| 【発明の名称】 |
光変調装置および光電界センサ |
| 【発明者】 |
【氏名】戸叶 祐一
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| 【要約】 |
【課題】光学バイアスが偏倚した光変調素子であっても、測定の過程で光変調素子の光学バイアスが偏倚した場合であっても、感度、直線性の低下を最小限に抑制される光変調装置と、併せてこの光変調装置を用いた光電界センサを提供する。
【解決手段】光変調器20には、いろいろな光学バイアスをもつ複数の光変調素子21,22を用い、これらの中で、直流成分を除去したのち、もっとも高い出力信号のみを選択的に出力する構成とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 光源、前記光源の出力光を入射し、印加される電圧に依存して光強度に変調して出射する光変調器、前記出射された光を検出し電気信号に変換する光検出器、前記光源と前記光変調器、および該光変調器と前記光検出器を、それぞれ光学的に接続する光ファイバからなる光変調装置において、前記光変調器は、複数の光変調素子からなり、前記光検出器は、前記光変調素子のそれぞれに対応した複数の光電変換器および該光電変換器の信号出力が入力される一つの演算回路からなり、該演算回路は、前記光電変換器の出力信号のうち、直流成分を除去したのち、もっとも高い出力信号のみを選択的に出力するように構成されたことを特徴とする光変調装置。 【請求項2】 前記光変調器を構成する複数の光変調素子は、零電圧印加において、印加電圧上昇に対する出射光強度が、すべての光変調素子について増加し、または、すべての光変調素子について減少し、温度変化に依存する出射光強度が、すべての光変調素子について増加し、または、すべての光変調素子について減少し、かつ、少なくとも一つの光変調素子は、出射光強度の最大値と最小値の中間よりも高い出射光強度を示し、少なくとも他の一つの光変調素子は、出射光強度の最大値と最小値の中間よりも低い出射光強度を示すことを特徴とする請求項1記載の光変調装置。 【請求項3】 前記光源は、前記複数の光変調素子よりも少ない一つ以上の光発生源からなり、少なくとも一つの前記光発生源の出射光は分岐されて前記光変調器に入射されるように構成されたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の光変調装置。 【請求項4】 前記光変調素子のうち二つ以上の光変調素子が、一つの基板上に形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の光変調装置。 【請求項5】 前記基板は、電気光学効果を示す材料からなることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の光変調装置。 【請求項6】 光変調素子が形成される基板は、ニオブ酸リチウムであることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の光変調装置。 【請求項7】 請求項1ないし請求項6のうちいずれか記載の光変調装置を搭載し、電界に応じて交流電圧を誘起し前記光変調装置に印加するアンテナが接続されたことを特徴とする光電界センサ。 【請求項8】 前記アンテナと前記光変調素子との間に、共振回路用素子を接続し、前記アンテナ、前記共振回路用素子、および前記光変調素子の間で共振回路を構成することを特徴とする請求項7記載の光電界センサ。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、光変調装置に関し、さらに、これを用いた光電界センサに関する。 【0002】 【従来の技術】電気光学効果を利用した導波路型の光変調器において、印加電圧に対し、光変調して出射される光強度を決定する特性は、周期的に変化する曲線としてあらわされる。特性曲線は、正弦波曲線で表され、その周期を波長電圧という。特性曲線の振幅は、光源からの入射光強度に依存する。 【0003】光変調器の出射光強度は、電圧が印加されない(零電圧印加)ときの出射光強度(以下、光学バイアスという)を中心として変化する。一般に、光変調器は、光学バイアスが、特性曲線上の最大および最小の出射光強度の中間(以下、単に中点という)と一致した状態で用いることが望ましい。特性曲線の勾配が中点において最大であるため、もっとも高い感度が得られること、および中点近傍でもっとも直線性が優れているために、波形歪みが小さい光信号出力が得られることがその理由である。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、現実には、光学バイアスが特性曲線の中点に一致するように光変調器を作製することには、多くの困難な問題があって、実現されないことがある。また、光変調器には、温度に依存する特性があるため、環境温度の変化に伴い、光学バイアスが偏倚し、出射光強度にドリフトが生じる。さらには、光変調器を構成するニオブ酸リチウムなどの基板には、波長に依存して一定強度以上の入射光によって、光損傷と呼ばれる光誘起屈折率変化が生じ、光学バイアスが可逆的に偏倚することも知られている。光学バイアスが特性曲線上の中点から偏倚することは、光変調器の感度の低下と直線性の低下を招き、この光変調器を用いて得られた結果に対する信頼低下を引き起こす可能性がある。 【0005】本発明は、光学バイアスが偏倚した光変調素子であっても、あるいは、稼動の過程で光変調素子の光学バイアスが偏倚した場合であっても、感度、直線性の低下を最小限に抑制した光変調装置を提供し、併せて、この光変調装置を用いて構成される光電界センサを提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明は、光源、光源の出力光を入射し、印加される電圧に依存して光強度に変調して出射する光変調器、出射された光を検出し電気信号に変換する光検出器、光源と光変調器、および光変調器と光検出器を、それぞれ光学的に接続する光ファイバからなる光変調装置において、光変調器は、複数の光変調素子からなり、光検出器は、光変調素子のそれぞれに対応した複数の光電変換器および光電変換器の信号出力が入力される一つの演算回路からなり、演算回路は、光電変換器の出力信号のうち、直流成分を除去したのち、もっとも高い出力信号のみを選択的に出力するように構成された光変調装置である。 【0007】本発明の光変調装置において、光変調器を構成する複数の光変調素子は、零電圧印加において、(1)印加電圧上昇に対する出射光強度が、すべての光変調素子について増加し、または、すべての光変調素子について減少し、(2)温度変化に依存する出射光強度が、すべての光変調素子について増加し、または、すべての光変調素子について減少し、(3)かつ、少なくとも一つの光変調素子は、出射光強度の最大値と最小値の中間よりも高い出射光強度を示し、少なくとも他の一つの光変調素子は、出射光強度の最大値と最小値の中間よりも低い出射光強度を示すことを特徴とする。 【0008】また、本発明の光変調装置において、光源は、複数の光変調素子よりも少ない一つ以上の光発生源からなり、少なくとも一つの光発生源の出射光は分岐されて光変調器に入射されるように構成されたことを特徴とする。本発明の光変調装置において、基板は、電気光学効果を示すニオブ酸リチウムなどの材料からなり、一つの基板上に二つ以上の光変調素子が形成されていることを特徴とする。 【0009】さらに、本発明は、前記の光変調装置を搭載し、電界に応じて交流電圧を誘起し光変調装置に印加するアンテナが接続された光電界センサである。 【0010】また、本発明による光電界センサは、アンテナと光変調素子との間に、共振回路用素子を接続し、アンテナ、共振回路用素子、および光変調素子の間で共振回路を構成することを特徴とする。 【0011】 【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。 【0012】図1は、本発明による光変調装置の構成を示す図である。図2は、光変調器の構成を示す図である。 【0013】図1において、光源30は、1個の光発生源からなっており、光源30の出射光は、光ファイバ70をとおり、2分岐されて二つの光変調素子21,22に入射される。二つの光変調素子21,22は、図2に示されるように、電気光学効果を示すニオブ酸リチウム結晶を用い、Z板からなる1枚の基板11上に並べて構築されている。光変調素子21,22の変調電極15には、同一の電気信号が印加される構造となっている。 【0014】図3は、二つの光変調素子21,22の、室温を中心とする温度T1,T2(T1<室温<T2とする)における、印加電圧と出射光強度の関係を示す特性曲線を、それぞれ定性的に示す図である。 【0015】図3において、A0,B0は、それぞれ光変調素子21,22の、室温における光学バイアスである。A1,B1は、それぞれ光変調素子21,22の温度T1における光学バイアスである。そして、A2,B2は、同様に、温度T2における光学バイアスである。 【0016】電圧を印加しない状態で、二つの光変調素子21,22の出射光強度は、印加電圧上昇に対して、いずれも増加する傾向にある。室温において、光変調素子21の光学バイアスA0は中点よりも低く、光変調素子22の光学バイアスB0は中点よりも高い。温度依存性があるために、光変調素子21,22の周りの温度が高くなると、二つの特性曲線は、ともに印加電圧が低い方向(左)にシフトし、光学バイアスは上昇する。反対に、周りの温度が低下すると、二つの特性曲線は印加電圧が高い方向(右)にシフトし、光学バイアスは低下する。 【0017】光変調器20を構成する各光変調素子21,22の変調電極15に印加された電圧は、それぞれ光信号に変調され、光ファイバ73,74を経由して光検出器40に入射される。光検出器40は、光変調素子21,22に対応した光電変換器41,42と一つの演算回路43から構成される。光変換器41,42から出力される電気信号は、演算回路43に入力される。演算回路43は、各入力信号の直流成分を除去したのち、強度を比較し、もっとも高い強度の信号を選択して出力するように設定されている。 【0018】二つの光変調素子21,22が、互いに光学バイアスが相違するのみで、特性曲線が等しければ、同一入力信号に対して、中点により近い光学バイアスにある光変調素子による変調信号が、より高い出力となる。このように、一方の光変調素子の感度が低下した場合においても、演算回路によって、他の一方の出力信号に切り替えられ、その影響を最小限に抑制して入力電圧の測定を行うことができる。 【0019】図3に示す特性をもつ二つの光変調素子を用いた場合には、高い温度(T2)においては、A2,B2のうち、より中点に近い光学バイアスA2を示す光変調素子21の光信号が、演算回路の出力信号となる。低い温度(T1)の場合には、光学バイアスA2を示す光変調素子22の光信号が、演算回路の出力信号となる。 【0020】前述した本発明による光変調装置を用いた光電界センサの実施例について述べる。 【0021】図4は、本発明による光電界センサの構成を示す図である。 【0022】アンテナ51に誘起された電気信号を光変調器20に入力するように接続すれば、光電界センサが構成され、空間電界強度の測定が可能となる。放送波等の受信もできる。 【0023】さらに、共振回路用素子52,53を有するアンテナとし、アンテナ51、共振回路用素子52、光変調素子21の間で共振回路を構成するようにすれば、変調電極に印加される電圧が増幅され、感度を高めることができる。アンテナ51、共振回路用素子53、光変調素子22の間でも、同様の共振回路が構成される。アンテナ51は、複数の光変調素子に共通で、共振回路用素子は共通でもよく、光変調素子ごとに接続する構成としてもよい。 【0024】とくに屋外で使われる光電界センサの場合、環境温度の変化は避けられず、これに対応できる特性が求められる。 【0025】本実施の形態に用いた二つの光変調素子21,22は、つぎのとおりである。組み込まれた二つの光変調素子21,22の半波長電圧(Vπ)は、12Vを示す。光変調素子21の光学バイアスは、温度−10℃において、中点よりも下に、温度50℃で中点よりも上にそれぞれ偏倚し、特性曲線上の中点は、それぞれ+6V、−4Vを示した。光変調素子22の光学バイアスは、−10℃で中点よりも下に、温度50℃で上にそれぞれ偏倚し、特性曲線上の中点はそれぞれ+4V、−6Vを示した。 【0026】このように、温度変化に伴い、個々の光変調素子には、出射光強度が変化しても、演算回路による、直流成分を除いたあとの信号強度が大きい方を出力する機能により、光電界センサとしての温度依存性を最小に保って、信頼性の高い測定を可能としている。 【0027】波長に依存して、一定強度以上の入射光によって引き起こされる、いわゆる光損傷が、上記の温度依存性による光学バイアスの偏倚と同じような現象として現れる。この現象に対しても、本発明のように、光学バイアスが異なる複数の光変調素子からなる光変調器を用いることによって、その影響を最小に抑制することができる。 【0028】さらに、種々の大きさの光学バイアスを有する多数の光変調素子から構成される光変調器は、測定温度範囲の拡大のみならず、測定電圧、あるいは測定電界強度に対して安定で、かつ広範なダイナミックレンジを有する光変調装置、あるいは光電界センサを可能とする。 【0029】多数の光変調素子から構成される光変調器に対して、光変調素子に対応する数の光源を備えることは、多くの無駄を生じる。したがって、光源は、一つの光発生源でも、出力光を分岐して複数の光変調素子に入射する構成とすればよい場合もある。あるいは、複数の光発生源が必要であっても、光変調素子よりも少ない数で済み合理的である。 【0030】演算回路は、光検出器の出力信号を入力し、比較判別・制御のみならず、各入力信号を合成して出力する機能もあり、複数の光変調素子に入力された電気信号を、最終的に合成して出力する光変調装置、あるいは光電界センサを実現することもできる。 【0031】本発明による光変調装置、および光電界センサは、すでに述べた以外に、つぎのような特徴を有する。すなわち、光変調器によって変調された光信号は、伝送損失が小さく、かつ敷設環境からのノイズの侵入のおそれがない光ファイバを伝送されるため、遠隔地の電界を測定することができる。さらに、光変調器自体は、いわゆる無給電で稼働できる。 【0032】 【発明の効果】以上、説明したように、光変調素子の光学バイアスが偏倚している場合であっても、本発明の光変調装置によって、感度、直線性の低下を最小限に抑えることができる。また、この光変調装置にアンテナを備えることによって構成される光電界センサは、光変調器が過酷な温度環境に設置されたとしても、あるいは、強い入力光に起因して、光変調器が光誘起屈折率変化による光学バイアスの変動を招いても、その影響を最小限に抑える効果がある。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000134257 【氏名又は名称】株式会社トーキン
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)12月16日 |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開平11−183539 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)7月9日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−364094 |
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