| 【発明の名称】 |
電圧低下検出装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】大山 義樹
|
| 【要約】 |
【課題】比較的簡単な方法で、電源周波数の半周期以上の期間に亙る電圧低下を、電源周波数の半周期程度の遅れ時間で検出することが可能な商用交流電源用の電圧低下検出装置の実現を課題とする。
【解決手段】電源電圧1を全波整流する全波整流素子2と、整流波形の電圧を所定の閾値電圧と比較し、比較結果を示すパルス信号を出力するパルス信号発生装置3と、このパルス信号相互の時間間隔を検出するパルス間隔検出装置4と、このパルス間隔検出手段4が検出したパルス信号相互間の時間間隔を所定時間間隔と比較するパルス間隔比較とを設ける。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 商用交流電源の電源電圧の低下を検出する電圧低下検出装置において、前記電源電圧を整流する整流手段と、この整流手段が整流した整流波形の電圧を所定の閾値電圧と比較し、比較結果を示すパルス信号を出力する電圧比較手段と、このパルス信号相互の時間間隔を検出するパルス信号間隔検出手段と、このパルス信号間隔検出手段が検出したパルス信号相互間の時間間隔を所定時間間隔と比較するパルス間隔比較手段とを具備することを特徴とする電圧低下検出装置。 【請求項2】 前記パルス信号間隔検出手段がパルス電圧平滑手段と、このパルス電圧平滑手段の出力電圧を検出する平滑電圧検出手段を具備することを特徴とする請求項1に記載の電圧低下検出装置。 【請求項3】 前記整流手段が整流した整流波形の電圧をA/D変換するA/D変換手段と、このA/D変換手段のディジタル出力を入力するマイクロプロセッサを具備し、前記電圧比較手段、前記パルス信号間隔検出手段および前記パルス間隔比較手段をこのマイクロプロセッサのソフトウェア処理で実現することを特徴とする請求項1に記載の電圧低下検出装置。 【請求項4】 前記整流手段が全波整流を行う全波整流手段であり、前記パルス間隔比較手段がパルス信号相互間の時間間隔と比較する前記所定時間間隔が前記商用交流電源の半周期以上であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の電圧低下検出装置。 【請求項5】 前記整流手段が半波整流を行う半波整流手段であり、前記パルス間隔比較手段がパルス信号相互間の時間間隔と比較する前記所定時間間隔が前記商用交流電源の1周期以上であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の電圧低下検出装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、電圧低下検出装置に関し、特に商用交流電源の電源電圧の低下を検出する電圧低下検出装置に関する。 【0002】 【従来の技術】図7は、従来の、商用電圧源を電源入力とする機器に用いられる電圧低下検出装置のブロック図である。図7において、31は商用電圧源、32は整流素子、33はコンデンサ、34は抵抗器、35は電圧検出装置を示す。また図8に図7に示した電圧低下検出装置の各部の波形を示す。商用電圧源31から入力される交流電圧は、整流素子32およびコンデンサ33によって整流・平滑され、さらに抵抗34によってコンデンサ33に蓄えられた電荷が放電されるため、図7の点aでは図8(a)のような波形の電圧が発生する。この電圧を電圧検出装置35により、あらかじめ機器の最低入力電圧によって定められた所定の電圧Vth以下になるのを検出することで、商用電圧源の電圧低下を検出することが出来る。電圧検出装置35はその入力電圧がVth以下になると図8(b)のように検出電圧をハイにしてそのことを通知する。 【0003】しかしこの装置では、商用電圧源の電圧が低下しても、点aの電圧は即座に低下せず、電圧検出装置35の入力電圧はコンデンサ33に蓄えられた電荷の抵抗器34による放電によって、緩やかに低下するため、電圧低下を検出するまでに図8でTlとして示した期間のタイムラグが発生する。このタイムラグTlは正常時の入力電圧と電圧Vthとの差が大きいほど大きくなるため、正常時の入力電圧が高く、また機器の最低入力電圧が低いほど、このタイムラグTlは大きくなってしまう。 【0004】入力電圧の低下によって、異常動作・故障を起こす可能性のある機器については、それを防止するため、入力電圧の低下を検出して保護動作を行う必要があるが、この場合、入力電圧の低下と、それを検出するまでのタイムラグTlは、この保護動作を遅らせる結果となり、これが異常動作・故障を起こす要因となる虞がある。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】上述のごとく、従来の商用交流電源の電圧低下検出装置においては、電圧低下を検出するまで必要なタイムラグが比較的長く、このために保護動作をとる措置が遅れてしまって、これが異常動作・故障を起こす要因となる虞があった。 【0006】本発明はこの点を解決して、比較的簡単な方法で、電源周波数の半周期以上の期間に亙る電圧低下を、電源周波数の半周期程度の遅れ時間で検出することが可能な商用交流電源用の電圧低下検出装置の実現を課題とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため、本発明は、商用交流電源の電源電圧の低下を検出する電圧低下検出装置において、前記電源電圧を整流する整流手段と、この整流手段が整流した整流波形の電圧を所定の閾値電圧と比較し、比較結果を示すパルス信号を出力する電圧比較手段と、このパルス信号相互の時間間隔を検出するパルス信号間隔検出手段と、このパルス信号間隔検出手段が検出したパルス信号相互間の時間間隔を所定時間間隔と比較するパルス間隔比較手段とを具備することを特徴とする。 【0008】 【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる電圧低下検出装置を添付図面を参照にして詳細に説明する。図1は、本発明の一実施の形態の電圧低下検出装置のブロック図である。図1において、1は交流電圧源、2は整流素子、3はパルス信号発生装置、4はパルス間隔検出装置を示す。また図2は図1の回路の各点a、b、cでの電圧波形である。 【0009】交流電圧源1から入力される交流電圧は、整流素子2によって整流され、図2(a)のような全波整流波形となり、パルス信号発生装置3へ入力される。パルス信号発生装置3は、入力された電圧があらかじめ機器の最低入力電圧によって定められた閾値電圧Vth1よりも高いときはオン期間であってハイの電圧を、低いときはオフ期間でローの電圧を出力する機能があり、この装置によって、図2(a)の波形は図2(b)のようなパルス波形に変換される。パルス間隔検出装置4は、入力される図2(b)のパルス波形のオフの期間を検出し、図2(c)に示したように、この期間が商用電圧源の周波数の半周期Thよりも短いときにはロー、長いときはハイを出力する。 【0010】入力電圧が正常な状態であり電圧変動が許容範囲内の変動である場合には、パルスは図2(a)の全波整流波形の各ピークごとに発生するので、パルス信号発生装置3の出力パルスのオフ期間は周波数の半周期Thよりも長くなることはなく、パルス間隔検出装置4の出力はローである。しかし、図2(a)の全波整流波形のピークが閾値電圧Vth1よりも低くなると、パルスが発生しなくなるため、パルスのオフ期間は周波数の半周期Thよりも長くなり、パルス間隔検出装置4の出力である図2(c)がハイになる。つまり、この装置を使うことによって、商用電圧源の正常時の電圧の如何に関わらず、商用電圧源における電源周波数の半周期Th以上の期間に亙る一定範囲以上の電圧低下を、電源周波数の半周期Th程度の遅れ時間で検出することが出来る。 【0011】図3は、パルス間隔検出装置にコンデンサによるパルス平滑回路を用いた本発明の電圧低下検出装置の他の実施の形態のブロック図である。図3において、11は交流電圧源、12は整流素子、13はパルス信号発生装置、14は逆流を防止する整流素子、15はコンデンサ、16は抵抗器、17は電圧検出回路を示す。また図4に、図3の回路の各点a、bでの電圧波形である。この回路では、コンデンサ15によってパルス信号発生装置13の出力パルス信号を平滑し、抵抗器16によりコンデンサ15に充電された電荷を放電することにより、パルス波形は図4(a)のような波形に変換される。 【0012】コンデンサ15の放電による電圧低下は、パルス信号発生装置13の出力パルスのオフ期間に抵抗器16によって一定の割合で行われるので、この電圧は、オフ期間の長さに対応した電圧となる。従ってオフ期間が商用周波数の半周期Th続いた場合のパルス電圧の減衰値から閾値電圧Vth2をあらかじめ調べておき、電圧検出回路17は点bの電圧がこのVth2以下になるのを検出した場合に図4(b)のようなハイレベル信号を出力することで、商用交流電圧源11の電圧の低下を検出し、それに応じた信号を出力することができる。 【0013】この実施の形態でのコンデンサ15、抵抗器16および電圧検出回路17の回路は基本的に図7で示したコンデンサ33、抵抗器34および電圧検出回路35の回路と相似であり、その限りでは検出精度や検出に要する時間は同等と考えられるが、パルス信号発生装置13で用いられるパルス用の直流電源電圧が安定しているため、生の商用電圧源を全波整流した電圧に比べてドリフトや変動がはるかに少ないため、検出精度を向上することができ、検出に必要な時間を短縮することができる。 【0014】図5は、本発明の電圧低下検出装置のさらに他の実施の形態のブロック図で、パルス信号発生・パルス間隔検出をマイコンで擬似的に行った場合の例である。図5で、21は交流電圧源、22は整流素子、23はA/D変換器、24はマイコンを示す。整流素子22で交流電圧源21からの入力電圧を整流した電圧をA/D変換器23によってデジタル信号に変換し、これをマイコン24内で処理する。マイコン24内の処理については、図6に、その処理フロチャートの一例を示す。 【0015】図5および図6にそって、その動作を説明すると、マイコン24は、ステップ101でA/D変換器23の出力から整流素子22の全波整流波形の電圧Vinをサンプルして検出する。次にステップ102で、このサンプルされた電圧Vinが閾値電圧Vth3よりも大きいかどうかを調べる。この閾値電圧Vth3は図1でのVth1とほぼ同じ値である。 【0016】Vin>Vth3の場合はステップ103に進み、最後に入力電圧Vinが閾値電圧Vth3を超えていた時刻Tbとして現在の時刻Tnを設定し、ステップ101に戻る。またVin<Vth3の場合はステップ104に進み、現在の時刻Tnから最後に入力電圧Vinが閾値電圧Vth3を超えていた時刻Tbを減算しその差が商用周波数の半周器Thよりも小さいかどうかを調べる。すなわちTn−Tb<Thを調べる。 【0017】ステップ104でTn−Tb<Thの場合はそのままステップ101に戻る。Tn−Tb<Thでなかった場合は、ステップ105に進み、入力電圧の低下を検出したとして、マイコン24は対応する信号を出力し、その後、ステップ101に戻る。 【0018】以上に述べた本発明の実施の形態を用いることによって、比較的簡単な方法で、電源周波数の半周期Th以上の期間に亙る電圧低下を、半周期Th程度の遅れ時間で検出することができる。なおここではあげた例では、整流素子としてブリッジ整流法による全波整流方式を採用しているが、半端整流方式を採用しても同様の動作は可能である。ただし、この場合は、検出できる電圧低下はその周波数の1周期以上の期間のものとなる。 【0019】 【発明の効果】以上説明したように本発明の請求項1の発明は、商用交流電源の電源電圧の低下を検出する電圧低下検出装置において、この電源電圧を整流する整流手段と、この整流手段が整流した整流波形の電圧を所定の閾値電圧と比較し、比較結果を示すパルス信号を出力する電圧比較手段と、このパルス信号相互の時間間隔を検出するパルス信号間隔検出手段と、このパルス信号間隔検出手段が検出したパルス信号相互間の時間間隔を所定時間間隔と比較するパルス間隔比較手段とを具備することを特徴とする。このように、整流波形の電圧を比較的処理しやすいパルス電圧に置き換え、パルス信号間隔検出することにより、比較的簡単な方法で、一定時間以上に亙る電圧低下を、一定の遅れ時間で検出することができる。したがって、これを用いることによって、機器が入力電圧の低下を原因とする異常動作及び故障を起こす前に、保護手段を取ることができるようになり、異常動作及び故障を未然に防止することができる。 【0020】本発明の請求項2の発明は、パルス信号間隔検出手段をパルス電圧平滑手段と、このパルス電圧平滑手段の出力電圧を検出する平滑電圧検出手段を用いて構成したことを特徴とする。これにより、比較的簡単、廉価な方法で、パルス信号間隔を検出することができる。 【0021】本発明の請求項3の発明は整流手段が整流した整流波形の電圧をA/D変換するA/D変換手段と、このA/D変換手段のディジタル出力を入力するマイクロプロセッサを具備し、電圧比較手段、パルス信号間隔検出手段およびパルス間隔比較手段をこのマイクロプロセッサのソフトウェア処理で実現することを特徴とする。これにより、電源電圧の電圧低下検出をソフト的に行うことができ、整流波形電圧のサンプル頻度を高くすることができるので、検出精度を上げ、遅れ時間を短くすることができる。 【0022】本発明の請求項4の発明は、整流手段が全波整流を行う全波整流手段であり、パルス間隔比較手段がパルス信号相互間の時間間隔と比較する所定時間間隔が商用交流電源の半周期以上であることを特徴とする。これにより、電源周波数の半周期以上の期間に亙る電圧低下を、半周期程度の遅れ時間で検出することができる。 【0023】本発明の請求項5の発明は、整流手段が半波整流を行う半波整流手段であり、パルス間隔比較手段がパルス信号相互間の時間間隔と比較する所定時間間隔が商用交流電源の1周期以上であることを特徴とする。これにより、電源周波数の1周期以上の期間に亙る電圧低下を、1周期程度の遅れ時間で検出することができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000002185 【氏名又は名称】ソニー株式会社
|
| 【出願日】 |
平成10年(1998)3月19日 |
| 【代理人】 |
|
| 【公開番号】 |
特開平11−271366 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)10月8日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−70740 |
|