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【発明の名称】 高周波半導体素子のテスト用ソケット
【発明者】 【氏名】李 相 敦

【氏名】全 ▲吉▼ 奎

【氏名】金 永 宰

【氏名】李 海 英

【要約】 【課題】低周波用汎用ソケットを低コストで容易に改善することによって高周波半導体素子のテストが可能になる高周波半導体素子のテスト用ソケットを提供する。

【解決手段】複数個のソケットピン101〜116を設け、半導体素子の接地ピンに接続するための少なくとも一つ以上の接地連結手段117〜123を有する接地平面100を備える。また、ソケットピン101〜116の中で少なくとも一つは接地平面100に接続し、ソケットピンの寄生成分による伝送損失を低減して高周波帯域での信号伝送効果を向上するために信号線に用いられるソケットピンの各両側に接地ピンを配置する。またソケットは、低コストで設けられるように低周波用汎用ソケットに接地平面100を具備することで形成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数個のソケットピンと、半導体素子の接地ピンに接続するための少なくとも一つ以上の接地連結手段を有した接地平面とを備え、前記ソケットピンの中で少なくとも一つ以上が前記接地平面に接続されることを特徴とする高周波半導体素子のテスト用ソケット。
【請求項2】 前記半導体素子を前記ソケットに挿入する時、前記半導体素子の入出力ピンは、前記複数個のソケットピンの中で前記接地平面に接続していないソケットピンに接続していることを特徴とする請求項1に記載の高周波半導体素子のテスト用ソケット。
【請求項3】 前記半導体素子を前記ソケットに挿入する時、前記半導体素子の接地ピンは、前記接地平面の前記接地連結手段に接続していることを特徴とする請求項1に記載の高周波半導体素子のテスト用ソケット。
【請求項4】 半導体素子をテストボードに接続してテストするのに用いられる半導体素子のテスト用ソケットにおいて、接地平面と、前記接地平面に接続する少なくとも一つ以上設けた複数個のソケットピンとを備え、前記半導体素子のテスト時に前記半導体素子の接地ピンは前記接地平面に接続された前記ソケットピンを介して前記テストボードに接続され、前記半導体素子の入出力ピンは前記接地平面に接続されていない前記ソケットピンを介して前記テストボードに接続されることを特徴とする高周波半導体素子のテスト用ソケット。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はソケットに係り、特に高周波半導体素子をテストするために用いられるソケットに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、無線通信技術の急激な発展に従って個人携帯通信とPCS(Personal Communication Service)の爆発的な市場需要が発生しており、これにより個人端末器に必須的に用いられ超高周波RFIC(RF integrated Circuit)部品の需要も大きく増加している。ところが、このRFICは、大量生産よりは多品種少量生産を特徴とする製品であるため、それにより全体生産コストの中でテスト費用の比重が高い製品になってしまう。例えば、プラスチックパッケージのGaAs RFICの場合、テスト費用が素子の全体生産費用中50%以上を占めるほど高くなる。従って、RFICの生産コストを低減するためにはテスト費用を最小化することが必要とされる。
【0003】一方、半導体素子の高速自動化テストでは、ハンドラーと共にソケットが必須的に使われている。このハンドラーは、テストボードに装着されたソケットにパッケージされた半導体素子を高速に正確に接続する役割をする。また、ソケットは、半導体素子のリード、即ち、ピンとテストボードのパターンとを電気的に接続する役割をし、反復的なテストに適合するように優れた機械的特性と材料的特性とを基にして製作されている。ところが、数十MHz以下で動作する半導体素子をテストする時はソケットの電気的な寄生特性がテストに大きい影響を及ぼすことはないが、例えば、数百MHz乃至数GHzで動作する高周波半導体素子をテストする時にはソケットの電気的な寄生特性がテストに大きい影響を及ぼしてしまう。即ち、高周波半導体素子のテスト時には、テストボードと半導体素子のリードとの間に電気的接続線を用いたソケットピンの寄生特性が高周波半導体素子の動作を低下させ、また隣接したソケットピン間の混信にも影響を与えて正確なテスト結果が得られなくなる。
【0004】従って、既存の低周波用汎用ソケットは、電気的な寄生特性が考慮されずに設計されているため、超高周波RFICのテストに適していない。通常、超高周波RFICのテスト時には、高周波半導体素子のテストに好適な設計を施した高周波用ソケットが使用されている。このように従来のソケットは、超高周波RFICのテスト時に高周波半導体素子のテストに好適な設計を施した特別の高周波用ソケットを使用することで正確なテスト結果を得ていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の高周波用ソケットは、使用コストが高価であり、これにより高周波半導体素子をテストする際に高周波用ソケットを使用すると、テスト費用が高くなるとともに、全体の生産コストに対してテスト費用の占める比重が高くなってしまうという不具合があった。本発明はこのような課題を解決し、低周波用汎用ソケットを低コストで容易に改善することによって、高周波半導体素子のテストが可能になる高周波半導体素子のテスト用ソケットを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前述した課題を解決するための本発明による高周波半導体素子のテスト用ソケットは、複数個のソケットピンと、半導体素子の接地ピンに接続するための少なくとも一つ以上の接地連結手段を有した接地平面とを備え、ソケットピンの中で少なくとも一つ以上が接地平面に接続する。ここで、半導体素子をソケットに挿入する時に半導体素子の入出力ピンは複数個のソケットピンの中で接地平面に接続していないソケットピンに接続し、半導体素子の接地ピンは接地平面の接地連結手段に接続することが好ましい。また、本発明による高周波半導体素子のテスト用ソケットの他の実施の形態として、半導体素子をテストボードに接続してテストするのに用いられる半導体素子のテスト用ソケットにおいて、接地平面と、この接地平面に接続する少なくとも一つ以上設けた複数個のソケットピンとを備え、半導体素子のテスト時に半導体素子の接地ピンは接地平面に接続されたソケットピンを介してテストボードに接続されて半導体素子の入出力ピンは接地平面に接続されていないソケットピンを介してテストボードに接続する。
【0007】
【発明の実施の形態】次に、添付図面を参照して本発明による高周波半導体素子のテスト用ソケットの実施の形態、および本実施の形態と汎用ソケットとの電気的特性の分析を詳細に説明する。図1は、本発明による高周波半導体素子のテスト用ソケットの実施の形態を示す図である。ここで、図1には、16SOP DUT(DeviceUnder Test)に用いられる本発明による高周波半導体素子のテスト用ソケットが示されている。ここでは、図面を簡単にするためにソケットの本体は図示していない。
【0008】図1に示すように、本発明による高周波半導体素子のテスト用ソケットは、ソケットの外側を形成する本体(図示せず)と、複数個のソケットピン101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116と、少なくとも一つ以上の接地連結手段117、118、119、120、121、123とを設けた接地平面100を備えている。特に、ソケットピン101〜116は、この複数のピンの中から少なくとも一つ以上のピンを接地平面100に接続している。即ち、図1に示した本実施の形態では、ソケットピン102、104、106、107、110、113、115を接地平面100の接地連結手段117〜123に接続している。ここで、接地平面100の接地連結手段の個数と、接地平面100に接続されるソケットピンの個数とはDUT、即ち、テストしようとする高周波半導体素子のピンの数によって決定される。
【0009】さらに詳しく説明すると、本発明による高周波半導体素子のテスト用ソケットは、低周波用汎用ソケットに接地平面100を具備し、テスト時DUTの接地ピンが接地平面100を経由してソケットピンを介すことでテストボード200に接続され、DUTの入出力ピンは接地平面100を経由しないで直接ソケットピンを介してテストボード200に接続されている。即ち、ソケットがテストボード200に挿入される時、ソケットピン101〜116の一端は全てテストボード200に接続される。また、DUTがソケットに挿入される時、DUTの接地ピンが接地平面100の接地連結手段117〜123に接続され、DUTの入出力ピンはソケットピンの中で接地平面100に接続されないソケットピン101、103、105、108、109、111、112、114、116に接続される。
【0010】このように接地平面100にDUTの接地ピンが接続されることで、例えば信号ピンのソケットピン105の両側に位置したソケットピン104とソケットピン106とが接地効果を有するが、これはDUTの入出力ピン、即ち信号ピンの間の混信を減少させる役割をし、またソケットピン105に印加される信号の電流リターンパスとして動作する。従って、本発明による高周波半導体素子のテスト用ソケットは、信号線に用いられるソケットピンの両側に接地平面により接地部と接続されるソケットピンを配置してCPW(Coplanar Waveguide)モードの伝送を具現することによって、ソケットピンの寄生成分による伝送損失を大きく減らすように形成されている。従って、本発明による高周波半導体素子のテスト用ソケットは、低周波用汎用ソケットに接地平面を具備させることによって、高周波半導体素子をテストすることが可能になり、また低コストで製作可能である。
【0011】以下、本発明による高周波半導体素子のテスト用ソケットと汎用ソケットとの電気的特性を分析して、本発明による高周波半導体素子のテスト用ソケットの周波数特性が汎用ソケットに比べてどの程度拡張されるかを調べる。図2は、図1に示した本発明による高周波半導体素子のテスト用ソケットの電気的特性分析方法を説明するためのフローチャートである。
【0012】図2を参照すると、本発明による高周波半導体素子のテスト用ソケットの電気的特性分析方法は、ソケットピンの構造モデリング段階201と、ソケットピンの寄生成分を抽出する段階202と、ソケットピンの等価回路をモデリングする段階203と、等価回路に対する信号伝送特性を求める段階204とを備えている。ここでは16SOP DUTのテストに用いられる汎用ソケットと、この汎用ソケットに接地平面が備わった図1に示した本発明による高周波半導体素子のテスト用ソケットの場合に対して各々説明する。汎用ソケットのソケットピンは、2種類の形態を備えており、各々のソケットピンの長さは21.5mm及び19.8mmであり、平均的な断面積は0.6×0.4mm2 であり、ソケットピンの間隔は16SOP半導体素子のリード間の間隔と同じ12.7mmである。
【0013】まず、代表的な数値解析プログラムのRaphalによりソケットピンを解析するためにソケットピンの構造をモデリングするモデリング段階201を実行する。図3は、数値解析のために接続した図2に示した3つのソケットピン301、302、303に対する3次元構造を示す図である。図3に示すように、Raphalを利用してモデリングを実行した際に接続した3つのソケットピン301、302、303に各々対応する3次元構造が図示されている。ここでソケットピン301は、図1に示した信号ピンのソケットピン105に当たり、ソケットピン302、303は各々ソケットピン105の両側に位置した接地ピン、即ち、ソケットピン104及びソケットピン106に該当する。
【0014】モデリング段階201後に、モデリングしたソケットピンの構造によりRaphalを使用して、ソケットピンの寄生成分、即ちソケットピンの寄生キャパシタンス及びインダクタンスを抽出する。またRaphalから提供される解析方法RC2、RC3、及びRI3の中から3次元構造に対するキャパシタンス解析方法のRC3を利用してソケットピンの寄生キャパシタンスを抽出するとともに、3次元構造に対するインダクタンス解析方法のRI3を利用してソケットピンの寄生インダクタンスを求める。特に、この時、直線的に単純化した3次元構造にモデリングしてソケットピンの寄生インダクタンスを計算し、また直線的に単純化した同じ構造でテストボードの接地平面を基準としてソケットピンの寄生キャパシタンスを計算する。図4は、図3に示したソケットピンの構造でXY平面に接地平面があると仮定した側面を示す側面図である。
【0015】図4に示すように、ソケットピンの3次元構造でXY平面(Z=0)に30mm×30mmの接地平面401があると仮定し、この場合、接地平面401はテストボードの接地平面である。ソケットピンの寄生成分を抽出する段階202が終了した後、抽出された寄生キャパシタンス及び寄生インダクタンスを使用して信号ピンの単一ソケットピン301の等価回路と、図1に示した本発明による高周波半導体素子のテスト用ソケットと同じように両側に接地ピン302、303を備えた場合のソケットピン301の等価回路とのモデリングを実行する。
【0016】図5は、単一ソケットピンに対する分布素子等価回路モデルの回路図である。また、図6は、接地ピンを備えたソケットピンに対する分布素子等価回路モデルの回路図である。図5は2種類の形態によるソケットピンの中で長さが21.5mmの単一ソケットピンに対する分布素子等価回路モデルを示しており、図6には両側に接地ピンを備えた場合のソケットピンに対する分布素子等価回路モデルを示している。図6に示したように、接地ピンの回路モデル602、603は、単一ソケットピンの回路モデル601と同じ方法で構成し、接地ピンが信号ピンの両側に位置するように回路を構成している。ソケットピンの等価回路をモデリングする段階203が完了した後、図5に示した単一ソケットピンの等価回路に対する信号伝送特性と、図6に示した両側に接地ピンを備えた場合のソケットピンの等価回路に対する信号伝送特性とを求める段階204を実行する。図7は、図5に示した単一ソケットピンの等価回路に対する信号伝送特性を示すグラフである。また、図8は、図6に示した両側に接地ピンを備えたソケットピンの等価回路に対する信号伝送特性を示すグラフである。
【0017】ここで、図7にヒューレットパッカード(社)のMDS(MicrowaveDesing System)を用いて単一ソケットピンの等価回路に対して求めた信号伝送特性を示し、図8にはMDSを利用して両側に接地ピンを備えた場合のソケットピンの等価回路に対して求めた信号伝送特性を示している。また、図7及び図8において、S11は反射損失を示し、S21は挿入損失を示している。
【0018】図7及び図8に示すように、2GHzの条件で単一ソケットピンの挿入損失S21は−2.5884E+00dBであり、反射損失S11は−3.4409E+00dBである。また、両側に接地ピンを備えたソケットピンの挿入損失S21は−1.4760E+00dBであり、反射損失S11は−5.4485E+00dBである。
【0019】従って、両側に接地ピンを備えたソケットピンは、単一ソケットピンに比べて2GHzの条件で、挿入損失S21の場合1.11dB、反射損失S11の場合−2.01dBの特性改善があることが確認できる。また、挿入損失S21と反射損失S11とは、各々−1.3dB及び−6dBの条件での周波数が、両側に接地ピンを備えたソケットピンと単一ソケットピンとの場合に各々1.78GHz及び1.25GHzになる。従って、両側に接地ピンを備えたソケットピンは、単一ソケットピンに比べて約500MHz程度の周波数を拡張して使用することができる。
【0020】以上、本発明によってなされた高周波半導体素子のテスト用ソケットの実施の形態を詳細に説明したが、本発明は前述の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。例えば、代表的な数値解析プログラムとしてRaphalを使用してソケットピンの構造をモデリングするモデリング段階201を実行したが、このRaphalに限定されてるものではない。
【0021】
【発明の効果】このように本発明の高周波半導体素子のテスト用ソケットによれば、信号線に用いられるソケットピンの両側に接地ピンを配置することによって、ソケットピンの寄生成分による伝送損失を大きく低減することができ、これにより高周波帯域での信号伝送効果が改善されるという効果がある。従って、本発明による高周波半導体素子のテスト用ソケットは、低周波用汎用ソケットを改善して低コストで製作可能であり、高周波半導体素子をテストする際に問題なく使用できるという長所がある。
【出願人】 【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【出願日】 平成10年(1998)8月31日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】萩原 誠
【公開番号】 特開平11−183566
【公開日】 平成11年(1999)7月9日
【出願番号】 特願平10−245070