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【発明の名称】 半導体装置及び該半導体装置のテスト方法
【発明者】 【氏名】河内 敏彦

【要約】 【課題】回路のオーバヘッドを小さくし、かつ、活性化パターンの生成時間を短縮できるようにする。

【解決手段】開示される半導体装置は、p個の組合わせ回路と、吐き出しクロック及びこのクロックの後に出力される取り込みクロックを生成する遅延部2と、切替え入力端子がノーマルモードであるとき、データ入力端子からのデータを取り込み可能になり、スキャンシフトモードのとき、スキャン入力端子からのデータを取り込み可能になり、このデータ入力端子又はスキャン入力端子に加えられたデータを上記取り込みクロックで取り込んで保持し、保持しているデータを上記吐き出しクロックで出力する、上記各組合わせ回路の出力数と同じ数のフリップフロップとを備え、各フリップフロップは、上記組合わせ回路の出力側に介挿されて、スキャンパス構成とされている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 p(pは任意の自然数)個の組合わせ回路と、吐き出しクロック及び該吐き出しクロックの後に出力される取り込みクロックを生成するクロック生成部と、データ入力端子、切替え入力端子、スキャン入力端子及びデータ出力端子を備え、前記切替え入力端子がノーマルモードであるとき、前記データ入力端子からのデータを取り込み可能になり、前記切替え入力端子がスキャンシフトモードであるとき、前記スキャン入力端子からのデータを取り込み可能になり、前記データ入力端子又は前記スキャン入力端子に加えられたデータを前記取り込みクロックで取り込んで保持し、保持しているデータを前記吐き出しクロックで出力する、前記各組合わせ回路の出力数と同じ数のフリップフロップとを備え、前記各フリップフロップを前記組合わせ回路の出力側に介挿し、前記データ出力端子を前記次段のフリップフロップのスキャン入力端子に接続し、該フリップフロップの中で最初のフリップフロップのスキャン入力端子に、データ入力用の外部入力端子を接続してなることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】 前記クロック生成部は、外部から加えられた外部クロックを用いて、前記吐き出しクロック及び前記取り込みクロックを生成することを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】 前記クロック生成部は、前記外部クロックを遅延して前記取り込みクロックを生成する遅延素子を備え、前記外部クロックを吐き出しクロックとすることを特徴とする請求項2記載の半導体装置。
【請求項4】 前記クロック生成部は、前記外部クロックの立ち上がりでデータ「1」出力する第1のフリップフロップと、前記外部クロックの立ち下がりでデータ「1」を出力する第2のフリップフロップと、前記第1のフリップフロップの反転出力と、前記第2のフリップフロップの出力との論理積の演算をして、前記取り込みクロックを生成するアンド回路と、前記第1のフリップフロップの出力と、前記第2のフリップフロップの出力との論理和の演算をして、前記吐き出しクロックを生成するオア回路とを備えてなることを特徴とする請求項2記載の半導体装置。
【請求項5】 請求項1、2、3又は4記載の半導体装置の遅延状態を検査する半導体装置のテスト方法であって、前記切替え入力端子をスキャンシフトモードにして、前記取り込みクロックで、前記外部入力端子に加えられた初期データを、検査対象である組合わせ回路の入力側に接続されているフリップフロップに取り込んで保持し、前記初期データの取り込みが終了すると、前記吐き出しクロックで、前記入力側のフリップフロップから前記初期データを前記検査対象に加えて、前記検査対象の前段の組合わせ回路からの次のデータで、該検査対象の検査部分の経路の出力状態が変化して活性化するように初期化し、前記初期化が終了すると、前記切替え入力端子をノーマルモードにして、前記取り込みクロックで、前記前段の組合わせ回路のデータを前記検査対象の入力側のフリップフロップに取り込んで保持し、前記吐き出しクロックで、前記入力側のフリップフロップが保持するデータを前記検査対象に加えて、前記経路を活性化することを特徴とする半導体装置のテスト方法。
【請求項6】 前記経路を活性化した後、前記切替え入力端子をスキャンシフトモードにして、前記検査対象の組合わせ回路の活性化による出力結果を、最終段に接続されているフリップフロップに送り、該フリップフロップから該出力結果を取り出すことを特徴とする請求項5記載の半導体装置のテスト方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、半導体装置及び該半導体装置のテスト方法に係り、詳しくは、遅延時間を調べるための半導体装置及び該半導体装置のテスト方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体装置には、記憶回路を内部に含む順序回路がある。この種の順序回路には、順序回路の遅延状態を調べるための回路が付加されているものがある。図7、に示すように、この順序回路100は、入力端子101と出力端子102との間に、遅延回路103、組合せ回路104及び記憶回路105を備えて構成されている。また、記憶回路105は、フリップフロップ(FF)105Aからなっている。
【0003】順序回路100では、組合せ回路104の遅延値を計測するとき、組合せ回路104の入力に遅延回路103を接続するための切り換えが行われる。この様子を図8を用いて説明する。図8は、順序回路100の一部を切り出した回路であり、さらに詳しい構成を示すものでもある。図8に示すように、遅延回路103は、遅延ゲート103A及びマルチプレクサ(MUX)103Bを備えてなっている。通常動作のとき、順序回路100内では、前段のフリップフロップ105Aからの信号がマルチプレクサ103Bを経由して、組合せ回路104に加えられる。
【0004】組合せ回路104の遅延値を調べるときには、図9に示すように、順序回路100の入力端子101と出力端子102との間にテスタ200を接続する。この後、マルチプレクサ103Bの切換え端子103Cをテストモードに切り換えると、マルチプレクサ103Bは、遅延ゲート103Aを組合せ回路104に接続する。これにより、順序回路100内では、前段のフリップフロップ105Aからの信号が、遅延ゲート103Aとマルチプレクサ103Bとを経由して、組合せ回路104に加えられる。この状態のときに、組合せ回路104内の信号経路を活性化するための活性化パターンが、テスタ200から入力端子101に加えられる。
【0005】一方、遅延回路103の遅延値は、テスタ200の最大周波数をfmとすると、次のように設定されている。すなわち、最大周波数fmの逆数が、テスタ200で計測することができる最小遅延値である。したがって、組合せ回路104の実動作時に要求される最大遅延値をDmとすると、1/fm−Dmを遅延回路103の遅延値に設定する。これにより、前段のフリップフロップ105Aからの信号は、遅延ゲート103Aで、1/fm−Dmの値だけ遅れ、さらに、遅延回路103により、Dmの値だけ遅れる可能性があるので、遅延回路103に要求される周波数に比べて低い周波数で動作するテスタ200、すなわち、遅延回路103に比べて遅いテスタ200を用いて、組合せ回路104の遅延値を計測することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記記載の従来技術には、次のような課題がある。すなわち、各組合せ回路104の遅延値を計測するために、図8に示すように、各フリップフロップ105Aの出力には、遅延ゲート103Aとマルチプレクサ103Bとが必要になる。このために、遅延ゲート103Aとマルチプレクサ103Bとがチップ内で占める面積、すなわち、オーバーヘッドが大きくなるという課題が発生する。また、組合せ回路104の経路の遅延値を計測する場合、前段の組合せ回路104からデータ「1」または「0」の値が加えられたとき、この経路の出力が変化するように、この経路を活性化する必要がある。このために、前段の組合せ回路104の値を考慮した活性化パターンを生成する必要があるので、活性化パターンの生成に多くの時間を必要とするという課題も発生する。
【0007】この発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、回路のオーバヘッドを小さくし、かつ、活性化パターンの生成時間を短縮することができる半導体装置及び該半導体装置のテスト方法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、p個の組合わせ回路と、吐き出しクロック及び該吐き出しクロックの後に出力される取り込みクロックを生成するクロック生成部と、データ入力端子、切替え入力端子、スキャン入力端子及びデータ出力端子を備え、上記切替え入力端子がノーマルモードであるとき、上記データ入力端子からのデータを取り込み可能になり、上記切替え入力端子がスキャンシフトモードであるとき、上記スキャン入力端子からのデータを取り込み可能になり、上記データ入力端子又は上記スキャン入力端子に加えられたデータを上記取り込みクロックで取り込んで保持し、保持しているデータを上記吐き出しクロックで出力する、上記各組合わせ回路の出力数と同じ数のフリップフロップとを備え、上記各フリップフロップを上記組合わせ回路の出力側に介挿し、上記データ出力端子を上記次段のフリップフロップのスキャン入力端子に接続して、上記フリップフロップをスキャンパス構成にし、該フリップフロップの中で最初のフリップフロップのスキャン入力端子に、データ入力用の外部入力端子を接続したことを特徴としている。
【0009】また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の半導体装置であって、上記クロック生成部は、外部から加えられた外部クロックを用いて、上記吐き出しクロック及び上記取り込みクロックを生成することを特徴としている。
【0010】また、請求項3記載の発明は、請求項2記載の半導体装置であって、上記クロック生成部は、上記外部クロックを遅延して上記取り込みクロックを生成する遅延素子を備え、上記外部クロックを吐き出しクロックとすることを特徴としている。
【0011】また、請求項4記載の発明は、請求項2記載の半導体装置であって、上記クロック生成部は、上記外部クロックの立ち上がりでデータ「1」出力する第1のフリップフロップと、上記外部クロックの立ち下がりでデータ「1」を出力する第2のフリップフロップと、上記第1のフリップフロップの反転出力と、上記第2のフリップフロップの出力との論理積の演算をして、上記取り込みクロックを生成するアンド回路と、上記第1のフリップフロップの出力と、上記第2のフリップフロップの出力との論理和の演算をして、上記吐き出しクロックを生成するオア回路とを備えてなることを特徴としている。
【0012】また、請求項5記載の発明は、請求項1、2、3又は4記載の半導体装置の遅延状態を検査する半導体装置のテスト方法であって、上記切替え入力端子をスキャンシフトモードにして、上記取り込みクロックで、上記外部入力端子に加えられた初期データを、検査対象である組合わせ回路の入力側に接続されているフリップフロップに取り込んで保持し、上記初期データの取り込みが終了すると、上記吐き出しクロックで、上記入力側のフリップフロップから上記初期データを上記検査対象に加えて、上記検査対象の前段の組合わせ回路からの次のデータで、該検査対象の検査部分の経路の出力状態が変化して活性化するように初期化し、上記初期化が終了すると、上記切替え入力端子をノーマルモードにして、上記取り込みクロックで、上記前段の組合わせ回路のデータを上記検査対象の入力側のフリップフロップに取り込んで保持し、上記吐き出しクロックで、上記入力側のフリップフロップが保持するデータを上記検査対象に加えて、上記経路を活性化することを特徴としている。
【0013】さらにまた、請求項6記載の発明は、請求項5記載の半導体装置のテスト方法であって、上記経路を活性化した後、上記切替え入力端子をスキャンシフトモードにして、上記検査対象の組合わせ回路の活性化による出力結果を、最終段に接続されているフリップフロップに送り、該フリップフロップから該出力結果を取り出すことを特徴としている。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明の実施の形態について説明する。
◇第1の実施の形態図1は、この発明の第1の実施の形態である半導体装置の電気的構成を概略示すブロック図、図2は、同半導体装置の主回路部を示す回路図、図3は、同半導体装置の主回路部の一部を切り出して示す回路図、また、図4は、同半導体装置の遅延部を示す回路図である。
【0015】この半導体装置は、図1に示すように、主回路部1、遅延部2、入力端子31〜3m(mは任意の自然数、以下において同じ),4,5,6及び出力端子71〜7mを備えてなっている。主回路部1は、図2に示すように、組合せ回路111〜11p及びスキャンフリップフロップ121〜12n(nは任意の自然数、以下において同じ)を備えてなっている。
【0016】入力端子31〜3mは、データの入力用であり、出力端子71〜7mは、データの出力用である。入力端子4は、半導体装置の外部から加えられるクロックの入力用である。また、入力端子5は、切替え信号の入力用であり、入力端子6は、スキャンデータの入力用である。
【0017】組合せ回路111〜11pは、記憶作用を持たない素子、すなわち、各種のゲート等で構成されている。初段の組合せ回路111には、入力端子31〜3mが接続され、最終段の組合せ回路11pは、スキャンフリップフロップ12n-(m-1)〜12nを介して出力端子71〜7mに接続されている。組合せ回路111が入力端子31〜3mからデータをそれぞれ受け取ると、組合せ回路111内の各経路を経て、スキャンフリップフロップ121〜12mにデータを出力する。このとき、上記各経路の素子の遅延により、上記データは、スキャンフリップフロップ121〜12mに遅れてに到達する。組合せ回路112〜11pは、スキャンフリップフロップ121〜12m,…,12n-(m+m-1)〜12n-mを介して、前段からのデータをそれぞれ受け取ると、組合せ回路111と同じように、遅れてデータを出力する。
【0018】スキャンフリップフロップ121〜12nは、組合せ回路111〜11pの出力数と同じ数だけ備えられ、組合せ回路111〜11pの間及び組合せ回路11pと出力端子71〜7mとの間に介挿されている。また、スキャンフリップフロップ121〜12nは、スキャンパス構成にされている。
【0019】この様子を、図3を参照して詳しく述べる。すなわち、組合せ回路111〜11pの中の1つである組合せ回路11kに接続されているスキャンフリップフロップ12k+1〜12k+m,12k+m+1〜12k+m+mは、データ入力端子a、スキャン入力端子b、取込みクロック端子c、吐き出しクロック端子d、データ出力端子e及び切替え入力端子fをそれぞれ備える。スキャンフリップフロップ12k+1〜12k+mのデータ入力端子aは、前段からのデータの取り込み用であり、スキャン入力端子bは、入力端子6に加えられるスキャンデータの取り込み用である。また、データ出力端子eは、データの出力用である。
【0020】スキャンフリップフロップ12k+1〜12k+m+mでは、データ出力端子eがスキャン入力端子bにそれぞれ接続されている。すなわち、スキャンフリップフロップ12k+1〜12k+m+mは、スキャン入力端子b及びデータ出力端子eにより、直列に接続されている。このようなスキャンパス構成により、スキャンフリップフロップ121〜12nが、連続的に接続されている。スキャンフリップフロップ12k+1〜12k+m+mの切替え入力端子fは、入力端子5に加えられる切替え信号の入力用である。上記切替え信号により、スキャンフリップフロップ12k+1〜12k+m+mは、ノーマルモード又はスキャンシフトモードに切り替えられる。
【0021】スキャンフリップフロップ12k+1〜12k+m+mの取込みクロック端子cには、遅延部2からの取り込みクロックCL1が加えられる。上記切替え信号が上記ノーマルモードであるとき、スキャンフリップフロップ12k+1〜12k+m+mは、取り込みクロックCL1の立ち上がりで、データ入力端子aからのデータを取り込んで保持する。また、上記切替え信号がスキャンシフトモードであるとき、スキャンフリップフロップ12k+1〜12k+m+mは、取り込みクロックCL1の立ち上がりで、スキャン入力端子bからデータを取り込んで保持する。スキャンフリップフロップ12k+1〜12k+m+mの吐き出しクロック端子dには、遅延部2からの吐き出しクロックCL2が加えられ、スキャンフリップフロップ12k+1〜12k+m+mは、吐き出しクロックCL2の立ち上がりで、保持しているデータをデータ出力端子eに出力する。
【0022】遅延部2は、図4に示すように、遅延ゲート21、入力端子22及び出力端子23,24を備えてなっている。遅延部2の入力端子22には、外部からの上記クロックすなわち、入力端子4に入力された上記クロックが加えられる。遅延部2の遅延ゲート21は、入力端子22からクロックを受け取ると、このクロックを遅延して、取り込みクロックCL1を生成する。このとき遅延ゲート21が遅延する遅延値は、組合せ回路111〜11pの最大遅延値に設定されている。また、遅延ゲート21は、生成した取り込みクロックCL1を出力端子23に送る。また、出力端子23は、スキャンフリップフロップ121〜12nの取込みクロック端子cに接続されている。また、出力端子24は、スキャンフリップフロップ121〜12nの吐き出しクロック端子dに接続されている。出力端子24は、入力端子22に加えられた上記クロックを吐き出しクロックCL2として出力する。
【0023】次に、この実施の形態の動作について説明する。組合せ回路111〜11pの中の組合せ回路11kの遅延状態を調べる場合、測定者がテスタを接続し、スキャンシフトモードを示す切替え信号を入力端子5に加える。上記切替え信号が、組合せ回路11kの前段の組合わせ回路の入力側に接続されているスキャンフリップフロップ及びスキャンフリップフロップ12k+1〜12k+mの切替え入力端子fに加えられると、この入力側のスキャンフリップフロップ及びスキャンフリップフロップ12k+1〜12k+mがスキャンシフトモードになる。
【0024】上記スキャンシフトモードのときに、入力端子6からデータ「0」、「1」からなる初期値が加えられると、上記入力側のスキャンフリップフロップ及びスキャンフリップフロップ12k+1〜12k+mは、遅延部2からの取り込みクロックCL1により、この初期値による初期化パターンを取り込む。これにより、初期値が上記前段のフリップフロップ及びスキャンフリップフロップ12k+1〜12k+mにそれぞれ設定される。
【0025】次の吐き出しクロックCL2により、上記入力側のスキャンフリップフロップ及びスキャンフリップフロップ12k+1〜12k+mは、保持している初期値を前段の組合わせ回路及び組合せ回路11kにそれぞれ加え、上記前段の組合わせ回路及び組合せ回路11kをそれぞれ初期化する。この初期化の結果、この後で、組合せ回路11kがスキャンフリップフロップ12k+1〜12k+mからの値を受け取ったときに、組合せ回路11kの中で遅延状態を検出したい経路が活性化されて、この経路からの出力値が反転するように、上記前段の組合わせ回路及び組合せ回路11kに加える初期値をあらかじめ設定しておく。
【0026】この後、ノーマルモードを示す切替え信号が、入力端子5を経て、上記入力側のスキャンフリップフロップ及びスキャンフリップフロップ12k+1〜12k+mの切替え入力端子fに加えられると、この入力側のスキャンフリップフロップ及びスキャンフリップフロップ12k+1〜12k+mがノーマルモードになる。上記ノーマルモードのときに、遅延部2からの取り込みクロックCL1が加えられると、スキャンフリップフロップ12k+1〜12k+mは、取り込みクロックCL1の立ち上がりで、上記前段の組合わせ回路の値を取り込む。この後、遅延部2からの吐き出しクロックCL2が加えられると、スキャンフリップフロップ12k+1〜12k+mは、保持している前段の値を組合せ回路11kに加える。
【0027】先に延べたように、初期化の後で、スキャンフリップフロップ12k+1〜12k+mからの値が組合せ回路11kに加えられると、組合せ回路11kの中の上記経路が活性化されて、この経路からの出力値が反転するように、組合せ回路11kが初期化されている。これにより、組合せ回路11kの上記経路が活性化されて、この経路の出力値が反転する。組合せ回路11kが活性化された後、取り込みクロックCL1がスキャンフリップフロップ12k+m+1〜12k+m+mに加えられると、スキャンフリップフロップ12k+m+1〜12k+m+mは、組合せ回路11kからの活性化された値を取り込む。
【0028】一方、遅延部2の遅延ゲート21の遅延値が、組合せ回路111〜11pの最大遅延値に設定されている。これにより、組合せ回路11kが正常に動作すれば、スキャンフリップフロップ12k+m+1〜12k+m+mには、組合せ回路11kの活性化で得られた出力値が取り込まれる。しかし、組合せ回路11kに遅延故障が発生していると、スキャンフリップフロップ12k+1〜12k+mから取り込んだ値が伝播しない間に、組合せ回路11kからの出力値がスキャンフリップフロップ12k+m+1〜12k+m+mに取り込まれる。この結果、上記出力値は、組合せ回路11kの活性化前の値となり、活性化で得られた値と異なることになる。
【0029】この後、上記スキャンシフトモードを示す切替え信号が入力端子5を経て、スキャンフリップフロップ12k+m+1〜12k+m+m及びこのフリップフロップの後に続くスキャンフリップフロップに加えられると、このこれらのスキャンフリップフロップは、スキャンシフトモードになる。遅延部2からの取り込みクロックCL1及び吐き出しクロックCL2により、遅延状態を検出する組合せ回路11kからの出力値がスキャンフリップフロップ12n-(m-1)〜12nに到達すると、この出力値は、出力端子71〜7mから上記テスタに送られる。上記テスタは、上記出力値と、あらかじめ設定された期待値とを比較し、両者が一致すると、組合せ回路11kの遅延状態が正常であると判断し、また、両者が一致しなければ、組合せ回路11kに遅延故障が発生していると判断する。そして、上記テスタは、上記判断結果を測定者に知らせる。
【0030】このように、この実施の形態によれば、主回路部1には、1つの遅延ゲート21からなる遅延部2だけが必要であるので、回路のオーバヘッドを小さくすることができる。また、遅延状態を調べたい組合せ回路の前段の状態を、スキャンシフトモードで任意に設定するので、遅延状態を調べたい回路の活性化パターンを生成する時間を短縮することができる。
【0031】◇第2の実施の形態次に、この発明の第2の実施の形態について説明する。この実施の形態では、遅延部だけが異なるので、この異なる点だけを説明する。この実施の形態では、図6に示す遅延部30を用いる。遅延部30は、Tフリップフロップ31,32、インバータ33、AND回路34、OR回路35、入力端子36及び出力端子37,38を備えてなっている。
【0032】入力端子36には、入力端子4に入力された上記クロックが加えられる。出力端子37は、取り込みクロックCL1の出力用であり、出力端子38は、吐き出しクロックCL2の出力用である。Tフリップフロップ31は、反転エッジ型である。図6に示すクロックが入力端子36に加えられると、Tフリップフロップ31は、このクロックの立ち下がりで出力を反転し、「1」を出力する。Tフリップフロップ32は、上記クロックの立ち上がりで出力を反転する。これにより、図6に示すように、クロックが時間t1で立ち上がり、時間t2で立ち下がるので、時間t1から時間t2の間、Tフリップフロップ31が「0」を出力し、Tフリップフロップ32が「1」を出力する。この結果、AND回路34には、インバータ33を介して、「0」が加えられるので、AND回路34は、「0」を出力する。また、OR回路35には、Tフリップフロップ32から「1」が加えられるので、OR回路35は、「1」を出力する。
【0033】クロックが、図6に示すように、時間t2で立ち下がり、時間t3で立ち上がる。これにより、時間t2から時間t3の間、Tフリップフロップ31が「1」を出力し、Tフリップフロップ32が「1」を出力し続ける。この結果、AND回路34には、インバータ33を介して、「0」が加えられるので、AND回路34は、「0」を出力する。また、OR回路35には、Tフリップフロップ31及びTフリップフロップ32から「1」が加えられるので、OR回路35は、「1」を出力する。
【0034】クロックが、図6に示すように、時間t3で立ち上がり、時間t4で立ち下がる。これにより、時間t3から時間t4の間、Tフリップフロップ31が「1」を出力し続け、Tフリップフロップ32が「0」を出力する。この結果、AND回路34には、Tフリップフロップ31から「1」が加えられると共に、インバータ33を介して「1」が加えられるので、AND回路34は、「1」を出力する。また、OR回路35には、Tフリップフロップ31から「1」が加えられるので、OR回路35は、「1」を出力する。
【0035】クロックが、図6に示すように、時間t4で立ち下がる。これにより、Tフリップフロップ31が「0」を出力し、Tフリップフロップ32が「0」を出力し続ける。この結果、AND回路34には、Tフリップフロップ31から「0」が加えられるので、AND回路34は、「0」を出力する。また、OR回路35には、Tフリップフロップ31及びTフリップフロップ32から「0」が加えられるので、OR回路35は、「0」を出力する。
【0036】この構成の上記遅延部が、取り込みクロックCL1の立ち上がり時間より遅い吐き出しクロックCL2を出力するので、実施の形態1と同じように、組合せ回路の遅延状態を検出することができる。さらに、遅延部として2つのフリップフロップ31,32、インバータ33、AND回路34及びOR回路35だけが必要であるので、回路のオーバヘッドを小さくすることができる。
【0037】以上、この発明の第1、第2の実施の形態を図面により詳述してきたが、具体的な構成は、上記実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、遅延ゲート21を半導体装置内に設けたが、遅延ゲート21を外付けにしてもよい。
【0038】
【発明の効果】以上、説明したように、この発明の構成によれば、p個のフリップフロップに対して、1つのクロック生成部だけを必要とするので、回路のオーバヘッドを小さくすることができる。また、この発明の方法によれば、遅延状態を調べたい組合せ回路の前段の状態を、スキャンシフトモードであらかじめ初期化して、前段のフリップフロップからの次のデータで、検査対象の経路の出力状態が変化するように設定する。これにより、上記遅延状態を調べたい組合わせ回路の経路を活性化するためのデータを生成する時間を、短縮することができる。
【出願人】 【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
【出願日】 平成9年(1997)12月18日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】西村 征生
【公開番号】 特開平11−183570
【公開日】 平成11年(1999)7月9日
【出願番号】 特願平9−349354