| 【発明の名称】 |
電子デバイスの端子押圧装置及び該装置を用いた電子 デバイスの電気特性の測定方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】山岸 祐一
|
| 【要約】 |
【課題】電子デバイスを測定治具に装着する際に、電子デバイスの端子部に過負荷をかけることなく、効率よく電子デバイスの電気特性を測定することができる電子デバイスの端子押圧装置を提供する。
【解決手段】ノズル(4)で電子デバイス(2,11)を吸引保持,位置決めを行い、前記信号ライン(10a)を有する基板(10)上に電子デバイス(2,11)をノズル(4)で吸引保持した状態で装着すると同時に、突起部(3d,13)で端子部(9,12)を押圧する。このとき、電子デバイス(2,11)を吸引保持しているノズルの先端(4b)に反力が作用し、弾性体(5)が吸収する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 基板(10)上に搬送された電子デバイス(2,11)の複数の端子部(9,12)を、前記基板上に形成された信号ライン(10a)に対応して圧接させ、前記電子デバイスの電気特性を測定する電子デバイスの端子押圧装置において、内部が押圧方向に中空な筒状に形成された本体(3,14)と、該本体の内部に配置されており、前記電子デバイスを吸引保持し、押圧方向に移動自在なノズル(4)と、前記本体に設けられ、前記信号ライン上に配置された前記端子部を押圧する移動自在な突起部(3d,13)と、前記ノズルと前記本体を係合し、前記係合したノズルが前記電子デバイスを押圧したときに、該電子デバイスに作用する反力を吸収する弾性体(5)と、を具備することを特徴とする電子デバイスの端子押圧装置。 【請求項2】 前記突起部(3d,13)は、前記反力より強い付勢力を有する弾性部材(8)を備えることを特徴とする請求項1記載の電子デバイスの端子押圧装置。 【請求項3】 請求項1又は2記載の電子デバイスの端子押圧装置を用い、前記ノズル(4)で吸引保持することにより前記電子デバイス(2,11)を供給箇所から取り出した後、前記ノズルに前記電子デバイスを吸引保持した状態のまま本体(3,14)を移動させ、前記基板(10)の上方から前記電子デバイスを装着し、前記信号ライン(10a)上に前記端子部(9,12)を圧接させた後、該圧接状態のまま前記信号ラインに接続された測定手段により、前記電子デバイスの電気特性を測定した後、前記電子デバイスを前記ノズルで吸引保持した状態のまま前記本体を移動させ、前記測定結果に基づき選別箇所に前記電子デバイスを移動させることを特徴とする電子デバイスの電気特性の測定方法。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、電子デバイスの電気特性,例えば周波数特性や入出力特性を測定する場合に用いる測定装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来の自動測定機による電子デバイスの電気特性を測定する際の動作について説明する。まず、コントローラを操作し、供給部において搬送ハンドに設けられたノズルにより電子デバイスを供給する。この搬送ハンドを操作して電子デバイスの位置決めを行い、電子デバイスを測定治具に装着する。装着後、搬送ハンドは次の電子デバイスを搬送するため元の位置に戻る。次に押圧ハンドを操作して、測定部において測定治具に装着された電子デバイスを押圧する。これにより、電子デバイスの端子部が測定治具の基板上にパターン形成されている信号ラインに圧接される。次に、電子デバイスの電気特性を測定し、測定終了後、電子デバイスを測定治具から脱着し、回収部において測定結果に応じて電子デバイスを選別,回収する。押圧ハンドは、その後測定治具まで自動的に戻り、次々と測定治具に装着される電子デバイスを押圧する。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述した従来の自動測定機による電子デバイスの測定では、デバイスの端子の数が多いと、信号ラインに全ての端子を確実に圧接するために、押圧ハンドにより電子デバイスに過大な荷重をかける必要がある。したがって、電子デバイスの端子部は、この荷重に耐えきれず変形してしまうことがある。 【0004】また、上述した自動測定機を使用した場合、電子デバイスを搬送する搬送ハンドと、電子デバイスを圧接,回収する押圧ハンドが別個独立に設けられているため、1個当たりの電子デバイスの供給から回収までの時間(タクトタイム)が長くなってしまうという問題があった。 【0005】そこで本発明は、上記問題点を解消するために、電子デバイスを測定治具に装着する際に、電子デバイスの端子部に過負荷をかけることなく、効率よく電子デバイスの電気特性を測定することができる電子デバイスの端子押圧装置を提供することを目的としている。 【0006】 【課題を解決するための手段】次に、上記の課題を解決するための手段を、実施の形態に対応する図1乃至図4を参照して説明する。この発明の電子デバイスの端子押圧装置(1)は、信号ライン(10a)を有する基板(10)上に搬送された電子デバイス(2,11)の端子部(9,12)を圧接し、前記電子デバイス(2,11)の電気特性を測定するための電子デバイスの端子押圧装置において、前記電子デバイスを吸引保持し、押圧方向に移動自在なノズル(4)と、前記電子デバイスの端子部に対応した位置に設けられ、該電子デバイスを前記信号ラインに押圧させる突起部(3d,13)と、前記ノズルに設けられ、前記電子デバイスの押圧時に該電子デバイスに作用する反力を吸収する弾性体(5)と、を具備することを特徴としている。 【0007】また、上述した電子デバイスの端子押圧装置(1)の前記突起部(3d,13)は、前記反力より強い付勢力を有する弾性部材(8)を備え、前記電子デバイス(2,11)の端子部(9,12)を前記信号ライン(10a)に押圧してもよい。 【0008】これにより、前記ノズル4で前記電子デバイス2,11を吸引保持,位置決めを行い、前記信号ライン10aを有する基板10上に前記電子デバイス2,11を前記ノズル4で吸引保持した状態で装着すると同時に、前記突起部3d,13で前記端子部9,12を押圧する。電子デバイス接着時に、電子デバイス2,11を吸引保持している前記ノズルの先端4bに電子デバイスの端子部からの反力が作用するが、弾性体5はこの反力を吸収する。 【0009】また、上述した電子デバイスの端子押圧装置を用い、前記ノズル(4)で吸引保持することにより前記電子デバイス(2,11)を供給箇所から取り出した後、前記ノズルに前記電子デバイスを吸引保持した状態のまま本体(3,14)を移動させ、前記基板(10)の上方から前記電子デバイスを装着し、前記信号ライン(10a)上に前記端子部(9,12)を圧接させた後、該圧接状態のまま前記信号ラインに接続された測定手段により、前記電子デバイスの電気特性を測定した後、前記電子デバイスを前記ノズルで吸引保持した状態のまま前記本体を移動させ、前記測定結果に基づき選別箇所に前記電子デバイスを移動させることとしてもよい。 【0010】 【発明の実施の形態】図1は本発明による電子デバイスの端子押圧装置1の実施の形態を示す断面図であり、電子デバイス2を供給し、位置決めを完了した状態を示している。 【0011】本体3は、内部が中空な筒状に形成されており、その中心に電子デバイス2を吸引保持するノズル4が挿入され、このノズル4の上下(軸)方向に移動自在である。ノズル4の径方向には図示のようにやや大径な規制片4aが設けられ、本体3の内空部下部のストッパ3aにより抜け止めが規制されている。本体3の内空部上部にも段部3bが形成されている。段部3bと規制片4aとの間には所定の弾性力を有する第1の弾性体5が介挿されており、ノズル4を常時下方に付勢する。この第1の弾性体5は、図示の例では、所定のばね力を有する第1圧縮バネ5を用いている。 【0012】本体3の上方にはその外周に沿うように、電子デバイス2を押圧するための荷重をかける押圧ハンド6が設けられている。押圧ハンド6は、押圧前においては本体3の外側面最上部にあるリング7に係合しており、本体3から抜け止めされるとともに、上下方向に移動自在とされている。押圧ハンド6の下方には段部3cが形成されている。押圧ハンド6と段部3cとの間には第1の弾性体5よりも大きな弾性力を有する弾性部材8が介挿されており、押圧ハンド6に対し本体3を常時下方に付勢している。この弾性部材8は、第1圧縮バネ5よりも大きなばね力を有する第2圧縮バネ8を用いている。このように、弾性体5,弾性部材8は、それぞれ異なる前記弾性力を有するものであればバネ以外の例えば弾性ゴム等を用いることができる。 【0013】本体3の底面縁部には、測定する電子デバイス2の端子部9を押さえるため、各端子部9の配置位置に対応した位置にそれぞれ柱状の突起部3dが形成されている。本体3の底面中心には、ノズル孔3eが開口され、このノズル孔3eからノズル4の先端4bが突出している。各複数の突起部3d同士間には、電子デバイス2の本体パッケージが図示のように収容される如く入り込むため、突起部3dの高さは、少なくとも電子デバイス2の本体パッケージを収容可能な高さを有している。同時にノズル4は少なくとも突起部3dが端子部9に接触するための距離分は移動可能に構成する。 【0014】本体3の下部には、電子デバイス2の端子部9と接触し外部の測定処理部に導出するためのプリント板10が配置されている。ここで、電子デバイス2は高周波の電気信号を扱うため、このプリント板10は対応して高周波用の伝送線路が用いられ、図示の例ではマイクロストリップラインが用いられている。プリント板10の上面には信号ライン10aがパターン形成され、裏面全面にはグランド面10bが形成されている。電子デバイス2の端子部9は信号ライン10aを介して図示しないコネクタを介し前記測定処理部に電気的接続される。また、電子デバイス2は、端子部9の一部がバイアス用、及びグランド用の端子とされ、うち、グランド用の端子は図示しないスルーホールを介してプリント板10の上面から裏面に電気的に接続されている。尚、他の高周波伝送線路として、コープレナーラインを用いてもよい。 【0015】次に、本実施の形態の作用について説明する。以下の動作説明では、電子デバイスの測定部における動作のみを抽出して記載してある。始めに、図1に示したように、ノズル4により電子デバイス2を吸引し位置決め後、押圧ハンド6を電子デバイスの端子がプリント板上の信号ラインに接触する高さまで下降させる。このとき、電子デバイス2がノズル4の先端部4bにより吸引保持されている位置が作用点となって電子デバイス2に反力が生じるが、この反力はノズル4を介して第1圧縮バネ5に吸収され、端子部9にはこの第1圧縮バネ5のばね力を上限としてそれ以上の力は加わらない。そして、図2に示したように、更に押圧ハンド6を下降させると本体3が下降し、突起部3dが電子デバイス2の端子部9に接触,押圧する。 【0016】この状態から更に押圧ハンド6を下降させると、図3に示したように第2圧縮バネ8が更に圧縮され、突起部3dが端子部9を圧接する。 【0017】次に本発明による電子デバイスの端子押圧装置1の他の実施の形態を、図4乃至図6を用いて説明する。尚これらの図には前記実施の形態で説明した構成部と同一の構成要素に同一の符号を附してあり詳細な説明は省略する。本実施の形態において測定する電子デバイス11は本体パッケージが略円柱状に形成されており、その外縁から複数本の端子12が延出している。また、本実施の形態では、突起部13は電子デバイス11の端子部12に対応して本体14と別個にこの本体14に対し上下動自在に設けられており、また、突起部13が下方向に落ちないような抜け止め用の蓋15が設けられている。また、第2圧縮バネ8は、本体と突起部13の上部間の介挿されている。 【0018】次に、本実施の形態の作用について説明する。図4に示したように、ノズル4により電子デバイス11を吸引保持し位置決め後、本体14を電子デバイス11の端子12がプリント板上の信号ラインに接触する高さまで下降させる。このとき、電子デバイス11がノズル4の先端部4bにより吸引保持されている位置が作用点となって電子デバイス11に反力が生じるが、この反力はノズル4を介して第1圧縮バネ5に吸収されるため、この後、突起部13が端子部12に接触するまで端子部12にはこの第1圧縮バネ5のバネ力を上限としてそれ以上の力は加わらない。更に図5に示したように、本体14を下降させると突起部13が電子デバイス11の端子部12に接触,押圧し、更に第2圧縮バネ8が圧縮される。このため、突起部13と基板10により端子部12が挟持される。 【0019】この状態から更に本体14を下降させると、図6に示したように、第2圧縮バネ8が更に圧縮され、突起部13が端子部12を圧接する。 【0020】次に、上述した実施の形態における電子デバイスの端子押圧装置を用いた電子デバイスの電気特性の測定装置の構造について説明する。この測定装置は、図7に示すように、電子デバイス2,11を供給する供給部16と、電子デバイス2,11を圧接する基板10を有し電子デバイス2,11の電気特性を測定する測定部17と、測定後の電子デバイス2,11を選別回収する回収部18と、上記供給部16から測定部17を介して回収部18に至るまでの間で電子デバイス2,11を搬送するハンド等の搬送部19で構成されている。 【0021】次に上述した実施の形態における電子デバイスの端子押圧装置を用いた電子デバイスの電気特性の測定装置の処理工程を図8を用いて説明する。まず、搬送部19に装着されている電子デバイスの端子押圧装置1を供給部16の上方に移動させる。そして、ノズル4で電子デバイス2,11を吸引保持し、供給部16から取り出す(SP1)。この後、ノズル4に電子デバイス2,11を吸引保持した状態のまま本体3,14を基板10を有する測定部17に搬送移動させる。 【0022】次に、基板10の上方から搬送された電子デバイス2,11を装着し、信号ライン10a上に端子部9,12を圧接させる(SP2)。そして、その圧接状態のまま信号ライン10aに接続された測定手段により、前記電子デバイス2,11の電気特性を測定する(SP3)。 【0023】その後、電子デバイス2,11をノズル4で吸引保持した状態のまま本体3,14を回収部18に搬送移動する(SP4)。測定部17は、電気特性の測定により電子デバイス2,11の製品良否を判断し、対応する選別信号を回収部18に出力する。回収部18は、選別信号に対応して電子デバイス2,11を良品側あるいは不良品側に選別する(SP5)。 【0024】このように、この測定装置は、電子デバイス2,11を供給部16から測定部17に搬送して測定した後に、測定部17から回収部18に搬送するものであり、これらを単一のハンド(本体3,14)で吸着状態のまま搬送移動させるようになっている。即ち、測定部17に限らず、供給部16及び回収部18においても電子デバイス2,11の端子部9,12に対して不必要な荷重負荷を加えるおそれはない。また、単一のハンドで電子デバイス2,11を吸着状態のまま供給部16〜測定部17〜回収部18に搬送できるため、従来の如き複数のハンドを用いて電子デバイス2,11を持ち替えたり、吸着及び解除を行う必要がなく、自動測定機における、任意の電子デバイスの測定開始から次の電子デバイスの測定開始までの時間であるタクトタイムを短縮化できるようになる。 【0025】また、上記実施の形態では、高周波の電子デバイスの電気特性を測定する装置に用いる構成を説明したが、上記構成は、高周波に限らず低周波帯域の電子デバイスであっても端子部を有するものであれば、測定時における端子部9,12への荷重負荷を一定値以下に抑えることができるという同様の作用効果を得ることができる。なお、この場合、プリント板10は、マイクロストリップラインに限定されるものではない。 【0026】 【発明の効果】以上説明したように本発明による電子デバイスの端子押圧装置では、電子デバイスの装着時に電子デバイスの端子部に作用する反力を吸収する弾性体を設けているため、電子デバイスの端子に過大な荷重がかからず、端子部の変形を防止することができる。 【0027】また、電子デバイスを吸引保持するノズルと、端子部を押圧する突起部が1つのユニットとなって構成されているため、この端子押圧装置を用いることにより、電子デバイスを吸着して供給部から測定部及び回収部に移動させることができるとともに、測定部での測定時に端子部を導通箇所に向けて押圧することができるようになり、単一個の本体で電子デバイスの搬送が行えるため、複数のハンドを用いた際のハンド同士の機械的干渉が無くなり、特に測定を自動化処理した際にはタクトタイムを短縮することができるようになる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000000572 【氏名又は名称】アンリツ株式会社
|
| 【出願日】 |
平成9年(1997)12月25日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】西村 教光
|
| 【公開番号】 |
特開平11−183565 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)7月9日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−357096 |
|