| 【発明の名称】 |
異常の表示方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】加藤 彬
【氏名】中村 兆
【氏名】松原 一郎
【氏名】下口 剛史
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| 【要約】 |
【課題】鉄塔の閃絡事故などを確実に表示できると共に、異常表示前の初期状態に容易に復帰できる異常の表示方法を提供する。
【解決手段】監視対象の異常状態を信号に変換し、この信号に基づいて液晶ガラスに課電制御を行って液晶ガラスの透視性を変え、液晶ガラスに遮蔽されたカラー標識の視覚の有無により異常状態を示す。収納ケース1を液晶ガラスで構成し、電流センサ2と振動センサ3およびカラー標識となるバッテリ5を具える表示器を用いる。雷撃に伴う事故電流と衝撃振動とを検知したときにバッテリ5を通じて液晶ガラスに課電し、液晶ガラスを透明にして内部のバッテリ5が見えることで閃絡事故を表示する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 監視対象の異常状態を信号に変換し、この信号に基づいて液晶ガラスに課電制御を行って液晶ガラスの透視性を変え、液晶ガラスに遮蔽されたカラー標識の視覚の有無により異常状態を示す異常の表示方法。 【請求項2】 異常状態は鉄塔への雷撃によって発生する電気信号と振動信号の双方で、この電気信号と振動信号の時間差が一定以内の場合に液晶ガラスに課電制御を行うことを特徴とする請求項1記載の異常の表示方法。 【請求項3】 異常状態の発生後、一定時間経過後に液晶ガラスに課電制御を行い、自動的に液晶ガラスを異常表示前の状態に復帰させることを特徴とする請求項1または2記載の異常の表示方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は鉄塔における閃絡事故などの異常を表示する方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】鉄塔における閃絡事故の表示技術として火薬の爆発を用いた表示器がある。これは、雷撃によって送電線鉄塔に流れる事故電流を検知し、この送電鉄塔に設けられた表示器の火薬を爆発させて表示布を外部に放出することで閃絡事故を表示している。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の閃絡表示器には次のような問題があった。 ■火薬の爆発後、再度使用することができない。そのため、表示動作後には必ず閃絡表示器の交換作業が必要になる。また、動作後確実に表示器を交換しないと、事故箇所を誤って判断する可能性もある。 【0004】■自然湿気などの影響で火薬の効用を失い、事故発生時に表示器が動作しない可能性がある。そのため、性能保証上、定期的に火薬を交換する必要がある。また、保証期間内でも、天候の影響などで正常に動作しないこともある。 【0005】■事故電流の大きさによっては、事故鉄塔以外の近傍鉄塔に設けた閃絡表示器も誤動作し、実際の事故鉄塔を判別できないこともある。 【0006】従って、本発明の主目的は、再使用が容易で動作が確実な異常の表示方法を提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達成するためになされたもので、監視対象の異常状態を信号に変換し、この信号に基づいて液晶ガラスへの課電状態を制御して液晶ガラスの透視性を変え、液晶ガラスに遮蔽されたカラー標識の視覚の有無により異常状態を示すことを特徴とする。 【0008】液晶ガラスは課電状態によって透明になったり非透明になったりする。そのため、液晶ガラスでカラー標識を遮蔽しておき、液晶ガラスの透視性を変化させるとカラー標識が見えたり見えなくなったりする。異常の表示の仕方は、正常なときにカラー標識が見えず、異常なときにカラー標識が見える場合と、逆に、正常なときにカラー標識が見え、異常なときにカラー標識が見えない場合のいずれでもよい。カラー標識の具体的構成としては、液晶ガラスの一面にカラー塗装を行うことや、液晶ガラスの背後にカラー物体を配置することが挙げられる。 【0009】異常状態の具体例としては、鉄塔への雷撃によって発生する電気信号と振動信号が挙げられる。この場合、電気信号と振動信号の双方を検知すると共に両信号の時間差を求め、この時間差が一定以内の場合に液晶ガラスに課電制御を行うことが好ましい。 【0010】鉄塔に雷撃を受けて送電線に故障が発生した場合、鉄塔には大きな事故電流が流れると共に衝撃振動も発生する。これらの伝播速度は既知で、事故電流の伝播速度の方が振動の伝播速度よりも速い。そこで、雷撃に伴う電流信号と振動信号の双方が検知され、かつ両者の検知された時間差が一定時間以内の場合に雷撃があったものとして異常表示を行えば、誤って異常状態を表示することを防止できる。 【0011】さらに、異常状態の発生後、一定時間経過後に液晶ガラスに対する課電状態を制御して、自動的に液晶ガラスを異常表示前の状態に復帰させることが望ましい。 【0012】 【発明の実施の形態】以下、鉄塔における閃絡表示を例として本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明方法に用いる閃絡表示器の概略構成図で、図2は同表示器の機能ブロック図である。 【0013】図1に示すように、この表示器は収納ケース1と電流センサ2および振動センサ3を主な構成部材としている。 【0014】収納ケース1は液晶ガラスで構成される直方体状の容器である。液晶ガラスは課電状態により透明になったり濁ったりして透視性が変化される。ここでは、正常時に液晶ガラスが濁った状態で内部を透視することができず、異常時に透明になって内部が透視できるよう構成する。 【0015】収納ケース1の背面には電流センサ2となる空芯コイルが取り付けられ、内部には振動センサ3と両センサ2,3からの検知信号に基づいて収納ケース1に課電制御を行う制御回路の基板4およびバッテリ5が設置されている。 【0016】電流センサ2は鉄塔への雷撃により生じた事故電流の検出を行い、振動センサ3は雷撃に伴う衝撃振動を検出する。バッテリ5は表示器の電源で、表面に例えば赤色の着色を施してカラー標識としての機能をも兼ね具えている。つまり、異常を検知して収納ケース1が透明になれば、このバッテリ5を外部から透視することができる。また、収納ケース1の上面にはバッテリ5を充電するためのソーラーパネル6が取り付けられている。 【0017】そして、このような表示器を鉄塔のアングル材7に取り付ける。その際、電流センサ2が設けられた面をアングル材7に密着させる。正常時、収納ケース1の液晶ガラスは濁った状態で内部を透視することはできず、バッテリ5を外部から確認することはできない。 【0018】しかし、鉄塔が雷撃を受けて送電線に故障を生じると、この鉄塔には図2に示すような事故電流が流れると共に大きな衝撃振動も発生する。電流信号の伝播速度は約3×108 m/秒、振動の伝播速度は約5×103 m/秒である。従って、一定時間内に電流信号と振動信号の双方を検知すれば閃絡事故が発生したと判断できる。一方、電流信号だけで振動信号が伴わなければ鉄塔での故障ではないことがわかる。 【0019】このような判断により収納ケース1への課電制御を行う回路の構成例を図3に示す。雷撃に伴う故障発生時、鉄塔に流れる電気信号を空芯コイルで構成される電流センサ2で検出する。この電気信号は整流回路で検出波形を整形する。整形した波形はワンショット回路、スイッチ回路を通じて制御用のCPUを起動する。 【0020】CPUは振動センサ3で検出した振動信号をサンプリング回路を経てサンプリング処理する。また、CPUは電気信号に基づく起動と同時に時間カウントも起動する。そして、振動信号が所定のしきい値を超えることや、電気信号を検知してからの時間カウント数が所定時間以内である場合に鉄塔で故障が発生したと判断して収納ケース1に課電を行う。課電された液晶ガラスは透明になり、内部のカラー標識(バッテリ5)が表示器の外部から見えることで異常の表示とする。 【0021】さらに、鉄塔で故障が発生したと判断した時点から時間カウントを行い、このカウント値が所定値を超えたときに再度収納ケース1に課電制御を行って自動的に正常時の状態に液晶ガラスを復帰させれば、何度でも表示器を利用することができる。 【0022】 【発明の効果】以上説明したように、本発明方法によれば、異常状態の検知信号で液晶ガラスの透視性を変化させ、液晶ガラスに遮蔽されたカラー標識の視覚の有無により異常を検知できるため、極めて簡単な構成で確実に異常状態を表示できる。 【0023】また、異常状態が鉄塔への雷撃の場合、雷撃により発生する電気信号と振動信号の双方を検知し、両信号の時間差が一定以内の場合にのみ液晶ガラスに課電制御を行うことで、精度良く閃絡事故を検知することができる。 【0024】さらに、異常状態の発生後、一定時間経過後に液晶ガラスに課電制御を行い、自動的に液晶ガラスを異常表示前の状態に復帰させることで、特別な復帰作業を行うことなく何度でも異常表示を行うことができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002130 【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)12月11日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】青木 秀實 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−174092 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)7月2日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−362764 |
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