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【発明の名称】 プローブ
【発明者】 【氏名】竹内 伸成

【氏名】柳沢 幸樹

【氏名】菊池 潤

【氏名】伴城 暢一

【氏名】遠藤 善雄

【氏名】品川 満

【氏名】永妻 忠夫

【氏名】松広 一良

【要約】 【課題】コストを安くすることができるプローブを得ること。

【解決手段】厚肉円筒形状であってその先端部分に雄ネジ部20bが形成された本体ケース20と、本体ケース20に対して着脱可能に構成され、電気光学効果を利用して被測定信号を検出する場合に用いられる電気光学プローブ用アダプタ21と、本体ケース20に対して着脱可能に構成され、磁気光学効果を利用して被測定信号を検出する場合に用いられる磁気光学プローブ用アダプタとを具備している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 オシロスコープに接続され、被測定信号を検出するプローブにおいて、ケース本体と、前記ケース本体の先端部に着脱可能に構成された第1の先端ケースと、前記第1の先端ケースの内部に設けられ電気光学現象により前記被測定信号を検出する第1の検出手段とを有する電気光学プローブ用アダプタと、前記ケース本体の先端部に着脱可能に構成された第2の先端ケースと、前記第2の先端ケースの内部に設けられ磁気光学現象により前記被測定信号を検出する第2の検出手段とを有する磁気光学プローブ用アダプタとを具備することを特徴とするプローブ。
【請求項2】 前記ケース本体の先端部の外周面には、ネジ溝が形成されており、前記第1および第2の先端ケースの内周面には、ネジ溝が形成されており、前記ケース本体と前記第1または第2の先端ケースとは螺合されることを特徴とする請求項1に記載のプローブ。
【請求項3】 前記ケース本体の先端部の外周面、ならびに前記第1および第2の先端ケースの内周面は、滑らかに各々形成されており、前記ケース本体と前記第1または前記第2の先端ケースとは嵌合されることを特徴とする請求項1に記載のプローブ。
【請求項4】 レーザ光を発生するレーザ光発生手段を具備し、前記第1の検出手段は、前記被測定信号により生じる電界の強度に応じてその屈折率が変化する前記電気光学結晶と、前記電気光学結晶の裏面に形成され前記電気光学結晶を透過したレーザ光を反射する第1の反射鏡とを有しており、該電気光学結晶の中を透過するレーザ光の偏光状態に基づいて前記被測定信号を検出し、前記第2の検出手段は、前記被測定信号により生じる磁界の強度に応じて前記レーザ光の偏光面を回転させる磁気光学結晶と、前記磁気光学結晶の裏面に形成され前記磁気光学結晶を透過した前記レーザ光を反射する第2の反射鏡とを有しており、該磁気光学結晶の中を透過する前記レーザ光の偏光状態に基づいて前記被測定信号を検出すること、を特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のプローブ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、測定器における被測定信号の入力に用いられるプローブに関する。
【0002】
【従来の技術】近時、例えば、2.4Gbpsという超高速なビットレートの信号を扱う被測定回路の信号測定には、被測定回路に擾乱を与えることなく測定可能なサンプリングオシロスコープが用いられている。ここで、上記サンプリングオシロスコープには、電気光学効果を利用して被測定信号を検出する電気光学プローブまたは磁気光学効果を利用して被測定信号を検出する磁気光学プローブのうちいずれかのものが用いられる。
【0003】また、上述したサンプリングオシロスコープは、(1)信号を測定する際に、グランド線を必要としないため、測定が容易(2)電気光学プローブの先端にある金属ピンおよび磁気光学プローブが回路系から各々絶縁されているので高入力インピーダンスを実現でき、その結果被測定点の状態をほとんど乱すことがない(3)光パルスを利用することからGHzオーダーまでの広帯域測定が可能といった特徴があることから、高速化が進む通信情報システムの測定に特に用いられている。
【0004】図4は、上述したサンプリングオシロスコープに用いられる電気光学プロープによる測定原理を説明する図である。この図において、1はプリント基板であり、このプリント基板1の表面には、信号線2およびグランド線3が各々形成されている。4は、上述したサンプリングオシロスコープ(図示略)に接続された電気光学プローブであり、信号線2を伝送する被測定信号を検出する。
【0005】この電気光学プローブ4は、金属ピン5、絶縁体6、電気光学結晶7および反射鏡8から概略構成されている。また、電気光学プローブ4は、被測定信号によって発生する電界を電気光学結晶に対して作用させた状態で、該電気光学結晶にレーザ光が入射されると、レーザ光の偏光状態が変化するという原理を用いて被測定信号の検出を行うものである。
【0006】電気光学プローブ4において、金属ピン5は、その先端部分がテーパ状に形成されており、測定時に信号線2に当接される。絶縁体6は、円板形状をしており、その裏面中央部には、金属ピン5の端部が取り付けられている。すなわち、金属ピン5は、絶縁体6により保持されている。7は、BSO(Bi12SiO20)が円柱形状に形成されてなる電気光学結晶であり、結合された電界強度Eに応じて、一次の電気光学変化であるポッケルス効果によりその屈折率が変化するという、光学的性質を有している。
【0007】反射鏡8は、電気光学結晶7の裏面に蒸着された誘電体多層膜ミラーであり、電気光学結晶7を透過したレーザ光Laを反射する。電気光学結晶7は、反射鏡8を介して絶縁体6の表面に接合されている。
【0008】上記構成において、金属ピン5の先端部が信号線2に当接されると、信号線2を伝送している被測定信号のレベルに応じた電界Eが電気光学結晶7と結合される。これにより、ポッケルス効果によって電気光学結晶7の屈折率が電界Eの強度に応じて変化する。この状態において、レーザ光Laが電気光学結晶7の表面に入射されると、電気光学結晶7内部を伝搬しているレーザ光Laの偏光状態が変化する。
【0009】そして、偏光変化を受けたレーザ光Laは、反射鏡8により反射された後、電気光学結晶7の表面から出射され、図示しない受光部に受光される。さらに、受光部の出力信号から偏光状態を把握することにより、信号線2を伝送している被測定信号が検出される。なお、上述した測定原理の詳細については、品川ら:”EOSによるハンディ型ハイインピーダンスプローブ”、第15回光波センシング技術研究会 講演論文集 応用物理学会・光波センシング技術研究会、1995年5月、pp.123−129を参照されたい。
【0010】図5は、従来のサンプリングオシロスコープに用いられる電気光学プローブの具体的構成を示す概略側面図である。この図において、図4の各部に対応する部分には同一の符号を付けその説明を省略する。図5に示す電気光学プローブ4において、9は、略円筒形状のケースであり、円筒形状の円筒部9bと、該円筒部9bの一端部にテーパ形状に形成され、かつ軸線に沿って貫通穴が形成された先端部9aとが一体に形成されている。この先端部9aには、上述した金属ピン5、絶縁体6、電気光学結晶7および反射鏡8が各々収容されている。
【0011】10は、コネクタ11と図示しないレーザ発生装置との間を接続する偏光保持光ファイバである。上記レーザ発生装置は、直線偏光のレーザ光Laを発生する。また、コネクタ11は、その出射端11aから出射されるレーザ光Laが電気光学結晶7および反射鏡8に対して垂直に入射される位置に配設されている。12は、コネクタ11の左方に配設されたコリメートレンズであり、レーザ光Laを平行光に変換する。
【0012】13は、コリメートレンズ12の左方に配設された偏光ビームスプリッタであり、紙面に対して平行なレーザ光Laの偏光成分を直進させるとともに、上記紙面に対して垂直なレーザ光Laの偏光成分を、レーザ光Laの直進方向に対して90度曲げて直進させる。14は、偏光ビームスプリッタ13の左方に配設されたファラデー素子であり、偏光ビームスプリッタ13を透過したレーザ光Laの偏光を紙面に対して45度回転させる。
【0013】15は、ファラデー素子14の左方に、結晶軸方位が22.5度傾くように配設された1/2波長板であり、ファラデー素子14により回転された偏光を紙面に対して平行にする。16は、1/2波長板15の左方に配設された偏光ビームスプリッタであり、偏光ビームスプリッタ13と同一構成とされている。17は、偏光ビームスプリッタ16の左方に配設された波長板であり、偏光ビームスプリッタ16を透過したレーザ光Laの強度バランスを調整することにより、最終的に得られる電気光学プローブ4の出力信号のS/N(Signal/Noise)比を調整する。
【0014】18は、偏光ビームスプリッタ16の上方に配設された第1のフォトダイオードであり、偏光ビームスプリッタ16により分岐されたレーザ光Laを第1の検出信号S1に変換して、これを図示しない差動増幅器へ出力する。19は、偏光ビームスプリッタ13の上方に配設された第2のフォトダイオードであり、偏光ビームスプリッタ13により分岐されたレーザ光Laを第2の検出信号S2に変換して、これを図示しない差動増幅器へ出力する。
【0015】上記構成において、図5に示す金属ピン5の先端部が信号線2(図4参照)に当接されると、信号線2を伝送している被測定信号のレベルに応じた電界Eが電気光学結晶7と結合される。これにより、電気光学結晶7の屈折率が電界Eの強度に応じて変化する。この状態において、図示しないレーザ光発生装置からレーザ光Laが出射されると、該レーザ光Laは、コネクタ11の出射端11aから出射された後、コリメートレンズ12、偏光ビームスプリッタ13、ファラデー素子14、1/2波長板15、偏光ビームスプリッタ16および波長板17を介して電気光学結晶7の表面に入射される。
【0016】この結果、電気光学結晶7内部を伝搬しているレーザ光Laの偏光状態が変化する。そして、偏光変化を受けたレーザ光Laは、反射鏡8により反射された後、電気光学結晶7の表面から出射され、偏光ビームスプリッタ16により分岐される。上記分岐された一方のレーザ光Laは、第1のフォトダイオード18により第1の検出信号S1に変換され、該第1の検出信号S1は、差動増幅器へ入力される。
【0017】また、偏光ビームスプリッタ16により分岐された他方のレーザ光Laは、偏光ビームスプリッタ13により第2のフォトダイオード19方向へ分岐された後、第2のフォトダイオード19により第2の検出信号S2に変換される。そして、該第2の検出信号S2は、差動増幅器に入力される。これにより、差動増幅器においては、第1の検出信号S1と第2の検出信号S2とが差動増幅された後、差動増幅された信号が電気光学プローブ4の出力信号としてサンプリングオシロスコープの入力端子に入力される。この結果、サンプリングオシロスコープの表示部には、信号線2を伝送している被測定信号の波形等が表示される。
【0018】次に、上述したサンプリングオシロスコープに用いられる磁気光学プローブの構成について説明する。この磁気光学プローブの基本的な構成は、図5に示す電気光学プローブ4と同一構成であるが、次の点において電気光学プローブ4の構成と異なる。すなわち、磁気光学プローブにおいては、図5に示す金属ピン5、絶縁体6、電気光学結晶7および反射鏡8に代えて磁気光学結晶および反射鏡が設けられており、かつ先端部9aに貫通穴が形成されていない。
【0019】上記磁気光学結晶は、ファラデー効果を利用してレーザ光Laの偏光面を回転させるファラデー素子であり、この磁気光学結晶の裏面には、反射鏡が形成されている。ここで、ファラデー効果とは、磁界中に置かれた磁気光学結晶を透過する光の偏光面が回転する現象をいい、偏光面の回転角θはθ=VHlcosΦで与えられる。ここで、Vはヴェルデ定数[rad/A]、Hは磁界の強さ[A/m]、lは磁気光学結晶中を光が伝搬する光路長[m]、Φは光の伝搬方向と磁界とのなす角度[rad]である。
【0020】上記構成において、信号線2(図4参照)に被測定信号が伝送している状態では、信号線2の周囲にはアンペアの法則により磁界が発生している。この状態で磁気光学プローブの先端部9a(図5参照)が信号線2に当接されると、上述した磁気光学結晶は、磁界中に置かれる。
【0021】そして、図示しないレーザ光発生装置からレーザ光Laが出射されると、該レーザ光Laは、コネクタ11の出射端11aから出射された後、コリメートレンズ12、偏光ビームスプリッタ13、ファラデー素子14、1/2波長板15、偏光ビームスプリッタ16および波長板17を介して磁気光学結晶の表面に入射される。
【0022】この結果、磁気光学結晶内部を伝搬しているレーザ光Laの偏光面が磁界の強さに応じて回転、言い換えればレーザ光Laの偏光状態が変化する。そして、偏光変化を受けたレーザ光Laは、反射鏡8により反射された後、磁気光学結晶の表面から出射され、偏光ビームスプリッタ16により分岐される。以下、上述した動作を経て、サンプリングオシロスコープの表示部には、信号線2を伝送している被測定信号の波形等が表示される。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のサンプリングオシロスコープにおいては、電気光学効果および磁気光学効果を利用した、2種類の電気光学プローブ4および磁気光学プローブが用いられている。しかしながら、従来のサンプリングオシロスコープにおいては、電気光学プローブ4および磁気光学プローブが2本必要となるため、コストが高いという欠点があった。本発明はこのような背景の下になされたもので、コストを安くすることができるプローブを提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明は、オシロスコープに接続され、被測定信号を検出するプローブにおいて、ケース本体と、前記ケース本体の先端部に着脱可能に構成された第1の先端ケースと、前記第1の先端ケースの内部に設けられ電気光学現象により前記被測定信号を検出する第1の検出手段とを有する電気光学プローブ用アダプタと、前記ケース本体の先端部に着脱可能に構成された第2の先端ケースと、前記第2の先端ケースの内部に設けられ磁気光学現象により前記被測定信号を検出する第2の検出手段とを有する磁気光学プローブ用アダプタとを具備することを特徴とする。また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のプローブにおいて、前記ケース本体の先端部の外周面には、ネジ溝が形成されており、前記第1および第2の先端ケースの内周面には、ネジ溝が形成されており、前記ケース本体と前記第1または第2の先端ケースとは螺合されることを特徴とする。また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のプローブにおいて、前記ケース本体の先端部の外周面、ならびに前記第1および第2の先端ケースの内周面は、滑らかに各々形成されており、前記ケース本体と前記第1または前記第2の先端ケースとは嵌合されることを特徴とする。さらに、請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載のプローブにおいて、レーザ光を発生するレーザ光発生手段を具備し、前記第1の検出手段は、前記被測定信号により生じる電界の強度に応じてその屈折率が変化する前記電気光学結晶と、前記電気光学結晶の裏面に形成され前記電気光学結晶を透過したレーザ光を反射する第1の反射鏡とを有しており、該電気光学結晶の中を透過するレーザ光の偏光状態に基づいて前記被測定信号を検出し、前記第2の検出手段は、前記被測定信号により生じる磁界の強度に応じて前記レーザ光の偏光面を回転させる磁気光学結晶と、前記磁気光学結晶の裏面に形成され前記磁気光学結晶を透過した前記レーザ光を反射する第2の反射鏡とを有しており、該磁気光学結晶の中を透過する前記レーザ光の偏光状態に基づいて前記被測定信号を検出することを特徴とする。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は本発明の一実施形態によるプローブを電気光学プローブとして用いた場合の、要部の構成を示す一部裁断断面図である。この図において、20は、厚肉円筒形状の本体ケースであり、その中空室20aに図5に示すコネクタ11、コリメートレンズ12、偏光ビームスプリッタ13、ファラデー素子14、1/2波長板15、偏光ビームスプリッタ16、波長板17、第1のフォトダイオード18および第2のフォトダイオード19を収容してなる。なお、図1においては、波長板17のみが図示されている。
【0026】この本体ケース20の先端部分には、雄ネジ部20bが形成されており、この雄ネジ部20bは、第1の端面20cより軸線方向に突出形成された厚肉円筒形状であって、かつ外周面にネジ溝20dが形成されている。
【0027】また、上記雄ネジ部20bは、その内径が本体ケース20の内径と同径であって、かつその外径が本体ケース20の外径より小径となるように形成されている。すなわち、雄ネジ部20bは、本体ケース20の内周面20eを軸方向に延長している。さらに、本体ケース20において、第1の端面20cおよび第2の端面20fは、レーザ光La、言い換えれば光軸に対して直交するように形成されている。
【0028】21は、本体ケース20に対して着脱可能に構成された電気光学プローブ用アダプタであり、前述した電気光学効果を利用して被測定信号を検出する電気光学プローブとして、一実施形態によるプローブを使用するときに用いられる。この電気光学プローブ用アダプタ21は、先端ケース22、金属ピン23、絶縁体24および電気光学結晶25から構成されている。
【0029】電気光学プローブ用アダプタ21において、先端ケース22は、先端へ行くにしたがって3段階に縮径されてなる厚肉円筒形状の円筒部22aと、該円筒部22aより軸方向にテーパ状に延長されてなる先端部22bとが一体に形成されてなる。この先端ケース22の内径は、第1の端面22cから先端部22bへ行くにしたがって、2段階に縮径されている。すなわち、先端ケース22の内部空間は、第1の端面22c近傍の第1の中空室22d、および先端部22b近傍の第2の中空室22eとされている。
【0030】また、先端ケース22の先端部22bの中央部には、軸線に沿って貫通穴22fが形成されている。先端ケース22において、第1の中空室22dに接する部分は、雌ネジ部22gとされており、この雌ネジ部22gの内周壁には、ネジ溝22hが形成されている。さらに、先端ケース22は、第1の端面22c、第1の中空室22dに接する第2の端面22i、および第2の中空室22eに接する第3の端面22jが、レーザ光Laと直交するように各々形成されている。上述した先端ケース22の雌ネジ部22gには、本体ケース20の雄ネジ部20bが螺合されている。この螺合時においては、第1の端面20cと第1の端面22cとが、第2の端面20fと第2の端面22iとが各々当接している。
【0031】23は、金属ピン5(図5参照)と同一構成の金属ピンであり、測定時に信号線2(図4参照)に当接される。この金属ピン23は、テーパ状の先端部が先端部22bの端からわずかに突出するようにして、貫通穴22fに挿入されている。24は、絶縁体6(図5参照)と同一構成であって、第3の端面22jに接するように第2の中空室22eに設けられた絶縁体であり、円板形状をしている。この絶縁体24の裏面中央部には、金属ピン23の端部が取り付けられている。
【0032】25は、電気光学結晶7(図5参照)と同一構成であって、第2の中空室22eに設けられた電気光学結晶であり、BSO(Bi12SiO20)が円柱形状に形成されてなる。この電気光学結晶25は、前述したように結合された電界強度に応じて、一次の電気光学変化であるポッケルス効果によりその屈折率が変化するという、光学的性質を有している。
【0033】26は、反射鏡8(図5参照)と同一構成の反射鏡であり、電気光学結晶25の裏面に蒸着された誘電体多層膜ミラーである。この反射鏡26は、前述したように電気光学結晶25を透過したレーザ光Laを反射する。さらに、この反射鏡26の反射面、第1の端面20c、第1の端面22c、第2の端面20fおよび第2の端面22iは、各々平行となる位置関係とされている。上記電気光学結晶25は、反射鏡26を介して絶縁体24の表面に接合されている。
【0034】図2は本発明の一実施形態によるプローブを磁気光学プローブとして用いた場合の、要部の構成を示す一部裁断断面図である。この図において、図1の各部に対応する部分には同一の符号を付けその説明を省略する。図2においては、図1に示す電気光学プローブ用アダプタ21に代えて、磁気光学プローブ用アダプタ27が設けられている。
【0035】磁気光学プローブ用アダプタ27は、本体ケース20に対して着脱可能に構成されており、前述した磁気光学効果を利用して被測定信号を検出する磁気光学プローブとして、一実施形態によるプローブを使用するときに用いられる。この磁気光学プローブ用アダプタ27は、先端ケース28、磁気光学結晶29および反射鏡30から構成されている。
【0036】磁気光学プローブ用アダプタ27において、先端ケース28は、図1に示す先端ケース22とほぼ同一構成とされているが、図1に示す先端ケース22の貫通穴22fが形成されていない構成とされている。すなわち、先端ケース28は、先端へいくにしたがって3段階に縮径されてなる厚肉円筒形状の円筒部28aと、該円筒部28aより軸方向にテーパ状に延長されてなる先端部28bとが一体に形成されてなる。この先端ケース28の内径は、第1の端面28cから先端部28bへ行くにしたがって、2段階に縮径されている。すなわち、先端ケース28の内部空間は、第1の端面28c近傍の第1の中空室28d、および先端部28b近傍の第2の中空室28eとされている。
【0037】また、先端ケース28において、第1の中空室28dに接する部分は、雌ネジ部28gとされており、この雌ネジ部28gの内周壁には、ネジ溝28hが形成されている。さらに、先端ケース28は、第1の端面28c、第1の中空室28dに接する第2の端面28i、および第2の中空室28eに接する第3の端面28jが、レーザ光Laと直交するように形成されている。上述した先端ケース28の雌ネジ部28gには、本体ケース20の雄ネジ部20bが螺合されている。この螺合時においては、第1の端面20cと第1の端面28cとが、第2の端面20fと第2の端面28iとが各々当接している。
【0038】磁気光学結晶29は、前述したファラデー効果を利用してレーザ光Laの偏光面を回転させるファラデー素子(例えば、YIG(yttrium iron garnet))であり、この磁気光学結晶29の裏面には、磁気光学結晶29を透過したレーザ光Laを反射する反射鏡30が形成されている。この磁気光学結晶29は、反射鏡30が第3の端面28jに接するようにして、第2の中空室28eに設けられている。また、反射鏡30、第1の端面20c、第1の端面28c、第2の端面20fおよび第2の端面28iは、各々平行となる位置関係とされている。
【0039】上記構成において、一実施形態によるプローブを電気光学プローブとして使用する場合、測定者は、図1に示す本体ケース20の雄ネジ部20bに、先端ケース22の雌ネジ部22gを螺合する。これにより、一実施形態によるプローブは、電気光学プローブとして使用することが可能となる。この電気光学プローブの動作については、図4および図5を参照して説明した内容と同一であるためその説明を省略する。
【0040】また、図1に示す電気光学プローブを磁気光学プローブとして使用する場合、測定者は、図1に示す先端ケース22をゆるめる方向に回転させることにより、電気光学プローブ用アダプタ21を本体ケース20から分離する。次に、測定者は、電気光学プローブ用アダプタ21に代えて図2に示す磁気光学プローブ用アダプタ27を把持した後、本体ケース20の雄ネジ部20bに、先端ケース28の雌ネジ部28gを螺合する。これにより、一実施形態によるプローブは、磁気光学プローブとして使用することが可能となる。
【0041】この状態において、測定者は、図3に示す磁気光学プローブを信号線2に対して垂直にした状態で、先端ケース28の先端部28bを信号線2に当接させる。このとき、信号線2を伝送している被測定信号により、信号線2を中心として同心円状に磁界Hが発生しており、該磁界Hの一部は、磁気光学結晶29を透過している。
【0042】この結果、磁気光学結晶29内部を伝搬しているレーザ光Laの偏光面が磁界の強さに応じて回転、言い換えればレーザ光Laの偏光状態が変化する。そして、偏光変化を受けたレーザ光Laは、反射鏡30により反射された後、磁気光学結晶29の表面から出射される。以下、前述した動作を経て、サンプリングオシロスコープの表示部には、信号線2を伝送している被測定信号の波形等が表示される。
【0043】以上説明したように、本発明の一実施形態によるプローブによれば、1つの本体ケース20に、電気光学プローブ用アダプタ21および磁気光学プローブ用アダプタ27を着脱自在に取り付け可能な構成としたことにより、1本のプローブで、2種類の検出方法により被測定信号を検出することができる。従って、上述した一実施形態によるプローブによれば、従来のように電気光学プロープおよび磁気光学プローブを2本用意する場合に比して、コストを安くすることができるという効果が得られる。
【0044】また、上述した一実施形態によるプローブによれば、図1に示す第1の端面20c、第1の端面22c、第2の端面20f、第2の端面22iおよび第3の端面22jが、各々平行となる位置関係とされかつレーザ光Laに対して垂直となる位置関係とされているので、レーザ光Laが常に電気光学結晶25の入射面および反射鏡26の反射面に対して垂直に入射される。
【0045】また、これと同様にして、上述した一実施形態によるプローブによれば、図2に示す第1の端面20c、第1の端面28c、第2の端面20f、第2の端面28iおよび第3の端面28jが、各々平行となる位置関係とされかつレーザ光Laに対して垂直となる位置関係とされているので、レーザ光Laが常に磁気光学結晶29の入射面および反射鏡30の反射面に対して垂直に入射される。従って、上述した一実施形態によるプローブによれば、高い精度で被測定信号を検出することができる。
【0046】以上図面を参照して本発明の一実施形態について詳述してきたが、具体的な構成はこの一実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り設計変更等があっても、本発明に含まれる。例えば、上述した一実施形態によるプローブにおいては、螺合により電気光学プローブ用アダプタ21または磁気光学プローブ用アダプタ27を本体ケース20に着脱可能とした例について説明したが、これに限定されることなく嵌合により着脱可能としてもよい。この場合には、図1に示す雄ネジ部20bの外周面、雌ネジ部22gの内周面、および図2に示す雌ネジ部28gの内周面を滑らかに形成すればよい。
【0047】さらに、上述した一実施形態によるプローブにおいては、電気光学結晶25として、BSOを用いた例について説明したが、これに限定されることなく、上記BSOに代えてLN(LiNbO3)、CdTeまたはBTO(Bi12TiO20)を用いてもよい。
【0048】加えて、上述した一実施形態によるプローブにおいては、先端ケース28の先端部28bをテーパ状に形成した例について説明したが、これに限定されることなく該先端部28bを平坦に形成してもよい。この場合には、図3に示す信号線2と磁気光学結晶29との間の距離が短くなるため、測定感度を向上させることができる。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、用途に応じてケース本体に電気光学プローブ用アダプタおよび磁気光学プローブ用アダプタを選択的に着脱できる構成としたので、1本のプローブで2種類の検出方法により被測定信号を検出することができる。従って、本発明によれば、従来のように電気光学プロープおよび磁気光学プローブを2本用意する場合に比して、コストを安くすることができるという効果が得られる。
【出願人】 【識別番号】000117744
【氏名又は名称】安藤電気株式会社
【識別番号】000004226
【氏名又は名称】日本電信電話株式会社
【出願日】 平成9年(1997)12月15日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武 (外11名)
【公開番号】 特開平11−174088
【公開日】 平成11年(1999)7月2日
【出願番号】 特願平9−345569