| 【発明の名称】 |
磁気測定装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】赤松 里志
|
| 【要約】 |
【課題】磁界・電磁波ノイズの大きさの他に、周波数や各周波数帯域毎の磁界・電磁波ノイズの大きさ等を表示することができる磁気測定装置を提供する。
【解決手段】磁気センサ2により磁界を検出し、その検出信号を計測部3の増幅回路10により増幅し、演算部4のローパスフィルタ13により高周波ノイズを除去した後A−D変換回路14でディジタル信号に変換し、演算回路15により検出した磁界の時間軸領域のデータ及び周波数領域のデータを演算算出し、表示部6に表示する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 磁界を検出する磁気センサと、前記磁気センサの出力信号を増幅する増幅回路と、前記増幅器の出力信号に基づいて前記検出した磁界の時間軸領域のデータ及び周波数領域のデータを算出する演算手段と、前記算出された各データを表示する表示手段とを備えたことを特徴とする磁気測定装置。 【請求項2】 前記演算手段は、高速フーリエ変換演算回路を備えることを特徴とする請求項1に記載の磁気測定装置。 【請求項3】 前記増幅回路から出力された信号の実効値を出力する実効値演算回路と、前記実効値を表示する表示手段とを更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の磁気測定装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、磁界を検出してその大きさ、時間軸領域のデータ、周波数領域のデータ等を表示する磁気測定装置に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、電磁波ノイズ対策が強く要求されてきている。この電磁波ノイズ対策は、EMC(電磁環境適合性、或いは電磁波干渉)と称され、テレビ、携帯電話器、複写機、工具、工作機械等の全ての電気・電子機器から電磁波ノイズを出さないエミッション(電磁エネルギ放射現象)対策と、他の電気・電子機器から放射された電磁波ノイズを受けても誤動作しないイミュニティ(電磁エネルギ感受現象)対策の両方を考慮する必要がある。 【0003】ところで、磁界を測定する磁気測定装置としてガウスメータと称される測定器がある。このガウスメータは、磁界を検出するホールセンサ等の磁気センサと、この磁気センサから出力される電気信号を増幅する増幅回路と、増幅された信号により検出した磁界の大きさ(強さ)を表示する表示回路等により構成されており、各種の電気・電子機器の磁界を測定するものである。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来の磁気測定装置は、磁界の大きさを測定して単に表示する(実効値表示)だけのものであり、例えば、モータ等の磁界波形の解析や、各種の装置や電気・電子機器から放射される磁界・電磁波ノイズの周波数、パワースペクトル、オーバオール値等を解析することができず、磁界・電磁波ノイズの全体像を把握することができない。このため、各種モータを設計する際の磁界の最適化を図ったり、或いは、各種の電気・電子機器から放射される磁界・電磁波ノイズに対して有効な対策をとることができない。 【0005】従って、場合によっては、必要以上の電磁波ノイズ対策例えば、直流磁界を含む低周波ノイズから電磁波に至る高周波ノイズまでの広範囲に亘る磁界・電磁波ノイズに対処するために、パーマロイ等の高価な磁気シールド部材を施すことがあり、コストが非常に高くなる等の問題がある。このため、有効なEMC対策を図る上で磁界や電磁波ノイズの大きさ(強さ)の他に、周波数、パワースペクトル、オーバオール値等を正確に測定して表示することができる磁気測定装置が要望されている。 【0006】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもので、磁界・電磁波ノイズの大きさの他に、周波数や各周波数帯域毎の磁界・電磁波ノイズの大きさ等を表示することができる磁気測定装置を提供することを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために請求項1の発明では、磁界を検出する磁気センサと、前記磁気センサの出力信号を増幅する増幅回路と、前記増幅器の出力信号に基づいて前記検出した磁界の時間軸領域のデータ及び周波数領域のデータを算出する演算手段と、前記算出された各データを表示する表示手段とを備えたことを特徴とする。 【0008】磁気センサにより磁界を検出し、この磁気センサの出力信号に基づいて演算手段により前記検出した磁界の時間軸領域のデータや、周波数領域のデータ等を表示部に表示する。請求項2の発明では、前記演算手段は、高速フーリエ変換演算回路を備えることを特徴とする。 【0009】演算手段として高速フーリエ変換演算回路を使用することで、検出した磁界の解析及び演算処理を迅速に、且つ高精度に行うことが可能となる。請求項3の発明では、前記増幅回路から出力された信号の実効値を出力する実効値演算回路と、前記実効値を表示する表示手段とを更に備えたことを特徴とする。 【0010】磁気測定装置は、検出した磁界の実効値を表示することで、通常の磁気測定装置としての機能を持たせることができる。 【0011】 【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面により詳細に説明する。図1は、本発明に係る磁気測定装置の回路構成を示すブロック図である。図1において、磁気測定装置1は、磁気センサ2と、計測部3、演算部4及び表示部5、6等により構成されている。磁気センサ2は、磁界を検出して対応する電気信号を出力する。この磁気センサ2としては、例えば、ホール素子、磁気抵抗素子(MR素子)、磁気インピーダンス効果素子(MI素子)等がある。ホール素子は、比較的大きな磁界(数マイクロテスラ(μT)〜数テスラ(T))の測定に、磁気抵抗素子及び磁気インピーダンス効果素子は、微小な磁界(数マイクロテスラ(μT)〜ナノテスラ(nT))の測定に適している。 【0012】計測部3は、磁気センサ2の不平衡電圧を取り除くためのバランス回路10と、磁気センサ2の出力信号を増幅する増幅回路11とを備えている。演算部4は、増幅回路11の出力信号の実効値を演算して実効値信号を出力する実効値演算回路12、増幅回路11の出力信号に含まれる高周波ノイズ成分(例えば、20kHz以上)を除去するローパスフィルタ13と、ローパスフィルタ13を通して入力されるアナログ信号を対応するディジタル信号に変換するアナログ−ディジタル変換回路(以下A−D変換回路)という)14と、入力されるディジタル信号を高速演算処理する高速演算回路15等により構成されている。高速演算回路15は、例えば、FFT(高速フーリエ変換)演算回路により構成されており、入力するディジタル信号のフーリエ変換を高速で行い、検出した磁界・電磁波ノイズを解析して時間軸領域のデータとしての時間軸波形、及び周波数領域のデータとしてのパワースペクトルやオーバオール値等を演算算出する。高速演算回路15は、時間軸波形信号を一定の周波数に分割し各周波数帯域毎の磁界の強度を周波数の関数として表したパワースペクトルに変換したり、各周波数帯域毎のパワースペクトルの磁界強度を表す値(オーバオール値)を算出する。 【0013】表示部5は、例えば、発光ダイオード(LED)表示部とされ、実効値演算回路12から出力される実効値信号に基づいて検出した磁界・電磁波ノイズの実効値を表示する。表示部6は、液晶(LCD)表示部とされ、高速演算回路15から出力される信号に基づいて検出した磁界・電磁波ノイズの時間軸波形、パワースペクトル、オーバオール値等を表示する。表示部6における前記各表示は、切替スイッチを切り換えることで表示される。 【0014】以下に回路動作を説明する。磁気センサ2は、磁界が無い(磁界0)状態でバランス回路10により不平衡電圧が除去され、この状態で測定すべき磁界を検出し、磁界に応じた電気信号を出力する。この電気信号は、増幅回路11により増幅されて実効値演算回路12及びローパスフィルタ13に入力される。実効値演算回路12は、増幅器11から入力された信号の実効値を演算して表示部5に表示する。これにより、検出した磁界・電磁波ノイズの大きさ(強さ)が実効値表示される。 【0015】また、増幅回路11から出力された信号は、ローパスフィルタ13により高周波成分(例えば、20kHz以上)が除去され、A−D変換回路14により対応するディジタル信号に変換されて高速演算回路15に入力される。高速演算回路15は、入力するディジタル信号を高速でフーリエ変換して、検出した磁界・電磁波ノイズの時間軸波形、パワースペクトル、オーバオール値を算出する。そして、高速演算回路15は、表示部6に図2に示すような検出した磁界・電磁波ノイズの時間軸波形を表示する。また、高速演算回路15は、切替スイッチを切り換えることで、表示部6に図3に示すような基本波(1ST)、第2高調波(2ND)、第3高調波(3RD)等のパワースペクトルを表示する。これにより、検出した磁界・電磁波ノイズの周波数成分の分析ができ、シールド対策での材料の選択が容易となる。 【0016】更に、高速演算回路15は、前記切替スイッチを切り換えることで、図3に示すパワースペクトルの基本波(1ST)、第2高調波(2ND)、及び第3高調波(3RD)の各磁界強度を表す値であるオーバオール値を演算して図4に示すように表示部6に表示する。オーバオール値は、次式により算出する。 オーバオール値=√((B1)2+(B2)2+(B3)2+…+(Bn)2)ここに、各値B1、B2、B3、…、Bnは、基本波、第2高調波、第3高調波、…、第n高調波の磁界強度を表す。尚、図4においてオーバオール値134.5(μT)は、図3に示す基本波から第n高調波までを含めたオーバオール値を示し、O−P:100.0(μT)は、図2に示す時間軸波形のピーク値を示す。 【0017】これにより、基本波、第2高調波、第3高調波等の各磁界強度(パワースペクトル)を定量的に解析することができ、磁界・電磁波ノイズの値、電磁波干渉(EMC)のエミッション(電磁エネルギ放射現象)、イミュニティ(電磁エネルギ感受現象)の定量測定が容易となる。従って、各種装置や電気・電子機器の放射する磁界・電磁波ノイズの測定が容易となり、これらの各種装置や電気・電子機器の誤動作レベルの限界値の測定が容易となる。 【0018】 【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明では、磁気センサにより磁界を検出し、この磁気センサの出力信号に基づいて演算手段により前記検出した磁界の時間軸領域のデータや、周波数領域のデータを表示部に表示することで、各種の電子・電気機器から放射される磁界・電磁波ノイズの全体像を把握することが可能となり、前記磁界・電磁波ノイズの周波数の確定をすることができ、磁界や電磁波ノイズのシールド部材の選択が容易となり、適切なシールドを行うことが可能となる。 【0019】また、周波数領域のデータにより各周波数帯域毎の磁界の強さを定量的に解析することができるために、各種電気・電子機器から放射される磁界・電磁波ノイズの測定が容易となり、電気・電子装置や機器の誤動作レベルの限界値の測定が容易となる。請求項2の発明では、演算手段として高速フーリエ変換演算回路を使用することで、検出した磁界の解析及び演算処理を迅速に、且つ高精度に行うことが可能となる。 【0020】請求項3の発明では、検出した磁界の実効値を表示する手段を更に備えることで、通常の磁気測定装置の機能をも持たせることができ、汎用性のある磁気測定装置とすることができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】591011775 【氏名又は名称】電子磁気工業株式会社
|
| 【出願日】 |
平成9年(1997)12月18日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】長門 侃二
|
| 【公開番号】 |
特開平11−183536 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)7月9日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−349656 |
|