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【発明の名称】 回路基板の検査方法および検査装置
【発明者】 【氏名】才田 正宏

【氏名】畠中 秀夫

【氏名】石丸 幸宏

【要約】 【課題】回路基板の接続ビアの導通状態を迅速に検査し、異常ビア部分の特定を瞬時に検出することができる回路基板の検査方法および検査装置を提供することを目的とする。

【解決手段】回路基板1の接続ビアに間欠電流を流して接続ビアに温度変化を生じさせ、その温度変化を比較して接続ビアの良否を検査することを特徴とする回路基板の検査方法である。また、間欠電流を流す電源部3と、温度変化を確認する熱画像認識カメラ6と、リアルタイムに処理する熱画像解析システム7と、熱画像を映し出すモニター8とを備えることを特徴とする回路基板の検査装置である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 回路基板の接続バイアホールに、電流を流すことによって生じる温度を利用して、前記接続バイアホールの導通を検査することを特徴とする回路基板の検査方法。
【請求項2】 前記電流は、間欠電流であることを特徴とする請求項1に記載の回路基板の検査方法。
【請求項3】 前記接続バイアホールは、複数個あり、前記接続バイアホール同士の前記温度を比較することによって、前記各接続バイアホールの導通を検査することを特徴とする請求項1または2に記載の回路基板の検査方法。
【請求項4】 前記導通の検査に、熱画像認識カメラを使用することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の回路基板の検査方法。
【請求項5】 前記接続バイアホールに前記電流を流して得られる熱画像パターンを、前記接続バイアホールと同形状で欠陥のない状態の接続バイアホールに前記電流を流した場合に得られる熱画像パターンと比較して、その差異により、前記接続バイアホールの導通を検査することを特徴とする請求項4に記載の回路基板の検査方法。
【請求項6】 回路基板の導通検査対象の接続バイアホールに電流を流す電源と、前記接続バイアホールの温度を感知する熱画像認識カメラと、前記熱画像認識カメラで感知されたデータを解析する熱画像解析システムとを備えることを特徴とする回路基板の検査装置。
【請求項7】 前記熱画像認識カメラは、複数の前記接続バイアホールに前記電流を流した状態の熱画像パターンを感知し、前記熱画像解析システムは、前記接続バイアホール同士の前記熱画像パターンを比較して、その差異により、前記各接続バイアホールの導通を検査することを特徴とする請求項6に記載の回路基板の検査装置。
【請求項8】 前記熱画像認識カメラは、前記接続バイアホールに前記電流を流した状態の熱画像パターンを感知し、前記熱画像解析システムは、前記熱画像パターンを、前記接続バイアホールと同形状で欠陥のない状態の接続バイアホールに前記電流を流した場合に得られる熱画像パターンと比較して、その差異により、前記接続バイアホールの導通を検査することを特徴とする請求項6に記載の回路基板の検査装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回路基板の検査方法および検査装置に関するもの、特に接続バイアホールの導通状態の検査に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の小型化および高機能化等に伴い、回路基板に対して高密度実装化、高信頼性化が強く要求されている。このような要求に対して、回路基板技術は、多層化やバイアホール(ビア)小径化、および回路のファイン化等が加速してきている。また従来の回路基板と異なり、バイアホールとしてIVH(インナービアホール)構造を採用する回路基板が開発されている。代表的なものとしてALIVH基板(Any Layer Inner Via Hole,松下電器産業(株)社登録商標)がある。その結果として、回路基板の単位面積当たりのビア数が増大することにもなっている。更に回路のビア小径化のために、ビア間隔が縮小し、ビア間の接続抵抗がとれ難い傾向にある。また多層化された回路基板の内部にあるIVHの接続抵抗を検査することも困難になってきている。この接続抵抗を改良する、または検査するには、異常ビア部分を素早く検出し、不良原因を的確に判定することが必要となる。
【0003】従来、回路基板の接続ビアの導通検査法としては、コンタクトピンを用いた4端子法による抵抗測定が一般的であり、検出端兼支持用端子を配置する方法や植設されたコンタクトピンをモニターに映し出す方法など種々の提案がなされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の方法では、個々の接続抵抗値自体を測定するには好ましいものの、ビア数が多いと測定点数が多くなり、測定時間が長くなって生産性の観点から十分に満足し得ない。さらに、不良内容を知るために異常ビア部を特定検出することは容易なことではない。特に多層回路基板の内部のIVHの異常ビア部を特定するのは困難である。例えば、検出端兼支持用端子を配置する方法は、上記課題に加えて、ファイン化が更に加速すると検出端兼支持用端子を配置するスペースが問題となってくる。また、配置されたコンタクトピンをモニターに映し出す方法は、コンタクトピン付近の環境確認には好ましいものの、上記課題に対し、十分解決するには至っていない。
【0005】このように、すべての特性に良好な回路基板の検査方法を得るためには解決しなければならない多くの課題がある。
【0006】本発明は、従来の回路基板の検査方法のこの様な課題を考慮し、接続ビアの導通状態を迅速に検査し、異常ビア部分の特定を瞬時に検出することができる回路基板の検査方法および検査装置を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するために、請求項1の本発明は、回路基板の接続バイアホールに、電流を流すことによって生じる温度を利用して、前記接続バイアホールの導通を検査することを特徴とする回路基板の検査方法である。 請求項2の本発明は、前記電流は、間欠電流であることを特徴とする請求項1に記載の回路基板の検査方法である。すなわち、接続ビアに一定電流を流す方法は、温度上昇特性のみの温度変化を検出しなければならず、熱時定数の小さい回路基板については正常部と異状部の比較が困難になり易いため、間欠電流を使用する方が良否の判定がより容易、且つ高精度に行える。
【0008】請求項3の本発明は、前記接続バイアホールは、複数個あり、前記接続バイアホール同士の前記温度を比較することによって、前記各接続バイアホールの導通を検査することを特徴とする請求項1または2に記載の回路基板の検査方法である。
【0009】請求項4の本発明は、前記導通の検査に、熱画像認識カメラを使用することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の回路基板の検査方法である。すなわち、温度変化の検出方法として熱画像カメラを用いることで、大きな範囲を一度に検査することができ、回路パターンを検査する回路パターン検査装置と同様に接続ビアを検査することができる。
【0010】請求項5の本発明は、前記接続バイアホールに前記電流を流して得られる熱画像パターンを、前記接続バイアホールと同形状で欠陥のない状態の接続バイアホールに前記電流を流した場合に得られる熱画像パターンと比較して、その差異により、前記接続バイアホールの導通を検査することを特徴とする請求項4に記載の回路基板の検査方法である。すなわち、接続ビアの検査方法として、欠陥のない回路基板の熱画像と比較することで、より容易に良否の判定が行える。
【0011】請求項6の本発明は、回路基板の導通検査対象の接続バイアホールに電流を流す電源と、前記接続バイアホールの温度を感知する熱画像認識カメラと、前記熱画像認識カメラで感知されたデータを解析する熱画像解析システムとを備えることを特徴とする回路基板の検査装置である。
【0012】請求項7の本発明は、前記熱画像認識カメラは、複数の前記接続バイアホールに前記電流を流した状態の熱画像パターンを感知し、前記熱画像解析システムは、前記接続バイアホール同士の前記熱画像パターンを比較して、その差異により、前記各接続バイアホールの導通を検査することを特徴とする請求項6に記載の回路基板の検査装置である。
【0013】請求項8の本発明は、前記熱画像認識カメラは、前記接続バイアホールに前記電流を流した状態の熱画像パターンを感知し、前記熱画像解析システムは、前記熱画像パターンを、前記接続バイアホールと同形状で欠陥のない状態の接続バイアホールに前記電流を流した場合に得られる熱画像パターンと比較して、その差異により、前記接続バイアホールの導通を検査することを特徴とする請求項6に記載の回路基板の検査装置である。すなわち、欠陥のない回路基板の熱画像と比較することで、より容易に良否の判定が行えるものである。
【0014】以上により、本発明の回路基板の検査方法は、回路基板の接続ビアにソースメータ等で作成した間欠電流を任意に流すことで、回路基板中に接続抵抗が大きい異常ビアがあった場合、正常ビアより温度変化が大きくなるので熱画像認識カメラで暗闇に蛍を見つけるが如く簡単に異常ビアを確認でき、接続抵抗を測定せずに回路基板の導通検査ができるものである。また、異常ビアのみを認識するので異常ビアを瞬時に検出し、自然に特定することになる。その結果、不良原因を的確に判定することができる。さらに、抵抗測定用のコンタクトピンが不要となるため、ビア小径化やファイン化等が加速しても、検査上の問題にはならない。回路基板の検査装置に、熱画像認識カメラで認識したデータをリアルタイムに処理する機能や連続した熱画像を映し出すモニターを備えることが好ましい。これにより、更に短時間で、かつ連続して導通検査ができるため、生産性においても十分に満足するものとなる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0016】(第1の実施の形態)まず、本発明の第1の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0017】図1は本発明の第1の実施の形態における回路基板の検査装置の構成を示す概略構成図である。図1において、1は回路基板、2は回路基板1に設けられた導通検査用の通電端子であり、3は通電用端子2に間欠電流を流す電源部である。4は電源端子で、5はリード線付クリップであり、通電端子2と電源端子4に接続されている。6は異常ビアの温度変化を確認する熱画像認識カメラ、7は認識したデータをリアルタイムに処理することができ、かつ測定した熱画像データを欠陥のない熱画像と比較する性能を備えた熱画像解析システム、8は熱画像解析システム7に接続されて熱画像をリアルタイムに映し出すモニターである。9は配線パターンであり、この部分を拡大したものを図2に示す。また、図3は図2におけるA−A’での断面図を示す。10は導通検査対象のビアであり、11はビア10に充填されている導電性ペースト、12は配線パターン9に接続された通電ランドである。
【0018】次に、本実施の形態における回路基板の検査方法を、回路基板の検査装置の動作とともに説明する。
【0019】まず、検査する前に不良品となる回路基板の限度見本を仕様毎に作製し、その限度見本の温度上昇特性と冷却特性を調べ、概略の熱時定数を知った上で暗闇に蛍を見つけるが如く簡単に異常ビアを確認できる電源の間欠条件を選択する。
【0020】例えば、回路基板として縦340mm横510mmのワークサイズのアラミド−エポキシ樹脂基板で銅ペーストが充填されたビアの場合、ビア径Φ0.2mm、回路基板厚み0.1mmで1ビア当たり約0.5〜1mΩ程度の抵抗を有する。限度見本の抵抗が1ビア当たり約5mΩ程度とすると直流電流300mA、2.5秒通電、5秒停止の間欠条件において正常ビアの温度上昇が0.2degに対して異常ビアは8.5degの温度上昇が見られ、分解能1℃の熱画像認識カメラで十分検出が可能である。
【0021】電源部3の電源端子4よりリード線付クリップ5を通して、回路基板1の通電端子2に間欠電流を通電する。間欠電流によりビア部分に温度差が起こり、その温度差を熱画像認識カメラ6にて認識する。正常ビアと比較して抵抗値の大きい異常ビアでは温度差が大きく、簡単に大きくなったビアを検出することで、ビアの検査をすることができる。
【0022】なお、この検査方法は上記基板に限定するものではなく、スルーホールを有するガラスエポキシ基板や導電性ペーストを充填した構造をもつ各種基板においても同様の検査を行える。
【0023】(第2の実施の形態)次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。本実施の形態が上述した第1の実施の形態と異なる点は、接続ビアの検査方法として、欠陥のない回路基板の熱画像と比較する方法を用いることに関する点である。したがって、本実施の形態において、第1の実施の形態と同様の物については、同一符号を付与し、説明を省略する。また、特に説明のないものについては、第1の実施の形態と同じとする。
【0024】本実施の形態における回路基板の検査装置の構成は、第1の実施の形態における回路基板の検査装置の構成と同じなので、説明を省略する。以下に、回路基板の検査方法を、回路基板の検査装置の動作とともに説明する。
【0025】まず、第1の実施の形態と同様に、限度見本を仕様毎に作製し、その限度見本の概略の熱時定数を導出し、異常ビアを確認できる電源の間欠条件を選択する。次に、第1の実施の形態と同様に、回路基板1の通電端子2に間欠電流を通電する。この時使用する回路基板は、すべてのビアが正常である回路基板を使用する。流れた間欠電流によりビア部分に温度上昇が起こり、その温度を熱画像認識カメラ6にて認識する。この熱画像を参照画像とする。次に、検査する回路基板を上記の基板と同様に測定する。正常ビアと比較して抵抗値の大きい異常ビアでは温度上昇が大きくなる。参照画像と検査する基板の熱画像とを比較することで、ビアの検査をすることができる。この場合、異常により電流が流れない開放ビアも参照画像と異なることから、検査することができる。
【0026】
【発明の効果】以上説明したところから明らかなように、本発明は、接続抵抗を測定せずに回路基板全体の接続ビアの導通状態を検査することによって、接続ビアの導通状態を迅速に検査し、異常ビア部分の特定を瞬時に検出することができる回路基板の検査方法および検査装置を提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【出願日】 平成9年(1997)12月18日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】松田 正道
【公開番号】 特開平11−183549
【公開日】 平成11年(1999)7月9日
【出願番号】 特願平9−349766