トップ :: G 物理学 :: G01 測定;試験




【発明の名称】 インバータ装置の出力電流極性検出方法
【発明者】 【氏名】上田 英史

【要約】 【課題】コンパレータ等のアナログ回路を介さずに直接に出力電流の正負極性判別ができ、ノイズに対しても誤検出しない信頼性の高いインバータ装置の出力電流極性検出方法を提供するものである。

【解決手段】直流電源1の正極側に接続された第1の半導体スイッチング素子Q1〜Q3と前記半導体スイッチング素子に並列に接続された第1の還流ダイオードD1〜D3と、前記直流電源1の負極側に接続された第2の半導体スイッチング素子Q4〜Q6と前記第2の半導体スイッチング素子Q4〜Q6に並列に接続された第2の還流ダイオードD4〜D6と、前記直流電源電圧1を任意の電圧値に変換して出力端子14〜16から負荷へと出力するPWMインバータ装置の出力電流極性検出方法において、前記出力端子から負荷へ流れる電流の正負極性を前記出力端子の電圧の立ち下がり時における前記第2の半導体スイッチング素子Q4〜Q6へのオン・オフ信号から検出するものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 直流電源の正極側に接続された第1の半導体スイッチング素子と前記半導体スイッチング素子に並列に接続された第1の還流ダイオードと、前記直流電源の負極側に接続された第2の半導体スイッチング素子と前記第2の半導体スイッチング素子に並列に接続された第2の還流ダイオードと、前記両半導体スイッチング素子を直列に接続した上でこの接続点をインバータ装置の出力端子とし、このような構成の出力端子をインバータ装置の出力相数分備えており、前記直列に接続された両半導体スイッチング素子を交互にオン・オフ動作させて、前記直流電源電圧を任意の電圧値に変換して前記出力端子から負荷へと出力するPWMインバータ装置の出力電流極性検出方法において、前記出力端子から前記負荷へ流れる電流の正負極性を前記出力端子の電圧の立ち下がり時における前記第2の半導体スイッチング素子へのオン・オフ信号から検出することを特徴とするインバータ装置の出力電流極性検出方法【請求項2】 直流電源の正極側に接続された第1の半導体スイッチング素子と前記半導体スイッチング素子に並列に接続された第1の還流ダイオードと、前記直流電源の負極側に接続された第2の半導体スイッチング素子と前記第2の半導体スイッチング素子に並列に接続された第2の還流ダイオードと、前記両半導体スイッチング素子を直列に接続した上でこの接続点をインバータ装置の出力端子とし、このような構成の出力端子をインバータ装置の出力相数分備えており、前記直列に接続された両半導体スイッチング素子を交互にオン・オフ動作させて、前記直流電源電圧を任意の電圧値に変換して前記出力端子から負荷へと出力するPWMインバータ装置の出力電流極性検出方法において、前記出力端子から前記負荷へ流れる電流の正負極性を、前記出力端子電圧の立ち上がり時における前記第1の半導体スイッチング素子へのオン・オフ信号から検出することを特徴とするインバータ装置の出力電流極性検出方法
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インバータ装置の出力電流極性検出方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図7は特開平7ー7967に記載されたインバータ装置の出力電流極性検出方法における第1の従来構成例を示しており、図10は特開平6−160439に記載された第2の従来構成例を示している。まず第1の従来構成例である図7においては、IGBTトランジスタQ4がオンしている際のIGBTトランジスタQ1とQ4との接続点電圧についてその電圧値が主電源101のグランド側電位に対し還流ダイオードD4の順電圧分低い値となっているかあるいはIGBTトランジスタQ4のコレクタ・エミッタ間オン電圧分高い値となっているかを電圧検出回路108からのコンパレータ出力とIGBTトランジスタQ4のオン信号U−と電流方向検出回路109とで検出し、IGBTトランジスタQ1とQ4との接続点電圧値が主電源101のグランド側電位に対し還流ダイオードD4の順電圧分低い値となっている場合には出力電流は正電流(インバータ装置から誘導電動機へ電流が流れる)として判別し、逆にIGBTトランジスタQ4のコレクタ・エミッタ間オン電圧分高い値となっている場合には出力電流は負電流(誘導電動機からインバータ装置へ電流が流れる)として判別している。また第2の従来構成例である図10においては、IGBTトランジスタQ1(あるいはQ4)へのオン信号入力U+(あるいはU−)の立ち上がりエッジにおけるインバータ装置の出力端子電圧値からインバータ装置の出力電流極性を判別している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら前記第1の従来構成では、インバータ装置の出力電流の正負極性をIGBTトランジスタQ4がオンしている際のIGBTトランジスタQ1とQ4との接続点電圧によりその電圧値が主電源101のグランド側電位に対し還流ダイオードD4の順電圧分低い値(約 −1〜−2ボルト)となっているかあるいはIGBTトランジスタQ4のコレクタ・エミッタ間オン電圧分高い値(約1〜3ボルト)となっているかで判別しているために、判別するための差電圧が2〜5ボルト程度の小さな値となり従ってこの小さな値から判別するために図8に示すように電圧検出回路108においてコンパレータを使用することが必要であり、さらにまたノイズにより誤検出しやすいという問題点があった。また前記第2の従来構成例においては、例えば図11に示すように下アーム側IGBTトランジスタQ4へのオン信号入力U−の立ち上がりエッジにおけるIGBTトランジスタQ4のコレクタ電圧値から電流極性を判別しようとした場合、判別のできる期間はオン信号入力U−の立ち上がりエッジからIGBTトランジスタQ4が実際にオンするまでの遅れ時間となる数百nS(図11に示す△t)しかないため、従って非常に短い時間で判別する必要があるのでフィルタ回路等の挿入をすることはできず、ノイズにより誤検出しやすいという問題点があった。本発明は、上記従来の問題点を解決するものであり、インバータ装置の出力電流の正負極性判別においてその判別するための差電圧を大きくとれ、したがってコンパレータ等のアナログ回路を介さずに直接に出力電流の正負極性判別ができ、かつまた電流極性判別できる期間を十分に長くとれるのでノイズに対しても誤検出しない信頼性の高いインバータ装置の出力電流極性検出方法を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため本発明は、請求項1の直流電源と前記直流電源の正極側に接続された第1の半導体スイッチング素子とこの半導体スイッチング素子に並列に接続された第1の還流ダイオードと、前記直流電源の負極側に接続された第2の半導体スイッチング素子とこの半導体スイッチング素子に並列に接続された第2の還流ダイオードと、前記両半導体スイッチング素子を直列に接続した上でこの接続点をインバータ装置の出力端子とし、このような構成の出力端子をインバータ装置の出力相数分備えており、前記直列に接続された両半導体スイッチング素子を交互にオン・オフ動作させて、その際に共にオフする期間であるデッドタイムをも有しており、前記直流電源電圧を任意の電圧値に変換して前記出力端子から負荷へと出力するインバータ装置の出力電流極性検出方法において、前記出力端子から前記負荷へ流れる電流の正負極性を、前記出力端子電圧の立ち下がり時における前記第2の半導体スイッチング素子へのオン・オフ信号から判別し検出することを特徴としている。また請求項2のインバータ装置の出力電流極性検出方法は、直流電源の正極側に接続された第1の半導体スイッチング素子と前記半導体スイッチング素子に並列に接続された第1の還流ダイオードと、前記直流電源の負極側に接続された第2の半導体スイッチング素子と前記第2の半導体スイッチング素子に並列に接続された第2の還流ダイオードと、前記両半導体スイッチング素子を直列に接続した上でこの接続点をインバータ装置の出力端子とし、このような構成の出力端子をインバータ装置の出力相数分備えており、前記直列に接続された両半導体スイッチング素子を交互にオン・オフ動作させて、前記直流電源電圧を任意の電圧値に変換して前記出力端子から負荷へと出力するPWMインバータ装置の出力電流極性検出方法において、前記出力端子から前記負荷へ流れる電流の正負極性を、前記出力端子電圧の立ち上がり時における前記第1の半導体スイッチング素子へのオン・オフ信号から判別し検出することを特徴としている。請求項1記載の構成におけるインバータ装置の出力電流極性検出方法は、前記直流電源の正極側に接続された第1の半導体スイッチング素子及び負極側に接続された第2の半導体スイッチング素子とが交互にオン・オフ動作を行うことで前記直流電源電圧を任意の電圧値に変換して前記両半導体スイッチング素子の接続点である出力端子から負荷へと電圧出力しているが、一方の半導体スイッチング素子がオン動作からオフ動作に移り、逆にもう一方の半導体スイッチング素子がオフ動作からオン動作に移る際の動作切り替え点において、前記オン動作からオフ動作に移る側の半導体スイッチング素子がそのオフ動作遅れによりまだオフできていない状態のまま、もう一方の半導体スイッチング素子がオン動作にはいり、結果として直列に接続された両半導体スイッチング素子がともにオンして短絡状態になるのを防止するために、前記動作切り替え点において両半導体スイッチング素子をともにオフ動作させるデッドタイム(両半導体スイッチング素子へオフドライブ信号を伝送している)期間を設けている。このデッドタイム期間によりオン動作からオフ動作に移る側の半導体スイッチング素子にそのオフ動作遅れが生じてもこの期間中において確実にオフ動作を完了することができ従って直列に接続された両半導体スイッチング素子がともにオンすることを防止できる。
【0005】ところでインバータ装置の出力電流が正電流(インバータ装置から負荷へ電流が流れる)である場合においては、前記直流電源の正極側に接続された第1の半導体スイッチング素子へのオン信号入力がオフ信号へと切り替わると、そのまま両半導体スイッチング素子がともにオフするデッドタイム期間に移るが、このデッドタイムの初期期間中において第1の半導体スイッチング素子のオフ動作は完了し同時に出力電流は第2の還流ダイオードを流れるモードへと切り替わるため同じくインバータ装置の出力端子電圧も第1の直流電源の正極側電位から負極側電位へと切り替わる。インバータ装置のこの出力端子電圧の切り替わりによる電圧立ち下がり時においては、第2の半導体スイッチング素子へのオン・オフ指令はデッドタイム期間(初期期間中)中であるため当然ながらオフ動作指令となっている。
【0006】一方インバータ装置の出力電流が負電流(負荷からインバータ装置へ電流が流れる)である場合においては、前記直流電源の正極側に接続された第1の半導体スイッチング素子へのオン信号入力がオフ信号入力へと切り替わると、そのまま両半導体スイッチング素子がともにオフするデッドタイム期間に移るが、このデッドタイム期間中においても出力電流は引き続き第1の還流ダイオードを流れ続けるためインバータ装置の出力端子電圧も引き続き第1の直流電源の正極側電位となっている。その後にデッドタイム期間が終了すると次は第2の半導体スイッチング素子へオン信号入力がはいり、第2の半導体スイッチング素子はそのままオン動作へと移る。このオン動作が完了するとインバータ装置の出力端子電圧も同様に前記直流電源の正極側電位から負極側電位へと切り替わる。インバータ装置のこの出力端子電圧の切り替わりによる電圧立ち下がり時においては、第2の半導体スイッチング素子へのオン・オフ指令は前記のごとくオン動作指令となっている。
【0007】以上のようにインバータ装置の出力端子電圧の切り替わりによる電圧立ち下がり時における第2の半導体スイッチング素子へのオン・オフ指令入力から、オフ指令入力時は出力電流は正電流であり、オン指令入力時は出力電流は負電流であると判断できる。この場合においてインバータ装置の出力端子電圧立ち下がりエッジの検出については、前記直流電源電圧値がそのままエッジ検出範囲となるので検出範囲を大きくとれ、従って第1の従来構成例の図8に示す電圧検出回路108でのコンパレータ115の使用等は不要であり、さらにまたノイズにより誤検出しやすいという問題もなくなる。また判別時間について、出力端子電圧の立ち下がりエッジ検出部においてフィルタを挿入し仮にエッジ検出が遅れても正電流時ではデッドタイム期間の終了までは判別でき、負電流時においては第2の半導体スイッチング素子へのオン信号入力が続いている間までは判別でき、いずれにしても十分な判別時間を確保できることになる。
【0008】また請求項2記載の構成におけるインバータ装置の出力電流極性検出方法においては、インバータ装置の出力端子電圧立ち上がり時における直流電源の正極側に接続された第1の半導体スイッチング素子へのオン・オフ指令から出力電流の極性判別を行うものであり、この場合における動作・極性判別の原理は前記の請求項1記載の構成における場合と同様ではあるが、電流の極性判別については第1の半導体スイッチング素子へのオン・オフ入力指令について、オン指令入力なら正電流検出であり、オフ指令入力なら負電流検出となる。またこの場合の効果についても前記請求項1記載の場合と同様である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1の実施例の構成を図1に示す。図1においてマイクロコンピュータ18は任意の電圧を各相出力端子からパルス幅変調により誘導電動機17へ電圧出力するために、図4に示すように例えばU相においてはU相出力電圧指令と基本三角波とを大小比較し、基本三角波の方が大きい場合はIGBTトランジスタQ4をオン(Q1はオフさせる)させ、逆に基本三角波の方が小さい場合はIGBTトランジスタQ1をオン(Q4はオフさせる)させる。このようにすることで、パルス幅変調電圧出力ではあるが平均電圧としては任意の指令電圧を電圧出力できる。ここでいずれか一方のIGBTトランジスタがオンし、同時に残る一方のIGBTトランジスタをオフさせる際においては、必ず両方のIGBTトランジスタを共にオフさせる期間であるデッドタイム(図4参照)を挿入設定している。
【0010】U相出力電流が正電流(U相出力端子14から誘導電動機17へと電流が流れる)の場合において、マイクロコンピュータ18の指令がIGBTトランジスタQ1のオン指令入力(Q4はオフ指令入力)であるモード(1)から、Q1,Q4ともにオフ指令入力(デッドタイム)であるモード(2)へと切り替わると、この切り替え点からQ1のオフ動作遅れ(数百nS)の後にU相出力電流は図2に示すIGBTトランジスタQ1を流れるルートから還流ダイオードD4を流れるルートへと切り替わり、この電流ルートの切り替えに対応してU相出力端子電圧も第1の直流電源電圧値(Vdc)から0Vへと切り替わる。このU相出力端子電圧の切り替わり(立ち下がり)時は、マイクロコンピュータ18からIGBTトランジスタQ4へ指令は、デッドタイム中なのでオフ指令入力である。このU相出力端子電圧の立ち下がりエッジを、図1および図2に示すようにU相出力端子14とダイオード19、抵抗22、抵抗25、第2の直流電源13とを接続することでDフリップフロップ28への立ち下がりクロック入力へと変換でき、マイクロコンピュータ18からIGBTトランジスタQ4へのオン・オフ指令(U−)をこのDフリップフロップ28のD入力とすれば、Dフリップフロップ28のQ出力からL出力信号(つまり正電流検出信号)として検出できることになる。
【0011】逆にU相出力電流が負電流(誘導電動機17からU相出力端子14へと電流が流れる)の場合においては、マイクロコンピュータ18の指令がIGBTトランジスタQ1のオン指令入力(Q4はオフ指令入力)であるモード(1)、さらにはQ1,Q4ともにオフ指令入力(デッドタイム)であるモード(2)においてはU相出力電流は図3に示す還流ダイオードD1を流れるルートであるが、このモード(2)からマイクロコンピュータ18の指令がIGBTトランジスタQ4のオン指令入力(Q1はオフ指令入力)であるモード(3)へと切り替わると、この切り替え点からQ4のオン動作遅れ(数百nS)の後にU相出力電流は図3に示す還流ダイオードD1を流れるルートからIGBTトランジスタQ4を流れるルートへと切り替わり、この電流ルートの切り替わりに対応してU相出力端子電圧も第1の直流電源電圧値(Vdc)から0Vへと切り替わる。このU相出力端子電圧の切り替わり(立ち下がり)時は、マイクロコンピュータ18からIGBTトランジスタQ4への指令は、モード(3)にあるのでオン指令入力である。従ってDフリップフロップ28のQ出力からH出力信号(つまり負電流検出信号)として検出できることになる。このようにして図4に示すようにU相出力端子電圧の切り替わり(立ち下がり)時ごとに出力電流極性判別を行いかつその判別値を更新していくことになる。また極性判別のできる期間は、デッドタイム期間からIGBTトランジスタQ1のオフ動作遅れ時間分を差し引いた残りの期間あり、さらにまたこのデッドタイム期間を延ばせばその分だけ極性判別のできる期間をも延ばすこともできる。このことはIGBTトランジスタQ4のオン動作遅れ時間分のみが極性判別のできる期間となる第2の従来例に比較し十分に長い期間となる。
【0012】次に本発明の第2の実施例の構成を図5に示す。構成においては第1の実施例である図1に対し、DフリップフロップへのD入力がマイクロコンピュータ18からIGBTトランジスタQ1へのオン・オフ指令入力であり、Dフリップフロップのクロック入力がポジティブエッジトリガ対応となっていることが異なる。U相出力電流が負電流(誘導電動機17からU相出力端子14へと電流が流れる)の場合において、マイクロコンピュータ18の指令がIGBTトランジスタQ4のオン指令入力(Q1はオフ指令入力)であるモードから、Q1,Q4ともにオフ指令入力(デッドタイム)であるモードへと切り替わると、この切り替え点からQ4のオフ動作遅れ(数百nS)の後にU相出力電流はIGBTトランジスタQ4を流れるルートから還流ダイオードD1を流れるルートへと切り替わり、この電流ルートの切り替わりに対応してU相出力端子電圧も0Vから第1の直流電源電圧値(Vdc)へと切り替わる。このU相出力端子電圧の切り替わり(立ち上がり)時は、マイクロコンピュータ18からIGBTトランジスタQ1へ指令は、デッドタイム中なのでオフ指令入力である。このU相出力端子電圧の立ち上がりエッジを、図5に示すようにU相出力端子14とダイオード19、抵抗22、抵抗25、第2の直流電源13とを接続することでDフリップフロップ31への立ち上がりクロック入力へと変換でき、マイクロコンピュータ18からIGBTトランジスタQ1へのオン・オフ指令入力(U+)をこのDフリップフロップ31のD入力とすれば、Dフリップフロップ31のQ出力からL出力信号(つまり負電流検出信号)として検出できることになる。
【0013】逆にU相出力電流が正電流(U相出力端子14から誘導電動機17へと電流が流れる)の場合においては、マイクロコンピュータ18の指令がIGBTトランジスタQ4のオン指令入力(Q4はオフ指令入力)であるモード、さらにはQ1,Q4ともにオフ指令入力(デッドタイム)であるモードの場合ではU相出力電流は還流ダイオードD4を流れるルートであるが、マイクロコンピュータ18の指令がIGBTトランジスタQ1のオン指令入力(Q4はオフ指令入力)であるモードへと切り替わると、この切り替え点からQ1のオン動作遅れ(数百nS)の後にU相出力電流は還流ダイオードD4を流れるルートからIGBTトランジスタQ1を流れるルートへと切り替わり、この電流ルートの切り替わりに対応してU相出力端子電圧も0Vから第1の直流電源電圧値(Vdc)へと切り替わる。このU相出力端子電圧の切り替わり(立ち上がり)時は、マイクロコンピュータ18からIGBTトランジスタQ1へ指令は、オン指令入力である。従ってDフリップフロップ31のQ出力からH出力信号(つまり正電流検出信号)として検出できることになる。このようにして図6に示すようにU相出力端子電圧の切り替わり(立ち上がり)時ごとに極性判別を行いかつその判別値を更新していくことになる。また極性判別のできる期間は、デッドタイム期間からIGBTトランジスタQ4のオフ動作遅れ時間分を差し引いた残りの期間分あり、さらにまたこのデッドタイム期間を延ばせばその分だけ極性判別のできる期間をも延ばすこともできる。このことは同様にIGBTトランジスタQ4のオン動作遅れ時間のみが極性判別のできる期間となる第2の従来例に比較し十分に長い期間となる。
【0014】
【発明の効果】以上本発明によれば、インバータ装置の出力電流極性検出を直列に接続され交互にオン・オフ動作する両半導体スイッチング素子のオン・オフ動作により、直流電源の電源電圧値と0Vとの間で変化する各相出力端子電圧の立ち下がり時(あるいは立ち上がり時)における第2(あるいは第1)の半導体スイッチング素子へのオン・オフ指令入力信号から行うことにより、インバータ装置の出力電流の正負極性判別においてその判別するための電圧範囲を大きくでき、従ってコンパレータ等のアナログ回路を介さずに直接に出力電流の正負極性判別を可能とでき、かつまた電流極性判別できる期間を十分にとれるのでノイズに対し誤検出しにくいインバータ装置の出力電流極性検出方法を提供できるという効果がある。
【出願人】 【識別番号】000006622
【氏名又は名称】株式会社安川電機
【出願日】 平成9年(1997)12月17日
【代理人】
【公開番号】 特開平11−183531
【公開日】 平成11年(1999)7月9日
【出願番号】 特願平9−364629