときの往動時間を計測手段13で測定する。計測手段13は、往動方向への駆動指令時には、この駆動指令の入力時から位置検出センサ8aにてロッド1Cが往動位置に達するまでの期間TAを測定する。 【0030】この期間TAは、図3(a)に示されている。時期t1は、駆動手段12に「往動」の駆動指令入力が入力された時期である。時期t2は、「往動」の駆動指令入力に基づきエアシリンダ1のロッド1Cが往動方向に移動開始した時期である。時期t3は、エアシリンダ1のロッド1Cが往動方向に移動し往動位置(位置検出センサ8aの検出位置)に達した時期である。 【0031】次に、操作パネル等を手動操作して「復動」の駆動指令を出力し、このときの復動時間を計測手段13で測定する。計測手段13は、復動方向への駆動指令時には、この駆動指令の入力時から位置検出センサ8bにてロッド1Cが復動位置に達するまでの期間TBを測定する。 【0032】図3(a)において、時期t4は、駆動手段12に「復動」の駆動指令入力が入力された時期である。時期t5は、「復動」の駆動指令入力に基づきエアシリンダ1のロッド1Cが復動方向に移動開始した時期である。時期t6は、エアシリンダ1のロッド1Cが復動方向に移動し復動位置(位置検出センサ8bの検出位置)に達した時期である。図示のように、エアシリンダ1は、駆動指令入力から実際にロッド1Cが移動開始するまでに若干の遅れ(t1〜t2の期間,及びt4〜t5の期間)が生じる。計測手段13の計測する期間にこれらの期間を含めているのは、駆動してほしいと意図したときから目的に到達したときまでの時間に含まれるからである。 【0033】上記期間TA,TBは、初期値設定手段15に初期動作時間として格納設定される。うち、期間TAは「往動」の初期動作時間として設定され、期間TBは「復動」の初期動作時間として設定される(SP2)。これら設定された初期動作時間は、図4に示すように、表示手段9上にそれぞれ固定数値で表示される(図中箇所Ta,Tb部分)。 【0034】初期設定後、装置は稼働状態となり、複数のデバイスを順次連続的に検査する(SP3)。この稼働時、管理処理手段5は、ハンドの移動毎にエアシリンダ1の動作状態を管理処理する(SP4)。まず、計測手段13は、ハンドがデバイスを測定治具に移動(下降)させる際の、エアシリンダ1の実際の往動時間TA’を測定する。 【0035】図3(b)に示すように、この実際の往動時間TA’は、図示しない制御手段から「往動」の動作指令が入力された時期t7から、エアシリンダ1のロッド1Cが往動方向に移動し往動位置(位置検出センサ8aの検出位置)に達した時期t8までの期間である。 【0036】次に、動作判別手段14は、この実際の往動時間TA’と、初期値設定手段15に設定格納されている初期値往動時間TAとを比較する(SP5)。ここで、動作判別手段14は、初期値往動時間TAに前記所定範囲の時間α(上限値及び下限値)を偏差分として付与したもの(TA±α)と、実際の動作時間TA’を比較する。 【0037】比較結果、TA±αの範囲内にTA’が納まっていれば、この往動動作時間が規定範囲内であるとして、往動動作が正常状態と判別する(SP6-NO )。この判別結果は、表示手段9に出力される。また、測定された実際の往動時間TA’は、表示手段9の図4の箇所Ta’部分に数値表示される。 【0038】次に、計測手段13は、デバイスの測定後、ハンドがデバイスを測定治具から離す方向に移動(上昇)させる際の、エアシリンダ1の実際の往動時間TB’を測定する。 【0039】図3(c)に示すように、この実際の往動時間TB’は、図示しない制御手段から「復動」の動作指令が入力された時期t9から、エアシリンダ1のロッド1Cが復動方向に移動し往動位置(位置検出センサ8bの検出位置)に達した時期t10までの期間である。 【0040】次に、動作判別手段14は、この実際の往動時間TB’と、初期値設定手段15に設定格納されている初期値往動時間TBとを比較する(SP5)。ここで、動作判別手段14は、初期値往動時間TBに前記所定範囲の時間β(上限値及び下限値)を偏差分として付与したもの(TB±β)と、実際の動作時間TB’を比較する。比較結果、TB±βの範囲内にTB’が納まっていれば、この復動動作時間が規定範囲内であるとして、復動動作が正常状態と判別する(SP6-NO )。この判別結果は、表示手段9に出力される。また、測定された実際の往動時間TB’は、表示手段9の図4の箇所Tb’部分に数値表示される。 【0041】しかしながら、上記した実際の往動時間TA’が所定範囲TA±αの範囲内に納まっていないときには、この往動動作時間が異常であるとして異常信号を表示手段9に出力する(SP6-YES)。同様に、実際の復動時間TB’が所定範囲TB±βの範囲内に納まっていないときには、この復動動作時間が異常であるとして異常信号を表示手段9に出力する(SP6-YES)。 【0042】表示手段9には、往動側の確認表示体9a、復動側の確認表示体9bが設けられ、ハンドが移動(上下動)する毎に、判別結果に応じて「正常」あるいは「異常」の表示が点灯表示するようになっている。 【0043】動作判別手段14が異常信号を出力すると、確認表示体9a,9bの表示が「異常」を示す(SP7)。これにより、表示手段9の表示を見た操作者に対しハンドに設けられたエアシリンダ1を交換するなどの点検操作を促す。操作者は、点検にあたり、表示手段9上で「異常」が点灯した側、即ち、往動あるいは復動の異常を知ることができる。例えば、図4では往動側の確認表示体9aが「異常」点灯している。次に、表示箇所Ta’,Tb’に表示された動作時間Ta’,Tb’を見ることで、実際の動作時間を知ることができる。 【0044】したがって、操作者は、この表示された動作時間Ta’Tb’と、初期動作時間Ta,Tbとを比較して、おおよその調整量を把握でき、調整で直るか、あるいはシリンダ1の交換が必要かを知ることができる。 【0045】調整するときには、エアシリンダ1のスピードコントローラ1A,1Bを調整する。そして、調整中におけるエアシリンダ1の実際の往動時間TA’,実際の復動時間TB’は、管理処理手段5の計測手段13にて測定され、調整時毎に表示手段9の箇所Ta’,Tb’に数値表示される。これにより、調整状態を数値で確認しながら行えるようになる。 【0046】ところで、図2記載のフローチャートは、1回の処理であるハンドに設けられた1つのエアシリンダ1についての動作診断を行なう。したがって、他のエアシリンダが動作するときには、SP3に移行し、この新たに動作したエアシリンダについて動作診断を実行する。 【0047】ところで、図4に示すように、エアシリンダ1は、往動と復動で異なる移動速度に設定されることが多い。これは特に、電子部品検査装置などでデバイスの測定までにかかる時間を短縮化させる目的で設定され、測定を速やかに開始して装置全体の稼働効率を向上させることができる。 【0048】このように往動と復動で異なる移動速度の場合においても、それぞれの初期動作時間TA,TBと、実際の移動時間TA’,TB’が表示されるため、相対的なズレを視認できるようになる。また、スピードコントローラ2A,2Bを調整したときには、この調整に応じて実際の移動時間TA’,TB’が表示され、調整状態を確認しながら行えるようになる。同時に、スピードコントローラ2A,2Bの調整不良も確認できるようになる。特に、エアシリンダ1に対する動作指令の送出時から移動完了までの時期に基づき動作の良否を判断する構成であるため、エアシリンダ1の動作不良のみならず、エアシリンダ1の制御系(エア源や、手動調整の不備)も含めて異常状態を簡単に判別でき、異常箇所も比較的簡単に特定できるようになる。 【0049】上記実施の形態では、ハンドの駆動源としてエアシリンダを用いた例を説明したが、これに限らず油圧シリンダを管理処理する構成としてもよく、この場合でも同様の作用効果を得ることができる。 【0050】 【発明の効果】本発明によれば、電子部品を搬送するハンドの駆動源であるシリンダの移動速度は、シリンダに対する駆動信号の送出時から実際にシリンダが移動位置に達するまでの移動時間が計測手段で測定される。動作判別手段は、この計測手段で測定された実際の移動時間を予め設定された初期動作時間と比較して該シリンダの動作状態を判別する。これにより、経時的ににシリンダの移動速度が変化した場合には、この状態変化を適切な時期に知ることができ、迅速な点検、交換が行え、装置の稼働効率を低下させることがない。特に、シリンダに対する動作指令の送出時から移動完了までの時期に基づき動作の良否を判断する構成であるため、シリンダの動作不良のみならず、シリンダの制御系も含めて異常状態を簡単に判別でき、異常箇所の特定も早く行えるようになる。請求項2によれば、シリンダに対する往動、及び復動について、駆動信号の送出時から実際にシリンダが移動位置に達するまでの移動時間で動作状態をそれぞれ判別する構成であり、往動と復動で個別の移動時間が設定されても、両移動方向に対する動作の良否を個々に判別できる。請求項3によれば、初期値設定手段には、予め初期時のシリンダの移動時間が設定格納される。動作判別手段は、計測手段で測定された実際のシリンダの移動時間この初期動作時間と比較して該シリンダの動作の良否状態を判別する。判別結果及び計測手段で計測された移動時間は表示手段に表示される。以上の構成により、装置稼働初期時に得られたシリンダの移動速度に対し、装置稼働後経時的に移動速度が変化したときには、この変化状態を表示手段で実体的に確認することができ、動作状態の良否の度合いを容易に判別でき、また、調整作業の具体的指標として利用できるようになる。請求項4によれば、動作判別手段は、初期値設定手段に設定格納された初期動作時間に対し前後に所定時間を加えた時間範囲と、実際の動作時間とを比較して動作の良否を判断する構成であり、測定誤差等で敏感に異常報知することが防止でき、良好と見做せる範囲を越えた適切な時期に点検等を促すことができるようになる。請求項5記載のように、装置に複数のハンドと対応する複数のシリンダが設けられた場合においても、装置稼働中に移動するハンドのシリンダの動作を順次判別していくことができるようになる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000000572 【氏名又は名称】アンリツ株式会社
|
| 【出願日】 |
平成10年(1998)3月20日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】西村 教光
|
| 【公開番号】 |
特開平11−271373 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)10月8日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−72538 |
|