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【発明の名称】 IC試験装置
【発明者】 【氏名】土井 英夫

【要約】 【課題】2つのデジタルファンクションユニットが異なるテストレートで動作するIC試験装置においてパターンマッチ判定が可能なIC試験装置を実現する。

【解決手段】テストレートの異なるデジタルファンクションユニット両者から通知されるマッチ信号のタイミングのずれを補正するための、レート調整回路を設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】ひとつの高速入力信号に対して高速出力信号と低速出力信号の2種類の出力信号を持つマイクロプロセッサを搭載した被試験対象を試験するために、前記被試験対象に試験用入力信号を与えると同時に高速出力信号を試験する第1のデジタルファンクションユニットと、前記被試験対象の低速出力信号を受け前記第1のデジタルファンクションユニットとは異なるテストレートで動作する第2のデジタルファンクションユニットを備え、前記2つのデジタルファンクションユニットはそれぞれの出力信号を期待値と比較し一致/不一致を示すマッチ信号が得られるように構成されたIC試験装置において、前記2つのデジタルファンクションユニットで得られたマッチ信号のタイミングのずれを補正するレート調整回路を備えたことを特徴とするIC試験装置。
【請求項2】前記第1のデジタルファンクションユニット側で得たマッチ信号と前記レート調整回路を介して得られる第2のデジタルファンクションユニット側のマッチ信号とからパターンマッチ判定信号のマッチ/アンマッチを判定するマッチ判定回路を備えたことを特徴とする請求項1記載のIC試験装置。
【請求項3】前記レート調整回路はその動作を切換えることによりパターンマッチ判定信号とパス/フェイル信号の両者を検出可能としたことを特徴とする請求項1記載のIC試験装置。
【請求項4】前記期待値は、第1及び第2のデジタルファンクションユニット内で予め個別に設定できるように構成したことを特徴とする請求項1記載のIC試験装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2つのデジタルファンクションユニットが異なるテストレートで動作することを特徴とするIC試験装置に関し、詳しくは被試験対象の状態が試験者の期待する状態であるか否かを判断するためのパターンマッチ判定機能を実現するための回路構成の改善に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高速、大容量のメモリ、少ピンを特徴とする第1のデジタルファンクションユニットと低速、小容量のメモリ、多ピンを特徴とする第2のデジタルファンクションユニットで構成され、2つのデジタルファンクションユニットが異なるテストレートで動作するIC試験装置は、液晶表示器(LCD:Liquid Crystal Display)の駆動装置(以下LCDドライバとする)の試験等において有効である。
【0003】尚、このようなIC試験装置は例えば、本願出願人が提案した特願平9−49966号に記載されている。
【0004】LCDドライバは、高速、少ピンの入力信号に対して2種類の信号を出力する。それは、高速、少ピンのインタフェース信号と、低速、多ピンのLCD駆動用信号である。
【0005】図3は、この種のドライバをテストする従来のIC試験装置の構成例である。この例では、LCDドライバのような、片方の出力は高速で少ピン、他方の出力は低速で多ピンという被試験対象(DUT:Device Under Test)2の特質に着目し、DUTの高速出力側には入力信号を高速で処理する第1のデジタルファンクションユニット10を接続し、低速出力側にはDUTからの低速の出力信号を受け、前記第1のデジタルファンクションユニットとは異なるテストレートで動作する第2のデジタルファンクションユニット20を接続している。
【0006】高速側の第1のデジタルファンクションユニット10は、DUT2へ試験用入力信号Cを発生すると同時に高速側の出力信号であるインタフェース信号Dの良否(パス/フェイル)を判断し、低速側の第2のデジタルファンクションユニット20へ高速用同期信号(図示せず)を間引いて生成した低速用同期信号Aを出力する。低速側の第2のデジタルファンクションユニット20は、第1のデジタルファンクションユニット10から与えられる同期信号Aに従って、DUT2の低速側の出力信号であるLCD出力信号Eのパス/フェイルを判断し、フェイルと判断された場合は異常発生信号Bを第1のデジタルファンクションユニット10へ通知する。
【0007】以上のように、高速であるが高価なデジタルファンクションユニットと低速であるが安価なデジタルファンクションユニットをそれぞれの特徴を生かし、組み合わせて使用することにより、コストパフォーマンスの向上を図っている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来の構造では、入力信号に対して出力信号が一義的に決まるタイプのDUTしか試験を行うことができなかった。すなわち、入力信号に対する出力信号が一義的に決まらないタイプのDUT(例えばマイクロプロセッサユニットを内蔵するDUT)は、試験中に出力の状態を観測しながら分岐動作をさせる必要がある。例えば、出力の状態がある条件に一致(不一致)したら試験開始とするようなときである。
【0009】出力の状態による分岐動作はDUTの高速出力信号と低速出力信号の両者の出力パターンが試験者の期待する出力パターンと一致したか否かで判断することができる。つまり、試験者の期待する出力パターンの期待値と高速、低速それぞれの出力信号とを比較して得られる両者のマッチ信号をレートの違いによるタイミングのずれを考慮しながら比較し、両者のパターンが一致(不一致)と判断されたら分岐(例えば試験開始)する。
【0010】前記DUTがある状態(例えば試験開始可能な)となったか否かの判定がパターンマッチ判定であり、ある状態となるまで待っている期間がマッチサイクルである。従来のIC試験装置は、このパターンマッチ判定を実施する回路を備えていなかった。
【0011】このため、従来のIC試験装置では前記MPUを内蔵するDUT(代表的なものに、CPU、CG等を内蔵したLCDドライバがある。)の試験に対応できないという課題があった。
【0012】本発明は、上記課題を解決するもので、2つのデジタルファンクションユニットが異なるテストレートで動作するIC試験装置においてパターンマッチ判定が可能なIC試験装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成するために請求項1に記載した発明では、テストレートの異なるデジタルファンクションユニットからそれぞれ通知されるマッチ信号のタイミングのずれを補正するためのレート調整回路を設けた。
【0014】請求項1に記載した発明では、前記レート調整回路を設けることにより、高速、低速のデジタルファンクションユニットのマッチ信号のずれが補正され、従来、不可能であったパターンマッチ判定が可能となる。また、従来実施していたパス/フェイル判定の回路構成に僅かの改造でパターンマッチ判定の機能を附加できるため大幅なコストパフォーマンスの改善となる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下図面を用いて本発明を詳しく説明する。図1は本発明に係るIC試験装置の一実施例を示す構成図である。第1のデジタルファンクションユニット10aは、DUT30の高速側の出力パターンの期待値を記憶する期待値メモリ12と、DUTの高速出力信号zと前記高速側の出力パターンの期待値とを比較するデジタルコンパレータ14と、その比較動作の実行タイミング信号を発生するタイミングジェネレータ13と、前記デジタルコンパレータ14で期待値と出力信号との間に不一致が発生した場合、そのフェイル情報を記憶するフェイルメモリ15を搭載している。
【0016】更に、 DUT30の低速側の出力パターンの期待値を記憶するパターンメモリ16と低速出力側のデジタルコンパレータ24の比較動作の実行タイミング信号を発生するタイミングジェネレータ17と第1のデジタルファンクションユニット10aおよび第2のデジタルファンクションユニット20a両者を総括的に管理するデジタルファンクションコントローラ11と、高速側のマッチ信号bとレート調整回路の出力信号fを比較しパターンマッチ判定信号gを出力するマッチ判定回路18を搭載している。
【0017】第2のデジタルファンクションユニット20aは、前記パターンメモリ16に記憶されたDUT30の低速側の出力パターンの期待値とDUT30の低速出力信号yとを比較するデジタルコンパレータ24と、そのフェイル情報を記憶するフェイルメモリ25を搭載している。また、第2のデジタルファンクションユニット20a内の各部を制御するためのスレーブコントローラ21および低速レートで動作するデジタルコンパレータ24より出力されるマッチ信号eと高速レートで動作するマッチ判定回路8とのレート調整を実施するレート調整回路26を搭載している。
【0018】第1のデジタルファンクションコントローラ11から出力される試験用入力信号xはDUT30の入力端子に接続される。DUT30の高速出力信号zは高速レートで動作するデジタルコンパレータ14に接続され、低速出力信号yは低速レートで動作するデジタルコンパレータ24に接続されている。
【0019】以上の構成によるIC試験装置の動作を図2のタイムチャートを参照して次に説明する。第2のデジタルファンクションユニット20aの同期信号d(低速レート)は、第1のデジタルファンクションユニットの同期信号a(高速レート)を間引いて作成されたものである。
【0020】第1のデジタルファンクションユニットのマッチ信号bは、高速レートの第1のデジタルファンクションユニットの同期信号aの立ち上がり時に更新され、第2のデジタルファンクションユニットのマッチ信号eは、低速レートの第2のデジタルファンクションユニットの同期信号dの立ち上がり時に更新される。パターンマッチ判定は、第1、第2のデジタルファンクションユニットのマッチ信号が、両者共に“1”の時がマッチ、両者のどちらかが“0”、または両者共に“0”のときがアンマッチとして判定され、これは、第1のデジタルファンクションユニットの同期信号aの立ち上がり時に実施される。
【0021】つぎに、第1のデジタルファンクションユニットのマッチ信号bと、第2のデジタルファンクションユニットのマッチ信号eを注視すると、図中、レートNo.2、4,5,8,10に、第2のデジタルファンクションユニットの同期信号dが入力されていないため、第2のデジタルファンクションユニットのマッチ信号eが、前回値をそのまま保持している個所がある。これは、低速レート側である第2のデジタルファンクションユニット20aのマッチ判定が、レート調整のためスキップされたことを表わす。この個所のパターンマッチ判定は、第1のデジタルファンクションユニットのマッチ信号bのみで行うべきであり、第2のデジタルファンクションユニットのマッチ信号eは除外しなければならない。これを実施する目的で設けられた回路が、レート調整回路26である。
【0022】レート調整回路26は、第2のデジタルファンクションユニットのマッチ信号eを入力とし、これに、第2のデジタルファンクションユニットの同期信号dが入力されていないレート(レートNo.2、4,5,8,10)においては、すべて、マッチ状態とした信号を出力する。すなわち、第2のデジタルファンクションユニットの同期信号dが、スキップされた場合、レート調整回路26はレート調整回路の出力信号fを“1”として出力するため、見かけ上、マッチ判定回路8は、第1のデジタルファンクションユニットのマッチ信号bのみでパターンマッチ判定を実施するため、正常なパターンマッチ判定信号gを出力できる。
【0023】レート調整回路26はマッチサイクルイネーブル信号cが“1”の時は前記のような動作を行い“0”の時は第2のデジタルファンクションユニットのマッチ信号eをそのまま出力する。これにより、DUTがマッチサイクルの間はマッチサイクルイネーブル信号を“1”とすることでパターンマッチ判定信号gを検出し、マッチサイクルイネーブル信号を“0”とすることでパターンマッチ判定信号gをパス/フェイル信号として用いることができる。
【0024】このような構成により、2つのデジタルファンクションユニットが異なるテストレートで動作するIC試験装置において、2つのデジタルファンクションユニットのパターンマッチ判定とパス/フェイル判定が可能となる。
【0025】なお、以上の説明は、本発明の説明および例示を目的として特定の好適な実施例を示したに過ぎない。したがって本発明は、上記実施例に限定されることなく、その本質から逸脱しない範囲で更に多くの変更、変形をも含むものである。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、次のような効果がある。請求項1に記載した発明では、2つのデジタルファンクションユニットが異なるテストレートで動作するIC試験装置において、低速レートで動作するデジタルコンパレータより出力されるマッチ信号と高速レートで動作するデジタルコンパレータより出力されるマッチ信号とのレート調整を実施するレート調整回路を搭載したことによりパターンマッチ判定が可能となる。
【0027】請求項2に記載した発明では、従来のICテスト装置に、マッチ判定回路を設ける等の僅かの改造でパターンマッチ判定が容易に実現できる。請求項3に記載した発明では、パターンマッチ判定とパス/フェイル判定を同一回路で実現可能なため安価でシンプルな回路構成を実現できる。請求項4に記載した発明では、期待値を予め個別に設定できる構成としたので効率的な試験を実現できる。
【出願人】 【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
【出願日】 平成9年(1997)12月18日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】東野 博文
【公開番号】 特開平11−183569
【公開日】 平成11年(1999)7月9日
【出願番号】 特願平9−349033