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【発明の名称】 電気光学サンプリングオシロスコープ
【発明者】 【氏名】竹内 伸成

【氏名】柳沢 幸樹

【氏名】菊池 潤

【氏名】伴城 暢一

【氏名】遠藤 善雄

【氏名】品川 満

【氏名】永妻 忠夫

【氏名】山田 順三

【要約】 【課題】トリガ信号が不安定になっていることに起因する測定エラーを測定者に報知することができる電気光学サンプリングオシロスコープを得ること。

【解決手段】本発明は、内部クロックSckから同期信号Ssを生成する制御部10と、トリガ信号Stが上記同期信号Ssの1周期において”H”レベルとなっているビット数をカウントして、カウント結果をカウントデータDとして出力するカウンタ11と、同期信号Ssに同期してカウンタ11から順次入力される第1周期から第n周期(n:自然数)までのカウントデータDをカウントデータD1〜Dnとして順次記憶するメモリ12と、カウントデータD1〜Dnに基づいて、n個のカウント値のばらつきを表すヒストグラムに基づいてトリガ信号Stが安定しているか否かを判断する演算部13と、上記ヒストグラムおよび演算部13の判断結果を表示する表示部14とを具備している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 トリガ信号に基づいて生成される光パルスを利用して、被測定信号の測定を行う電気光学サンプリングオシロスコープにおいて、一定周期毎に、前記トリガ信号における”1”ビットの数を順次カウントするカウント手段と、前記カウント手段における複数のカウント結果のばらつき具合を示すヒストグラムを求める演算手段と、前記演算手段により演算された前記ヒストグラムを表示する表示手段とを具備することを特徴とする電気光学サンプリングオシロスコープ。
【請求項2】 トリガ信号に基づいて生成される光パルスを利用して、被測定信号の測定を行う電気光学サンプリングオシロスコープにおいて、一定周期毎に、前記トリガ信号における”1”ビットの数を順次カウントするカウント手段と、前記カウント手段における複数のカウント結果のばらつき具合に基づいて、前記トリガ信号が安定しているか否かを判断する判断手段と、前記判断手段の判断結果を表示する表示手段とを具備することを特徴とする電気光学サンプリングオシロスコープ。
【請求項3】 前記カウント手段の2つのカウント結果を比較する比較手段を具備し、前記表示手段は、前記比較手段の比較結果が一致であるとき、前記トリガ信号が安定している旨を表示する一方、前記比較手段の比較結果が不一致であるとき、前記トリガ信号が不安定である旨および測定エラーが発生している旨を表示することを特徴とする請求項1または2に記載の電気光学サンプリングオシロスコープ。
【請求項4】 前記カウント手段は、前記”1”ビットに代えて”0”ビットをカウントすることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電気光学サンプリングオシロスコープ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気光学サンプリングオシロスコープに関する。
【0002】
【従来の技術】近時、例えば、2.4Gbpsという超高速なビットレートの信号を扱う被測定回路の信号測定には、被測定回路に擾乱を与えることなく測定可能な電気光学サンプリングオシロスコープが用いられている。ここで、上記電気光学サンプリングオシロスコープには、電気光学効果を利用して被測定信号を検出する電気光学プローブが用いられる。
【0003】また、上述した電気光学サンプリングオシロスコープは、(1)信号を測定する際に、グランド線を必要としないため、測定が容易(2)電気光学プローブの先端にある金属ピンが回路系から各々絶縁されているので高入力インピーダンスを実現でき、その結果被測定点の状態をほとんど乱すことがない(3)光パルスを利用することからGHzオーダーまでの広帯域測定が可能といった特徴があることから、高速化が進む通信情報システムの測定に特に用いられている。
【0004】図4は、上述した測定原理を用いた従来の電気光学サンプリングオシロスコープの構成を示すブロック図である。この図に示す電気光学サンプリングオシロスコープは、本体1および電気光学プローブ2から構成されている。上記本体1は、トリガ回路3、タイミング発生回路4、光パルス発生回路5、A/D(アナログ/ディジタル)変換器6、処理回路7、設定部8から構成されている。
【0005】トリガ回路3は、外部から入力されるトリガ信号に基づいて設定部8で設定された周波数のトリガ信号を生成する。タイミング発生回路4は、光パルスを発生するタイミングおよびA/D変換器6におけるA/D変換のタイミングをとるためのタイミング信号を発生する。このタイミング信号は、希望サンプルレート、トリガ回路3より入力されるトリガ信号、内部クロックからのクロック信号から生成される。ここで、上記サンプルレートとは、設定部8で設定された測定信号の時間方向の拡大率であるx軸スケールに基づいて処理回路7において決定されるレートをいう。
【0006】光パルス発生回路5は、タイミング発生回路4により発生されたタイミング信号に基づいて、光パルスを発生し、これを電気光学プローブ2へ供給する。そして、偏光変化を受けた光パルスは、電気光学プローブ2内の偏光検出光学系(図示略)により検出され、この検出結果たる検出信号は、A/D変換器6により増幅およびA/D変換された後、処理回路7へ入力される。そして、処理回路7は、被測定信号を表示する等の処理を行う。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の電気光学サンプリングオシロスコープにおいては、トリガ信号が不安定であったり、ランダムであったりすると、測定結果たる被測定信号の波形が乱れるという測定エラーが発生する。しかしながら、従来の電気光学サンプリングオシロスコープにおいては、測定者から見れば、トリガ信号が不安定、ランダムになっていることに起因している測定エラーが発生しているのか、または被測定信号自体が不安定であって正常に測定されているのかを区別することができないという欠点があった。本発明はこのような背景の下になされたもので、トリガ信号が不安定になっていることに起因する測定エラーを測定者に報知することができる電気光学サンプリングオシロスコープを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明は、トリガ信号に基づいて生成される光パルスを利用して、被測定信号の測定を行う電気光学サンプリングオシロスコープにおいて、一定周期毎に、前記トリガ信号における”1”ビットの数を順次カウントするカウント手段と、前記カウント手段における複数のカウント結果のばらつき具合を示すヒストグラムを求める演算手段と、前記演算手段により演算された前記ヒストグラムを表示する表示手段とを具備することを特徴とする。また、請求項2に記載の発明は、トリガ信号に基づいて生成される光パルスを利用して、被測定信号の測定を行う電気光学サンプリングオシロスコープにおいて、一定周期毎に、前記トリガ信号における”1”ビットの数を順次カウントするカウント手段と、前記カウント手段における複数のカウント結果のばらつき具合に基づいて、前記トリガ信号が安定しているか否かを判断する判断手段と、前記判断手段の判断結果を表示する表示手段とを具備することを特徴とする。また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の電気光学サンプリングオシロスコープにおいて、前記カウント手段の2つのカウント結果を比較する比較手段を具備し、前記表示手段は、前記比較手段の比較結果が一致であるとき、前記トリガ信号が安定している旨を表示する一方、前記比較手段の比較結果が不一致であるとき、前記トリガ信号が不安定である旨および測定エラーが発生している旨を表示することを特徴とする。また、請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の電気光学サンプリングオシロスコープにおいて、前記カウント手段は、前記”1”ビットに代えて”0”ビットをカウントすることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は本発明の一実施形態による電気光学サンプリングオシロスコープの要部の構成を示すブロック図である。この図において、10は、前述した内部クロックSckから図2(a)に示す同期信号Ssを生成する制御部である。この同期信号Ssの周期は、8ビット分のディジタル信号の周期に相当する。なお、同期信号Ssの周期は、8ビットに限定されることなく、16、32ビット等いかなるビット数であってもよい。
【0010】11は、前述したトリガ信号St(図2(b)参照)が、上記同期信号Ssの1周期において”H”レベルとなっているビット数をカウントするカウンタであり、カウント結果をカウントデータDとして出力する。12は、同期信号Ssに同期してカウンタ11から順次入力される1周期分のカウントデータDを記憶するメモリであり、第1周期から第n周期(n:自然数)までのn個のカウントデータDをカウントデータD1〜Dnとして記憶する。
【0011】13は、メモリ12に記憶されているカウントデータD1〜Dnに基づいて、図3(a)および(b)に示すようなヒストグラムを求めた後、このヒストグラムのデータ(以下、演算結果データDsと称する)を出力する。ここで、図3(a)に示すヒストグラムは、n個のカウントデータD1〜Dnから得られるn個のカウント値のばらつきを示すものであり、同図においては、横軸がカウント値、縦軸が当該カウント値の発生頻度である。14は、演算部13における演算結果(ヒストグラム:図3(a)参照)等を表示する表示部であり、例えば、ランプ、発光ダイオード、液晶ディスプレイ等である。
【0012】次に、上述した一実施形態による電気光学サンプリングオシロスコープの動作について説明する。図2(a)に示す時刻t1において、内部クロックSckが制御部10に入力されると、制御部10は、内部クロックSckから図2(a)に示す同期信号Ssを生成して、これをカウンタ11、メモリ12、演算部13へ各々出力する。
【0013】これにより、カウンタ11は、図2(b)に示すトリガ信号Stが”H”レベルとなっているビット数のカウントを開始する。ここで、上記トリガ信号Stは、長時間に亙って安定しているものとする。そして、今、図2(a)に示す時刻t2になると、カウンタ11は、時刻t1から時刻t2までの期間T1における、トリガ信号Stが”H”となっているビット数のカウント結果をカウントデータDとして出力する。図2(b)に示す例では、期間T1におけるトリガ信号Stのビットが”11000000”であるため、カウントデータDは、「2」である。この「2」のカウントデータDは、メモリ12にカウントデータD1として記憶される。
【0014】また、時刻t2において、カウンタ11は、図2(b)に示すトリガ信号Stが”H”レベルとなっているビット数のカウントを再び開始する。そして、今、図2(a)に示す時刻t3になると、カウンタ11は、時刻t2から時刻t3までの期間T2において、トリガ信号Stが”H”となっているビット数のカウント結果をカウントデータDとして出力する。
【0015】図2(b)に示す例では、期間T2におけるトリガ信号Stのビットが、期間T1と同一の”11000000”であるため、カウントデータDは、「2」である。この「2」のカウントデータDは、メモリ12にカウントデータD2として記憶される。以下、同様の動作により図2(a)に示す期間T3〜TnのカウントデータD3(=「4」)〜カウントデータDn(=「2」)が、同期信号Ssに同期して、メモリ12に順次記憶される。今の場合、上述したカウントデータD1〜Dnにおいては、「2」の発生頻度が最も多く、かつ「2」以外のカウント値の発生頻度が「2」に比して非常に少ないものとする。
【0016】そして、図2(a)に示す時刻tn+1において、演算部13は、メモリ12に記憶されているカウントデータD1〜Dnを読みだした後、該カウントデータD1〜Dnから得られるn個のカウント値の発生頻度を図3(a)に示すヒストグラムとして演算する。ここで、図3(a)においては、「2」のカウント値の発生頻度が、他のカウント値に比して非常に多いことがわかる。
【0017】次に、演算部13は、図3(a)に示すヒストグラムにおいて、発生頻度が最も最も高いカウント値(以下、最頻カウント値と称する)を認識する。図3(a)に示す例では、上記最頻カウント値は、「2」である。次に、演算部13は、最頻カウント値(「2」)の発生頻度の例えば50%の値を示す50%ライン(図3(a)参照)を認識した後、ヒストグラムにおいて最頻カウント値を中心値とする所定の範囲H以外の範囲に上記50%ライン以上の発生頻度のカウント値が存在するか否かを判断する。図3(a)に示す例では、範囲H以外に、50%ライン以上の発生頻度のカウント値が存在しないため、演算部13は、トリガ信号Stが安定していると判断する。
【0018】次に、演算部13は、図3(a)に示すヒストグラムに対応する演算結果データDsおよび上記判断結果のデータを表示部14へ出力する。これにより、表示部14には、図3(a)に示すヒストグラムが表示される。また、表示部14には、トリガ信号Stが安定している旨が表示されるか、またまいずれも表示されない。そして、測定者は、図3(a)に示すヒストグラムにおいて、特定のカウント値(「2」)の発生頻度が、他のカウント値の発生頻度に比して非常に多いことから、トリガ信号Stが安定していることを認識する。これと同時に測定者は、表示部14の表示を見てトリガ信号Stが安定していることを認識する。
【0019】一方、トリガ信号Stが不安定である場合、演算部13により、例えば、図3(b)に示すようなカウント値のばらつきが非常に大きいヒストグラムが求められる。これにより、演算部13は、図3(b)に示す「5」を上述した最頻カウント値として認識した後、該最頻カウント値(「5」)の発生頻度の例えば50%の値を示す50%ラインを認識する。次いで、演算部13は、ヒストグラムにおいて最頻カウント値「5」を中心値とする範囲H以外の範囲に上記50%ライン以上の発生頻度のカウント値が存在するか否かを判断する。図3(b)に示す例では、範囲H以外に、50%ライン以上の発生頻度のカウント値が多数存在しているため、演算部13は、トリガ信号Stが不安定であると判断する。
【0020】これにより、上述した動作と同様にして、表示部14には、図3(b)に示すようにカウント値のばらつきが大きいヒストグラムが表示されるとともに、トリガ信号Stが不安定である旨が表示される。この結果、測定者は、図3(b)に示すヒストグラムにおいて、カウント値が非常にばらついていること、および不安定である旨の表示から、トリガ信号Stが不安定であることを認識する。
【0021】以上説明したように本発明の一実施形態による電気光学サンプリングオシロスコープによれば、トリガ信号Stが安定度が表示部14に表示されるように構成されているので、トリガ信号の不安定になっていることに起因する測定エラーを測定者に報知することができる。
【0022】以上、本発明の一実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。例えば、上述した一実施形態による電気光学サンプリングオシロスコープにおいては、メモリ12に記憶されている、隣接するカウントデータDnの値とカウントデータDn+1の値とを、同期信号Ssに同期させて比較することにより、トリガ信号Stの安定度を判定するようにしてもよい。この場合、演算部13は、図2(a)に示す時刻t3においてメモリ12に記憶されている、カウントデータD1(「2」)とカウントデータD2(「2」)とを比較する。今の場合、両者が一致しているため、演算部13は、一致していることを示す演算結果データDsを出力する。この結果、表示部14には、トリガ信号Stが安定している旨が表示される。
【0023】そして、図2(a)に示す時刻t4において演算部13は、メモリ12に記憶されている、カウントデータD2(「2」)とカウントデータD3とを比較する。今の場合、両者が一致していないため、演算部13は、不一致であることを示す演算結果データDsを出力する。この結果、表示部14には、トリガ信号Stが不安定である旨が表示される。
【0024】また、上述した一実施形態による電気光学サンプリングオシロスコープにおいては、トリガ信号Stにおける”1”ビットの数をカウントする例について説明したが、これに限定されることなく、上記”1”ビットに代えて”0”ビットをカウントするようにしてもよい。さらに、上述した電気光学サンプリングオシロスコープにおいては、カウント値に関するヒストグラムを求める例について説明したが、これに限定されることなく、上記カウント値を周波数に変換したものに関するヒストグラムを求めるようにしてもよい。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、トリガ信号が不安定になっていることに起因する測定エラーを測定者に報知することができるという効果が得られる。
【出願人】 【識別番号】000117744
【氏名又は名称】安藤電気株式会社
【識別番号】000004226
【氏名又は名称】日本電信電話株式会社
【出願日】 平成9年(1997)12月15日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武 (外1名)
【公開番号】 特開平11−174090
【公開日】 平成11年(1999)7月2日
【出願番号】 特願平9−345572