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【発明の名称】 端子接続構造、該構造を用いた電子デバイス測定治具、及び電子デバイス測定装置
【発明者】 【氏名】山岸 祐一

【要約】 【課題】電子デバイスの端子を信号ラインに短距離で安定して接触でき、電子デバイスの電気特性を精度良く測定できること。

【解決手段】基板6の信号ライン6aには、保持部材11により所定角度αの傾斜を有する接点部材10が設けられる。電子デバイス1の端子2の端部2daが接点部材10に接触すると、保持部材11が撓み接点部材10を信号ライン6a方向に押しつけ、端子2は接点部材10を介して信号ライン6aに短距離でかつ安定して接触することができる。信号ライン6aは外部導出され測定部によって電子デバイス1の電気特性を測定する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 電子デバイスに信号を入出力するための複数の信号ライン(6a)と、前記信号ラインの上に配置され、前記電子デバイスの複数の端子に接触して該電子デバイスの端子と信号ラインが対応して電気的導通を図るための複数の接点部材(10)と、前記信号ラインに対し前記複数の接点部材を所定角度(α)傾斜して保持し、上方から前記電子デバイスの端子により押圧的に接触されることにより、前記端子と信号ラインが前記接点部材を介して導通するように撓む可撓性を有する保持部材(11)と、を具備することを特徴とする端子接続構造。
【請求項2】 前記電子デバイス(1)が高周波信号を入出力する構成とされ、前記信号ライン(6a)が高周波伝送路で構成されている請求項1記載の端子接続構造。
【請求項3】 前記保持部材(11)は、可撓性を有するフィルム状の絶縁シートでなり、該絶縁シートは、一端部(11b)が前記信号ライン(6a)の面に対し所定の高さを有して固定部材(12,4a)により固定され、他端部(11a)に前記接点部材(10)が設けられて該接点部材を前記所定角度(α)傾斜して保持する構成とされた請求項1記載の端子接続構造。
【請求項4】 前記信号ライン(6a)又は接点部材(10)のいずれかには突起部(6e)が設けられ、該突起部を介して該信号ラインと接点部材が互いに電気的に導通する構成である請求項1記載の端子接続構造。
【請求項5】 前記保持部材(11)は、前記信号ライン(6a)上に設けられ、前記接点部材(10)を収容する収容部(16a)を備えた保持ブロック(16)と、前記保持ブロックの収容部に設けられ、前記接点部材を前記所定角度(α)に傾斜保持し、前記電子デバイス(1)の端子(2)が前記接点部材に接触したときに弾性変形する弾性体(17)と、により構成された請求項1記載の端子接続構造。
【請求項6】 電子デバイス(1)の電気特性を測定するために該電子デバイスが装着される電子デバイス測定治具において、測定信号を入出力する接栓(7a,7b)と、前記接栓から前記電子デバイスの端子(2)に前記測定信号を伝送するための信号ライン(6a)と、前記信号ライン上に設けられ、前記電子デバイスの端子に接触して該電子デバイスの端子と信号ラインとの電気的導通を図るための接点部材(10)と、前記信号ラインに対し前記接点部材を所定角度(α)傾斜して保持し、前記電子デバイスの端子の接触により、前記端子と信号ラインが前記接点部材を介して導通するように撓む可撓性を有する保持部材(11)と、を具備したことを特徴とする電子デバイス測定治具。
【請求項7】 電子デバイス(1)の電気特性を測定する電子デバイス測定装置において、前記測定用の電子デバイス(1)を供給する供給部(31)と、前記電子デバイスが装着され、該電子デバイスの端子(2)に接触する信号ライン(6a)が設けられた装着部(32)と、前記装着部の信号ラインに接続され、前記電子デバイスの電気特性を測定する測定部(35)と、前記測定後の電子デバイスを電気特性の測定結果に基づき選別する回収部(33)と、前記電子デバイスを前記装着部から取り出し搬送して前記測定部に装着するとともに、電気特性測定後の電子デバイスを前記装着部から取り外し前記回収部に搬送する搬送部(34)とを備え、前記装着部には、前記信号ライン上に設けられ、前記電子デバイスの端子に接触して該電子デバイスの端子と信号ラインとの電気的導通を図るための接点部材(10)と、前記信号ラインに対し前記接点部材を所定角度(α)傾斜して保持し、前記電子デバイスの端子の接触により、前記端子と信号ラインが前記接点部材を介して導通するように撓む可撓性を有する保持部材(11)と、を具備したことを特徴とする電子デバイス測定装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子デバイスの電気特性を測定するため、電子デバイスが装着される装着部に適用され電子デバイスの端子との接触が安定して得られる端子接続構造、該装着部の構造を用いた電子デバイス測定治具、及び電子デバイスの測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ICパッケージ等の電子デバイスの各種電気特性、例えば信号の入出力特性や周波数特性等は、電子デバイス測定装置で測定される。図11は、この測定装置の装着部を示す側断面図である。装着部50は、基台51上に信号伝送路52が設けられ、予め電子デバイス1の端子2(端子数及び配列ピッチ)に対応した信号ライン52aが設けられ、電子デバイス1をハンド53等で吸着した状態でこの信号ライン52aの上方から接触させる構成となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、電子デバイス1に設けられた複数の端子2のうち一部の端子2が反っていた場合には、単に電子デバイス1を信号ライン52a上に載置しただけでは接触が不安定となる。このため、ハンド53により電子デバイス1を上方から所定圧力で押圧する必要があるが、反りの程度が大きいときには、電子デバイス1に対し不必要に過大な荷重を加えることとなる問題があった。
【0004】これを解決するため、図12の側面図に示すように、電子デバイス1の端子2が接触する部分の信号ライン52a部分が基板52上から浮くよう片持ち状の板バネ54を設けて、電子デバイス1の端子2と信号ライン52aとの接触を安定化させる構成としたものもある。この構成によれば、特に、複数の端子2のうち一部の端子2が反っていて全体の接触位置が高さ方向でずれていても板バネ54でこの高さの違いが吸収され、全ての端子2を信号ライン52aに接触させることができる。
【0005】しかしながら、上記構成では、電子デバイス1の端子2との接触部分に板バネ54が用いられるため、インダクタンス成分が含まれることになり、電子デバイス1の電気特性を精度良く測定することができない。特に、電子デバイス1のグランド端子は、この板バネ54を介してグランドの信号ライン52aに接続されるため、板バネ54の長さ分だけグランドの信号ライン52aに対し長い距離で接続されることになる。一般的に、電子デバイス1が高周波帯域の信号を扱うものである場合、装着部50の信号伝送路は、高周波伝送路、例えばマイクロストリップラインを構成するよう基板52の裏面全面にグランド面52bが形成されており、スルーホール52cを介して電子デバイス1のグランドの端子2に短距離で接続する構成が採られている。しかしながら、上記板バネ54を介する構成によりこの板バネ54の長さ分だけグランド面52bへの接続距離が長くなってしまう問題があった。
【0006】本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、電子デバイスの端子を信号ラインに短距離でかつ安定して接触できる端子接続構造を提供することを目的としている。また、該構造を用いて電子デバイスの電気特性を精度良く測定することができる電子デバイス測定治具、及び電子デバイス測定装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明の端子接続構造は、請求項1記載のように、電子デバイスに信号を入出力するための複数の信号ライン(6a)と、前記信号ラインの上に配置され、前記電子デバイスの複数の端子に接触して該電子デバイスの端子と信号ラインが対応して電気的導通を図るための複数の接点部材(10)と、前記信号ラインに対し前記複数の接点部材を所定角度(α)傾斜して保持し、上方から前記電子デバイスの端子により押圧的に接触されることにより、前記端子と信号ラインが前記接点部材を介して導通するように撓む可撓性を有する保持部材(11)と、を具備することを特徴としている。
【0008】また、請求項2記載のように、前記電子デバイス(1)が高周波信号を入出力する構成とされ、前記信号ライン(6a)が高周波伝送路で構成してもよい。
【0009】また、請求項3記載のように、前記保持部材(11)は、可撓性を有するフィルム状の絶縁シートでなり、該絶縁シートは、一端部(11b)が前記信号ライン(6a)の面に対し所定の高さを有して固定部材(12,4a)により固定され、他端部(11a)に前記接点部材(10)が設けられて該接点部材を前記所定角度(α)傾斜して保持する構成としてもよい。
【0010】また、請求項4記載のように、前記信号ライン(6a)又は接点部材(10)のいずれかには突起部(6e)が設けられ、該突起部を介して該信号ラインと接点部材が互いに電気的に導通する構成としてもよい。
【0011】また、請求項5記載のように、前記保持部材(11)は、前記信号ライン(6a)上に設けられ、前記接点部材(10)を収容する収容部(16a)を備えた保持ブロック(16)と、前記保持ブロックの収容部に設けられ、前記接点部材を前記所定角度(α)に傾斜保持し、前記電子デバイス(1)の端子(2)が前記接点部材に接触したときに弾性変形する弾性体(17)と、により構成してもよい。
【0012】また、本発明の電子デバイス測定治具は、請求項6記載のように、電子デバイス(1)の電気特性を測定するために該電子デバイスが装着される電子デバイス測定治具において、測定信号を入出力する接栓(7a,7b)と、前記接栓から前記電子デバイスの端子(2)に前記測定信号を伝送するための信号ライン(6a)と、前記信号ライン上に設けられ、前記電子デバイスの端子に接触して該電子デバイスの端子と信号ラインとの電気的導通を図るための接点部材(10)と、前記信号ラインに対し前記接点部材を所定角度(α)傾斜して保持し、前記電子デバイスの端子の接触により、前記端子と信号ラインが前記接点部材を介して導通するように撓む可撓性を有する保持部材(11)と、を具備したことを特徴としている。
【0013】また、本発明の電子デバイス測定装置は、請求項7記載のように、電子デバイス(1)の電気特性を測定する電子デバイス測定装置において、前記測定用の電子デバイス(1)を供給する供給部(31)と、前記電子デバイスが装着され、該電子デバイスの端子(2)に接触する信号ライン(6a)が設けられた装着部(32)と、前記装着部の信号ラインに接続され、前記電子デバイスの電気特性を測定する測定部(35)と、前記測定後の電子デバイスを電気特性の測定結果に基づき選別する回収部(33)と、前記電子デバイスを前記装着部から取り出し搬送して前記測定部に装着するとともに、電気特性測定後の電子デバイスを前記装着部から取り外し前記回収部に搬送する搬送部(34)とを備え、前記装着部には、前記信号ライン上に設けられ、前記電子デバイスの端子に接触して該電子デバイスの端子と信号ラインとの電気的導通を図るための接点部材(10)と、前記信号ラインに対し前記接点部材を所定角度(α)傾斜して保持し、前記電子デバイスの端子の接触により、前記端子と信号ラインが前記接点部材を介して導通するように撓む可撓性を有する保持部材(11)と、を具備したことを特徴としている。
【0014】電子デバイス1の端子2は、信号ライン6a上の接点部材10に接触する。接点部材10は、保持部材11により信号ライン6a上で所定角度傾斜して保持されており、接点2の接触により撓み、端子2と信号ライン6aとを電気的に導通させるものであり、接点部材10が所定角度傾斜した状態で信号ライン6aに接触するため、接触安定性を良好にすることができる。また、端子2と信号ライン6aとを短距離で導通させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の端子接続構造の実施形態を説明するための図であり、電子デバイス測定装置のうち電子デバイス1が装着される装着部の側面図が示されている。また、図2には同装着部の平面図を示す。本実施の形態では、電子デバイス1が高周波信号を扱うものとし、対応して図示の装着部も同高周波信号を測定可能な構成とされている。
【0016】電子デバイス1は、パッケージ面1aから外方に導出された複数本の端子2を有する。これら端子2は図示の如く、途中部分の2か所でL字形に折曲され取付片2dがパッケージ面1aとほぼ平行に折曲されている。電子デバイス1の製造時にはこの取付片2dが全て同一面位置上に位置するよう折曲形成されている。装着部は、電子デバイス1の端子2との電気的接続部分が高周波線路で構成されている。図示の例では高周波線路は、マイクロストリップラインで構成されている。以下、装置2の構成を詳細に説明する。
【0017】基台4には、中央部に突起部4aが突出形成されている。電子デバイス1のパッケージ面1a下面は突起部4aの上面(つきあて面4aa)に載置される。基台4上には、マイクロストリップラインを形成する基板6が設けられている。基板6は所定厚さの誘電体で形成され、下面全面にはグランド電位とされたグランド面6bが形成されている。一方、基板6の上面には電子デバイス1の端子2との接触部分に信号ライン6aが形成されている。この信号ライン6aは突起部4a部分を中心として接栓(入出力コネクタ)7a,7bにそれぞれ導出されている。入出力コネクタ7a,7bは基板6の信号ライン6aとグランド面6bにそれぞれ接続され、図示しないケーブルを介して電子デバイス測定装置の測定部に導出される。
【0018】そして、基板6は、突起部4aに面する部分が突起部4aから所定距離離れて垂直に切り欠かれた切欠部6cを有する。この切欠部6cの面位置は、電子デバイス1の端子2の取付片2dの端部2daを基準としてこの端部2daと重ならない位置、即ち、端部2daより内側あるいは外側に位置するよう形成される。図示の例では切欠部6cの面位置は、電子デバイス1の端子2の取付片2dの端部2daの位置よりそれぞれ内側に位置している。
【0019】この切欠部6c部分には、基板6の面に対し所定角度を有するよう板状の接点部材10が配置される。この接点部材10は、電気的接点として一般的な導電性の良好な材質でなり、保持部材11により前記基板の面に対し所定角度を有して保持される。保持部材11は、可撓性を有するフィルム状の絶縁シートでなり、この保持部材11の一端部11aに接点部材10が形成されてなる。また、保持部材11の他端部11bは、基板6上で所定高さ突出する固定部材12に固定保持される。したがって、図示の如く保持部材11は固定された他端部11bから下方に湾曲して一端部11aに設けられた接点部材10を所定角度αで保持する。ここで、接点部材10は、電子デバイス1の測定時にのみ基板6の信号ライン6aと接触すればよく、必ずしも常時接触させておく必要はない。
【0020】次に、上記構成による作用を説明する。図3は、電子デバイス1の測定状態を示す側断面図である。電子デバイス1は、パッケージ面1aが基台4のつきあて面4a上に位置するよう載置され、押当ブロック21により上方から所定の荷重が加えられる。これにより、電子デバイス1の端子2は、接点部材10に上方から接触し、この接点部材10を介して信号ライン6aに電気的に導通される。
【0021】電子デバイス1は、信号入出力用、バイアス(電源)用、グランド用に複数の端子を有する。図3(a)は、信号入出力用の端子部分での裁断側面図である。電子デバイス1の信号入出力用の端子2dが信号ライン6aに接触した状態で、切欠部6cの面位置は、電子デバイス1の端子2の取付片2dの端部2daの位置より内側に位置する。このため、図4の部分拡大図に示す如く、取付け片2dが上方から接触すると、接点部材10は、この取付け片2dの端部2daが作用点となり、切欠部6cの上端縁6caを支点として図中一点鎖線位置から実線位置に回動する。ここで、接点部材10は、保持部材11の撓み特性により基端部10bで図中矢印方向に示す反力が発生する。
【0022】この反力によって、接点部材10は支点部分で信号ライン6a方向に付勢されるため、端子2は接点部材10から上端縁6ca部分を介して信号ライン6aに導通し、端子2と信号ライン6aとを短距離で電気的に導通させることができる。また、電子デバイス1測定時には、保持手段11が撓むため上方から加えられる負荷が保持手段11が吸収されるため、端子2には一定圧力以上が加えられず、端子2を故意に曲げるおそれがない。ここで、接点部材10に対する端子2の下降量は、端子2が接触したときにおいても接点部材10が傾斜するよう設定する。これにより、端子2接触時には常に接点部材10が信号ライン6aに対し端部で接触して接触安定性を良好にできるようになる。
【0023】また、図3(b)は、電子デバイス1のグランド用の端子部分での裁断側面図である。同図及び図2に示すように、電子デバイス1のグランド用の端子2は、基板6上に形成されたグランド用の信号ライン(グランドライン)6aaの接触箇所の近傍にて基板6の上面から下面に貫通するスルーホール6abを介して基板6の下面のグランド面6bに接続されている。このグランドライン6aaにおいても、上記信号ライン6a同様に接点部材10は、電子デバイス1の端子2に設けられた取付片2dの端部2daが作用点となり、切欠部6cの上端縁6caを支点として回動する。これによって、接点部材10は支点部分でグランドライン6aa方向に付勢されるため、端子2は接点部材10を介してグランドライン6aaに短距離で安定して電気的に導通することができる。そして、このグランドライン6aaはスルーホール6abを介して短距離でグランド面6bに接続されており、電気的特性を良好にできる。
【0024】この他、図2に示すように、信号ライン6aとしてのバイアスライン6acに接続される端子2についても同様に短距離で電気的に導通させることができる。ここで、電子デバイス1は複数の端子2を有するが、これら端子2が何らかの原因で曲がった状態(例えば反り等)であり取付片2d同士の高さ位置が揃っていない場合であっても、この曲がりの度合いに応じて保持部材11が撓み反力を生じるため、接点部材10が端子2と信号ライン6a(グランドライン6aa及びバイアスライン6acを含む)との間でいずれに対しても安定して接触することができるようになる。
【0025】次に、図5は、本発明の第2実施形態を示す側面図である。図5(a)に示すように、この実施形態では保持部材11の固定位置を変更した構成としている。上記実施形態同様の保持部材11は両端部にそれぞれ接点部材10が設けられ、基台4と突起部4aとの間に挟持固定される。これにより、保持部材11は固定された他端部11bから下方に湾曲して一端部11aに設けられた接点部材10を所定角度αで保持する。即ち、突起部4aは前記固定部材12同様に保持部材11の基端部を基板6の信号ライン6aの面に対し所定の高さを有して固定する。
【0026】上記構成においても、電子デバイス1の端子2の取付け片2dが上方から接触すると、接点部材10は、この取付け片2dの端部2daが作用点となり、切欠部6cの上端縁6caを支点として回動する。ここで、接点部材10は、保持部材11の撓み特性により保持部材11との接合点部分11bで図中矢印方向に示す反力が発生する。この反力によって、接点部材10は支点部分で信号ライン6a方向に付勢されるため、端子2は接点部材10を介して信号ライン6aに短距離で電気的接触が安定した状態で導通させることができる。
【0027】次に、図6は、本発明の第3実施形態を示す部分拡大図である。この実施形態では、基板6の信号ライン6a上には接点部材10と接触する箇所に接点用突起6eを突出形成する。この構成によれば、電子デバイス1の端子2接触時に接点部材10は突起部6eを支点として図中一点鎖線の位置から実線位置に回動し、かつ、この突起部6e部分で電気的に導通される。この構成によっても、端子2は接点部材10を介して信号ライン6aに短距離で電気的接触が安定した状態で導通させることができる。尚、接点用突起は、信号ライン6a側ではなく接点部材10側に設けてもよい。
【0028】次に、図7は、本発明の第4実施形態を示す部分拡大図である。この実施形態では、接点部材10の先端部10aを信号ライン6aに接触する構成とする。電子デバイス1の端子2接触時には、接点部材10は先端部10aを支点として図中一点鎖線の位置から実線位置に回動し、かつ、この先端部10a部分で電気的に導通される。この構成によっても、端子2は接点部材10を介して信号ライン6aに短距離で電気的接触が安定した状態で導通させることができる。
【0029】次に、図8は、本発明の第5実施形態を示す図である。図8(a)は部分平面図、図8(b)は同部分側断面図である。基板6上において、接点部材10は保持部材15によって保持される。保持部材15は、絶縁性を有する保持ブロック16、及び弾性体17で構成される。保持ブロック16は、接点部材10の長さ及び幅に対応して溝形成された収容部16aを有し、接点部材10を位置決め保持する。接点部材10の略中央位置には両側部に係合突起10fが突出形成され、収容部16aにはこの係合突起10fを係合保持する長溝16bが上下方向に溝形成されている。また、収容部16aにおいて、接点部材10の基端部10b下部と基板6との間には、弾性体17として絶縁性を有するゴムが配置されており、接点部材10を前記所定角度αの傾斜状態で保持する。ゴム17の形状は、図示の球形状に限らず矩形状のもの等も考えられる。弾性体17は、ゴムに限らず非導電性のバネ等であってもよい。
【0030】上記構成によっても、電子デバイス1の端子2接触時には、接点部材10は取付け片2dの端部2daが作用点となり、基板6の切欠部6cの上端縁6caに接する部分(先端部10a)を支点としてゴム17を弾性変形させて回動する。この構成によっても、端子2は接点部材10を介して信号ライン6aに短距離で導通させることができる。ここで、ゴム17は、前記実施形態で説明した保持部材11が有する撓み特性と同様に接点部材10に対する反力を生じさせるものであり、端子2と信号ライン6aとを安定して電気的に接触させる作用を有している。
【0031】次に、上記説明した端子接続構造を有する装着部が設けられた電子デバイス測定装置の全体構成を説明する。図9に示すように、装置は、電子デバイス1を供給する供給部31と、上記装着部32と、測定後の電子デバイス1を選別回収する回収部33と、上記供給部31から装着部32を介し回収部33に至るまでの間で電子デバイス1を搬送するハンド等の搬送部34と、前記装着部32に装着された電子デバイス1の電気特性を測定する測定部35とを有している。
【0032】次に、電子デバイス測定装置全体の処理工程を図10のフローチャートに基づき説明する。電子デバイス1は、搬送部34で供給部31から1個づつ取り出され、装着部32まで搬送される(SP1)。装着部32においては、上述したように電子デバイス1を上方から突起部4a上に載置する。突起部4a上には、電子デバイス1のパッケージ面1aの外径に対応した位置決め溝が設けられており、電子デバイス1の水平方向への移動が規制された状態で装着される(SP2)。搬送部34は、下端部に上記説明した押当ブロック21が設けられており、電子デバイス1のパッケージ面1aを突起部4aのつきあて面4aaに載せた状態を保持する。ここで、押当ブロック21は端子2自体を信号ライン6aに押し付けるものではない。
【0033】この保持状態の期間中に測定部35は、電子デバイス1に対し入出力コネクタ7a,7bに所定の測定信号を送出し電気特性、例えば、入出力特性や周波数特性を測定する(SP3)。この測定後、搬送部34は、電子デバイス1を装着部32から取り出し、回収部33に搬送する(SP4)。測定部35は前記電気特性の測定により電子デバイス1の製品良否を判断し対応する選別信号を回収部33に出力する。回収部33は、選別信号に対応して電子デバイス1を良品側あるいは不良品側に選別する(SP5)。
【0034】そして、この電子デバイス測定装置においては、特に装着部32における電子デバイス1と信号ライン6aとの間の電気的接触が短距離で、かつ、接触状態が安定しているため、電子デバイス1の電気特性を高精度に測定できるようになり、併せて電子デバイス1の選別精度も向上できるようになる。また、装着部32においては、電子デバイス1を上方から載置するだけで電気特性を測定できるため、電子デバイス1を信号ライン6aに対し短時間で脱着することができ、測定時間を短縮化できるようになる。また、電子デバイス1装着時の搬送部34の下降量は前記したように、パッケージ面1aが突起部4a上に載った状態を保持するだけの構成であり、例え端子2が反っていても対応してハンドの下降量を変化させる必要はなく、端子2に一定以上の負荷を加えることはない。即ち、端子2の反りに応じて移動量を可変する必要がなく一定な移動量で済むため、装着部32に対する電子デバイス1の装着時間を短くできる。尚、この装着部32によって電子デバイスの測定治具が構成されている。
【0035】上記実施の形態では、電子デバイス1が高周波信号を扱うものとして、対応して基板6をマイクロストリップラインで構成した例を説明したが、基板6は他の高周波伝送路、例えばコープレナーラインで構成してもよく、この場合でも同様に高周波の測定特性を劣化させることなく電子デバイス1を高精度に測定することができる。尚、本発明は高周波伝送路で構成したものに限られるものではなく、電子デバイス1が低周波で動作するものにおいても接点部材10により端子2と伝送ライン6との間の接触を安定化させることができるものであり、電子デバイス1に対し、特に押圧力を加えずとも安定した接触状態を得ることができる。
【0036】
【発明の効果】本発明の端子接続構造によれば、信号ライン上で接点部材が所定角度傾斜保持された構成であり、電子デバイスの端子接触時には、端子の端部から接点部材を介し信号ラインの端部に至る短距離での接続が行え、電子デバイスの電気特性の測定を高精度化できるようになる。また、接点部材は保持部材が有する可撓性により端子及び信号ラインの双方に対して安定して接触状態を維持することができ、電気特性の測定に影響を与えることがなく安定した測定を行えるようになる。さらに、装着時には、接点部材を保持する保持部材が撓み端子に接するため、端子に対し一定圧力以上の負荷を加えることがなく、端子を曲げるおそれがない。一方、一部の端子が反っていて装着された場合であってもこの端子の反りに対応して保持部材が撓むため、他の端子に対して不必要な圧力を加えることがない。
【0037】本発明の電子デバイス測定装置は、上記端子接続構造により装着部が構成されており、供給部、装着部、測定部、回収部、搬送部を備えて電子デバイスを連続的に自動測定する構成であり、この自動測定の工程中における装着部への電子デバイスの装着について、端子を信号ラインに短距離で安定して接触させることができるため、測定部における電気特性の測定を高精度に行えるようになる。また、電子デバイスの端子に反りがあっても、装着部に対し常時一定な移動量で装着するだけで端子と信号ラインの接触を短距離で安定して行えるようになり、装着部に対する搬送部の昇降移動量は端子の反りにかかわらず一定にでき移動制御を簡素化でき、また、装着時間も短くできるようになる。尚、この装着部により電子デバイス測定治具が構成され、電子デバイスが装着されてこの電子デバイスの電気特性が測定される。
【出願人】 【識別番号】000000572
【氏名又は名称】アンリツ株式会社
【出願日】 平成9年(1997)12月19日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】西村 教光
【公開番号】 特開平11−183563
【公開日】 平成11年(1999)7月9日
【出願番号】 特願平9−350702