| 【発明の名称】 |
電子装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】竹縄 清次
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| 【要約】 |
【課題】装置の作動状態を外部の検査装置を用いずに検査する。
【解決手段】受信機11の処理回路22は、予め定める検査信号を同調回路14に与え、縦列接続された回路回路14〜16,18,19からの出力信号をそれぞれ得る。処理回路22は、各回路14〜16,18,19からの出力信号の出力値と、メモリ31に記憶される各回路14〜16,18,19の出力信号の正常値とをそれぞれ比較し、出力値と正常値とが一致するときその回路の作動状態が正常であると判定し、一致しないときその回路の作動状態が異常であると判定する。また、作動状態が異常な回路からの出力信号の出力値を、メモリ31に記憶されるその回路の複数の異常値とそれぞれ比較して、一致する異常値に関連する異常理由を選択する。この検査結果はメモリ31に記憶され、また表示装置34に予め定めるコードを用いて表示される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 与えられた信号から出力信号をそれぞれ生成し、与えられた信号と出力信号の出力値とが1対1で対応して変化する複数の被検査回路を含み、各被検査回路が順次的に縦列接続されるような電子装置であって、予め定める検査信号を、縦列接続された複数の被検査回路のうちの最前段の被検査回路に与え、各被検査回路が生成する出力信号から、電子装置の作動状態を検査する自己検査手段を含むことを特徴とする電子装置。 【請求項2】 前記検査信号と、前記各被検査回路の作動状態が正常な場合で前記検査信号を前記最前段の被検査回路に与えたときに各被検査回路が生成するべき出力信号の正常値とを、それぞれ対応させて記憶する正常値記憶手段をさらに含み、前記自己検査手段は、正常値記憶手段に記憶される検査信号を最前段の被検査回路に与えて、各被検査回路に前記出力信号を生成させ、各被検査回路が生成した出力信号の出力値と、正常値記憶手段に記憶される各被検査回路の出力信号の正常値とをそれぞれ比較して、出力値と正常値とが一致するとき被検査回路の作動状態が正常であると判定し、出力値と正常値とが一致しないとき被検査回路の作動状態が異常であると判定し、少なくとも1つの被検査回路の作動状態が異常であるときには電子装置の作動状態が異常であると判定し、全ての被検査回路の作動状態が正常であるときには電子装置の作動状態が正常であると判定することを特徴とする請求項1記載の電子装置。 【請求項3】 前記各被検査回路の作動状態が異常となるための複数の異常理由に個別的に対応する異常値であって、各被検査回路の作動状態が各異常理由によって異常になる場合で前記検査信号を最前段の被検査回路に与えたときに各被検査回路で生成される出力信号の異常値と、前記検査信号とを対応させて記憶する異常値記憶手段をさらに含み、前記自己検査手段は、作動状態が異常であると判定された被検査回路の出力信号の前記出力値と、異常値記憶記憶手段に記憶される該被検査回路の各異常理由の異常値とをそれぞれ比較して、出力値と一致する異常値の異常理由を選択することを特徴とする請求項2記載の電子装置。 【請求項4】 前記自己検査手段で判定された前記被検査回路の作動状態と、該自己検査手段で選択された前記被検査回路の異常理由とを、各被検査回路毎に関連して記憶する状態記憶手段と、状態記憶手段に記憶された被検査回路の作動状態と該被検査回路の作動状態の異常理由とを、予め定める態様で関連して表示する表示手段とをさらに含むことを特徴とする請求項3記載の電子装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明が属する技術分野】本発明は、複数の回路から構成され、各回路の作動状態を自ら検査する電子装置に関する。 【0002】 【従来の技術】様々な電子装置を生産する工場では、該装置の生産工程の途中、および生産した電子装置の出荷前に、該装置の性能を確認する検査が行われる。これら検査で、実際の性能が設計上の性能未満と判定される電子装置は、順次生産工程から取除かれ、出荷前の検査で実際の性能が所望の性能以上である電子装置だけが出荷される。また、出荷後の電子装置が再度工場に戻されて、電子装置の性能を検査されることもある。これら検査は、たとえば工場に予め準備される検査装置を用いて行われる。 【0003】図4は、上述の検査装置1を表すブロック図である。この検査装置は、たとえばラジオ放送を受信する受信機3を検査対象の電子装置とする。検査装置1は、信号生成回路5、出力検出回路6、判定回路7、およびテスタ8を含んで構成される。テスタ8は、検査制御回路9と入力制御回路10とを有する。 【0004】検査制御回路9は、たとえばパーソナルコンピュータで実現され、検査装置1全体の動作を制御する。具体的には、まず、受信機3の或る受信状態での作動状態の正否を検査するとき、テスタ8の検査制御回路9は、入力制御回路10を介して、信号生成回路5および受信機3にそれぞれ制御信号を与える。受信機3は、検査が開始される前に、入力制御回路10を介して与えられた制御信号に基づいて、該受信機3内部の各種の回路の作動状態を定める。また検査制御回路9は、判定回路7に、受信機3が上述の作動状態に保たれる場合であって受信機3が正常作動するときに出力する出力信号のパラメータの値である、判定基準を表すデータを与える。 【0005】信号生成回路5は、検査制御回路9から入力制御回路10を介して与えられる信号に基づいて、ラジオ放送の放送波と同じ周波数帯域内の周波数で予め定める信号レベルの検査信号を生成して、受信機3に与える。受信機3は、与えられた検査信号をアンテナからの信号と同様に信号処理して、スピーカへ与えるべき出力信号を生成し、出力端子を介して出力検出回路6へ与える。出力検出回路6は、受信機3の出力信号の信号レベルであるような信号のパラメータの値を検出して、判定回路7に与える。判定回路7はパーソナルコンピュータが制御することができる出力を出力する回路であり、上述した判定基準を表すデータが検査制御回路9から与えられる。判定回路7は、検査制御回路9から与えられたデータが表す判定基準の値と、出力検出回路6から与えられたパラメータの値とを比較する。 【0006】このような一連の判定動作が終了すると、検査制御回路9は、今回の一連の判定動作の比較結果を判定回路7から得て、この比較結果に基づいて次回の判定動作で与えるべき検査信号を定め、再び上述の判定動作を繰返す。このように入力する検査信号を変化させて複数回判定を繰返した後、検査制御回路9は、得られた複数の比較結果から、受信機3の動作状態を判定する。これら検査制御回路9の判定は、パーソナルコンピュータに代わって、検査装置1の操作者が行うこともある。 【0007】また、上述の判定動作で作動状態の異常が検出されたときには、検査装置1の操作者は、異常動作した受信機を構成する電子回路を個々に検査して、異常動作の原因を探す。この検査で、受信機3内の複数の回路の出力信号を個別的に検出し、上述の手法と同様の手法で、各回路毎の動作状態を判定する。操作者は、この検出結果から各回路の作動状態の良否を判別して、この作動状態から異常動作の原因を探す。 【0008】このような検査を行う装置の従来技術が、特開昭60−42951号公報、および特開昭60−52127号公報にそれぞれ開示される。これら公報で開示される移動無線機および個別選択呼出し受信機は、該無線機および受信機の通信に用いられるチャネルおよびモードの他に、検査用のチャネルおよびモードを有する。該無線機および受信機の検査時には、通信用のチャネルおよびモードを検査用のチャネルおよびモードに切換えて、外部の検査装置からの信号を受信し、検査を行う。 【0009】このような検査手法で電子装置を検査すると、工場に上述の検査装置が必要になる。また、上述の判定のように人が検出結果を判断することも多いが、検出結果を判断して作動状態を判定することは困難であり、経験豊かな検査装置の操作者が必要になる。また、電子装置内部の回路は、LSIとして集積されていることが多いが、LSIの検査では、出力信号の検出および信号の判断に専門的な技術および道具が必要なので、検査がさらに困難になる。 【0010】上述の問題を解決するために、検査装置を用いずに装置性能を自己判断する電子装置が提案されている。特開平2−155325号公報には、送受信機能を自己判断するワイヤレス送受信装置が開示される。該装置では、本来他の受信機に対して電波信号を送信する送信手段を用いて、該電波信号よりも送信電波レベルの小さい検査用の信号を生成して送信し、自己の受信手段で該信号を受信させて、装置の送信および受信手段の作動状態を自己判断する。この装置では、装置全体の作動状態の異常が検出されたとき、上述の外部の検査装置を用いるときのように、異常動作の原因箇所を判定することが困難である。 【0011】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、装置全体の作動状態と、異常動作時の異常原因とを、外部の検査装置を用いずに判定することができる電子装置を提供することである。 【0012】 【課題を解決するための手段】本発明は、与えられた信号から出力信号をそれぞれ生成し、与えられた信号と出力信号の出力値とが1対1で対応して変化する複数の被検査回路を含み、各被検査回路が順次的に縦列接続されるような電子装置であって、予め定める検査信号を、縦列接続された複数の被検査回路のうちの最前段の被検査回路に与え、各被検査回路が生成する出力信号から、電子装置の作動状態を検査する自己検査手段を含むことを特徴とする電子装置である。 【0013】本発明に従えば、電子装置は、縦列接続された複数の被検査回路の各回路の作動状態を、電子装置内部に備えられる自己検査手段だけを用いて検査する。これによって、たとえば電子装置の製造工場から、電子装置の作動状態を検査するための検査装置を撤廃することができる。また、自己検査手段は、縦列接続された複数の被検査回路の最前段の被検査回路にだけ検査信号を与えて、各被検査回路の作動状態を検査することができる。したがって、各被検査回路に個別的に検査信号を与える自己検査手段と比較して、検査信号を与えるための回路構造を簡略化することができる。 【0014】また本発明は、前記検査信号と、前記各被検査回路の作動状態が正常な場合で前記検査信号を前記最前段の被検査回路に与えたときに各被検査回路が生成するべき出力信号の正常値とを、それぞれ対応させて記憶する正常値記憶手段をさらに含み、前記自己検査手段は、正常値記憶手段に記憶される検査信号を最前段の被検査回路に与えて、各被検査回路に前記出力信号を生成させ、各被検査回路が生成した出力信号の出力値と、正常値記憶手段に記憶される各被検査回路の出力信号の正常値とをそれぞれ比較して、出力値と正常値とが一致するとき被検査回路の作動状態が正常であると判定し、出力値と正常値とが一致しないとき被検査回路の作動状態が異常であると判定し、少なくとも1つの被検査回路の作動状態が異常であるとき電子装置の作動状態が異常であると判定し、全ての被検査回路の作動状態が正常であるとき電子装置の作動状態が正常であると判定することを特徴とする。 【0015】本発明に従えば、上述の電子装置は、予め、複数の被検査回路の作動状態が正常な場合であって最前段の被検査回路に検査信号を与えたときに、各被検査回路から出力される出力信号の出力値を、正常値として正常値記憶手段に記憶している。自己検査手段が複数の被検査回路の作動状態の検査を行うときは、まず、正常値記憶手段に記憶される検査信号を読出して、最前段の被検査回路に与える。次いで、全ての被検査回路からの出力信号の出力値と、前述の正常値とをそれぞれ比較して、出力値と正常値との一致の有無によって、作動状態が正常であるか異常であるかを判定する。このような手法によって、複数の被検査回路のうち、どの被検査回路に故障があるのかを自動的に判定することができる。したがって、被検査回路の故障の有無を判定するために作業員が逐次出力信号の出力値を判定する必要がなくなるので、上述の電子装置内で故障箇所の検出が容易になる。 【0016】また本発明は、前記各被検査回路の作動状態が異常となるための複数の異常理由に個別的に対応する異常値であって、各被検査回路の作動状態が各異常理由によって異常になる場合で前記検査信号を最前段の被検査回路に与えたときに各被検査回路で生成される出力信号の異常値と、前記検査信号とを対応させて記憶する異常値記憶手段をさらに含み、前記自己検査手段は、作動状態が異常であると判定された被検査回路の出力信号の前記出力値と、異常値記憶記憶手段に記憶される該被検査回路の各異常理由の異常値とをそれぞれ比較して、出力値と一致する異常値の異常理由を選択することを特徴とする。 【0017】本発明に従えば、上述の電子装置は、予め、複数の被検査回路のうちのいずれかの被検査回路の作動状態が予め定める異常理由に起因して異常になる場合であって最前段の被検査回路に検査信号を与えたときに、前記いずれかの被検査回路から出力される出力信号の出力値を、異常値として異常値記憶手段に記憶している。この異常値は、異常理由が異なるときには別の値になるので、或る被検査回路に複数の異常理由があるときは、各異常理由毎に、上述の手法で予め異常値を求めて異常値記憶手段に記憶させておくことが好ましい。 【0018】自己検査手段が、或る被検査回路の作動状態が異常であると判定するとき、次いで、或る被検査回路の複数の異常理由の異常値と出力信号の出力値とを比較し、一致する異常値に対応する異常理由を、或る被検査回路の現在の異常状態の原因であると見なす。このような手法で異常状態の異常理由を判定することによって、或る被検査回路の作動状態が異常状態であると判定するのと同時に異常理由が何であるかを自動的に判定することができる。したがって、被検査回路の異常の理由を判定するために、作業員が逐次出力信号の出力値を判定する必要がなくなるので、上述の電子装置内で異常理由の判定が容易になる。 【0019】また本発明は、前記自己検査手段で判定された前記被検査回路の作動状態と、該自己検査手段で選択された前記被検査回路の異常理由とを、各被検査回路毎に関連して記憶する状態記憶手段と、状態記憶手段に記憶された被検査回路の作動状態と該被検査回路の作動状態の異常理由とを、予め定める態様で関連して表示する表示手段とをさらに含むことを特徴とする。 【0020】本発明に従えば、上述の電子装置の自己検査手段の状態記憶手段は、上述の自己検査手段を用いた自己検査の検査結果、具体的には被検査回路の作動状態と異常理由とを、各被検査回路毎に関連して記憶する。また記憶された自己検査の検査結果は、表示手段に表示される。これによって、自己検査手段によって行われた自己検査の結果を、電子装置の操作者に容易に提供することができる。ゆえに、電子装置の操作者は、電子装置の異常状態の有無および異常理由を、表示手段を目視するだけで認識することができる。また、操作者が被検査回路からの出力信号の出力値自体から電子装置の異常状態の有無および異常理由を判定することができない場合でも、異常状態の有無および異常理由を認識することができる。したがって、電子装置の検査に不慣れな操作者でも、電子装置の故障を容易に認識することができる。さらにまた、上述の検査結果は状態記憶手段に記憶されているので、自己検査が行われたとき以後であれば、いつでも自己検査の検査結果を知ることができる。 【0021】 【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態である受信機11の電気的構成を示すブロック図である。受信機11は、AMラジオ放送の放送波を受信するスーパヘテロダイン方式の受信機である。 【0022】アンテナ13は、電磁波である放送信号を受信して、その受信電界強度の変化に応じてレベル変化する受信信号を同調回路14に与える。受信信号は、まず、同調回路14で、受信信号の全周波数成分のうちで受信機11の使用者の所望の放送局の搬送波周波数近傍の周波数成分だけを増幅することで強調される。次いで受信信号は、高周波増幅回路15で全周波数成分が増幅された後に、混合回路16に与えられる。混合回路16は、増幅後の受信信号と局部発振器17からの局部発振信号とを混合することで、同調回路14で強調された周波数成分の周波数が予め定める中間周波数となるように受信信号を周波数変換して、中間周波信号を生成する。中間周波信号は、中間周波増幅回路18で増幅された後、復調回路19に与えられる。復調回路19は、中間周波信号を復調して所望の放送局の放送の音声信号を得る。音声信号は、スピーカ20から音声として出力される。 【0023】局部発振器17は、与えられるチューニング信号の電圧レベルに応じた周波数の信号を生成する電圧制御型発振器で実現される。上述のチューニング信号は、チューニング回路21で生成され、局部発振信号の周波数が、所望の放送局の搬送波周波数に適合した周波数となるように、強調される周波数成分が変更される度に変化する。チューニング回路21に関連して、処理回路22が設けられる。局部発振器17、チューニング回路21、および処理回路22は、いわゆるフェイズ・ロックド・ループ周波数シンセサイザ(以後、「PLL」と略称する)を形成する。 【0024】チューニング回路21は、分周器、基準発振器、位相比較器、およびローパスフィルタを含む。局部発振器17からの局部発振信号は、上述の混合回路16に与えられると同時に、分周器にも与えられる。分周器は、処理回路22によって所望の放送局に対応して定められた分周比Nで、局部発振信号を分周する。位相比較器には、分周器から局部発振信号の分周結果を表す分周信号が与えられ、また基準発振器から予め定める基準周波数の基準信号が与えられる。位相比較器では、分周信号と基準信号との位相を比較して、位相差に対応する電圧を有する位相比較信号を出力する。ローパスフィルタは、位相比較信号を平滑化して、上述のチューニング信号を生成して、局部発振回路17に与える。このような一連の動作を複数回繰返すと、局部発振回路17の局部発振信号の周波数が、所望の放送局の搬送波周波数に適合した値に変更される。 【0025】所望の放送局が変更される度、処理回路22は上述の分周比Nを変更後の放送局の搬送波周波数に対応した値に変更する。分周比Nが変更されると、そのたびにチューニング回路21は上述の動作を実施して、チューニング信号の電圧レベルを変更し、局部発振信号の周波数を変更する。また、チューニング回路21のチューニング信号は、同調回路14に与えられる。同調回路14には、たとえば電圧制御型可変容量コンデンサを含み、該コンデンサの静電容量をチューニング信号の電圧レベルに併せて変更することによって、同調回路14で強調される周波数成分を変更する。 【0026】また受信機11は、自己検査回路30を備え、受信機11の作動状態、および各回路14〜16,18,19の作動状態を自己検査する自己検査動作を行う。上述の処理回路22は、PLLの制御手段と、自己検査動作を実施する自己検査回路30の制御手段とを兼ねる。自己検査回路30は、処理回路22の他に、メモリ31、入力装置32、信号生成回路33、表示装置34、交流/直流変換回路41,42、およびアナログ/デジタル変換回路43〜45を含んで構成される。 【0027】自己検査回路30の自己検査動作は、入力装置32を受信機11の操作者が操作することで指示される。この入力装置32は、たとえば受信機11の電源スイッチと兼用され、受信機11の電源回路に各回路14〜16,18,19への電力の供給を指示するときの操作手法と、自己検査動作を指示するときの操作手法とが異なる。たとえば電源スイッチを単一回押すときには電力の供給が指示され、複数回連続して押すときには、自己検査動作が指示される。 【0028】処理回路22と信号の授受を行うメモリ31には、後述する検査信号の生成データと、後述する複数種類の正常値および異常値を表す基準データとが、後述の形式で関連して記憶される。入力装置32から自己検査動作の実施が指示されるとき、処理回路22は、メモリ31から検査信号の生成データを読出し、信号生成回路33に与えて、後述の検査信号を生成させる。生成された検査信号は、たとえば、同調回路14のアンテナ13からの受信信号の入力ラインに、該入力ラインの中途から与えられる。 【0029】同調回路14および高周波増幅回路15からの信号の出力ラインは途中で2つに分岐され、分岐された一方の出力ラインは、高周波増幅回路15および混合回路16の入力端子と接続される。また分岐された他方の出力ラインは、交流/直流変換回路(図面では、「AC/DC」と略称する)41,42に接続される。交流/直流変換回路41,42からの出力ラインは、アナログ/デジタル変換回路(図面では、「A/D」と略称する)43,44に接続される。さらに、混合回路16,中間周波増幅回路18,および復調回路19からの信号の出力ラインもまた途中で2つに分岐され、分岐された一方の出力ラインは、中間周波増幅回路18,復調回路19,およびスピーカ20の入力端子に接続される。また分岐された他方の出力ラインは、アナログ/デジタル変換回路45〜47に接続される。 【0030】これによって、同調回路14から出力される強調後の受信信号、および高周波増幅回路12から出力される増幅後の受信信号は、上述したように高周波増幅回路15および混合回路16に与えられると同時に、交流/直流変換回路41,42で直流信号に変換され、さらにアナログ/デジタル変換回路43,44でデジタル信号に変換される。また、混合回路16から出力される中間周波信号,中間周波増幅回路18から出力される増幅後の中間周波信号,および復調回路19から出力される音声信号は、中間周波増幅回路18,復調回路19 およびスピーカ20に与えられると共に、それぞれアナログ/デジタル変換回路45〜47でデジタル信号に変換される。アナログ/デジタル変換回路43〜47からの各デジタル信号は、処理回路22に与えられる。これらのアナログ/デジタル変換回路43〜47は、各回路14〜16,18,19に個別に設けられても良い。または単一の回路を時分割で用いても良い。 【0031】処理回路22は、メモリ31から前述の基準データを読出し、該基準データが表す正常値とこれらの各デジタル信号が表す各信号の出力値とをそれぞれ比較する。或る回路からの出力値と、その回路について定められる正常値とが一致するとき、その回路の作動状態は正常であると判定する。また、或る回路からの出力値と、その回路について定められる正常値とが一致しないとき、その回路の作動状態は異常であると判定する。このような判定を、各回路14〜16,18,19についてそれぞれ実施する。さらに、各回路14〜16,18,19のうち、少なくとも1つの回路の作動状態が異常であると判定されるとき、受信機11全体の作動状態が異常であると判定する。全回路14〜16,18,19の作動状態が正常であるとき、受信機11全体の作動状態が正常であると判定する。各回路の作動状態の判定結果、および受信機11全体の作動状態の判定結果は、判定データとしてメモリ31に記憶されると共に、表示装置34に表示される。 【0032】上述の検査信号および該検査信号に対応した基準データは、受信機11の各回路14〜16,18,19の検査すべき検査項目に併せて、各検査項目毎に複数準備される。たとえば、上述の受信機11の同調回路14の受信可能周波数範囲の下限値の正否を調べる検査を実施するときの検査信号は、周波数の値が522kHzであって、信号レベルが一定の交流信号である。 【0033】図2は、上述の検査信号の信号レベルと、該検査信号を受信機11の同調回路14に与えたときの各回路14〜16,18,19の出力信号の正常値との関係を表すグラフである。正常値は、各回路14〜16,18,19の作動状態がそれぞれ正常な場合であって検査信号を同調回路14に与えたときに、各回路14〜16,18,19から出力されると予想される出力信号の出力値である。グラフの直線51〜55は、それぞれ、回路14〜16,18,19の出力信号の正常値の変化を表す。このグラフから、検査信号の信号レベルを増大させると、各回路14〜16,18からの出力信号の正常値は、検査信号の信号レベルの増加に比例して増加することが解る。復調回路19からの出力信号の正常値は、検査信号の信号レベルの増加に拘わらず常に一定のレベルを保つことが分かる。 【0034】たとえば、メモリ31に生成データが記憶される検査信号として、信号レベルがVi1〜Vi3である3種類の検査信号が選ばれたとする。このとき、各検査信号が同調回路14に与えられたときの同調回路14の正常値は、信号レベルVo1〜Vo3である。この信号レベルVo1〜Vo3が、正常値として、上述の生成データと関連してメモリ31に記憶される。またこのメモリ31には、各信号レベルVi1〜Vi3の検査信号が与えられたときの回路15,16,18,19の出力信号の正常値もまた記憶される。 【0035】上述の検査信号および正常値を用いた同調回路14の自己検査動作では、たとえば信号レベルVi1〜Vi3の検査信号を順次的に同調回路14に与え、各信号レベル毎に、同調回路14からの出力信号の出力値を検出する。検出された出力信号の出力値が、各検査信号の信号レベルに対応した正常値と全て一致するとき、同調回路14の受信可能周波数範囲の下限値が正しいと判断される。また、前記出力値の少なくとも1つが前記正常値と一致しないとき、前記下限値が誤りであると判断される。このとき、前記出力値と等しい正常値に対応する検査信号の信号レベルを逆算し、逆算された信号レベルと検査信号の信号レベルとの差分を求めることで、たとえば、同調回路14の出力端子の前段の増幅器に設定される利得と同調回路14の回路設計上設定されるべき利得とのずれを求めることができる。 【0036】上述の自己検査動作は、検査信号を各回路15,16,18,19に対応した信号に変更することによって、上述の手法と同一の手法を用いて、他の回路15,16,18,19の作動状態を検査することができる。たとえば、混合回路15の作動状態を検査するには、混合回路15で周波数450kHzに周波数変換されるような検査信号を用い、この検査信号を作動状態が正常な受信機11に与えたときの同調回路14と混合回路15との出力信号の出力値を正常値として準備する。この検査信号と正常値とを用いることによって、上述の手法と同一の手法で、作動状態の自己検査動作を実施することができる。さらに、混合回路15の前段の回路である同調回路14に、検査信号が同調回路14を素通りするようなバイパス回路を付加して、同調回路14に与えられた信号が自己検査動作時にはバイパス回路を通過するように回路の接続を切換えると、同調回路14の作動状態の正否に拘わらず、混合回路15の作動状態を自己検査することができる。 【0037】このような手法で、同調回路14、高周波増幅回路15、および混合回路16について、たとえば出力信号のDACビット欠けの発生の有無を検査することができる。また、上述の回路14〜16の他に、受信機11に付加される別の回路の作動状態を検査することができる。たとえば、いわゆるSメータ回路、ミュート制御回路、SD(Signal Ditecter;信号検出)回路、ノイズキャンセラ回路、およびステレオ分離回路の作動状態の自己検査動作を行うことができる。さらに、左右チャネルの音声信号をそれぞれ導出するステレオ分離回路であるような、複数種類の出力信号を導出する回路では、各出力信号毎に上述の自己検査を行っても良い。 【0038】また、各回路14〜16,18,19は、それぞれ複数の回路部品から構成されるが、これら回路部品からの出力を個別的に処理回路22に導出する回路を付加すると、各回路部品の自己検査を行うことができる。或る回路の回路部品としては、たとえば出力端子の前段に設けられる増幅回路の自動利得制御回路が挙げられる。また、入力端子の後段に設けられるアナログ/デジタル変換回路、出力端子の前段に設けられるデジタル/アナログ変換回路、フィルタ、ダンピング制御回路も含まれる。 【0039】上述した手法の自己検査動作で作動状態が異常であると判定された回路には、複数の異常の発生理由が考えられる。たとえば、Sメータ回路を例とすると、該Sメータ回路の作動状態が異常であると判定されるとき、異常の発生理由として、出力信号の浮き電圧のレベルが過剰に大きいこと、およびSメータ回路が作動していないことが考えられる。 【0040】作動状態の異常の発生理由が異なるとき、そのSメータ回路に同一の検査信号を与えても、出力信号の出力値が異なる。発生理由が浮き電圧に関する場合、たとえばSメータ回路に信号を与えないように該Sメータ回路の前段の回路を制御した状態でSメータ回路から出力される出力信号の出力値は、正常に作動するSメータ回路を同じ条件下で作動させたときに出力される出力信号の正常値よりも大きくなる。また、発生理由が作動不能であるとき、上述の状態でかつ予め定めるレベルの信号を与えた状態でSメータ回路から出力される出力信号の信号レベルは、前述の出力信号の正常値よりも小さくなる。これらのことから、各発生理由に対応した状態に制御した回路に、予め定める検査信号を与えたときの回路の信号レベルから、異常の発生理由を推定することができることが分かる。 【0041】上述の自己検査動作では、各回路14〜16,18,19の作動状態の異常が検出されたとき、回路の異常の発生理由を推定することができる。この推定動作のために、予めメモリ31には、各異常の発生理由に対応した状態に回路を保つための制御データ、該状態で回路に与えられる検査信号、および出力信号の異常値が、各回路の異常の各発生理由毎に記憶される。出力信号の異常値は、各発生理由で異常が生じた回路を上述の状態に保った場合であって、上述の検査信号が与えられたときに、回路から出力される出力信号の出力値である。 【0042】自己検査動作で或る回路の作動状態が異常と判定されるとき、処理回路22は、該回路の異常の各発生理由に対応した状態に回路を保ち、信号生成回路33で生成した検査信号を該回路に与えて、各回路から出力される出力信号を検出する。次いで、検出された出力信号の出力値と、上述の出力信号の異常値とを比較し、該出力値と一致した該異常値、および上述の状態に対応する発生理由を、今回の回路の作動状態の異常の発生理由と見なす。 【0043】この発生理由を表す理由データは、上述の作動状態の是非を表す判定データと関連して、メモリ31に記憶される。また、上述した各回路の各回路部品のうち、作動状態が異常な回路部品が特定されるとき、特定された回路部品を表すデータもまた理由データとして、判定データと関連してメモリ31に記憶される。 【0044】メモリ31に記憶される回路の作動状態を表す判定データは、上述の表示装置34に表示される。表示装置34は、たとえば文字を表示可能な目視表示領域を有し、判定データを予め定めるコードで目視表示する。このコードは、たとえば片仮名の各行を用いて表される。たとえば、ア行は同調回路の作動状態の正否に対応し、「アイウエオ」の文字列は、同調回路14の作動状態が正常であることを表し、「オエウイア」の文字列は、同調回路14の作動状態が異常であることを表す。 【0045】また、作動状態が異常であるとき、発生理由を表す理由データを、判定データと共に、判定データと同種のコードで表示する。たとえば、カ行が同調回路14の全回路部品の作動状態の正否に対応し、「カキクケコ」の文字列は該全回路部品の作動状態が正常であることを表し、「コケクキカ」の文字列は該全回路部品の作動状態が異常であることを表す。 【0046】また、上述の各回路14〜16,18,19には、それぞれ、各回路の動作のパラメータの値を調整する調整回路14a〜16a,18a,19aが付加される。調整回路14a〜16a,18a,19aは、前述の処理回路22によって制御され、各回路14〜16,18,19からの出力信号の出力値が常に各回路14〜16,18,19の最適値となるように、各回路内の動作の調整可能なパラメータの値を調整する。各回路14〜16,18,19の出力信号の最適値は、たとえば受信機11の設計値であり、メモリ31に予め記憶されている。 【0047】この調整回路14a〜16a,18a,19aには、たとえば各回路14〜16,18,19内の増幅回路の増幅率を調整する回路が挙げられる。この増幅回路は、各回路14〜16,18,19から出力される出力信号の出力値が、該回路の次段の回路15,16,18〜20の入力許容レベルとなるように増幅するための回路である、該増幅回路は、回路14〜16,18,19で実施される処理動作で生成された信号を、調整回路14a〜16a,18a,19aによって調整された増幅率で増幅した後に、次段の回路に与える。 【0048】受信機11は、各回路14〜16,18,19の調整回路14a〜16a,18a,19aを用いて、上述のパラメータの値を調整する調整動作を行う。調整動作は、たとえば受信機11の設置場所であるような受信条件が変更される度に実施される。この調整動作では、まず、変更された受信条件の元で放送信号を受信して、そのときの回路14〜16,18,19の出力信号を処理回路22に与える。処理回路22は、各出力信号の出力値を上述の最適値と比較し、出力値が最適値と一致するまでパラメータの値を変化させ、一致したときの値で固定する。 【0049】また、或る受信条件で調整動作が一度実施されると、このとき調整されたパラメータの値を、受信条件と関連してメモリ31に記憶させておいても良い。メモリ31に受信条件に対応したパラメータの値が記憶されているとき、同一の受信条件で受信機11を再度作動させるとき、上述の調整動作を行うことなく、メモリ31から該受信条件に適合したパラメータの値を読出し、各パラメータを読出した値となるように調整することができる。したがって、上述の調整動作を行うことなく受信機11の状態を受信条件に適合させることができる。さらに、このようにパラメータの値を調整した後に、上述の自己検査動作を実施すると、受信条件が異なるときでも、同一の検査信号ならびに正常値および異常値を用いて、各回路14〜16,18,19の故障の有無を検査することができる。 【0050】図3は、上述の受信機1の自己検査回路30を用いた自己検査動作を詳細に説明するためのフローチャートである。以後の説明では、受信機11の自己検査動作には、複数の検査項目が含まれるものとし、検査項目の1つに受信バンド検査があるものとして説明する。受信バンド検査では、国内FM放送の送信周波数帯域である76MHz〜90MHz間の周波数の電磁波を受信したときに、受信機1が正常に作動するか否かを検査する。この受信バンド検査では、周波数f1,f2の搬送波をそれぞれ予め定める周波数の被変調波で変調した信号を、検査信号として準備する。周波数f1はたとえば76MHzであり、周波数f2はたとえば90MHzである。 【0051】入力装置32への操作によって、自己検査動作の開始が指示されると、ステップa1からステップa2に進む。ステップa2では、処理回路22は、メモリ31から、最初に検査すべき検査項目の検査情報を読出す。この検査項目が受信バンド検査であるとき、検査情報には、前述の2種類の検査信号の生成データと、該各検査信号に対応した正常値および異常値を表す基準データと、該各検査信号に対応した各回路14〜16,18,19の調整回路14a〜16a,18a,19aのパラメータの値を表す調整データとが含まれる。このような各検査項目の検査情報は、自己検査動作の開始前に、入力装置32に備えられるシリアルインタフェイス回路を介して、メモリ31に予め記憶されている。 【0052】次いで、ステップa3では、処理回路22は、周波数f1の搬送波の第1検査信号の生成データを信号生成回路33に与えて、信号生成回路33に該第1検査信号の生成準備をさせる。またステップa4では、受信機11が第1検査信号を受信すべき受信状態になるように、調整データに基づいて、各回路14〜16,18,19の調整回路14a〜16a,18a,19aのパラメータを設定する。これによって、各回路14〜16,18,19は、第1検査信号を用いた検査を実施可能な状態になる。 【0053】続いて、ステップa5で、周波数f1の搬送波の第1検査信号を、信号生成回路33から同調回路14に与えることで、検査を開始する。次いで、ステップa6で、各回路14〜16,18,19から出力された出力値を、交流/直流変換回路41,42、およびアナログ/デジタル変換回路43〜47を介して、処理回路22に入力する。さらに、ステップa7で、処理回路22は、各回路14〜16,18,19から出力された出力信号の出力値をメモリ31に記憶させる。次いで、処理回路22は、前記各出力値を、基準データとして保持される正常値と比較可能な形態にデータ変換する。続いて、ステップa9で、処理回路22は、各回路14〜16,18,19からの前記各出力値と、第1検査信号に対応した各回路14〜16,18,19の正常値とがすべて一致するか否かを判定する。すべて一致するとき、ステップa9からステップa18に進み、第2検査信号を用いた検査を実施する。少なくとも1つの回路からの出力値と該回路の正常値とが一致しないとき、ステップa9からステップa10に進む。 【0054】ステップa10では、処理回路22は、周波数f1+Δfの搬送波の検査信号を生成することができるように、信号生成回路33に準備させる。周波数f1+Δfの搬送波の周波数の検査信号は、前述の第1検査信号と比較して、搬送波の周波数が周波数f1よりも周波数Δfだけ増加されている点が異なり、他は等しい。次いで、ステップa11で、処理回路22は、第1検査信号を受信すべき受信状態になるように、各回路14〜16,18,19の調整回路のパラメータを設定する。続いて、ステップa12で周波数f1+Δfの周波数の検査信号を信号生成回路33から同調回路14に与え、ステップa13で処理回路22に各回路14〜16,18,19からの出力値を検出させる。 【0055】処理回路22は、各回路14〜16,18,19から出力された出力信号の出力値をステップa14でメモリ31に記憶させた後、ステップa15で出力値をデータ変換して、ステップa16で該各出力値と第1検査信号に対応した正常値とがすべて一致したか否かを判定する。出力値と正常値とがすべて一致したときにはステップa18に進み、少なくとも1つの回路の出力値と該回路の正常値一致しないときは、ステップa17で、受信機11が異常作動したことを表す判定データを、メモリ31に記憶させる。ステップa10,a12の動作は、検査信号の搬送波周波数が周波数f1から周波数f1+Δfに変更された点が異なり、他はステップa3,a5と等しい。また、ステップa11,a13〜16の動作は、ステップa4,a6〜a9と等しい。 【0056】ステップa9またはステップa16で、出力値と正常値とが一致したと判定されるとき、続いてステップa18に進む。ステップa18では、処理回路22は、信号生成回路33に、周波数f2の搬送波の第2検査信号の送信準備をさせる。次いで、ステップa19で、第2検査信号を同調回路14に与えて、各回路14〜16,18,19からの出力信号を処理回路22に与えさせる。ステップa18の動作は、検査信号の搬送波の周波数以外はステップa3と等しい。ステップa19の検査の動作は、検査信号の搬送波の周波数以外はステップa4〜a8と等しい。 【0057】ステップa20では、処理回路22は、上述の動作で得られた各回路14〜16,18,19からの出力値と、第2検査信号に対応した各回路14〜16,18,19の正常値とがすべて一致するか否かを判定する。少なくとも1つの回路の出力値と正常値とが一致しないときは、ステップa10〜a16の動作を実施する。このとき処理回路22の動作は、周波数f1+Δfの搬送波に代わって周波数f2+Δfの搬送波の検査信号を生成する点が異なり、他は等しい。ステップa16で少なくとも1つの回路の出力値と正常値とが一致しないと判定されたときは、ステップa17で上述のように受信機11が異常作動したことをメモリ31に記憶した後、ステップa22に進む。また、出力値と正常値とがすべて一致したときは、ステップa16からステップa21に進む。 【0058】ステップa9,a20の判定で共に出力値と正常値とがすべて一致すると判定されたとき、またはステップa9,a16のいずれかとステップa20とで共に出力値と正常値とがすべて一致すると判定されたときには、ステップa21に進む。ステップa21では、処理回路22は、ステップa2の検査情報を用いた検査項目について、受信機11が正常作動したと判定して、該判定結果を表す判定データをメモリ31に記憶させる。さらに、次の検査項目の検査を実施すると決定する。 【0059】処理回路22は、続いてステップa22で、次の検査項目の検査情報をメモリ31から読出し、ステップa23で、次の検査項目の検査を実施する。ステップa23の検査は、検査情報が次の検査項目の検査に対応した情報に変更されている点が異なり、処理回路22および信号生成回路33の動作はステップa3〜a21と等しい。ステップa23の検査が終了すると、ステップa24に進み、処理回路22は、すべての検査項目の検査が終了したか否かを判定する。終了していないときは、ステップa22に戻り、未実施の検査項目の検査の検査情報を読出して、ステップa23で該検査を実施する。すべての検査項目の検査が終了すると、ステップa24からステップa25に進む。 【0060】ステップa25では、処理回路22が表示装置34を起動させて、表示可能な状態にする。この表示装置34の起動は、すべての検査項目の検査が終了すると、処理回路22が自動的に実施しても良く、または、すべての検査項目の検査の終了後、入力装置32から検査結果の表示が指示されたときに初めて実施するようにしてもよい。表示装置34が起動されると、ステップa26で、処理回路22は、メモリに記憶された各検査項目の検査の判定結果を表す判定データを読出し、上述したようなコードを用いて、判定結果を表示装置34に表示する。判定結果の表示が終了すると、ステップa27で当該フローチャートの処理動作を終了する。 【0061】このような一連の動作によって、自己検査回路30は、受信機11の各回路14〜16,18,19の作動状態を自己検査することができる。 【0062】また、処理回路22は、ステップa17で或る検査項目の検査で各回路14〜16,18,19が異常作動したことを表す判定データを記憶させた後、回路14〜16,18,19の異常作動の原因を表す異常理由を調べて、メモリ31に判定データと共に記憶させてもよい。具体的には、処理回路22は、出力値と正常値とが一致しないと判定されたとき、基準データとしてメモリ31に記憶される異常値と、各回路14〜16,18,19からの出力値とを比較する。これによって得られる回路14〜16,18,19の異常理由を表す判定データを、検査信号と関連づけて記憶させる。この異常理由を表す判定データは、ステップa26で正常または異常作動を表す結果データを表示させるときに、共に表示させてもよい。 【0063】 【発明の効果】以上のように本発明によれば、電子装置は、縦列接続された複数の被検査回路の各回路の作動状態を、電子装置内部に備えられる自己検査手段だけを用い、最前段の被検査回路だけに検査信号を与えて検査する。これによって、たとえば電子装置の製造工場から、電子装置の作動状態を検査するための検査装置を撤廃することができる。また、検査信号を与えるための回路構造を簡略化することができる。 【0064】また本発明によれば、上述の電子装置は、予め記憶する各被検査回路の出力信号の正常値と、検査時に各被検査回路から出力された出力信号の出力値とを比較して、作動状態が正常であるか異常であるかを自動的に検査する。これによって、複数の被検査回路のうち、どの被検査回路に故障があるのかを自動的に検査することができるので、上述の電子装置内で故障箇所の検出が容易になる。 【0065】また本発明によれば、上述の電子装置は、予め記憶する各被検査回路の出力信号の異常値と、異常であると検査された被検査回路から出力される出力信号の出力値とを比較して、その被検査回路の現在の異常状態の原因を検査する。これによって、異常状態であると判定するのと同時に異常理由が何であるかを自動的に検査することができるので、上述の電子装置内で異常理由の検査が容易になる。 【0066】さらにまた本発明によれば、上述の電子装置の自己検査手段は、被検査回路の自己検査の検査結果を記憶し、さらに表示手段に表示する。これによって、自己検査手段によって行われた自己検査の結果を、電子装置の操作者に容易に提供することができる。さらにまた、上述の検査結果は状態記憶手段に記憶されているので、自己検査が行われたとき以後であれば、いつでも自己検査の検査結果を知ることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000237592 【氏名又は名称】富士通テン株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)12月25日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】西教 圭一郎
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| 【公開番号】 |
特開平11−183545 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)7月9日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−358141 |
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