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【発明の名称】 布線検査装置の検査方法及び方式
【発明者】 【氏名】白方 新洋

【要約】 【課題】検査ヘッドの再組立時に変化しないCAD情報(特徴検査データ)を用いて検査精度を高める検査方法及び方式の提供。

【解決手段】良品であるマスタ基板から抽出された各ネット毎の検査ポイントを含む第1の検査情報と、被検査基板から抽出された各ネット毎の検査ポイントを含む第2の検査情報とを比較照合し、これらが一致した場合には、基板のCAD情報から抽出された、総ネット数や1ネットあたりの検査ポイント数などを含む第1の特徴情報と、第2の検査情報から抽出された総ネット数や1ネットあたりの検査ポイント数などを含む第2の特徴情報とを比較照合し、これらが一致したものを良品とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】プリント基板の電気検査を行う布線検査装置において、マスタ基板と被検査基板との検査情報の比較検査と、基板のCADデータから生成される総ネット数や1ネットあたりの検査ポイント数などの特徴検査データと前記被検査基板の特徴データとの比較検査と、を併用して行う、ことを特徴とする検査方法。
【請求項2】プリント基板の電気検査を行う布線検査装置の検査方法において、良品であるマスタ基板から抽出された各ネット毎の検査ポイントを含む第1の検査情報と、被検査基板から抽出された各ネット毎の検査ポイントを含む第2の検査情報とを比較照合し、これらが一致した場合には、さらに、基板のCAD情報から抽出された、1ネット当たりの検査ポイント数を少なくとも含む第1の特徴情報と、前記被検査基板に関する前記第2の検査情報から抽出された第2の特徴情報とを比較照合し、これらが一致したものを良品とする、ことを特徴とする検査方法。
【請求項3】プリント基板の電気検査を行う布線検査装置において、良品であるマスタ基板から各ネット毎の検査ポイントを含む第1の検査情報を抽出する手段と、被検査基板から各ネット毎の検査ポイントを含む第2の検査情報を抽出する手段と、前記第1の検査情報と前記第2の検査情報を比較する検査情報比較手段と、前記第2の検査情報から1ネット当たりの検査ポイント数を少なくとも含む第2の特徴情報を抽出する手段と、前記抽出された第2の特徴情報を、基板のCAD情報から抽出された、1ネット当たりの検査ポイント数を少なくとも含む第1の特徴情報と比較する特徴情報比較手段と、を備えたことを特徴とする検査方式。
【請求項4】プリント基板の電気検査を行う布線検査において、(a)良品であるマスタ基板から各ネット毎の検査ポイントを含む第1の検査情報を抽出する手段、(b)被検査基板から各ネット毎の検査ポイントを含む第2の検査情報と抽出する手段、(c)前記第1の検査情報と前記第2の検査情報を比較する手段、(d)前記第2の検査情報から1ネット当たりの検査ポイント数を少なくとも含む第2の特徴情報を抽出する手段、及び、(e)前記抽出された第2の特徴情報を、基板のCAD情報から抽出された、1ネット当たりの検査ポイント数を少なくとも含む第1の特徴情報と比較する手段、の上記(a)〜(e)の各手段をコンピュータで機能させるためのプログラムを記録した記録媒体。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリント配線板(Printed Wirining Board;「PWB」、プリント基板ともいう)の布線検査装置に関し、特に再組立時に変化可能なピンヘッドを用いる布線検査装置に用いて好適な検査方法及び方式に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のプリント基板の布線検査装置の装置の検査データとしては、例えば図2に示すように、検査対象のプリント基板の各ネットに対して、全ての検査ポイント同士の接続関係を記述したものが用いられている。
【0003】従来の布線検査装置の治具(ヘッド)うちピンヘッドを用いる布線検査装置は、2.54mm格子の場所に電極を有しており、被検査基板の検査点から任意の近地点の電極(AからB)にピンを曲げることで被検査基板との接触を持っている。
【0004】このため電極までの配線をラッピングワイヤなどで行っている検査ヘッドと比べて、安価に速くヘッドを制作することができる。また、ヘッドの製作工数が短く再組立が可能なため、使用時にピン挿入などの組立を行うことが可能である。このため、コストの50%以上を占めるピンをほかのヘッドと共有できるというメリットもある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記したピンヘッドを用いる布線検査装置においては、製作時に近地点の格子を選びながらピンを挿入するため、再組立ごとに使用する電極が変わるため、ヘッド製作後でないと、検査点がどの電極に接続しているのがわからない。すなわち、この種のピンヘッドでは、検査ポイントがどの電極に接続しているのかを調べることが困難であり、再組立時に変化するため、CADデータから生成した検査データとの比較が非常に困難であり、図2に示すような検査データを生成することは困難である。
【0006】このため、上記したピンヘッドを用いる布線検査装置では、良品であるマスタ基板との比較のみの検査を行っていた。
【0007】しかしながら、マスタ基板との比較のみの検査では、同一箇所不良の基板を検出できなかったり、プリント配線基板の検査精度の低下を招くとともに、さらに制作枚数の少ない基板や歩留まりの悪い基板についてはマスタ基板の設定自体が困難である、といった問題点を有している。
【0008】したがって、本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、検査ヘッドの再組立時に変化しないCAD情報を併せて用いることで検査精度を高める検査方法及び方式を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため、本発明は、プリント基板(PWB)の電気検査を行う布線検査装置において、マスタ基板と被検査基板との検査情報の比較検査と、基板のCADデータから生成される総ネット数や1ネットあたりの検査ポイント数などの特徴検査データと前記被検査基板の特徴データの比較検査と、を併用して行う、ことを特徴とする。より詳細には、本発明は、プリント基板の電気検査を行う布線検査装置の検査方法において、良品であるマスタ基板から抽出された各ネット毎の検査ポイントを含む第1の検査情報と、被検査基板から抽出された各ネット毎の検査ポイントを含む第2の検査情報とを比較照合し、これらが一致した場合には、さらに、基板のCAD情報から抽出された、1ネット当たりの検査ポイント数を少なくとも含む第1の特徴情報と、前記第2の検査情報から抽出された第2の特徴情報とを比較照合し、これらが一致したものを良品とする、ことを特徴とする。
【0010】また、本発明は、プリント基板(PWB)の電気検査を行う布線検査装置において、良品であるマスタ基板から各ネット毎の検査ポイントを含む第1の検査情報を抽出する手段と、被検査基板から各ネット毎の検査ポイントを含む第2の検査情報と抽出する手段と、前記第1の検査情報と前記第2の検査情報を比較する第1の比較手段と、前記第2の検査情報から1ネット当たりの検査ポイント数を少なくとも含む第2の特徴情報を抽出する手段と、前記抽出された第2の特徴情報を、基板のCAD情報から抽出された、1ネット当たりの検査ポイント数を少なくとも含む第1の特徴情報と比較する第2の比較手段と、を備える。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について以下に説明する。本発明の布線検査装置における検査方法は、その好ましい実施の形態において、マスタ基板から抽出された各ネット毎の検査ポイントを含む第1の検査情報と、被検査基板から抽出された各ネット毎の検査ポイントを含む第2の検査情報を比較照合し、これらが一致した場合には、さらに、CAD(計算機支援設計)情報から抽出された第1の特徴情報と前記第2の検査情報から抽出された第2の特徴情報とを比較し、これらが一致したものを良品とするようにしたものである。
【0012】本発明は、その好ましい実施の形態において、良品であるマスタ基板から各ネット毎の検査ポイントを含む第1の検査情報(図1の105)を抽出する手段(図1の101)と、被検査基板から各ネット毎の検査ポイントを含む第2の検査情報(図1の106)を抽出する手段(図1の102)と、前記第1の検査情報と前記第2の検査情報を比較する検査比較手段(図1の107)と、前記第2の検査情報から1ネット当たりの検査ポイント数を少なくとも含む第2の特徴情報を抽出する手段(図1の108)と、前記抽出された特徴情報を、基板のCAD情報から抽出された、1ネット当たりの検査ポイント数を少なくとも含む第1の特徴情報と比較する特徴情報比較手段(図1の110)とを備える。
【0013】本発明の実施の形態においては、CAD情報から生成された特徴情報を比較検査に用いているため、同一箇所全数不良など、従来のマスタ基板との比較検査では検出できない不良を検出することができ、検査精度を向上する。
【0014】また本発明の実施の形態においては、接続が変わる再組立の時でも変化しない情報(特徴情報)を用いているため、ピンヘッドのように、再組立時に接続関係が変化する種類のヘッドを用いた場合でも、検査情報を再度生成することなしに、検査を行うことができる。
【0015】さらに本発明の実施の形態においては、マスタ基板の選定時にも、CAD情報から生成される特徴情報を検査に用いることができ、例えば10枚の基板のうち、検査ポイントの電気的接続関係Aである基板が4枚、Bである基板が6枚あった場合、特徴情報と一致する方のBの基板をマスタ基板として選択することで、制作枚数の少ない基板や歩留まりの低い基板についても容易にマスタ基板を選ぶことができる。
【0016】
【実施例】上記した本発明の実施の形態についてさらに詳細に説明すべく、本発明の実施例について図面を参照して以下に説明する。
【0017】図1は、本発明の一実施例の構成を示すブロック図である。
【0018】図1を参照すると、本発明の一実施例において、第1の検査情報抽出部101は、良品であるマスタ基板103から、図2に示したような、すべての検査ポイントの接続が表現できる第1の検査情報105を抽出する。第2の検査情報抽出部102は、被検査基板104から同様な方法で第2の検査情報106を抽出する。
【0019】次に検査情報比較部107は、第1の検査情報105と第2の検査情報106を比較し、相違があれば、不良として次の被検査基板の検査を始める。
【0020】検査情報比較部107の比較において相違がなかった場合、特徴情報抽出部108が第2の検査情報106から第2の特徴情報109を抽出する。
【0021】次に特徴情報比較部110が、CAD情報からあらかじめ生成された第1の特徴情報と第2の特徴情報110を比較して相違があれば不良、なければ良品とする。
【0022】本発明の一実施例の動作について説明する。第1の検査情報抽出部101は、良品であるマスタ基板101から、図2に示すようなすべての検査ポイントの接続関係が表現できる第1の検査情報105を抽出する。この例の場合、検査ポイントの数字(「検査ポイントNo」という)は、一意の電極を表している。
【0023】図2に示す例では、電極1と電極3に接続されている検査ポイント(検査ポイントNo.1と3)同士は導通があり、電極1と電極2は導通がないということである。
【0024】例えば254mm角の検査エリア内に2.54mm格子の場所に電極を有している布線検査装置の場合、総電極数は10000ポイントである。検査ポイントNo.は1〜10000の範囲にある。この布線検査装置で200mm角の大きさのPWBを検査するものとする。
【0025】このPWBの総検査ポイント数が2000ポイントで、ネット数が500ネットの場合、検査情報は、500行になり、検査ポイントが2000ポイント記述され、図2に示すような検査情報が生成される。このとき、検査ポイント1〜10000ポイントのうち8000ポイントはこの検査情報に記述されていない。つまり、その検査ポイントに対応する電極は、布線検査に使用されない。
【0026】第2の検査情報抽出部102は、被検査基板104から同様な方法で検査情報106を抽出する。次に検査情報比較部107は、第1の検査情報105と第2の検査情報106を比較して相違があれば、不良として次の被検査基板の検査を始める。
【0027】検査情報比較部107の比較において相違がなかった場合、特徴情報抽出部108が、第2の検査情報106から、図3に示すような第2の特徴情報109を抽出する。
【0028】この例の場合、総検査ポイント数が2000ポイント、総ネット数は500ネットになる。また、これに続く各行に記載された情報の意味は、この例の場合、153ポイントの同電位を持つネットが1つ、120ポイントの同電位を持つネットが3つ、単独検査ポイント(他の検査ポイントとの電気的接続がない)が254ポイントあるということを示している。
【0029】この特徴情報は、図2に示した検査情報を読み込みながら、検査ポイント数を数えて、テーブルを作るなどの方法によって容易に抽出できる。
【0030】前述したように、ピンヘッドのような検査ヘッドは、任意の検査ポイントを無作為に選ぶので、再組立毎に使用する検査ポイントの場所が変わる可能性がある。すなわち、検査情報の再現性がない。
【0031】このような種類の検査ヘッドでも、同電位のネット数などから構成される特徴情報は変化しないので、再組立時に再度検査情報を設定する必要がない。
【0032】また、CAD情報から図2のような検査情報は抽出できるため、同様な手順で、第1の特徴情報(不図示)をCAD情報から生成することができる。
【0033】最後に、特徴情報比較部110が第1の特徴情報と第2の特徴情報109を比較して相違があれば不良、なければ良品とする。
【0034】また、図1には示されていないが、マスタ基板を選定するときにも、最初の良品の基板を選定して残り基板の比較検査の対象とするとき、CAD情報から生成される特徴情報を利用することができる。
【0035】本発明の別の実施例として、前記した実施例の特徴情報から、総検査ポイント数と総ネット数は除いた情報としても同様の効果が得られる。これは、総検査ポイント数と総ネット数の比較は、マスタ基板との検査情報の比較で検査されるためである。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば下記記載の効果を奏する。
【0037】本発明の第1の効果は、同一箇所全数不良など、従来のマスタ基板との比較検査では検出することができない不良を検出することができ、検査精度を向上する、ということである。
【0038】その理由は、本発明においては、CAD情報から生成された特徴情報を比較検査に用いているためである。
【0039】本発明の第2の効果は、ピンヘッドのように再組立時に接続関係が変化する種類のヘッドであっても、検査情報を再度生成することなしに検査を行うことができ、検査効率の向上、検査コストの低減を達成する、ということである。
【0040】その理由は、本発明においては、接続が変わる再組立の時でも変化しない情報(特徴情報)を用いている、ためである。
【0041】本発明の第3の効果は、製作枚数の少ない基板や歩留まりの低い基板についても容易にマスタ基板を選ぶことができる、ということである。
【0042】その理由は、本発明において、マスタ基板の選定時にも、CAD情報から生成される特徴情報が使用できるためである。例えば10枚の基板のうち、検査ポイントの電気的接続関係Aである基板が4枚、Bである基板が6枚あった場合、特徴情報と一致する方のBの基板をマスタ基板として選択することができる。
【出願人】 【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
【出願日】 平成9年(1997)12月19日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 朝道
【公開番号】 特開平11−183572
【公開日】 平成11年(1999)7月9日
【出願番号】 特願平9−365103