| 【発明の名称】 |
IC用低温試験装置及びICの低温試験方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】本木 兼人
【氏名】本木 通人
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| 【要約】 |
【課題】ランニングコスト及び製造コストの低減を可能にし、又、検査されるICが検査位置からずれる恐れがなく、しかもチャンバー内の着霜を防ぐことのできるIC用低温試験装置及びICの低温試験方法を提供する。
【解決手段】IC用低温試験装置Iは冷凍機1とチャンバー2とを有している。冷凍機1により得られる約−45C°、圧力露点約−60C°pdpの圧縮空気は、フレキシブルホース3から制御バルブ251を通り、冷却筒25に供給される。この圧縮空気は、上記冷却筒25により減圧され、更に約−60C°まで低温化される。低温化された圧縮空気である冷却空気は、流入口26を通りチャンバー2内に供給される。そして、上記冷却空気は送風機29によって吸引され、当該IC試験部24近傍に送られる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 IC(23)を冷却するための冷却空気が満たされるチャンバー(2) を有するIC用低温試験装置であって、導入した圧縮空気を所要の温度に冷却すると共に、当該圧縮空気をその露点が上記チャンバー(2) 内での低温試験に必要な冷却温度より低くなるように乾燥させるための冷凍機(1) と、上記冷凍機(1) から得られる冷却及び乾燥された圧縮空気を減圧することにより、更に低温化して上記チャンバー(2) 内での低温試験に用いる所要温度の冷却空気とする冷却手段と、を備えており、上記チャンバー(2) は、当該チャンバー(2) 内に外気が侵入しないようにする手段と、を備え、上記チャンバー(2) 内に流入した冷却空気はチャンバー(2) 外に排出されることを特徴とする、IC用低温試験装置。 【請求項2】 IC(23)を冷却するための冷却空気が満たされるチャンバー(2) を有するIC用低温試験装置であって、導入した圧縮空気を所要の温度に冷却すると共に、当該圧縮空気をその露点が上記チャンバー(2) 内での低温試験に必要な冷却温度より低くなるように乾燥させるための冷凍機(1) と、上記冷凍機(1) から得られる冷却及び乾燥された圧縮空気を減圧することにより、更に低温化して上記チャンバー(2) 内での低温試験に用いる所要温度の冷却空気とする冷却手段と、を備えており、上記チャンバー(2) は、チャンバー内を負圧にならないようにするための負圧防止手段と、を備え、上記チャンバー(2)内に流入した冷却空気はチャンバー(2)外に排出されることを特徴とする、IC用低温試験装置。 【請求項3】 冷却空気が満たされるチャンバー(2)で当該チャンバー(2)内に外気が侵入しないようにしてICの低温試験を行う方法であって、上記チャンバー(2) 内でIC(23)の低温試験を行うに当たり、導入した圧縮空気を所要の温度に冷却すると共に、当該圧縮空気をその露点が上記チャンバー(2) 内での低温試験に必要な冷却温度より低くなるように乾燥させるステップ、冷却及び乾燥した上記圧縮空気を減圧することにより、更に低温化して上記チャンバー(2) 内での低温試験に用いる所要温度の冷却空気とするステップ、を含むことを特徴とする、ICの低温試験方法。 【請求項4】 冷却空気が満たされるチャンバー(2)で当該チャンバー(2)内を負圧にならないようにしてICの低温試験を行う方法であって、上記チャンバー(2) 内でIC(23)の低温試験を行うに当たり、導入した圧縮空気を所要の温度に冷却すると共に、当該圧縮空気をその露点が上記チャンバー(2) 内での低温試験に必要な冷却温度より低くなるように乾燥させるステップ、冷却及び乾燥した上記圧縮空気を減圧することにより、更に低温化して上記チャンバー(2) 内での低温試験に用いる所要温度の冷却空気とするステップ、を含むことを特徴とする、ICの低温試験方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、IC用低温試験装置及びICの低温試験方法に係り、更に詳しくは、従来のものに比べてランニングコスト及び製造コストの低減を可能にし、又、検査されるICが検査位置からずれる恐れがなく、しかもチャンバー内の着霜を防ぐことのできるIC用低温試験装置及びICの低温試験方法に関する。 【0002】 【従来技術】ICの低温試験に用いられるIC用低温試験装置において、試験装置内に設けられた恒温検査槽であるチャンバーを冷却する方法として、従来、液体窒素が用いられてきた。この方法は、液体窒素を蒸発させ、当該冷却窒素ガスを配管によりチャンバー内に適宜供給し、これによりチャンバーを所定の温度に冷却するようにしたものである。 【0003】冷却に使用された当該窒素ガスは、ICがチャンバー内に搬入される搬入口及びチャンバー内から搬出される搬出口等から試験装置外部へ排出される。なお、チャンバーは、冷却効率の向上を図るため、必要最低限の大きさに形成されている。以上のように、液体窒素を使用した従来の方法は、冷媒である液体窒素の取り扱いが簡便であるため、長年に亘って用いられてきた。 【0004】しかし、上記液体窒素を使用したICの低温試験装置及び低温試験方法は、次に述べるような問題を含んでいた。即ち、冷却窒素ガスを連続してチャンバー内に供給する必要があるため、大量の液体窒素が消費される。このため、ランニングコストが嵩むと共に、液体窒素ボンベを交換、管理する等の手間がかかっていた。 【0005】また、冷却に使用された窒素ガスは、試験装置外へ常時排出されるため、作業環境の悪化を生じ、酸欠を招く危険性があった。 【0006】更に、液体窒素が気化する温度(液体窒素の沸点−196C°)は、低温試験のために必要な温度(約−50C°)と比べ相当に低温である。このため、冷却窒素ガスはチャンバー内に少量ずつ間欠的に供給しなければならなかった。従って、冷却手段がいわゆる”点冷却”の方法となり、時間当りの温度安定度(動的温度特性)及びチャンバー内の温度分布性に問題があった。 【0007】そこで、上記問題を解決する手段として、大気吸入型冷凍機を用いた低温試験装置が開発されている。この試験装置は、冷凍機により大気圧の空気を約−50C°まで冷却し、当該冷却空気を上記冷凍機とチャンバーとの間で循環させることで、チャンバー内を低温に保つようにしたものである。上記試験装置には、冷凍機からチャンバーに冷却空気を送るための送給管及び冷凍機に当該冷却空気を戻すための返送管が設けられている。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した大気吸入型冷凍機を用いた低温試験装置では、次のような課題があった。大気吸入型冷凍機から得られる冷却空気(約−50C°)は、上記冷却窒素ガス(約−196C°)のように超低温なものではない。このため、チャンバー内を低温試験に必要な温度に冷却、維持するには、大流量(300m3 /h〜1000m3 /h)の冷却空気を常時チャンバーに供給しなければならなかった。従って、内径が大きく強度も充分な送給管及び返送管が必要であり、同時にチャンバーにもそれに対応した内径の大きな流入口及び排出口を設けなればならなった。 【0009】しかし、既存の試験装置のチャンバーは、内径の大きな流入口及び排出口を設けるような構造にはなっておらず、当該チャンバーを改造する場合には、その改造が大掛かりなものになり改造費の高騰を招いていた。 【0010】また、既存のチャンバーは、ICの搬出口及び搬入口も既に設けられており、上述の通り必要最低限の大きさに形成されているため、内径の大きな流入口及び排出口を改めて設けるのは非常に困難であった。 【0011】更に、上記大流量の冷却空気がチャンバー内へ供給されると、当該チャンバー内には大きな気流が発生してしまう。このため、被試験体であるICがその検査位置からずれる問題があった。これは、近年、ICが益々微小化、軽量化している現状において、重要な問題となっている。 【0012】また、更に、チャンバー内に満たされた冷却空気は、再び冷凍機に送られ冷却される。このため、湿気を含んだ外気がICの搬入口及び搬出口等からチャンバー内に侵入し冷凍機に送られると、時間とともに結露が生じ霜が発生していた。従って、定期的な除霜作業が必要になり、試験装置の長時間運転を困難なものとしていた。 【0013】 【発明の目的】そこで本発明の目的は、液体窒素を使用するのと同等な簡便さを有し、しかも液体窒素を使用する場合の問題点をなくしたIC用低温試験装置及びIC試験方法を提供することにある。また、本発明の他の目的は、既存の装置を改造する場合でも、その改造が容易なIC用低温試験装置及びIC試験方法を提供することにある。更に、本発明の他の目的は、検査位置にあるICがその位置からずれる恐れがないIC用低温試験装置及びIC試験方法を提供することにある。更に、また、本発明の他の目的は、チャンバー内の着霜を防ぐことができるIC用低温試験装置及びIC試験方法を提供することにある。 【0014】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために講じた本発明の手段は次のとおりである。第1の発明にあっては、ICを冷却するための冷却空気が満たされるチャンバーを有するIC用低温試験装置であって、導入した圧縮空気を所要の温度に冷却すると共に、当該圧縮空気をその露点が上記チャンバー内での低温試験に必要な冷却温度より低くなるように乾燥させるための冷凍機と、上記冷凍機から得られる冷却及び乾燥された圧縮空気を減圧することにより、更に低温化して上記チャンバー内での低温試験に用いる所要温度の冷却空気とする冷却手段と、を備えており、上記チャンバーは、当該チャンバー内に外気が侵入しないようにする手段と、を備え、上記チャンバー内に流入した冷却空気はチャンバー(2)外に排出されることを特徴とする、IC用低温試験装置である。 【0015】第2の発明にあっては、ICを冷却するための冷却空気が満たされるチャンバーを有するIC用低温試験装置であって、導入した圧縮空気を所要の温度に冷却すると共に、当該圧縮空気をその露点が上記チャンバー内での低温試験に必要な冷却温度より低くなるように乾燥させるための冷凍機と、上記冷凍機から得られる冷却及び乾燥された圧縮空気を減圧することにより、更に低温化して上記チャンバー内での低温試験に用いる所要温度の冷却空気とする冷却手段と、を備えており、上記チャンバーは、チャンバー内を負圧にならないようにするための負圧防止手段と、を備え、上記チャンバー内に流入した冷却空気はチャンバー外に排出されることを特徴とする、IC用低温試験装置である。 【0016】第3の発明にあっては、冷却空気が満たされるチャンバーで当該チャンバー内に外気が侵入しないようにしてICの低温試験を行う方法であって、上記チャンバー内でICの低温試験を行うに当たり、導入した圧縮空気を所要の温度に冷却すると共に、当該圧縮空気をその露点が上記チャンバー内での低温試験に必要な冷却温度より低くなるように乾燥させるステップ、冷却及び乾燥した上記圧縮空気を減圧することにより、更に低温化して上記チャンバー内での低温試験に用いる所要温度の冷却空気とするステップ、を含むことを特徴とする、ICの低温試験方法である。 【0017】第4の発明にあっては、冷却空気が満たされるチャンバーで当該チャンバー内を負圧にならないようにしてICの低温試験を行う方法であって、上記チャンバー内でICの低温試験を行うに当たり、導入した圧縮空気を所要の温度に冷却すると共に、当該圧縮空気をその露点が上記チャンバー内での低温試験に必要な冷却温度より低くなるように乾燥させるステップ、冷却及び乾燥した上記圧縮空気を減圧することにより、更に低温化して上記チャンバー内での低温試験に用いる所要温度の冷却空気とするステップ、を含むことを特徴とする、ICの低温試験方法である。 【0018】本発明でいう「IC」の用語は、一般的な意味での半導体デバイスを指すものとして使用するもののほか、樹脂モールト゛或いはセラミックなどの種々のパッケージにより成形されたもの、及びICチップ自体等の低温雰囲気内における品質の検査を必要とするものを含む。 【0019】(作 用)本発明に係る装置では、ICの低温試験を行うチャンバーを冷却するために、圧縮空気を冷凍機により冷却及び乾燥した冷却空気を用いている。このため、高価でその管理の煩雑な液体窒素を使用した場合と比べて、ランニングコストの低減が可能であり、液体窒素ボンベを管理する等の手間もかからない。また、窒素ガスを作業空間へ排出することもないので、作業環境の悪化を生じさせない。 【0020】冷凍機から供給される冷却及び乾燥された圧縮空気は、例えばホース等の供給手段によって冷却手段に導入され、当該冷却手段により減圧低温化されてチャンバー内へ供給される。即ち、上記供給手段を通る冷却された空気は圧縮して高密度化されている。従って、上記供給手段に大流量の空気を流さなくても、上記圧縮空気を大気圧またはその近傍の圧力に減圧することによって、必要な量の冷却空気が確保できる。 【0021】つまり、冷凍機及びチャンバー間には従来のような内径の大きな配管を設ける必要がない。従って、既存の試験装置のチャンバーを利用する場合にも、大掛かりな改造を行う必要がなく、改造費の軽減が期待できる。 【0022】冷凍機で冷却された圧縮空気は、冷却手段により大気圧又はその近傍の圧力に減圧され更に低温化される。このため、従来の大気吸入型冷凍機を用いた試験装置のように、チャンバー内には大量の冷却空気を供給せずとも、チャンバー内を必要な温度まで冷却することができる。従って、チャンバー内で大きな気流が発生することはなく、ICの検査位置を乱す恐れがない。 【0023】チャンバーに供給される冷却空気は、冷凍機によりチャンバー内の冷却温度より低温の露点に乾燥されている。このため、チャンバー内で結露や霜が発生することはない。また、チャンバーには、チャンバー内を負圧にならないようにするための負圧防止手段が設けられている。更に、冷却空気はチャンバーと冷凍機の間で循環せず、チャンバー内の空気の流れはチャンバー内から外への一方向のみである。これにより、外気がチャンバー内に侵入しにくく、侵入外気によるチャンバー内での結露や霜の発生を防止することができる。以上のことから、定期的な除湿作業が不要で、試験装置の長時間運転が可能である。 【0024】 【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づき更に詳細に説明する。図1は本発明に係るIC用低温試験装置の一実施例を示す説明図である。本実施の形態では、IC用低温試験装置は冷凍機1とチャンバー2とを有している。 【0025】冷凍機1は、BEKO社製のBEKOBLIZZ 120W型冷凍機が使用されている。冷凍機1とチャンバー2とは、供給手段である断熱材31付きの内径1インチのフレキシブルホース3で接続されている。断熱材31は、外径が4インチのアルマUSA アームストロング社製のアルマフレックスが使用されている。冷凍機1で冷却及び乾燥された圧縮空気は、上記フレキシブルホース3を通りチャンバー2に供給される。 【0026】図1を基に、冷凍機1の内部構造を説明する。コンプレッサー(図示省略)から排出された圧縮空気は、取込口11から冷凍機1内に取り込まれる。取り込まれた圧縮空気は一次側熱交換機12によって約+5C°まで予冷される。このため、当該圧縮空気はその露点以下に冷やされ、過剰な水蒸気が凝縮する。凝縮物である水は凝縮物分離器13によって分離され、凝縮物分離器13に設けられたドレイン排出器131によって排出される。 【0027】凝縮物分離器13を通過した圧縮空気は、差圧計付きプレフィルター14を通る。プレフィルター14は、圧縮空気の水分を更に除去すると共に塵埃を取り除く。除去された水分は、プレフィルター14に設けられたドレイン排出器141により排出される。 【0028】続いて、圧縮空気は吸着ドライヤー15に送られ、圧力露点−60C°pdpまで充分に乾燥される。上記吸着ドライヤー15には乾燥剤を有する二機の吸着槽151a、151bが設けられており、圧縮空気は上記吸着槽151a、151bのいずれか一方を通る。即ち、例えば吸着槽151aに圧縮空気が流入しているときは、当該吸着槽151aが圧縮空気を乾燥しており(乾燥作業状態)、他方の吸着槽152bでは乾燥剤の再生が行われている(休止状態)。 【0029】更に詳しく説明すると、例えば吸着槽151aが乾燥作業状態のときは、湿気を帯びた圧縮空気が当該吸着槽151aに流入し、圧力露点−60C°pdpまで乾燥される。乾燥された当該圧縮空気は、その後吸着ドライヤー15から差圧付きアフターフィルター16へ供給される。だだし、吸着槽151aによって乾燥された圧縮空気は全てアフターフィルター16へ供給されるのではなく、その一部は休止状態の吸着槽151bに送られ、当該吸着槽151b内の乾燥剤に含まれる水分を取り除いて再生するために使用される。 【0030】吸着槽151bの再生が終了すると、乾燥作業状態が吸着槽151aから吸着槽151bに切り替わる。即ち、今度は吸着槽151bから圧力露点−60C°pdpの乾燥した圧縮空気がアフターフィルター16へ供給される。それと共に、吸着槽151bによって乾燥した上記圧縮空気の一部が、休止状態の吸着槽151aに送られ当該吸着槽151a内の乾燥剤を再生する。 【0031】以上のように、吸着槽151a、151bは乾燥作業状態、休止状態を交互に繰り返し、圧力露点−60C°の圧縮空気をアフターフィルター16へ供給する。上記アフターフィルター16は、過って混入した圧縮空気中の乾燥剤等の不純物を取り除く。 【0032】続いて、上記圧縮空気は二次側熱交換機17を通過することで、最終的に約−45C°まで冷却される。二次側熱交換機17に流入する上記圧縮空気は、その圧縮露点が−60C°pdpと低いため、当該箇所で約−45C°に冷却されても凝縮物である水を生じない。二次側熱交換機17を通過した圧縮空気は、流出口18から排出され、フレキシブルホース3を介してチャンバー2に供給される。 【0033】なお、一次側熱交換機12及び二次側熱交換機17で使用されている冷媒は、オゾン破壊係数ゼロのR507であり、地球環境への配慮が施してある。また、冷凍機1は、冷却筒25を通過させることで低温試験が実施可能な最低限の温度及びチャンバー2内に結露を生じさせないような露点を有する圧縮空気を供給できるものであれば、BEKO社製のBEKOBLIZZ 120W型に限らず、同社の他の型式の冷凍機及び他社の冷凍機を使用することもできる。 【0034】次に、図1を基にチャンバー2の内部構造を説明する。チャンバー2には、当該チャンバー2内にICを搬入するための開口された搬入口21が形成され、同様にICを搬出するための搬出口22が形成されている。符号23は被試験体であるICであり、ICの検査位置である試験部24上に順次送り込まれる。チャンバー2の上部には、冷却手段である渦巻遠心分離型の冷却筒25が設けられている。この冷却筒25は、ボルテックス社製のボルテックス チューブ 928-50が使用されている。冷凍機1から供給される圧縮空気は、上記冷却筒25を通過することで大気圧またはその近傍の圧力に減圧される。上記圧縮空気は減圧することにより膨張して更に約−60C°まで低温化された冷却空気となる。 【0035】また、チャンバー2には、冷却筒25から供給される冷却空気を流入するための流入口26と、チャンバー2外へ上記冷却空気を排出するための排出口27が設けられている。上記冷却筒25は制御バルブ251を有しており、冷却筒25は制御バルブ251を介してフレキシブルホース3とつながっている。試験部24の近傍には、当該箇所の温度と低温試験を行うための予め設定された設定温度を比較演算し、上記制御バルブ251に出力信号を発信するための温度調節器28が設けられている。制御バルブ251は、温度調節器28から送られてくる出力信号により、自動開閉を行い、冷凍機1から供給される圧縮空気の供給量を調節する。 【0036】更にチャンバー2内の所要の位置には、負圧防止手段である送風機29が設けられており、チャンバー2内が負圧にならないように保つことで、搬入口21、搬出口22、及び排出口27から外気がチャンバー2内に侵入することを防止している。チャンバー2内の冷却空気は、排出口27以外にも搬入口21及び搬出口22からも排出される。従って、搬入口21及び搬出口22を排出口の代用とすることにより、排出口27をあえて設けない場合もある。 【0037】なお、流入口26から試験部24の近傍まで別途ホースを取り付けることで、冷却空気を試験部24近傍に直接供給し、チャンバー2の立ち上げ時間を短くすることができる。また、冷凍機1に複数のフレキシブルホース3を取り付けることで、複数のチャンバー2に冷却空気を供給することもでき、同時に複数の場所で低温試験を行うことができる。 【0038】ところで、チャンバー2に設けられる流入口26及び排出口27の位置は、ICの搬入口21、搬出口22を考慮して、チャンバー2内の冷却効果が充分に得られるように適宜設計しなければならない。 【0039】以上の構成からなるIC用低温試験装置Iの作用状態を説明する。冷凍機1により得られる約−45C°、圧力露点約−60C°pdpの圧縮空気は、フレキシブルホース3から制御バルブ251を通り、冷却筒25に供給される。この圧縮空気は、上記冷却筒25により減圧され、更に約−60C°まで低温化される。この冷却空気は、流入口26を通りチャンバー2内に供給される。そして、上記冷却空気は送風機29によって吸引され、当該IC試験部24近傍に送られる。 【0040】(作 用)以上の実施の形態から次の作用、効果を生じる。本実施の形態のIC用低温試験装置Iでは、IC23の低温試験を行うチャンバー2を冷却するために、圧縮空気を冷凍機1により冷却及び乾燥した冷却空気を用いている。このため、液体窒素を使用した場合と比べ、ランニングコストの低減が可能であり、液体窒素ボンベを管理する等の手間もかからない。また、窒素ガスを作業空間へ排出することもないので、作業環境の悪化を生じさせることがない。 【0041】冷凍機1から供給される冷却及び乾燥された圧縮空気は、フレキシブルホース3によって冷却筒25に供給され、当該冷却筒25により大気圧またはその近傍の圧力に減圧され膨張した状態でチャンバー2に供給される。即ち、フレキシブルホース3を通る空気は圧縮して高密度化されている。このため、上記フレキシブルホース3に大流量の空気を流さなくても、必要な量の冷却空気が確保できる。従って、冷凍機1及びチャンバー2間には従来のような内径の大きな配管を設ける必要がなく、既存の試験装置のチャンバーを利用する場合にも、大掛かりな改造を行う必要がない。これにより、新たな設備投資及び改造費の軽減ができる。 【0042】更に、上述のとおり冷凍機1で冷却された圧縮空気は、冷却筒25により更に低温化される。このため、従来の大気吸入型冷凍機を用いた試験装置のように、チャンバー2内には大量の冷却空気を供給せずとも、チャンバー2内を必要な温度まで冷却することができる。従って、チャンバー2で大きな気流が発生することはなく、IC23の検査位置を乱す恐れがない。 【0043】チャンバー2に供給される冷却空気は、冷凍機1によりチャンバー2内の冷却温度より低温の露点に乾燥されている。このため、チャンバー内で上記冷却空気による結露や霜の発生が起こることはない。また、チャンバー2には、チャンバー2内を負圧にならないようにするための送風機29が設けられている。更に、冷却空気はチャンバー2と冷凍機1の間で循環せず、チャンバー2内の空気の流れはチャンバー2内から外への一方向のみである。これにより、外気がチャンバー2内に侵入しにくく、侵入外気によるチャンバー2内での結露や霜の発生を防止することができる。以上のことから、定期的な除湿作業が不要で、IC用低温試験装置Iの長時間運転が可能である。 【0044】本明細書で使用している用語と表現は、あくまでも説明上のものであって、なんら限定的なものではなく、本明細書に記述された特徴およびその一部と等価の用語や表現を除外する意図はない。また、本発明の技術思想の範囲内で、種々の変形態様が可能である。 【0045】 【発明の効果】本発明は上記構成を備え、次の効果を有する。 (a) ICの低温試験を行うチャンバーを冷却するために、圧縮空気を冷凍機により冷却及び乾燥した冷却空気を用いる。このため、高価でその管理の煩雑な液体窒素を使用した場合と比べて、ランニングコストの低減が可能であり、液体窒素ボンベを管理する等の手間もかからない。また、窒素ガスを作業空間へ排出することもないので、作業環境の悪化を生じさせない。 【0046】(b) 冷凍機から供給される冷却及び乾燥された圧縮空気は、例えばホース等の供給手段によって冷却手段に導入され、当該冷却手段により減圧冷却されてチャンバー内へ供給される。供給手段を通る冷却された空気は圧縮して高密度化されている。従って、上記供給手段に大流量の空気を流さなくても、上記圧縮空気を大気圧またはその近傍の圧力に減圧することによって、必要な量の冷却空気が確保できる。よって、冷凍機及びチャンバー間には従来のような内径の大きな配管を設ける必要がない。従って、既存の試験装置のチャンバーを利用する場合には、大掛かりな改造を行う必要がなく、改造費の軽減が期待できる。 【0047】(c) 冷凍機で冷却及び乾燥された圧縮空気は、冷却手段により更に低温化されチャンバーへ供給される。このため、従来の大気吸入型冷凍機を用いた試験装置のように、チャンバー内には大量の冷却空気を供給せずとも、チャンバー内を必要な温度まで冷却することができる。従って、チャンバー内で大きな気流が発生することはなく、ICの検査位置を乱す恐れがない。 【0048】(d) チャンバーに供給される冷却空気は、冷凍機によりチャンバー内の冷却温度より低温の露点に乾燥されている。このため、チャンバー内で結露や霜が発生することはない。また、チャンバーには、チャンバー内を負圧にならないようにするための負圧防止手段が設けられている。更に、冷却空気はチャンバーと冷凍機の間で循環せず、チャンバー内の空気の流れはチャンバー内から外への一方向のみである。これにより、外気がチャンバー内に侵入しにくく、侵入外気によるチャンバー内での結露や霜の発生を防止することができる。以上のことから、定期的な除湿作業が不要で、試験装置の長時間運転が可能である。 【0049】
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| 【出願人】 |
【識別番号】396003102 【氏名又は名称】九州エレクトロン株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)12月2日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】梶原 克彦
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| 【公開番号】 |
特開平11−160394 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)6月18日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−348610 |
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