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【発明の名称】 電源電圧監視装置及び方法並びに電源電圧監視処理プログラムを記録した記録媒体
【発明者】 【氏名】續木 正徳

【氏名】倉根 治久

【要約】 【課題】電源として電池を使用する場合、使用する電池の種類に対応した的確な電源電圧の監視を行う必要がある。

【解決手段】電源電圧をディジタル信号に変換するA/D変換手段42と、所定の周期のタイミング信号を出力するタイマ手段46と、所定周期のタイミング信号を受けて、A/D変換手段42に対し、電源電圧を一定周期ごとに入力させるように制御するA/D変換制御手段45と、基準電圧が設定される基準電圧設定手段44と、基準電圧と前記ディジタル化された電源電圧を比較し、電源電圧が基準電圧以下となったときは、前記CPUに対して割り込み信号s1を出力する比較手段43とを有し、CPUによってタイミング信号の周期や基準電圧が初期設定された後は、CPUとは独立して電圧監視動作を行うようにする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 機器の動作源として用いられる電源の電圧を監視し、その電源の電圧(電源電圧という)が所定の値以下となったとき、それを示す信号を機器の有する中央処理装置に出力する電源電圧監視装置において、前記電源電圧をディジタル信号に変換するA/D変換手段と、所定周期のタイミング信号を出力するタイマ手段と、このタイマ手段からの所定周期のタイミング信号を受けて、前記A/D変換手段に対し、前記所定周期にてA/D変換開始の指示を与えるA/D変換制御手段と、前記中央処理装置によって基準電圧が設定される基準電圧設定手段と、この基準電圧設定手段に設定された基準電圧と前記A/D変換手段によって所定周期ごとにディジタル化された電源電圧を比較し、電源電圧が基準電圧以下となったときは、前記中央処理装置に対して電源電圧が基準電圧以下となったことを示す信号を出力する比較手段と、を有したことを特徴とする電源電圧監視装置。
【請求項2】 前記A/D変換手段は、機器が始めから持っているA/D変換手段を用い、前記タイマ手段、A/D変換制御手段、基準電圧設定手段、比較手段は、このA/D変換手段と同じチップ上に内蔵されることを特徴とする請求項1記載の電源電圧監視装置。
【請求項3】 少なくとも、前記タイマ手段から出力されるタイミング信号の周期および前記基準電圧設定手段に設定される基準電圧は、前記中央処理装置により初期設定され、初期設定された以降、電源電圧が基準電圧以下となって前記中央処理装置に対して電源電圧が基準電圧以下となったことを示す信号を出力するまでの動作は、前記中央処理装置とは独立して行うことを特徴とする請求項1または2記載の電源電圧監視装置。
【請求項4】 機器の動作源として用いられる電源の電圧を監視し、その電源の電圧(電源電圧という)が所定の値以下となったとき、それを示す信号を機器の有する中央処理装置に出力する電源電圧監視方法において、所定周期にてタイミング信号を発生させ、そのタイミング信号によって前記電源電圧をディジタル信号に変換し、ディジタル信号に変換された電源電圧と、予め設定された基準電圧とを比較し、前記電源電圧が基準電圧以下となったときは、前記中央処理装置に対して電源電圧が基準電圧以下となったことを示す信号を出力することを特徴とする電源電圧監視方法。
【請求項5】 少なくとも、前記タイミング信号の周期および前記基準電圧は、前記中央処理装置により初期設定され、初期設定された以降、前記電源電圧が基準電圧以下となって、前記中央処理装置に対して電源電圧が基準電圧以下となったことを示す信号を出力するまでの動作は、中央処理装置とは独立して行うことを特徴とする請求項4記載の電源電圧監視方法。
【請求項6】 機器の動作源として用いられる電源の電圧を監視し、その電源の電圧(電源電圧という)が所定の値以下となったとき、それを示す信号を機器の有する中央処理装置に出力する電源電圧監視処理プログラムを記録した記録媒体であって、その電源電圧監視処理プログラムは、少なくとも、前記電源電圧を監視するタイミングを決めるタイミング信号の周期と、機器が正常に動作可能な電圧であるか否かの判断基準となる基準電圧とのそれぞれを前記中央処理装置により初期設定させ、初期設定された周期にてタイミング信号を発生させ、このタイミング信号により前記電源電圧をディジタル信号に変換し、ディジタル信号に変換された電源電圧と、前記初期設定された基準電圧とを比較し、前記電源電圧が基準電圧以下となったときは、前記中央処理装置に対して電源電圧が基準電圧以下となったことを示す信号を出力することを特徴とする電源電圧監視処理プログラムを記録した記録媒体。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電源として電池の使用が可能な電子機器において、電池の電圧を監視する電源電圧監視装置及び方法並びに電源電圧監視処理プログラムを記録した記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば、携帯用情報処理機器などの小型電子機器は、電源として、ACアダプタなどにより100ボルトの商用交流電源が使用可能となっている場合もあるが、一般には、電池が電源として用いられることが多い。
【0003】このような小型電子機器において、電源として電池を用いる場合、アルカリ電池、ニッカド(ニッケルカドミウム)電池、ニッケル水素電池など様々な種類の電池が使用可能である場合が多い。
【0004】しかし、これら各種の電池は、電池の種類によって、たとえば、同じ単3であっても、電圧が多少異なる場合が多い。したがって、これらの電池のいずれをも使用可能とした場合、電池の種類によって、監視電圧が異なってくる。たとえば、ごく一般的に用いられているアルカリ電池の場合、電圧は1.5ボルトであるが、ニッカド電池やニッケル水素電離の電圧は1.2ボルトである。
【0005】このような電池をそれぞれ2本づつ使って使用するものとすれば、電池の種類によって、機器が正常に動作する電圧(許容電圧という)はそれぞれ異なってくる。たとえば、アルカリ電池の場合の許容電圧は仮に2.6ボルト、ニッカド電池の場合の許容電圧は仮に2.1ボルトというように、電池の種類によって、動作可能な許容電圧が異なる。
【0006】一般に、この種の電子機器には、電源電圧監視回路が設けられているのが普通であり、この電源電圧監視回路により電源電圧は許容電圧以上あるか否かを監視している。図4は従来の電源電圧監視回路(以下、第1の従来技術という)の一例である。
【0007】この第1の従来技術は、図4からもわかるように、電池の種類に応じて複数の電圧監視用IC1,IC2,・・・を設け、それぞれの電圧監視用IC1,IC2,・・・によって、それぞれの電池の電圧を監視し、電圧が予め設定した電圧以下になると、機器の中央処理装置(以下、CPUという)3に対して割り込み信号s1,s2.・・・を出力するようにし、CPU3によって、電源回路をシャットダウンするなどの制御を行うようにしている。
【0008】すなわち、各電圧監視用IC1,IC2,・・・には、比較回路11,21,・・・と基準電圧発生回路12,22,・・・が設けられ、基準電圧発生回路12,22,・・・は、それぞれ異なった基準電圧v1,v2を発生するように設定されている。たとえば、基準電圧発生回路12の基準電圧v1は2.6ボルト、基準電圧発生回路22の基準電圧v2は2.1ボルトというように、それぞれ異なった基準電圧を発生するように設定されている。
【0009】そして、アルカリ電池の場合は、たとえば、電圧監視用IC1を用い、ニッカド電池の場合は、電圧監視用IC2を用いるというように、それぞれの電池に対応した電圧監視用ICを用いて電圧監視を行っている。
【0010】このような構成で有れば、電池の種類による特性の違いに応じた電圧監視が可能となる。しかしながら、この第1の従来技術では、監視したい電圧ごとに電圧監視用ICが必要となるため、部品点数が増え、コストの増大につながり、また、部品の装着スペースも必要となることから小型軽量化に対する障害ともなる。
【0011】さらに、この第1の従来技術は、それぞれの基準電圧v1,v2は固定の値であるため、機器の使用状態による一時的な電圧の変動に対応できないという問題もある。たとえば、機器が電圧消費の大きい動作を行うと、一時的に、電池の電圧は大きく下がるが、その動作終了後は、再び、その電池は、使用に十分耐えられる電圧に復旧するのが普通である。
【0012】このような場合、基準電圧が固定的な値であると、一時的に電圧が下がった時点で、CPU2に対して、電池の電圧が基準電圧以下となったことを示す割り込み信号を出してしまうことになる。これにより、CPU2は電池の電圧が基準電圧以下となったと判断し、それに対応した処理(たとえば、電源回路に対してシャットダウン制御を行う)を行ってしまうという不都合が生じる。
【0013】このように、第1の従来技術は、幾つかの問題点があった。これに対して、図5に示すように、電池の電源電圧をA/D変換器4でディジタル信号に変換し、そのディジタル信号を用いて、機器の全体的な制御や処理を行うCPU3が電源電圧の監視制御をも行う方式がある(以下、第2の従来技術という)。
【0014】この第2の従来技術は、CPU3がソフトウエア処理によって、電池の電源電圧の監視を行うもので、A/D変換器4からのディジタル信号に基づいて、予め作成されたプログラムに従って電源電圧の監視を行うものである。すなわち、CPU3からのA/D変換制御信号により、一定周期でA/D変換器4を起動し、電源電圧をA/D変換する。そして、ディジタル化された電圧をCPU3が受けて、その電圧に対応した制御を行う。たとえば、入力された電源電圧がviであるとすると、そのviを基準電圧と比較するなどして、電源電圧viが基準電圧以下であると判定した場合は、電源回路に対してシャットダウンを行うなどの制御を行う。
【0015】この方式によれば、CPU3がソフトウエアによって電源電圧の監視を行うので、監視すべき電源電圧は自由に設定でき、電圧の一時的な変動にも対応することができ、電圧監視用のICを複数持つ必要もないので、コストの面あるいは部品取付スペースの面から考えると第1の従来技術に比べて有利なものとなる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この第2の従来技術は、機器の持っているCPU3で電源電圧監視処理を行うため、CPU3の処理能力の一部が電源電圧監視のために用いられることになり、CPU3の負担が大きくなるという問題がある。一般に、この種の小型電子機器に用いられるCPUは、コスト面あるいは取り付けスペースの面から考えても、限られた処理能力しか持たないものが使用される。
【0017】したがって、CPU3は機器が本来行うべき様々な処理以外の処理にはあまり使われない方が望ましいとされる。さらに、この第2の従来技術は、電圧監視を行うために、CPU3が常に動作状態となっている必要があるので、CPU3の消費電力が大きくなるという問題もある。
【0018】このように、第2の従来技術においてもなお改善の余地があった。
【0019】そこで本発明は、機器の持つCPUへの負担を少なくし、使用可能な電池の特性によらず、各種電池に応じた高精度な電源電圧監視を可能とし、かつ、低コスト化、省スペース化を可能とすることを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】前述の目的を達成するために本発明の請求項1に記載された電源電圧監視装置は、機器の動作源として用いられる電源の電圧を監視し、その電源の電圧(電源電圧という)が所定の値以下となったとき、それを示す信号を機器の有するCPUに出力する電源電圧監視装置において、前記電源電圧をディジタル信号に変換するA/D変換手段と、所定周期のタイミング信号を出力するタイマ手段と、このタイマ手段からの所定周期のタイミング信号を受けて、前記A/D変換手段に対し、前記所定周期にてA/D変換開始の指示を与えるA/D変換制御手段と、前記中央処理装置によって基準電圧が設定される基準電圧設定手段と、この基準電圧設定手段に設定された基準電圧と前記A/D変換手段によって所定周期ごとにディジタル化された電源電圧を比較し、電源電圧が基準電圧以下となったときは、前記CPUに対して電源電圧が基準電圧以下となったことを示す信号を出力する比較手段とを有した構成としている。
【0021】そして、前記A/D変換手段は、機器が始めから持っているA/D変換手段を用い、前記タイマ手段、A/D変換制御手段、基準電圧設定手段、比較手段は、このA/D変換手段と同じチップ上に内蔵されるようにして構成する。
【0022】さらに、少なくとも、前記タイマ手段から出力されるタイミング信号の周期および前記基準電圧設定手段に設定される基準電圧は、前記CPUにより初期設定され、初期設定された以降、電源電圧が基準電圧以下となって前記CPUに対して電源電圧が基準電圧以下となったことを示す信号を出力するまでの動作は、前記CPUとは独立して行うようにしている。
【0023】また、本発明の請求項4に記載された電源電圧監視方法は、機器の動作源として用いられる電源の電圧を監視し、その電源の電圧(電源電圧という)が所定の値以下となったとき、それを示す信号を機器の有するCPUに出力する電源電圧監視方法において、所定周期にてタイミング信号を発生させ、そのタイミング信号によってディジタル信号に変換し、ディジタル信号に変換された電源電圧と、設定された基準電圧とを比較し、前記電源電圧が基準電圧以下となったときは、前記CPUに対して電源電圧が基準電圧以下となったことを示す信号を出力するようにしている。
【0024】そして、少なくとも、前記タイミング信号の周期および前記基準電圧は、前記CPUにより初期設定され、初期設定された以降、前記電源電圧が基準電圧以下となって、前記CPUに対して電源電圧が基準電圧以下となったことを示す信号を出力するまでの動作は、CPUとは独立して行うようにしている。
【0025】また、本発明の請求項6に記載の電源電圧監視処理プログラムを記録した記録媒体は、機器の動作源として用いられる電源の電圧を監視し、その電源の電圧(電源電圧という)が所定の値以下となったとき、それを示す信号を機器の有する中央処理装置に出力する電源電圧監視処理プログラムを記録した記録媒体であって、その電源電圧監視処理プログラムは、少なくとも、前記電源電圧を監視するタイミングを決めるタイミング信号の周期と、機器が正常に動作可能な電圧であるか否かの判断基準となる基準電圧とのそれぞれを中央処理装置により初期設定させ、初期設定された周期でタイミング信号を発生させ、このタイミング信号により前記電源電圧をディジタル信号に変換し、ディジタル信号に変換された電源電圧と、前記初期設定された基準電圧とを比較し、前記電源電圧が基準電圧以下となったときは、前記中央処理装置に対して電源電圧が基準電圧以下となったことを示す信号を出力するようにしている。
【0026】このように本発明は、電源として電池を用いた場合、使用する電池の種類に対応した電源電圧の監視を可能とするものである。つまり、基準電圧はCPUによるソフトウエア処理によって任意に設定可能とし、この基準電圧とディジタル化した電源電圧とを比較することで、電圧の監視を行う。また、このとき、CPUによって初期設定されるだけで、あとは、CPUとは独立した動作にて、タイマによる間欠的な電圧監視動作を行い、電源電圧が基準値以下となったときにCPUに対して、それを示す信号を送るようにする。
【0027】このような動作を行うことにより、CPUは電圧監視のための処理を殆ど行う必要が無くなり、自身の処理能力を、本来機器が行うべき他の処理に費やすことができる。また、機器が処理を行っていない場合は、 CPUをスリープモードの状態としておくことができるので、CPUの電力消費を小さく押さえることができ、かつ、このようなCPUのスリープモード時にも、電源電圧監視装置は電圧監視動作を行うことができる。
【0028】また、基準電圧はCPUが行うソフトウエア処理により任意に設定できるので、電池の種類に応じた適切な基準電圧の設定が可能となり、使用する電池の種類に応じて、固定的な基準電圧を有する電圧監視回路を複数持つ必要が無くなり、さらに、電源電圧監視の周期もCPUが行うソフトウエア処理により任意に設定することが可能となる。これによって、様々な状況に対応した動作を行うことができる。
【0029】また、本発明の電源電圧監視装置は、機器がもともと持っているチップ上に安価な部品を幾つか内蔵させることで実現できるので、コストや部品の取付スペースに大きな影響を与えることがなく、機器全体の低コスト化、小型軽量化に寄与できる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0031】図1は本発明の実施の形態を説明する基本的な構成図であり、図1において、破線で囲った部分が本発明による電源電圧監視装置40である。なお、この実施の形態では、本発明による電源電圧監視装置40をたとえば携帯用情報処理機器に適用した場合を示す。この携帯用情報処理機器は、タッチパネル上から手書き情報入力が可能であったり、マイクロホンから音声入力などが可能であったりする携帯用情報処理機器であるが、携帯用情報処理機器としての詳細な構成については、本発明とは直接には関係しないので、携帯用情報処理機器を構成する各構成要素についての図示および説明はここでは省略する。
【0032】図1において、CPU30は携帯用情報処理装置としての各種の動作を行わせるための中央処理装置であり、この電源電圧監視装置40が適用された携帯用情報処理機器がもともと持っているものである。
【0033】また、電源電圧監視装置40は、電源電圧が機器を正常に動作させることができる電圧(許容電圧)以下となったとき、許容電圧以下となったことを示す信号(割り込み信号)をCPU30に対して出力するものである。以下、この電源電圧監視装置40について詳細に説明する。
【0034】この電源電圧監視装置40は、この種の携帯用情報処理機器に用いられているゲートアレイチップとして構成できる。つまり、携帯用情報処理機器がもともと持っているアナログ入力セレクタ41、A/D変換器42を有するゲートアレイチップの中に、比較回路43、基準電圧設定用レジスタ44、A/D変換制御回路45、タイマ46などを内蔵させて構成することができる。
【0035】そして、これらアナログ入力セレクタ41、比較回路43、基準電圧設定用レジスタ44、 A/D変換制御回路45、タイマ46に対してはCPU30から制御信号が与えられるようになっている。
【0036】また、アナログ入力セレクタ41には、ここでは、マイクロホンからの音声入力やタッチパネルからの手書き入力データなどの他に、電池からの電源電圧が与えられる。そして、これらアナログ入力セレクタに入力された入力信号は、アナログ入力セレクタ42によって、いずれかの入力信号が選択され、その選択された信号がA/D変換器42に与えられて、ディジタル変換されるようになっている。
【0037】比較回路43は、A/D変換器42によってディジタル化された電源電圧と基準電圧設定レジスタ44に設定された基準電圧とを比較し、電源電圧が基準電圧以下となったときは、前記CPU30に対して電源電圧が基準電圧以下となったことを示す信号を割り込み信号s1として出力する。
【0038】また、タイマ46は、クロック信号をカウントし、一定周期のタイミング信号を出力するものであり、そのタイミング信号は、アナログ入力セレクタ41やA/D変換制御回路45に与えられる。そして、アナログ入力セレクタ41では、そのタイミング信号を受けると、幾つかのアナログ入力信号のうち、電源電圧を選択する。また、A/D変換制御回路45では、タイミング信号を受けると、A/D変換器42に対してA/D変換のスタート指示を行う。なお、このタイマ46については、後にその詳細を説明する。
【0039】このような構成においてまず基本的な動作について説明する。
【0040】始めに、CPU30によってタイマ46と基準電圧設定用のレジスタ44を初期設定する。つまり、タイマ46に対しては、そのカウント値を0とするとともにカウント動作開始制御を行い、さらに、基準電圧設定用レジスタ44に対しては、基準電圧v1を設定する。
【0041】このような初期設定がCPU30によってなされると、タイマ46はカウント動作を開始し、一定周期のタイミング信号t1,t2,・・・を出力する。このタイミング信号はアナログ入力セレクタ41に対して電源電圧のセレクト信号として与えられるとともに、 A/D変換制御回路45に対しA/D変換スタート信号として与えられる。
【0042】今、タイマ46からタイミング信号t1が出されたとすると、そのタイミング信号t1により、アナログ入力セレクタ41が電源電圧をセレクトする。これと同時に、A/D変換器42が起動され、アナログ入力セレクタ41を介して入力される電源電圧がA/D変換される。このディジタル化された電源電圧は、比較回路43に供給される。
【0043】比較回路43では、A/D変換器42から出力された電源電圧(vi1とする)と基準電圧設定用レジスタ44に設定されている基準電圧v1とを比較し、vi1>v1であれば、電源電圧は正常値であるとして、CPU30に対しては何も信号を発生しない。
【0044】そして、タイマ46から出力される次のタイミング信号t2において、再び、アナログ入力セレクタ41が電源電圧をセレクトする。これと同時に、A/D変換器42が起動され、アナログ入力セレクタ41を介して入力される電源電圧がA/D変換される。このディジタル化された電源電圧は、比較回路43に供給され、その電源電圧(vi2とする)と基準電圧設定用のレジスタ44からの基準電圧v1とを比較し、仮に、 この時点で、vi2≦v1であれば、電源電圧は正常な動作を行うに必要な電圧(許容電圧)以下となったとして、CPU30に対し、割り込み信号s1を発生する。CPU30はこの割り込み信号s1を受けると、電源回路(図示せず)に対し、制御信号を送り、電源回路をシャットダウンさせるなどの制御を行う。
【0045】このようにして、タイマ46により、一定周期のタイミング信号を出力し、その周期ごとに、電源電圧をA/D変換し、ディジタル化された電源電圧を基準電圧と比較する動作を行って、電源電圧が基準電圧以下であれば、CPU30に対して割り込み信号s1を与えるようにしている。
【0046】このように本発明の電圧監視装置40は、CPU30によって、タイマ46や基準電圧設定用レジスタ44を初期設定した後は、CPU30とは独立して電源電圧監視動作を行う。これにより、CPU30は、電源電圧監視装置部40から割り込み信号s1が出されるまでは、電源電圧監視を行うための処理は何等行う必要がなく、たとえば、機器が本来行うべき処理を行う必要のある場合は、その処理に専念することができる。また、CPU30が何も処理を行わないとき(スリープモード時)においても、電源電圧監視装置40は電源電圧監視動作を行うことができる。そして、電源電圧が基準値以下となったときだけ、CPU30は割り込み信号s1を受け取って、それに対応する処理を行えばよい。
【0047】以上のように、この実施の形態によれば、電源電圧監視装置40は、CPU30とは独立した動作を行って電源電圧監視を行うので、CPU30に対する処理を軽減することができる。また、この種の電子機器がもともと持っているゲートアレイチップなどに電圧監視用の回路を内蔵することができるので、電源電圧監視装置としてのICなどを別個に用意する必要がなく、コスト面からもまた取付スペースの面からもきわめて有利なものとすることができる。
【0048】さらに、基準電圧はCPU30によるソフトウエア処理によって、任意に設定できるので、電池の種類に応じて、適切な基準電圧の設定が可能となる。さらに、電池の種類に応じて基準電圧を設定した後も、電子機器の動作の状況などにより、基準電圧を変動させることも可能となる。たとえば、最初に、基準電圧をv1とした場合、電池の消耗の大きな処理を行っているときは、基準電圧をv1よりも少し低く設定し直すということもソフトウエア的には可能である。このような処理を施せば、従来のように、機器が電圧消費の大きい動作を行って、一時的に、電池の電圧が大きく下がっても、CPU30に対して、電池の電圧が基準電圧以下となったことを示す割り込み信号を出してしまうという不都合がなくなる。
【0049】図2は本発明の実施の形態をさらに詳細に説明する構成図であり、図1で示した電源電圧監視装置40の構成を詳細に示すものである。なお、図2において図1と同一部分には同一符号が付されている。
【0050】アナログ入力セレクタ41は、実際には、セレクト信号制御回路411の制御により入力信号をセレクトする。たとえば、タイマ46からのタイミング信号t1,t2,・・・を受けたときは、電源電圧をセレクトするようにアナログ入力セレクタ41を制御する。また、CPU30によるソフトウエア制御によってもアナログ入力をセレクトする動作を行う。つまり、通常の動作時においては、CPU30からの制御信号により、手書き入力情報や音声情報などの入力信号をセレクト動作するが、前述したように、タイマ46による電源電圧監視動作時には、タイマ46からのタイミング信号t1,t2,・・・を受けて、電源電圧をセレクトするように動作する。
【0051】タイマ46は、発振回路461、カウンタ462、周期設定レジスタ463、カウント値比較回路464を有している。そして、発振回路461からのクロックパルスをカウンタ462でカウントし、そのカウント値と周期設定レジスタ463に設定された周期とをカウント値比較回路464で比較し、カウント値が周期設定レジスタ463の内容と一致したとき、一致出力をタイミング信号t1,t2,・・・として出力する。このタイミング信号t1,t2,・・・は、周期設定レジスタ463に設定された周期ごとに出力されることになる。また、カウント値が周期設定レジスタ463の内容と一致すると、カウンタ462に対してリセット信号を出力し、カウンタ462のカウント値をリセットさせる。
【0052】なお、カウンタ462がクロックパルスをカウントする動作の開始、周期設定レジスタ463に設定される周期の設定は、ともにCPU30により初期設定にて行われる。
【0053】そして、タイマ46からのタイミング信号(カウント値比較回路464からの一致信号)t1,t2,・・・は、セレクト信号制御回路411、A/D変換制御回路45に与えられ、さらに、A/D変換終了制御回路421に与えられる。
【0054】このA/D変換終了制御回路421には、A/D変換器42からのA/D変換が終了したことを示す信号が与えられるとともに、前記タイマ46からのタイミング信号t1,t2,・・・、さらには、CPU30のソフトウエア制御による制御信号が与えられている。
【0055】そして、このA/D変換終了制御回路421の出力のうち、一方の出力s10は、タイマ46による電源電圧監視時に出力される信号であり、比較回路43に対して比較動作の開始を指示するための制御信号として出力される。また、他方の出力s11は、機器が行う通常の動作時に出力されるものであり、CPU30に対してA/D変換が終了したことを示す信号として出力される。
【0056】以上が図2の主な構成であるが、その他に、A/D変換器42がA/D変換を行うために必要なクロック信号を出力する発振回路422が設けられ、さらに、必要に応じて、A/D変換出力を一時的に蓄えるバッファ423などが設けられる。
【0057】なお、図2において、セレクト信号制御回路411、A/D変換制御回路45、 A/D変換終了制御回路421などの入力として、ソフトウエア制御によるそれぞれの制御信号が記載されているが、これらは、機器が通常行う様々な処理時にCPU30から供給される制御信号である。
【0058】たとえば、セレクト信号制御回路411に供給されるソフトウエアによるセレクト信号というのは、手書き情報や音声情報の取り込みなどの処理を行う際に、これらの情報のいずれかを選択するために、CPU30から出力される制御信号であり、また、A/D変換制御回路45に供給されるソフトウエアによるA/D変換スタート信号というのは、手書き情報や音声情報をA/D変換する際に、A/D変換器42に対して、A/D変換をスタートさせるための制御信号である。
【0059】このような構成において、この電源電圧監視装置40が行う電源電圧監視動作について説明する。
【0060】まず、初期設定を行うが、この初期設定は、CPU30によるソフトウエア処理にて行われる。その初期設定の内容は、基準電圧設定用レジスタ44に対する基準電圧の設定、A/D変換終了制御回路421に対してA/D変換終了時に、比較回路43を動作可能とする設定、さらに、タイマ46の周期設定レジスタ463に対してタイミング信号の周期設定、カウンタ462に対してカウント開始起動などである。
【0061】以上のような初期設定がCPU30によってなされると、カウンタ462は発振回路461からのクロック信号をカウントし、そのカウント値をカウント値比較回路に464送る。このカウント値比較回路464は、カウント値が周期設定レジスタ463に設定された周期に一致すると、タイマ出力としてのタイミング信号t1を出力する。このタイミング信号t1は、セレクト信号制御回路411、A/D変換制御回路45、A/D変換終了制御回路421に与えられる。
【0062】セレクト信号制御回路411は、タイマ46からのタイミング信号t1をセレクト制御信号として受け、アナログ入力セレクタ41に対して電源電圧を選択させる制御を行い、これにより、電源電圧がA/D変換器42に供給される。
【0063】A/D変換制御部452は、タイマ46からのタイミング信号t1をA/D変換開始信号として受け、A/D変換器42を起動させる。これにより、A/D変換器42は電源電圧に対しA/D変換を開始する。
【0064】A/D変換終了制御回路421は、タイマ46からのタイミング信号t1をA/D変換終了制御信号として受け、A/D変換器42からのA/D変換終了信号を受けると、比較回路43に対して信号s10を出力し、比較回路43を動作可能状態とする。
【0065】これにより、比較回路43は、A/D変換器42がA/D変換終了すると、ディジタル化された電源電圧を入力(バッファ423が設けられている場合は、バッファ43内に一時的に蓄えられた電源電圧を入力)して、基準電圧設定用レジスタ44に設定されている基準電圧v1と比較する。
【0066】この比較回路43による比較の結果、タイミング信号t1における電源電圧(vi1とする)が、vi1>v1であれば、比較回路43は、CPU30に対しては信号を出力しない。
【0067】また、タイマ46から次のタイミング信号t2が出されると、前述同様、セレクト信号制御回路411がアナログ入力セレクタ41に対して電源電圧をセレクトするような制御を行い、これと同時に、A/D変換制御回路45がA/D変換器42に対してA/D変換スタート制御を行う。これにより、アナログ入力セレクタ41を介して入力される電源電圧がA/D変換される。
【0068】A/D変換器42でディジタル化された電源電圧(vi2とする)は、比較回路43に供給され、比較回路43では、電源電圧vi2と基準電圧v1とを比較し、この時点で、 仮に、vi2≦v1となっているとすれば、電源電圧は正常な動作を行うに必要な電圧以下となったとして、CPU30に対し、割り込み信号s1を発生する。CPU30はこの割り込み信号s1を受けると、電源回路(図示せず)に対し、制御信号を送り、電源回路をシャットダウンさせる。このとき、ユーザに対して電池の電圧が基準値以下となったことを知らせるために、電池切れ表示ランプなどを設けそれを点灯するなど、何らかの表示を行うようにしてもよい。
【0069】このようにして、タイマ46から出力される一定周期のタイミング信号t1,t2,・・・により、監視対象となる電源電圧をA/D変換させる。そして、比較回路43によってディジタル化された電源電圧が基準電圧以下であるか否かを判定して、電源電圧が基準電圧以下であれば、CPU30に対して割り込み信号s1を与えるようにしている。
【0070】図3は以上の動作の流れを説明するフローチャートであり、詳細は既に説明したので、ここでは簡単に説明する。
【0071】まず、CPU30によって初期設定を行う(ステップST1)。その初期設定内容は、 タイマ46の周期設定レジスタ463に対する周期や基準電圧発生用のレジスタ44に対する基準電圧の設定、さらには、タイマ46のカウンタ462のカウント開始起動などである。これによって、カウンタ462がカウントを開始し(ステップST2)、そのカウント値が周期設定レジスタ463の設定値に一致したか否かを判断し(ステップST3)、一致すればタイミング信号をカウント値比較回路464から発生するとともにカウンタ462をリセットする(ステップST4)。
【0072】そして、カウント比較回路464から出力されるタイミング信号によって、電源電圧が選択され、この電源電圧に対してA/D変換を開始する(ステップst5)。そして、A/D変換が終了すると、A/D変換された電源電圧(viとする)と基準電圧設定用のレジスタ44に設定された基準電圧v1とを比較回路43で比較する。つまり、vi>v1であるか否かを判断し(ステップST6)、vi>v1であれば、ステップST3に戻り、ステップST3以降の処理を繰り返す。一方、 vi>v1でなければ、電源電圧は機器を正常にどうさせるに必要な電圧以下となったとして、CPU30に割り込み信号s1を出力する(ステップST7)。
【0073】CPU30はこの割り込み信号s1を受けると、電源回路をシャットダウンさせる制御を行い(ステップST8)、必要に応じて、ユーザに対して電池切れを示す表示を行う(ステップST9)。
【0074】このような電圧監視制御によれば、CPU30は、タイマ46の周期設定レジスタ463に対する周期や基準電圧発生用レジスタ44に対する基準電圧の設定、さらには、タイマ46のカウンタのカウント開始起動などの初期設定を行った後は、電源電圧監視を行うための処理は何等行う必要がなくなる。
【0075】したがって、CPU30は、その時点において機器が本来行うべき処理があれば、その処理に専念することができる。また、CPU30が行うべき処理がないとき(スリープモード時)でも、電源電圧監視装置40は、電源電圧監視動作を行うことができる。そして、電源電圧が基準値以下となったときだけ、CPU30に対して、割り込み信号s1を送れば、CPU30は、その割り込み信号s1を受け取って、それに対応する処理を行う。このように、電源電圧監視装置40はCPU30に対して独立した動作で電源電圧監視動作を行うことができる。
【0076】また、基準電圧設定用レジスタ44に設定される基準電圧は自由に設定することができるので、使用する電池に対応する基準電圧の設定が可能となり、また、周期設定レジスタ463に設定される周期も任意の周期に設定できるので、電圧を監視する周期も自由に設定することができる。
【0077】なお、前述の実施の形態では、携帯用の情報処理機器に本発明を適用した例を示したが、これに限られるものではなく、CPUなどの処理装置を有する電子機器であって、電源として電池を使用可能なものであれば広く適用できるものである。その他、本発明は前述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能となるものである。
【0078】また、以上説明した本発明の処理を行う処理プログラムは、フロッピィディスク、光ディスク、ハードディスクなどの記録媒体に記憶させておくことができ、本発明はその記録媒体をも含むものである。また、ネットワークから処理プログラムを得るようにしてもよい。
【0079】
【発明の効果】本発明は、電源電圧が機器を正常に動作させるに必要な電圧以上であるか否かを決める基準電圧を、CPUによるソフトウエア処理によって任意に設定可能とし、以降は、 CPUとは独立した動作にて、タイマによる間欠的な電圧監視動作を行い、電源電圧が基準値以下となったときにCPUに対して、それを示す信号を送るようにしている。これにより、CPUによって幾つかの初期設定がなされると、あとは、CPUとは独立した動作にて、電圧監視動作を行うので、CPUは電圧監視のための処理を殆ど行う必要が無くなり、CPU自身の処理能力を、本来機器が行うべき他の処理に費やすことができる。また、機器が処理を行っていない場合は、CPUをスリープモードの状態として、電圧監視装置が独立した電圧監視動作を行うことができるので、CPUの電力消費を小さく押さえることができる。
【0080】また、電源電圧監視を行うための基準電圧は、CPUが行うソフトウエア処理により任意に設定できるので、電池の種類に応じた適切な電圧を基準電圧として設定可能となり、使用する電池の種類に応じて固定的な値の基準電圧を有した複数の電圧監視回路を持つ必要が無くなり、さらに、電源電圧監視の周期もCPUが行うソフトウエア処理により任意に設定することが可能となる。これによって、様々な状況に対応した動作を行うことができる。
【0081】また、本発明は、機器がもともと持っているチップ上に安価な部品を幾つか内蔵させることで実現できるので、電源電圧監視装置を設けることによって、コストあるいは部品の取付スペースに大きな影響を与えることがなく、機器全体の低コスト化、小型軽量化に寄与できる。
【出願人】 【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
【出願日】 平成9年(1997)12月19日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 喜三郎 (外2名)
【公開番号】 特開平11−183532
【公開日】 平成11年(1999)7月9日
【出願番号】 特願平9−351815