| 【発明の名称】 |
表面電位測定方法及び装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】大脇 弘憲
【氏名】河田 将也
【氏名】唐木 哲也
【氏名】江原 俊幸
【氏名】栢 孝明
【氏名】山崎 晃司
|
| 【要約】 |
【課題】高分解能で、S/N比を向上させ、精度良く測定できる表面電位測定方法及び装置を提供する。
【解決手段】表面102に電位変化を伴う少なくとも1つの電位センサ103を相対的に移動させ、表面102の電位変位により電位センサ103に誘導電流を発生させ、その誘導電流の解析を行い、電位形状を測定する装置において、電位センサ103の検出部分の幅が測定する電位変化の幅より小さく、表面102に垂直で、且つ、相対移動方向に平行となる面におけるその検出部分の断面形状がエッジを持たない形状に構成されている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 表面に電位変化を伴う表面と、少なくとも1つの電位センサを相対的に移動させ、前記表面の電位変位により前記電位センサに誘導電流を発生させ、前記誘導電流の解析を行い、電位形状を測定する表面電位測定装置において、前記電位センサの検出部分の幅が測定する電位変化の幅より小さく、前記表面に垂直で、且つ、前記相対移動方向に平行となる面における前記検出部分の断面形状がエッジを持たない形状であり、前記誘導電流を解析することにより、表面電位形状を求めることを特徴とする表面電位測定装置。 【請求項2】 前記検出部分の断面形状は、真円型であることを特徴とする請求項1に記載の表面電位測定装置。 【請求項3】 前記検出部分の断面形状は、楕円型であることを特徴とする請求項1に記載の表面電位測定装置。 【請求項4】 前記検出部分の断面形状は、ほぼ三角型であることを特徴とする請求項1に記載の表面電位測定装置。 【請求項5】 前記電位センサの検出部分は、導電性ワイヤーで構成され、前記相対移動方向をX、前記表面の法線方向をY、X及びYに垂直な方向をZとしたときに、Z軸と平行に検出部分を配置することを特徴とする請求項1に記載の表面電位測定装置。 【請求項6】 前記電位センサの検出部分の、直線性及びZ軸との平行性が前記誘電性ワイヤー径の300%以内であることを特徴とする請求項5に記載の表面電位測定装置。 【請求項7】 表面に電位変化を伴う表面と、少なくとも1つの電位センサを相対的に移動させ、前記表面の電位変位により前記電位センサに誘導電流を発生させ、前記誘導電流の解析を行い、電位形状を測定する表面電位測定装置において、前記電位センサの検出部分の幅が測定する電位変化の幅より小さく、前記検出部分が、被測定表面及び相対移動方向に垂直となる面に広がりを持つ板状の導電体で構成され、被測定表面に対向する面以外から誘導電流を受けないように、被測定表面に対向する面以外の導体部分にシールドを有し、前記誘導電流を解析することにより、表面電位形状を求めることを特徴とする表面電位測定装置。 【請求項8】 前記電位センサの検出部分は、所定幅の導電性の板状に形成されていることを特徴とする請求項7に記載の表面電位測定装置。 【請求項9】 前記相対移動方向をX、前記表面の法線方向をY、X及びYに垂直な方向をZとしたときに、前記電位センサの検出部分の、Z軸との平行性が、前記検出部分の幅の300%以内であることを特徴とする請求項8に記載の表面電位測定装置。 【請求項10】 表面に電位変化を伴う表面と、少なくとも1つの電位センサを相対的に移動させ、前記表面の電位変位により前記電位センサに誘導電流を発生させ、前記誘導電流の解析を行い、電位形状を測定する表面電位測定装置において、前記電位センサの検出部分の幅が測定する電位変化の幅より小さく、前記検出部分が、被測定表面に対して鉛直方向に伸びる棒状の導電体で構成され、被測定表面に対向する面以外から誘導電流を受けないように、被測定表面に対向する面以外の導体部分にシールドを有し、前記誘導電流を解析することにより、表面電位形状を求めることを特徴とする表面電位測定装置。 【請求項11】 前記相対移動方向をX、前記表面の法線方向をY、X及びYに垂直な方向をZとしたときに、前記電位センサの検出部分のX軸方向及びZ軸方向の幅が、所定長の棒状の導電体で形成されていることを特徴とする請求項10に記載の表面電位測定装置。 【請求項12】 表面に電位変化を伴う表面と、少なくとも1つの電位センサを相対的に移動させ、前記表面の電位変位により前記電位センサに誘導電流を発生させ、前記誘導電流の解析を行い、電位形状を測定する表面電位測定方法において、前記電位センサの検出部分の幅を測定する電位変化の幅より小さくし、前記表面に垂直で、且つ、前記相対移動方向に平行となる面における前記検出部分の断面形状をエッジを持たない形状にし、前記誘導電流を解析することにより、表面電位形状を求めることを特徴とする表面電位測定方法。 【請求項13】 表面に電位変化を伴う表面と、少なくとも1つの電位センサを相対的に移動させ、前記表面の電位変位により前記電位センサに誘導電流を発生させ、前記誘導電流の解析を行い、電位形状を測定する表面電位測定方法において、前記電位センサの検出部分の幅を測定する電位変化の幅より小さくし、前記検出部分を、被測定表面及び相対移動方向に垂直となる面に広がりを持つ板状の導電体で構成し、被測定表面に対向する面以外から誘導電流を受けないように、被測定表面に対向する面以外の導体部分にシールドを有し、前記誘導電流を解析することにより、表面電位形状を求めることを特徴とする表面電位測定方法。 【請求項14】 表面に電位変化を伴う表面と、少なくとも1つの電位センサを相対的に移動させ、前記表面の電位変位により前記電位センサに誘導電流を発生させ、前記誘導電流の解析を行い、電位形状を測定する表面電位測定方法において、前記電位センサの検出部分の幅を測定する電位変化の幅より小さくし、前記検出部分を、被測定表面に対して鉛直方向に伸びる棒状の導電体で構成し、被測定表面に対向する面以外から誘導電流を受けないように、被測定表面に対向する面以外の導体部分にシールドを有し、前記誘導電流を解析することにより、表面電位形状を求めることを特徴とする表面電位測定方法。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は静電電位測定技術、より具体的には、帯電可能な表面上に置ける電位変化の形状を測定する表面電位測定方法及び装置に関する。 【0002】 【従来の技術】現在の電子写真装置は、複写機だけでなく、近年需要の伸びの著しいコンピュータ等の出力手段であるプリンタを加え広く利用されている。その上、文字だけでなく写真等を出力する機会が急増しており、電子写真装置の高画質化に対する要求が高まっている。 【0003】電子写真方式における、出力画像は電子写真各工程、すなわち、書き込み情報の精鋭さ、感光体表面に形成される静電潜像の精鋭さ、感光体表面に形成される着色微粒子(以下トナー)像の精鋭さ、転写紙に転写された後のトナー像の精鋭さ、トナー定着後の像の精鋭さによって画質が大きく左右される。このため、より高画質な画像を得るためには、各工程の精鋭さを向上させる必要がある。 【0004】しかし、感光体表面上の静電潜像の精鋭さの善し悪しを判断することは、静電潜像であり直接観察できないこと、暗所で、且つ、極めて短時間しか持続しないため、観察手段が極端に限られることから、従来、(1)何らかの方法で潜像を可視化する、(2)電子写真工程中に電位測定手段を設け、電位測定手段により静電潜像を定量化することが用いられている。 【0005】前者の例として例えば、可視化手段としてトナーを用い、現像した画像を評価し、現像前の静電潜像を推測する方法等は、一般によく行われている。しかし、この方法では、現像工程のばらつきの影響を受けてしまい、再現性の良好な静電潜像を評価する手段としては、適切ではない。また、用いるトナーの粒径が測定精度に制約を加えるため、まずトナー、現像機などの周辺装置を準備してからでないと潜像の評価ができなかった。 【0006】また、後者の例として感光体表面上の電位変化を電気的に評価する方法が幾つか報告されている。例えば、特開平5−508708号公報に検知電極を用いて表面電位の均一性を測定する方法が記載されている。この方法は、電位センサを被測定表面の近傍に配置し、それらを相対的に移動させることによって電位センサに被測定表面の電位の変化による誘導電流を発生させ、その誘導電流を解析することにより、表面電位の均一性を測定する方法である。電位センサは、エッジを有しており、被測定表面の電位変化を検知電極のエッジで検出することを特徴としている。 【0007】また、電子写真学会誌第30巻第2号(1991)、及び同第4号に、バイアス印加による放電防止、放電開始電圧の高いガス(SF6)による放電防止手段を用いて電位センサを被測定表面の近傍30μm程度まで近接配置し、それらを相対的に移動させることによって電位センサに被測定表面の電位の変化による誘導電流を発生させ、その誘導電流を解析することにより、潜像電位のエッジ部の勾配変化を測定する方法である。電位センサは、数十μm以下にするとともに、測定ギャップも数十μm以下にして検出することを特徴としている。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】近年、デジタル複写機の解像度は、600dpiから1200dpiが主力となってきており、これらデジタル複写機におけるレーザ露光スポット径は40μmから20μmとなり、これにより形成した潜像電位(以下デジタル潜像電位と呼ぶ)を上記従来の測定法で測定する場合、検出分解能が不十分となってしまい、デジタル潜像電位の形状を精度良く測定することは不可能であった。 【0009】そこで、数十μmの幅で変化するデジタル潜像電位の形状を測定するためには、検出の分解能を数十μm以下まで向上させることが必要である。しかし、分解能は電位センサの検出部分の面積を小さくすることによって有る程度は改善することができが、検出部分の面積を小さくするにつれて、検出信号の出力も小さくなってしまい、S/Nの低下を招いてしまう。 【0010】また、検出信号の出力を大きくするためには、センサとドラムの間隔を数十μmまで近接させ、更にセンサとドラムの相対速度を高める必要があるが、従来のエッジ部を有するセンサ形状では、放電が発生してしまい困難であった。また、この問題を回避するために、放電開始電圧の高いガス(SF6)による放電防止手段を講ずることは装置の複雑化を招くばかりか、センサとドラムの相対速度を高めてゆくとガスもれにより帯電工程に悪影響を及ぼすといった弊害もあった。更に、測定法は小型簡易が好ましく、特にレーザプリンタのように実際に実用されている小型電子写真装置において実際に測定できることが、測定システムとしてきわめて有効である。 【0011】このような状況下において、デジタル化が進展している現在、表面電位変化を数十μmオーダーの高分解能で測定を行う際にS/N比を確保しながら、分解能を上げる技術の確率が切望されている。 【0012】本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、高分解能でS/N比を向上させ、精度良く測定できる表面電位測定方法及び装置を提供することを目的とする。 【0013】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明は、表面に電位変化を伴う表面と、少なくとも1つの電位センサを相対的に移動させ、前記表面の電位変位により前記電位センサに誘導電流を発生させ、前記誘導電流の解析を行い、電位形状を測定する表面電位測定装置において、前記電位センサの検出部分の幅が測定する電位変化の幅より小さく、前記表面に垂直で、且つ、前記相対移動方向に平行となる面における前記検出部分の断面形状がエッジを持たない形状であり、前記誘導電流を解析することにより、表面電位形状を求めることを特徴とする。 【0014】また、本発明は、表面に電位変化を伴う表面と、少なくとも1つの電位センサを相対的に移動させ、前記表面の電位変位により前記電位センサに誘導電流を発生させ、前記誘導電流の解析を行い、電位形状を測定する表面電位測定装置において、前記電位センサの検出部分の幅が測定する電位変化の幅より小さく、前記検出部分が、被測定表面及び相対移動方向に垂直となる面に広がりを持つ板状の導電体で構成され、被測定表面に対向する面以外から誘導電流を受けないように、被測定表面に対向する面以外の導体部分にシールドを有し、前記誘導電流を解析することにより、表面電位形状を求めることを特徴とする。 【0015】また、本発明は、表面に電位変化を伴う表面と、少なくとも1つの電位センサを相対的に移動させ、前記表面の電位変位により前記電位センサに誘導電流を発生させ、前記誘導電流の解析を行い、電位形状を測定する表面電位測定装置において、前記電位センサの検出部分の幅が測定する電位変化の幅より小さく、前記検出部分が、被測定表面に対して鉛直方向に伸びる棒状の導電体で構成され、被測定表面に対向する面以外から誘導電流を受けないように、被測定表面に対向する面以外の導体部分にシールドを有し、前記誘導電流を解析することにより、表面電位形状を求めることを特徴とする。 【0016】更に、本発明は、表面に電位変化を伴う表面と、少なくとも1つの電位センサを相対的に移動させ、前記表面の電位変位により前記電位センサに誘導電流を発生させ、前記誘導電流の解析を行い、電位形状を測定する表面電位測定方法において、前記電位センサの検出部分の幅を測定する電位変化の幅より小さくし、前記表面に垂直で、且つ、前記相対移動方向に平行となる面における前記検出部分の断面形状をエッジを持たない形状にし、前記誘導電流を解析することにより、表面電位形状を求めることを特徴とする。 【0017】更に、本発明は、表面に電位変化を伴う表面と、少なくとも1つの電位センサを相対的に移動させ、前記表面の電位変位により前記電位センサに誘導電流を発生させ、前記誘導電流の解析を行い、電位形状を測定する表面電位測定方法において、前記電位センサの検出部分の幅を測定する電位変化の幅より小さくし、前記検出部分を、被測定表面及び相対移動方向に垂直となる面に広がりを持つ板状の導電体で構成し、被測定表面に対向する面以外から誘導電流を受けないように、被測定表面に対向する面以外の導体部分にシールドを有し、前記誘導電流を解析することにより、表面電位形状を求めることを特徴とする。 【0018】更に、本発明は、表面に電位変化を伴う表面と、少なくとも1つの電位センサを相対的に移動させ、前記表面の電位変位により前記電位センサに誘導電流を発生させ、前記誘導電流の解析を行い、電位形状を測定する表面電位測定方法において、前記電位センサの検出部分の幅を測定する電位変化の幅より小さくし、前記検出部分を、被測定表面に対して鉛直方向に伸びる棒状の導電体で構成し、被測定表面に対向する面以外から誘導電流を受けないように、被測定表面に対向する面以外の導体部分にシールドを有し、前記誘導電流を解析することにより、表面電位形状を求めることを特徴とする。 【0019】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明に係る実施の形態を詳細に説明する。 【0020】[第1の実施形態]図1は、第1の実施形態による表面電位形状測定の概略を示す模式図である。同図において、101は複写機等の電子写真に用いられる感光体ドラムの断面である。102は電位変化を伴う感光体ドラム表面である。103は電位測定手段として機能する電位測定装置であり、後述する少なくとも1つの電位センサと、これを支える絶縁性支持体により構成されている。 【0021】図2は、図1に示す電位測定装置103の詳細な構成を示す図である。同図において、201は電位センサ、202は絶縁性支持体、203は導線、そして、204は回路要素である。図示するように、電位センサ201は、表面102に垂直、且つ、電位センサ201と表面102との相対移動方向に平行となる面における電位センサ201の検出部分の断面が、エッジを持たない形状であることを特徴としている。 【0022】図3は、図2に示す電位測定装置103を側面から見た模式図である。図2及び図3に示すように、電位センサ201の検出部分は導線203により回路要素204に接続されている。 【0023】以上の構成において、電位センサ203と表面102との間に相対移動が生じたとき、電位の変化量をdV、相対移動速度をdx/dtとすると、電位センサ201には、dV/dt=(dV/dx)・(dx/dt)に比例する誘導電流が発生する。本実施形態では、相対移動速度は任意に設定できるため、検出した誘導電流には表面電位の傾きに関する情報を含んでいる。これを、積分解析することにより表面電位形状を測定することが可能となる。尚、解析時に用いる積分定数は、あらかじめ電位形状の分かっている表面を測定したときに、その形状を再現するように決定されている。 【0024】図4及び図5は、実際にダーク時の表面電位を100Vに設定して測定を行った結果を示す図である。ここで、図4は、600dpiの走査線密度のレーザ露光装置により形成した1画素(必要に応じてドットと呼ぶ)のデジタル潜像の測定結果であり、図5は600dpiの走査線密度のレーザ露光装置により形成した1ドット1スペースのデジタル潜像の測定結果である。図4に示す(a)、図5に示す(a)は検出波形、図4に示す(b)、図5に示す(b)は積分解析後の波形で、電位形状を示している。図から明らかなように、デジタル潜像を極めて高精度で測定することが可能である。本実施形態による解析法では、電位センサの検出部分の幅は、測定する電位変化の幅よりも小さいことが必要である。 【0025】尚、電位センサ201は、導電性ワイヤを用いて作成することができる。この場合、用いるワイヤの径は検出分解能を大きく左右する。基本的に、ワイヤ径は小さい方が望ましいが、小さくすると共に信号強度が低下するため、ワイヤ径には下限がある。ワイヤ系は、Φ1〜500μmの範囲内であることが望ましい。また、電位センサの信号検出部分の、相対移動方向を横切る方向における長さ、即ち、感光体ドラムの軸方向の長さは、検出する信号の強度を左右する。つまり、長くすると信号強度は増大するが、ワイヤの直線性や平行性が低下しやすく、分解能の低下につながりやすい。 【0026】このため、ワイヤの長さは0.2〜10mmの範囲内であることが望ましい。この場合、図1乃至図3に示すように、検出部分は測定する表面に対し、平行、且つ、相対移動方向に対し垂直になるように配置される。検出の分解能は、電位センサの検出部分の直線性及び平行性に対する依存性が強く、検知電極の直線性及び測定表面に平行、且つ、相対移動方向に垂直方向(図2の紙面に垂直方向)との平行性は、300%以内であることが好ましい。 【0027】本実施形態における検出信号、即ち、誘導電流は上述のように相対移動速度に比例している。つまり、相対移動速度を速くすることで、信号強度が増大し、S/Nの良い信号を得ることができる。しかしながら、速くし過ぎると、接続している回路要素等に起因する時定数の影響により、かえってS/Nが悪くなる場合が生じる。 【0028】このため、相対移動速度は、10〜10,000mm/secの範囲内であることが好ましい。また、相対移動中に電位センサと被測定表面との間の間隔(以下測定間隔と呼ぶ)が変化することはあまり好ましくない。そこで、本実施形態では電位センサと被測定表面の間隔を一定に保つ手段が設けられている。これは、種々の様々な手段によって達成することができる。 【0029】例えば、コロやスペーサーを用いてメカ的に一定間隔を保つ機構を設けたり、レーザ隙間センサや渦電流変位センサを用いて間隔をモニタし、常に一定間隔を保つようにモータ等で制御を行う方法などが挙げられる。更に、測定間隔の設定値は測定精度に影響を与える。表面の電位形状を測定するためには、測定間隔は小さい方が好ましい。しかし、あまり測定間隔を小さくしすぎると、電位センサと表面の間に放電が起り、電界が乱れてしまう場合が生じる。このため、測定間隔は、10〜300μmの範囲内であることが好ましい。 【0030】また、電位センサの検知電極に用いる材質は導電性の物質であればよい。中でもW,Au,Pt,Cu,Fe,Ti,Cr,Ag,Ta等の物質は、導電性に優れ、本発明の電位センサに適した材質である。その中で、Wは加工の容易さに優れており、電位センサ用の材料としてトータル的に最も適した材質である。 【0031】上述の測定法では、1つの電位センサからの信号で、相対移動方向に一次元の電位形状を得ることができる。本実施形態では、更に、複数の電位センサを配備することにより測定する表面の2次元の電位形状を測定することが可能である。これら複数の電極は、相対移動方向を横切る方向、即ち、図1乃至図3に示す装置において、感光体ドラムの軸方向、即ち、紙面にほぼ垂直方向に並べて配備される。 【0032】上述した装置構成において、電位センサと表面との相対移動は、感光体ドラムの回転により生じている。即ち、表面が電位センサに対して可動である。しかしながら、本実施形態の測定方法では、電位センサを表面に対して可動となる構成においても適用することが可能である。 【0033】[実験例及び実施例]以下、実験例及び実施例に基づいて具体的に説明する。尚、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、本実験における検出分解能は1画素に相当するデジタル潜像を測定したときに、得られた電位信号の1/e^2半値幅として評価を行った。 【0034】<実験例1>図1に示す電位形状測定装置を用い、400〜1200dpiの走査線密度のレーザ露光装置によるデジタル潜像の電位形状について測定した結果を図6に示す。測定条件は、表1に示す通りである。 【0035】 【表1】
【0036】図6より、検出分解能はワイヤ径に強く依存しており、ワイヤ径が小さくなると検出分解能が向上することが分かる。つまり、1200dpiのデジタル潜像の測定結果では、ワイヤ径がレーザスポット径(≒20μm)より小さくなると、レーザスポット径にかなり近い高分解能で電位形状を測定することができる。また同様に、600dpi、400dpiの場合においても、それぞれのレーザスポット径より小さい径では、スポット径に近い分解能が得られる。尚、ワイヤ径1μmの電位センサを用いた場合においても、十分S/N比の良い信号を得ることができる。 【0037】一方、信号強度に関しては、図1に示す構成において、ワイヤ径が大きくなるにつれ、信号強度も大きくなる。図7は、ワイヤ径と信号強度との相関について更に詳しく調べた結果を示す図である。この時の電位変化は、ワイヤ径よりも大きくなるように、幅2mmの像露光により形成した。図7に示すように、ワイヤ太さが500μmを超えると、信号強度も弱くなる結果が得られた。即ち、ワイヤ径が500μmを超える範囲においては、検出分解能、信号強度共に悪い結果となり、本発明による表面電位形状測定には、適さないことが分かる。 【0038】<実験例2>また、図1に示す電位形状測定装置を用い、電位センサに用いるワイヤの長さと信号強度及び検出分解能の関係について実験を行った結果を図8及び図9にそれぞれに示す。測定条件は、表2の通りである。 【0039】 【表2】
【0040】図8及び図9から明らかなように、ワイヤの長さと信号強度及び検出分解能の間には関連性が見られる。ワイヤの長さが長くなると共に、検出分解能は低下している。しかし、検出分解能の絶対値については、ワイヤの長さよりも、ワイヤ径に対する依存性の方が強い。このため、ワイヤの長さが長くなると、本来そのワイヤが持ちうる分解能まで到達できなくなると考えられる。図8に示す結果によれば、ワイヤ長さが10mmのとき、長さ1mmのときに比べ、2倍近く悪い結果になっている。このことから、10mmより長いワイヤは、あまり好ましくないことが分かる。 【0041】また、図9に示すように、長さが短くなると共に、信号強度が小さくなってしまい、0.2mmより短くなると、検出するのが困難であった。 【0042】<実験例3>また、図1に示す電位形状測定装置を用い、電位センサの検出部分の直線性及び並行性と検出分解の関係について実験を行った。図10は、この実験のために特別に製作した電位センサの、図3に示す方向から見た電位センサ検出部の拡大図である。図10に示すように、意図的に検出部分が曲がった形状になるように電位センサを製作し、直線性を図中に示すように定義した。また、図11は平行性の定義を表す模式図である。相対移動方向Xは、紙面に垂直方向で、Yは表面に垂直方向、ZはX及びYに垂直方向を表わしている。実験条件及び実験結果を表3及び図12にそれぞれ示す。 【0043】 【表3】
【0044】図12から明らかなように、ワイヤの直線性及び平行性と分解能の間には関連性があり、直線性及び平行性が悪くなると、検出分解能が低下した。しかし、検出分解能の絶対値については、ワイヤの直線性は平行性よりも、ワイヤ径に対する依存性の方が強い。このため、直線性や平行性が悪くなると、本来そのワイヤが持ちうる分解能まで到達できなくなると考えられる。図12に示す結果では、ワイヤの直線性及び平行性が300%を超えると、150%の時の検出分解能に比べ、2倍近く悪い結果になっている。このことから、ワイヤの直線性及び平行性は300%を超えるのは、好ましくないことがわかる。 【0045】<実験例4>また、図1に示す電位形状測定装置を用い、相対移動速度と信号強度及び測定した波形の歪みの関係について実験を行った結果を図13に示す。測定条件は、表4に示す通りである。 【0046】 【表4】
【0047】図13から明らかなように、相対移動速度が10[mm/sec]より遅くなると、信号強度が弱く、十分S/N比の良い波形を得ることができない。また、相対移動速度が10,000[mm/sec]より速くなると、測定系に起因する時定数の影響で、検出波形に歪みが生じるようになり、表面上の電位形状を正しく測定できなくなってしまう。 【0048】<実験例5>また、図1に示す電位形状測定装置を用い、測定間隔と検出分解能の関係について実験を行った結果を図14に示す。測定条件は、表5に示す通りである。 【0049】 【表5】
【0050】図14に示す結果を見ると、測定間隔が大きくなると共に、検出分解能が低下しているように見える。しかし、これは実際の電位が空間的な広がりを持っているためであり、測定系の問題ではない。表面近傍の電位形状を正しく評価するためには、測定間隔は200μm以下、より好ましくは100μm以下であることが好ましい。 【0051】つまり、電位形状の空間的な広がりの評価を行う場合においては、測定間隔は任意に設定できる。また、測定間隔を10[μm]より小さくすると、表面電位との電位センサの間で放電が起り、検出波形が著しく乱れ、表面電位形状を測定することができない。 【0052】[実施例1]次に、図1に示す電位形状測定装置を製作し、相対移動方向、即ち、図3に示す方向から見た電位センサの検出部分の形状が、図15に示す(a)〜(c)に示す形状の電位センサを製作し、表面電位形状の測定を行った場合を説明する。表6は、その結果を示すものである。 【0053】 【表6】
【0054】表6に示すように、図15に示す(a)〜(c)の3種類の形状では、検出分解能に大差は見られず、何れの形状もデジタル潜像を測定するのに十分な分解能を得ることができる。 【0055】これに対し、ワイヤ径が1〜500μmではなく、ワイヤ長さが0.2〜10mmではなく、ワイヤの直線性及び平行性が300%以内ではない電位センサを製作した場合には、デジタル潜像を測定するために十分な検出分解能又はS/N比を得ることができない。 【0056】[実施例2]次に、図1に示す電位形状測定装置を製作し、測定する表面に垂直、且つ、相対移動方向に平行となる面における電位センサの検出部分の断面形状、即ち、図2に示す方向から見た電位センサの検出部分の形状が、図16に示す(a)〜(c)の形状の電位センサを製作し、表面電位形状の測定を行った場合を説明する。表7は、その結果を示すものである。 【0057】 【表7】
【0058】表7に示すように、図16に示す(a)〜(c)の3種類の形状では、検出分解能に大差は見られず、何れの形状もデジタル潜像を測定するのに十分な分解能を得ることができる。 【0059】これに対し、図14に示す(d)のエッジを有する角型のセンサでは、表面と対向する面とエッジ部でその面と交わる面とで、それぞれ信号を拾ってしまい、デジタル潜像を測定するために十分な、分解能及びS/N比を得ることができない。 【0060】[実施例3]次に、図1に示す電位形状測定装置の電位センサを用い、平板型感光体及びベルト型感光体の表面電位形状測定を行った場合を説明する。表8は、その結果を示すものである。 【0061】 【表8】
【0062】表8に示すように、表面電位測定装置は、ドラム型の感光体だけでなく、平板型感光体及びベルト型感光体においても、デジタル潜像を測定するのに十分な分解能を得ることができる。 【0063】[実施例4]次に、図1に示す電位形状測定装置は、感光体ドラムの回転により電位センサと表面との相対移動が生じている。この装置を改良し、電位センサを感光体ドラムの軸方向に移動させて、感光体ドラムの軸方向の電位形状測定を行った場合を説明する。表9は、その結果を示すものである。 【0064】 【表9】
【0065】表9に示すように、電位センサが移動することにより、相対移動が生じる構成においても、デジタル潜像を測定するのに十分な分解能及び強度を得ることができる。この結果より、本実施形態による表面電位測定法は、電位センサと表面との相対移動が感光体ドラムの回転による構成、即ち、表面が電位センサに対して可動となる構成だけでなく、電位センサを表面に対して可動となる構成においても適用することが可能であることがわかる。 【0066】このように、第1の実施形態によれば、電位センサと被測定表面との相対移動により生じる誘導電流を検出、解析を行う表面電位測定において、測定する表面に垂直で、且つ、電位センサと表面との相対移動方向に平行となる面における、電位センサの検出部分の断面形状が、エッジを持たない形状であることを特徴とする電位センサを用いることで、従来の平板の導電体を検知電極に用いた電位センサに比べ、2〜3倍程度良い分解能を得ることができる。更に、電位センサは、検知電極の幅を小さくしても、信号強度を保つことができ、非常にS/N比の良い信号を得ることが可能となる。このため、従来測定が極めて難しいとされていたデジタル潜像を測定し、表面電位形状を評価することが可能となる。 【0067】[第2の実施形態]次に、図面を参照しながら本発明に係る第2の実施形態を詳細に説明する。 【0068】図17は、第2の実施形態による電位測定装置の詳細な構成を示す図である。同図において、301は電位センサ、302は支持体、303は導線、304は回路要素、305はシールド、そして、306は絶縁体である。図示するように、電位センサ301の検出部分が、被測定表面及び相対移動方向に垂直となる面に広がりを持つ板状の導電体で構成され、被測定表面に対向する面以外から誘導電流を受けないように、被測定表面に対向する面以外の導体部分にシールドを有することを特徴としている。 【0069】図18は、図17に示す電位測定装置を側面から見た模式図である。図17及び図18に示すように、電位センサ301の検出部分は導線303により回路要素304に接続されている。また、電位センサ301は、被測定面と対面する面以外の導体部分は絶縁体306を介してシールド305で覆われている。シールド305なしで表面電位の測定を行ったところ、被測定面と対面する面以外の面からも信号を拾ってしまうため、極めてS/N比が悪い信号しか得られず、デジタル潜像における電位形状を測定するに至らなかった。 【0070】以上の構成において、電位センサ301と表面102との間に相対移動が生じたとき、電位の変化量をdV、相対移動速度をdx/dtとすると、電位センサ301には、dV/dt=(dV/dx)・(dx/dt)に比例する誘導電流が発生する。本実施形態では、相対移動速度は任意に設定できるため、検出した誘導電流には表面電位の傾きに関する情報を含んでいる。これを、積分解析することにより表面電位形状を測定することが可能となる。尚、解析時に用いる積分定数は、あらかじめ電位形状の分かっている表面を測定したときに、その形状を再現するように決定されている。 【0071】図19及び図20は、実際にダーク時の表面電位を100Vに設定して測定を行った結果を示す図である。ここで、図19は、600dpiの走査線密度のレーザ露光装置により形成した1画素(必要に応じてドットと呼ぶ)のデジタル潜像の測定結果であり、図20は600dpiの走査線密度のレーザ露光装置により形成した1ドット1スペースのデジタル潜像の測定結果である。図19に示す(a)、図20に示す(a)は検出波形、図19に示す(b)、図20に示す(b)は積分解析後の波形で、電位形状を示している。図から明らかなように、デジタル潜像を極めて高精度で測定することが可能である。本実施形態による解析法では、電位センサの検出部分の幅は、測定する電位変化の幅よりも小さいことが必要である。 【0072】尚、電位センサ301は、板状の構造をしている。この場合、板の厚さ、即ち、検出部分の厚さは検出分解能を大きく左右する。基本的に、板の厚さは薄い方が望ましいが、薄くすると共に信号強度が低下するため、下限がある。厚さは、1〜500μmの範囲内であることが望ましい。また、電位センサの信号検出部分の、相対移動方向を横切る方向における長さ、即ち、感光体ドラムの軸方向の長さは、検出する信号の強度を左右する。つまり、長くすると信号強度は増大するが、被測定面との平行性が低下しやすく、分解能の低下につながりやすい。このため、検出部分の厚さは0.2〜10mmの範囲内であることが望ましい。 【0073】検出の分解能は、電位センサの検出部分の直線性及び平行性に対する依存性が強く、検知電極の直線性及び測定表面に平行、且つ、相対移動方向に垂直方向(図17の紙面に垂直方向)との平行性は、300%以内であることが好ましい。本実施形態における検出信号、即ち、誘導電流は上述のように相対移動速度に比例している。つまり、相対移動速度を速くすることで、信号強度が増大し、S/Nの良い信号を得ることができる。しかしながら、速くし過ぎると、接続している回路要素等に起因する時定数の影響により、かえってS/Nが悪くなる場合が生じる。 【0074】このため、相対移動速度は、10〜10,000mm/secの範囲内であることが好ましい。また、相対移動中に電位センサと被測定表面との間の間隔(以下測定間隔と呼ぶ)が変化することはあまり好ましくない。そこで、本実施形態では電位センサと被測定表面の間隔を一定に保つ手段が設けられている。これは、種々の様々な手段によって達成することができる。 【0075】例えば、コロやスペーサーを用いてメカ的に一定間隔を保つ機構を設けたり、レーザ隙間センサや渦電流変位センサを用いて間隔をモニタし、常に一定間隔を保つようにモータ等で制御を行う方法などが挙げられる。更に、測定間隔の設定値は測定精度に影響を与える。表面の電位形状を測定するためには、測定間隔は小さい方が好ましい。しかし、あまり測定間隔を小さくしすぎると、電位センサと表面の間に放電が起り、電界が乱れてしまう場合が生じる。このため、測定間隔は、10〜300μmの範囲内であることが好ましい。 【0076】上述の測定法では、1つの電位センサからの信号で、相対移動方向に一次元の電位形状を得ることができる。本実施形態では、更に、複数の電位センサを配備することにより測定する表面の2次元の電位形状を測定することが可能である。これら複数の電極は、相対移動方向を横切る方向、即ち、図17〜図18に示す装置において、感光体ドラムの軸方向、即ち、紙面にほぼ垂直方向に並べて配備される。 【0077】上述した装置構成において、電位センサと表面との相対移動は、感光体ドラムの回転により生じている。即ち、表面が電位センサに対して可動である。しかしながら、本実施形態の測定方法では、電位センサを表面に対して可動となる構成においても適用することが可能である。 【0078】[実験例及び実施例]以下、実験例及び実施例に基づいて具体的に説明する。尚、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、本実験における検出分解能は1画素に相当するデジタル潜像を測定したときに、得られた電位信号の1/e^2半値幅として評価を行った。 【0079】<実験例6>図17に示す電位形状測定装置を用い、400〜1200dpiの走査線密度のレーザ露光装置によるデジタル潜像の電位形状について測定した結果を図21に示す。測定条件は、表10に示す通りである。 【0080】 【表10】
【0081】図21より、検出分解能は検出部分の厚さに強く依存しており、厚さが薄くなると検出分解能が向上することが分かる。つまり、1200dpiのデジタル潜像の測定結果では、検出部分の厚さがレーザスポット径(≒20μm)より小さくなると、レーザスポット径にかなり近い高分解能で電位形状を測定することができる。また同様に、600dpi、400dpiの場合においても、それぞれのレーザスポット径より小さい径では、スポット径に近い分解能が得られる。尚、検出部分の厚さが1μmの電位センサを用いた場合においても、十分S/N比の良い信号を得ることができる。 【0082】一方、信号強度に関しては、図17に示す構成において、検出部分の厚さが大きくなるにつれ、信号強度も小さくなる。図22は、検出部分の厚さと信号強度との相関について更に詳しく調べた結果を示す図である。この時の電位変化は、検出部分の厚さよりも大きくなるように、幅2mmの像露光により形成した。図22に示すように、厚さが500μmを超えると、信号強度も弱くなる結果が得られた。即ち、厚さが500μmを超える範囲においては、検出分解能、信号強度共に悪い結果となり、本発明による表面電位形状測定には、適さないことが分かる。 【0083】<実験例7>また、図17に示す電位形状測定装置を用い、電位センサに用いる検出部分の長さと信号強度及び検出分解能の関係について実験を行った結果を図23及び図24にそれぞれに示す。測定条件は、表11の通りである。 【0084】 【表11】
【0085】図23及び図24から明らかなように、検出部分の長さと信号強度及び検出分解能の間には関連性が見られる。検出部分の長さが長くなると共に、検出分解能は低下している。しかし、検出分解能の絶対値については、検出部分の長さよりも、検出部分の厚さに対する依存性の方が強い。このため、検出部分の長さが長くなると、本来その厚さのセンサが持ちうる分解能まで到達できなくなると考えられる。図23に示す結果によれば、検出部分の長さが10mmのとき、長さ1mmのときに比べ、2倍近く悪い結果になっている。このことから、10mmより長いセンサは、あまり好ましくないことが分かる。 【0086】また、図24に示すように、長さが短くなると共に、信号強度が小さくなってしまい、0.2mmより短くなると、検出するのが困難であった。 【0087】<実験例8>また、図17に示す電位形状測定装置を用い、電位センサの検出部分の並行性と検出分解の関係について実験を行った。図25は、平行性の定義を表す模式図である。Xは相対移動方向、Yは紙面に垂直方向で、且つ表面に垂直方向、ZはX及びYに垂直方向を表わしている。実験条件及び実験結果を表12及び図26にそれぞれ示す。 【0088】 【表12】
【0089】図26から明らかなように、ワイヤの平行性と分解能の間には関連性があり、平行性が悪くなると、検出分解能が低下した。しかし、検出分解能の絶対値については、平行性よりも、検出部分の厚さに対する依存性の方が強い。このため、平行性が悪くなると、本来その厚さのセンサが持ちうる分解能まで到達できなくなると考えられる。図26に示す結果では、ワイヤの平行性が300%を超えると、150%の時の検出分解能に比べ、2倍近く悪い結果になっている。このことから、ワイヤの平行性は300%を超えるのは、好ましくないことがわかる。 <実験例9>また、図17に示す電位形状測定装置を用い、相対移動速度と信号強度及び測定した波形の歪みの関係について実験を行った結果を図27に示す。測定条件は、表13に示す通りである。 【0090】 【表13】
【0091】図27から明らかなように、相対移動速度が10[mm/sec]より遅くなると、信号強度が弱く、十分S/N比の良い波形を得ることができない。また、相対移動速度が10,000[mm/sec]より速くなると、測定系に起因する時定数の影響で、検出波形に歪みが生じるようになり、表面上の電位形状を正しく測定できなくなってしまう。 【0092】<実験例10>また、図17に示す電位形状測定装置を用い、測定間隔と検出分解能の関係について実験を行った結果を図28に示す。測定条件は、表14に示す通りである。 【0093】 【表14】
【0094】図28に示す結果を見ると、測定間隔が大きくなると共に、検出分解能が低下しているように見える。しかし、これは実際の電位が空間的な広がりを持っているためであり、測定系の問題ではない。表面近傍の電位形状を正しく評価するためには、測定間隔は200μm以下、より好ましくは100μm以下であることが好ましい。 【0095】つまり、電位形状の空間的な広がりの評価を行う場合においては、測定間隔は任意に設定できる。また、測定間隔を10[μm]より小さくすると、表面電位との電位センサの間で放電が起り、検出波形が著しく乱れ、表面電位形状を測定することができない。 【0096】[実施例5]次に、図17に示す電位形状測定装置を製作し、検出部分の厚さが異なる電位センサを製作し、表面電位形状の測定を行った場合を説明する。表15は、その結果を示すものである。 【0097】 【表15】
【0098】表15に示すように、、検出部分の厚さが1〜500μmの範囲内のセンサでは、何れもレーザスポット径に近い分解能で測定することができ、デジタル潜像を測定するのに十分な分解能を得ることができる。 【0099】これに対し、検出部分の厚さが1mmの電位センサを製作した場合には、デジタル潜像を測定するために十分な検出分解能又はS/N比を得ることができない。 【0100】[実施例6]次に、図17に示す電位形状測定装置を製作し、測定する表面に垂直、且つ、相対移動方向に平行となる面における電位センサの検出部分の断面形状、即ち、図17に示す方向から見た電位センサの検出部分の形状が、図29に示す(a)〜(c)の形状の電位センサを製作し、表面電位形状の測定を行った場合を説明する。表16は、その結果を示すものである。 【0101】 【表16】
【0102】表16に示すように、図29に示す(a)〜(c)の3種類の形状では、検出分解能に大差は見られず、何れの形状もデジタル潜像を測定するのに十分な分解能を得ることができる。 【0103】[実施例7]次に、図17に示す電位形状測定装置の電位センサを用い、平板型感光体及びベルト型感光体の表面電位形状測定を行った場合を説明する。表17は、その結果を示すものである。 【0104】 【表17】
【0105】表17に示すように、表面電位測定装置は、ドラム型の感光体だけでなく、平板型感光体及びベルト型感光体においても、デジタル潜像を測定するのに十分な分解能を得ることができる。 【0106】[実施例8]次に、図17に示す電位形状測定装置は、感光体ドラムの回転により電位センサと表面との相対移動が生じている。この装置を改良し、電位センサを感光体ドラムの軸方向に移動させて、感光体ドラムの軸方向の電位形状測定を行った場合を説明する。表18は、その結果を示すものである。 【0107】 【表18】
【0108】表18に示すように、電位センサが移動することにより、相対移動が生じる構成においても、デジタル潜像を測定するのに十分な分解能及び強度を得ることができる。この結果より、本実施形態による表面電位測定法は、電位センサと表面との相対移動が感光体ドラムの回転による構成、即ち、表面が電位センサに対して可動となる構成だけでなく、電位センサを表面に対して可動となる構成においても適用することが可能であることがわかる。 【0109】このように、第2の実施形態によれば、電位センサと被測定表面との相対移動により生じる誘導電流を検出、解析を行う表面電位測定において、電位センサの検出部分の断面形状が、被測定表面及び前記相対移動方向に垂直となる面に広がりを持つ板状の導電体で構成され、被測定表面に対向する面以外から誘導電流を受けないように、被測定表面に対向する面以外の導体部分にシールドを有することを特徴とする電位センサを用いることで、従来の平板の導電体を検知電極に用いた電位センサに比べ、2〜3倍程度良い分解能を得ることができる。更に、電位センサは、検知電極の幅を小さくしても、信号強度を保つことができ、非常にS/N比の良い信号を得ることが可能となる。このため、従来測定が極めて難しいとされていたデジタル潜像を測定し、表面電位形状を評価することが可能となる。 【0110】[第3の実施形態]次に、図面を参照しながら本発明に係る第3の実施形態を詳細に説明する。 【0111】図30は、第3の実施形態による電位測定装置の詳細な構成を示す図である。同図において、401は電位センサ、402は支持体、403は導線、そして、404は回路要素である。図示するように、電位センサ401の検出部分が、被測定表面に対して鉛直方向に伸びる棒状の導電体で構成され、被測定表面に対向する面以外から誘導電流を受けないように、被測定表面に対向する面以外の導体部分にシールドを有することを特徴としている。 【0112】電位センサ401の検出部分は導線403により回路要素404に接続されている。また、電位センサ401は、被測定面と対面する面以外の導体部分は絶縁体406を介してシールド405で覆われている。シールド405なしで表面電位の測定を行ったところ、被測定面と対面する面以外の面からも信号を拾ってしまうため、極めてS/N比が悪い信号しか得られず、デジタル潜像における電位形状を測定するに至らなかった。 【0113】以上の構成において、電位センサ401と表面102との間に相対移動が生じたとき、電位の変化量をdV、相対移動速度をdx/dtとすると、電位センサ401には、dV/dt=(dV/dx)・(dx/dt)に比例する誘導電流が発生する。本実施形態では、相対移動速度は任意に設定できるため、検出した誘導電流には表面電位の傾きに関する情報を含んでいる。これを、積分解析することにより表面電位形状を測定することが可能となる。尚、解析時に用いる積分定数は、あらかじめ電位形状の分かっている表面を測定したときに、その形状を再現するように決定されている。 【0114】図31及び図32は、実際にダーク時の表面電位を100Vに設定して測定を行った結果を示す図である。ここで、図31は、600dpiの走査線密度のレーザ露光装置により形成した1画素(必要に応じてドットと呼ぶ)のデジタル潜像の測定結果であり、図32は600dpiの走査線密度のレーザ露光装置により形成した1ドット1スペースのデジタル潜像の測定結果である。図31に示す(a)、図32に示す(a)は検出波形、図31に示す(b)、図32に示す(b)は積分解析後の波形で、電位形状を示している。図から明らかなように、デジタル潜像を極めて高精度で測定することが可能である。本実施形態による解析法では、電位センサの検出部分の幅は、測定する電位変化の幅よりも小さいことが必要である。 【0115】尚、電位センサ401は、棒状の構造をしている。この場合、電位センサ401の検出部分の被測定表面と対向する面の幅は、検出分解能を大きく左右する。基本的に、被測定表面と対向する面の幅(以下、検出部分の幅と呼ぶ)及び面積は小さい方が望ましい。しかしながら、検出部分の幅が小さくなると、信号強度が低下するため、下限がある。検出部分の幅は、1〜500μmの範囲内であることが望ましい。 【0116】本実施形態における検出信号、即ち、誘導電流は上述のように相対移動速度に比例している。つまり、相対移動速度を速くすることで、信号強度が増大し、S/Nの良い信号を得ることができる。しかしながら、速くし過ぎると、接続している回路要素等に起因する時定数の影響により、かえってS/Nが悪くなる場合が生じる。 【0117】このため、相対移動速度は、10〜10,000mm/secの範囲内であることが好ましい。また、相対移動中に電位センサと被測定表面との間の間隔(以下測定間隔と呼ぶ)が変化することはあまり好ましくない。そこで、本実施形態では電位センサと被測定表面の間隔を一定に保つ手段が設けられている。これは、種々の様々な手段によって達成することができる。 【0118】例えば、コロやスペーサーを用いてメカ的に一定間隔を保つ機構を設けたり、レーザ隙間センサや渦電流変位センサを用いて間隔をモニタし、常に一定間隔を保つようにモータ等で制御を行う方法などが挙げられる。更に、測定間隔の設定値は測定精度に影響を与える。表面の電位形状を測定するためには、測定間隔は小さい方が好ましい。しかし、あまり測定間隔を小さくしすぎると、電位センサと表面の間に放電が起り、電界が乱れてしまう場合が生じる。このため、測定間隔は、10〜300μmの範囲内であることが好ましい。 【0119】上述の測定法では、1つの電位センサからの信号で、相対移動方向に一次元の電位形状を得ることができる。本実施形態では、更に、複数の電位センサを配備することにより測定する表面の2次元の電位形状を測定することが可能である。これら複数の電極は、相対移動方向を横切る方向、即ち、図30に示す装置において、感光体ドラムの軸方向、即ち、紙面にほぼ垂直方向に並べて配備される。上述した装置構成において、電位センサと表面との相対移動は、感光体ドラムの回転により生じている。即ち、表面が電位センサに対して可動である。しかしながら、本実施形態の測定方法では、電位センサを表面に対して可動となる構成においても適用することが可能である。 【0120】[実験例及び実施例]以下、実験例及び実施例に基づいて具体的に説明する。尚、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、本実験における検出分解能は1画素に相当するデジタル潜像を測定したときに、得られた電位信号の1/e^2半値幅として評価を行った。 【0121】<実験例11>図30に示す電位形状測定装置を用い、400〜1200dpiの走査線密度のレーザ露光装置によるデジタル潜像の電位形状について測定した結果を図33に示す。測定条件は、表19に示す通りである。 【0122】 【表19】
【0123】図33より、検出分解能は検出部分の幅に強く依存しており、幅が小さくなると検出分解能が向上することが分かる。つまり、1200dpiのデジタル潜像の測定結果では、検出部分の幅がレーザスポット径(≒20μm)より小さくなると、レーザスポット径にかなり近い高分解能で電位形状を測定することができる。また同様に、600dpi、400dpiの場合においても、それぞれのレーザスポット径より小さい径では、スポット径に近い分解能が得られる。尚、検出部分の幅が1μmの電位センサを用いた場合においても、十分S/N比の良い信号を得ることができる。 【0124】一方、信号強度に関しては、図30に示す構成において、検出部分の幅が厚くなるにつれ、信号強度も小さくなる。図34は、検出部分の幅と信号強度との相関について更に詳しく調べた結果を示す図である。この時の電位変化は、検出部分の幅よりも大きくなるように、幅2mmの像露光により形成した。図34に示すように、幅が500μmを超えると、信号強度も弱くなる結果が得られた。即ち、幅が500μmを超える範囲においては、検出分解能、信号強度共に悪い結果となり、本発明による表面電位形状測定には、適さないことが分かる。 【0125】<実験例12>また、図30に示す電位形状測定装置を用い、相対移動速度と信号強度及び測定した波形の歪みの関係について実験を行った結果を図35に示す。測定条件は、表20に示す通りである。 【0126】 【表20】
【0127】図35から明らかなように、相対移動速度が10[mm/sec]より遅くなると、信号強度が弱く、十分S/N比の良い波形を得ることができない。また、相対移動速度が10,000[mm/sec]より速くなると、測定系に起因する時定数の影響で、検出波形に歪みが生じるようになり、表面上の電位形状を正しく測定できなくなってしまう。 【0128】<実験例13>また、図30に示す電位形状測定装置を用い、測定間隔と検出分解能の関係について実験を行った結果を図36に示す。測定条件は、表21に示す通りである。 【0129】 【表21】
【0130】図36に示す結果を見ると、測定間隔が大きくなると共に、検出分解能が低下しているように見える。しかし、これは実際の電位が空間的な広がりを持っているためであり、測定系の問題ではない。表面近傍の電位形状を正しく評価するためには、測定間隔は200μm以下、より好ましくは100μm以下であることが好ましい。 【0131】つまり、電位形状の空間的な広がりの評価を行う場合においては、測定間隔は任意に設定できる。また、測定間隔を10[μm]より小さくすると、表面電位との電位センサの間で放電が起り、検出波形が著しく乱れ、表面電位形状を測定することができない。 【0132】[実施例9]次に、図30に示す電位形状測定装置を製作し、図37に示すようなシールド形状の異なる電位センサを製作し、表面電位形状の測定を行った場合を説明する。表22は、その結果を示すものである。 【0133】 【表22】
【0134】表22に示すように、、図37に示すシールド部分の形状は、何れもデジタル潜像を測定するのに十分な分解能を得ることができる。この結果、検出分解能は、シールドの形状には依存しないことが分かる。 【0135】これに対し、シールド無しで行った場合、側面からの信号が支配的になるため、デジタル潜像を測定するのに十分な検出分解能又はS/N比を得ることができない。 【0136】[実施例10]次に、図30に示す電位形状測定装置を製作し、相対移動方向から見た電位センサの検出部分の形状が、図38に示す(a)〜(d)の形状の電位センサを製作し、表面電位形状の測定を行った場合を説明する。表23は、その結果を示すものである。 【0137】 【表23】
【0138】表23に示すように、図38に示す(a)〜(d)の4種類の形状では、検出分解能に大差は見られず、何れの形状もデジタル潜像を測定するのに十分な分解能を得ることができる。 【0139】[実施例11]次に、図30に示す電位形状測定装置の電位センサを用い、平板型感光体及びベルト型感光体の表面電位形状測定を行った場合を説明する。表24は、その結果を示すものである。 【0140】 【表24】
【0141】表24に示すように、表面電位測定装置は、ドラム型の感光体だけでなく、平板型感光体及びベルト型感光体においても、デジタル潜像を測定するのに十分な分解能を得ることができる。 【0142】[実施例12]次に、図30に示す電位形状測定装置は、感光体ドラムの回転により電位センサと表面との相対移動が生じている。この装置を改良し、電位センサを感光体ドラムの軸方向に移動させて、感光体ドラムの軸方向の電位形状測定を行った場合を説明する。表25は、その結果を示すものである。 【0143】 【表25】
【0144】表25に示すように、電位センサが移動することにより、相対移動が生じる構成においても、デジタル潜像を測定するのに十分な分解能及び強度を得ることができる。この結果より、本実施形態による表面電位測定法は、電位センサと表面との相対移動が感光体ドラムの回転による構成、即ち、表面が電位センサに対して可動となる構成だけでなく、電位センサを表面に対して可動となる構成においても適用することが可能であることがわかる。 【0145】このように、第3の実施形態によれば、電位センサと被測定表面との相対移動により生じる誘導電流を検出、解析を行う表面電位測定において、電位センサの検出部分が、被測定表面に対して鉛直方向に伸びる棒状の導電体で構成され、被測定表面に対向する面以外から誘導電流を受けないように、被測定表面に対向する面以外の導体部分にシールドを有することを特徴とする電位センサを用いることで、従来の平板の導電体を検知電極に用いた電位センサに比べ、2〜3倍程度良い分解能を得ることができる。更に、電位センサは、検知電極の幅を小さくしても、信号強度を保つことができ、非常にS/N比の良い信号を得ることが可能となる。このため、従来測定が極めて難しいとされていたデジタル潜像を測定し、表面電位形状を評価することが可能となる。 【0146】尚、本発明は複数の機器(例えば、ホストコンピュータ,インタフェイス機器,リーダ,プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機,ファクシミリ装置など)に適用してもよい。 【0147】また、本発明の目的は前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(CPU若しくはMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。 【0148】この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。 【0149】プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えばフロッピーディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROMなどを用いることができる。 【0150】また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。 【0151】更に、記憶媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。 【0152】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、高分解能でS/N比を向上させ、精度良く測定できる表面電位測定方法及び装置を提供することが可能となる。 【0153】
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000001007 【氏名又は名称】キヤノン株式会社
|
| 【出願日】 |
平成9年(1997)12月24日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】大塚 康徳 (外2名)
|
| 【公開番号】 |
特開平11−183542 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)7月9日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−355009 |
|