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【発明の名称】 回路基板の試験用ヘッドおよび回路基板の試験方法
【発明者】 【氏名】三橋 仁

【要約】 【課題】回路基板の試験用ヘッドおよび回路基板の試験方法に関し、高密度基板の試験を一括して、短時間に高精度に行うことを目的とする。

【解決手段】複数のプローブピンを有するヘッドを用いて回路基板上のポイントに接触して該回路基板に構成されたネットの電気的特性を試験する回路基板の試験用ヘッドであって、他のポイントとの距離が一定値以上である第1種ポイントを各ネットから少なくとも1つずつ抽出し(S1)、他のポイントとの距離が一定値未満である第2種ポイントを一つ置きに一定順序で第1グループおよび第2グループに選別し、前記第1種ポイントおよび前記第1グループに属するポイントに接触するプローブピンを第1のヘッドに割当て、前記第2グループに属するポイントおよび該ポイントと同一のネットに含まれる第1種ポイントに接触するプローブピンを第2のヘッドに割当て(S2-S8) 、試験用ヘッドを構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 回路基板上のポイントにプローブピンを接触して該回路基板に構成されたネットの電気的特性を試験する回路基板の試験用ヘッドにおいて、他のポイントとの距離が一定値以上である第1種ポイントであって、各ネットから少なくとも1つずつ抽出されたポイントである代表ポイントに接触するプローブピンを第1のヘッドに設け、他のポイントとの距離が一定値未満である第2種ポイントを一つ置きに一定順序で第1グループおよび第2グループの2つのグループに選別された各ポイントのうち、該第1グループに属するポイントに接触するプローブピンを前記第1のヘッドに更に設け、前記2つのグループに選別された各ポイントのうち、前記第2グループに属するポイントに接触するプローブピンを第2のヘッドに設け、前記第2グループに属する各ポイントが属するネットの前記第1種ポイントに接触するプローブピンを前記第2のヘッドに更に設け、前記第1のヘッドと前記第2のヘッドとで構成されたことを特徴とする回路基板の試験用ヘッド。
【請求項2】 前記第1のヘッドと前記第2のヘッドとを一定間隔に並べ、試験対象である回路基板を前記第1のヘッドの下に移動した状態で、前記第1のヘッドのプローブピンを前記回路基板上のポイントに接触して前記回路基板の電気的特性の試験を行い、前記試験対象である回路基板を前記第2のヘッドの下に移動した状態で、前記第2のヘッドのプローブピンを前記回路基板上のポイントに接触して前記回路基板の電気的特性の試験を行うことを特徴とする回路基板の試験方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回路基板の試験用ヘッドおよび回路基板の試験方法に係り、特に基板上に形成されたパッドピッチが微細な所謂高密度基板の試験に用いられるヘッドおよびそのヘッドを用いた試験方法に関する。
【0002】
【従来の技術】コンピュータ等の電子機器のダウンサイジング化に伴い、プリント基板のSMT化・高密度化が急速に進んでおり、プリント基板の電気検査も従来の基本グリッドによる一括試験用ヘッドを用いる方法では、多様化するプリント基板に対応できなくなってきている。
【0003】現在、一般基板の大半が基本グリッドから外れる(所謂、オフグリッドの)パターンを有しており、基板の品種に応じて専用治具を作製するのが一般的であるが、BGA、MCM、CSP等の超高密度基板のパッドピッチは、プローブピン径から定まるパッドピッチの限界(現状では略200μm以下、下限ピッチと称する)を超える、すなわちパッドピッチが200μm未満のものもあり、専用治具が製作できない品種もある。
【0004】また、装置についても、基板と試験用ヘッドとの位置合わせ精度が重要なテーマであり、基板のズレを確認しながら、試験用ヘッドを補正する方法では、精度の高い位置合わせはできない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上説明したように、従来のプリント基板の電気検査の方法では、多様化するプリント基板、特に基板上に形成されたパッドピッチが、試験装置のプローブピンのピン径から定まるプローブピン間隔の実現可能な最小値より狭い場合には、専用治具の製作が不可能である、或いは精度の高い位置合わせが不可能であるという問題点があった。
【0006】本発明は以上のような状況から、プローブピン径の制限に基づく限界を超えるような(狭い)パッドピッチを持つ超高密度基板の検査を、簡単且つ容易に行える試験方法と試験装置の提供を目的としたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】回路基板上のポイントにプローブピンを接触して該回路基板に構成されたネットの電気的特性を試験する回路基板の試験用ヘッドにおいて、他のポイントとの距離が一定値以上である第1種ポイントであって、各ネットから少なくとも1つずつ抽出されたポイントである代表ポイントに接触するプローブピンを第1のヘッドに設け、他のポイントとの距離が一定値未満である第2種ポイントを一つ置きに一定順序で第1グループおよび第2グループの2つのグループに選別された各ポイントのうち、該第1グループに属するポイントに接触するプローブピンを前記第1のヘッドに更に設け、前記2つのグループに選別された各ポイントのうち、前記第2グループに属するポイントに接触するプローブピンを第2のヘッドに設け、前記第2グループに属する各ポイントが属するネットの前記第1種ポイントに接触するプローブピンを前記第2のヘッドに更に設け、前記第1のヘッドと前記第2のヘッドとで回路基板の試験用ヘッドを構成する。
【0008】また、前記第1のヘッドと前記第2のヘッドとを一定間隔に並べ、試験対象である回路基板を前記第1のヘッドの下に移動した状態で、前記第1のヘッドのプローブピンを前記回路基板上のポイントに接触して前記回路基板の電気的特性の試験を行い、前記試験対象である回路基板を前記第2のヘッドの下に移動した状態で、前記第2のヘッドのプローブピンを前記回路基板上のポイントに接触して前記回路基板の電気的特性の試験を行う。
【0009】なお、上記のように回路基板の試験用ヘッドを構成する場合、第1のヘッドでは絶縁試験の全てと導通試験の大半を行うことができるように、また第2のヘッドでは導通試験の一部を行えるように試験対象のポイント(従って、プローブピン)の各ヘッドへの振り分けを行う。第1のヘッドと第2のヘッドの2つのヘッドを用いてもなお導通試験が下限ピッチ未満で行われなければならない場合には、第3のヘッドをもうけることにする。また、第1のヘッドで絶縁試験の全てが可能では無い場合には、第2のヘッドで近接ネットの絶縁試験が可能なようにプローブピンを配置する。
【0010】以上のようにして、ヘッドの振り分けを行った上で、基板と試験用ヘッドの位置合わせを行い、プリント基板の試験を実施する。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は、プローブピン割当てフローで、本発明による各ヘッドへのプローブピンの割当ての手順を示すものである。以下、図2ないし図6を参照しつつ、本発明による高密度基盤の試験に用いる試験用ヘッドの構成の手順とその手順によって構成されたヘッドを用いた試験方法を説明する。なお、本発明によるヘッドを用いた試験方法において、ヘッドのプローブピンに接続される導通試験回路と絶縁試験回路の構成およびそれらを用いた試験方法の従来技術で実施される範囲については、詳細な説明は行わない。まず、引用する各図の説明をする。
【0012】図2は、代表ポイント抽出例を示す図である。図中、a,b,c,dで示される4つのパッドは、ICの端子を接続するパッドを示し、その最小間隔は、100μmで、下限ピッチ(200μm)未満であるとする。又、A,B,C,D,E,Fで示される6つのパッドのうち、A,B,C,Dの4つのパッドは、それぞれ前記パッドa,b,c,dと接続されており、E,Fの2つのパッドは、それぞれ前記パッドC,Dに接続されている。従って、A−a,B−b,C−c−E,D−d−Fという4つのネットが存在することになる。
【0013】図3は、プローブの割り振りを説明するための図で、MIC基板上に6つのLSIが実装されている例を示している。その部分拡大図は、LSIの端子が接続されるパッドの図で、その間隔はLSIによって決まってしまい、現状では上記図2のa,b,c,dで示されたように、その最小間隔は、プローブピン径の制限に基づく下限ピッチ未満である。図中の丸印と三角印とは、それぞれ本発明に係る第1のヘッドと第2のヘッドのプローブが接触する部位を示している。
【0014】図4は、試験用ヘッドの配置図であり、例えば、図3で示すようなMIC基板のテストに使用されるものである。第1のヘッドと第2のヘッドとは一定距離(例えば、中心間が50mm)で固定されており、図5のテスト方法に示すように下治具を用いて基盤を第1のヘッドの下から第2のヘッドの下へ、或いはその逆に移動して、所定の位置に基盤が固定された状態で試験用ヘッドを下ろして所定のテストを行う。図4は、第1のヘッドと第2のヘッドのプローブピンの配置を示すもので、第1のヘッドのプローブピンの位置を丸印で、第2のヘッドのプローブピンの位置を三角印で、また両ヘッドの中心の位置を十字で示してある。なお、説明用の図は見易さに主眼をおいて描かれているため、部分的に拡大・強調してある。
【0015】図4に示すような2つのヘッドを用いることにより、図3の部分拡大図に示したパッドを一つおきに選択して測定することができる。なお、図3では丸印、三角印がそれぞれ千鳥状に配置されるように図示しているのに対して、図4においては、簡単のため単純に一直線状に配置されるように図示してあるが、実際には何れでもよい。
【0016】図5は、上述のごとく、テスト方法を示す図である。第1のヘッド、第2のヘッドの各プローブピンは所定の試験回路に接続されており、各ピン間の導通試験および絶縁試験を行う事が出来るものとする。図6は、多数ヘッドが必要な場合についての説明の為の図であり、2分割の場合の説明の後に説明する。
【0017】以下では、図2の場合にどの様にしてヘッドへの割当てを行うか、つまりどのポイントを受け持つプローブピンをどのヘッドに設けるかを図1のフローに従って説明する。S1等で、ステップを示すものとする。
【0018】S1では、全データから、各ネットにつき1以上のポイントを代表ポイントとして抽出して、これをデータ1とする。なお、データとは測定対象のパッドの名称の集合を言い、名称にはその位置を示す表示(座標表示等)を伴うとする。ただし、以下の説明では、説明の便宜上、各ポイントの名称(A,b等)のみで示す。図2の例では、データ1はA,b,C,Dよりなる。なお、代表点を選定する場合には、他のポイントとの距離が一定値以上である第1種ポイントから選ぶが、点bの如く他のポイントとの距離が一定値未満である第2種ポイントであっても、他の代表点との距離が一定以上であれば選択の対象としても差し支えない場合がある。
【0019】S2では、全データから、下限ピッチ未満のポイントを抽出して、これをデータ2とする。図2の例では、データ2はa,b,c,dよりなる。S3では、データ1とデータ2に共通ポイントが在るか否かをしらべる。在ればS4へ、無ければS5へ進む。図2の例では、データ1とデータ2に共通ポイントbが在るのでS4へ進む。
【0020】S4では、共通ポイントをデータ1から削除し、データ1に共通ポイントを同じネットに属する別のポイントが無いならば、それを新たにデータ1に加える。図2の例では、データ1からbを削除し、データ1にBを加えた結果、データ1はA,B,C,Dよりなる。S5へ進む。
【0021】S5では、データ1、データ2の何れにも含まれないデータが在れば、データ1に加える。図2では、E,Fが相当するので、それをデータ1に加えた結果、データ1はA,B,C,D,E,Fよりなる。
【0022】S6では、データ2をソートし一つ置きに選択し、一方にはデータ1を加えてデータ3とし、他方に選択された各ポイントの属するネットのポイントを加えてデータ4とする。図2の例では、データ3はA,B,C,D,E,F,a,c、データ4はb,B,d,Dよりなる。
【0023】S7では、データ4のピッチのチェックを行い、下限ピッチ以下のポイントが在るか否かをしらべる。無ければS8へ、在ればS9へ進む。図2の例ではデータ4にふくまれる2ポイントbd間が最小だが、200μmで下限ピッチ200μm以内に収まる。
【0024】S8では、データ3を第1のヘッドに割当て(厳密に言えば、データ3に含まれるポイントのパッドに接触するプローブピンを第1のヘッドに設けて)、データ4を第2のヘッドに割当てる(厳密に言えば、データ4に含まれるポイントのパッドに接触するプローブピンを第2のヘッドに設ける)。図2の例では、第1のヘッドにA,B,C,D,E,F,a,c、第2のヘッドにb,B,d,Dが、それぞれ割当てられる。
【0025】以上のように各ヘッドに割当てると、第1のヘッドでは、各ネット間の絶縁の試験と共に、A−a,C−c−E,D−Fの導通試験が行われる。また、第2のヘッドではB−b, D−dの導通試験が行われる。
【0026】本例では、代表点の変更で2つのヘッドへのポイントの割当てが決定したが、代表点の変更を繰り返しても収束しない場合には、ヘッドの分割数を増やす(多数ヘッドを使用する)ことで対応する。
【0027】図6は、多数ヘッドが必要な場合の例である。本例では、A−a,B−b,C−c,D−d,E−e,F−f,G−g,H−h,I−i,J−j,K−k,L−l,M−m,N−n,O−oの15のネットを持つ場合である。図2の場合と同様に、大文字(A〜O)で示す15のポイントは他の何れのポイントとの距離も下限値より大きく設定されており、小文字(a〜o)で示す15のポイントは他の何れの下限値以下の距離に他のポイントが存在する。この場合、図1のフローに従ってポイントの選定を行うと、S6による決定の結果、データ3にはA〜Oの各ネット代表と、a,c,e,g等のポイントが選ばれるが、ae,ce等の間隔は下限ピッチ未満である。そのため、e等のポイントを削除して、それらのポイントを別のヘッドに割当てる必要がある。
【0028】S9の処理Aは、この様に更にヘッドの分割を続けなければならない場合の処理を示すもので、図1のS7でYになった場合、S6─S7を繰り返すことに相当する。この場合、図1のS6では、データ2をソートして一つ置きに選択しているが、処理Aでは、データ4について同様の扱いをする。その結果、第2のヘッドと、第3のヘッドへの割当てが決定する。第3のヘッドに割当てたポイントにまだ下限ピッチが含まれている場合には、第3のヘッドに割当てたポイントについて同様に分割を行う。図6の場合、以下に示すように、第4のヘッドまで分割して問題が解決される。
【0029】第1のヘッドには、各ネットの代表ポイントA〜Oと、a,c,g,i,m,oが割当てられる。第2のヘッドには、d,D,f,F,j,J,l,Lが割当てられる。
【0030】第3のヘッドには、b,B,h,H,n,Nが割当てられる。第4のヘッドには、e,E,k,Kが割当てられる。さらに分割が必要な場合には、同様の操作を繰り返せばよい。
【0031】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明によれば、ファインピッチ分割型試験用ヘッドにより、本来フライングプローバ方式でしか対応できなかった基板も、一括試験が可能となり、スループットが向上する。また、一括絶縁試験により、定電圧印加による保証が可能となる。さらに、アラインメント確認時間と精度が向上する。
【出願人】 【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
【出願日】 平成9年(1997)11月27日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】井桁 貞一
【公開番号】 特開平11−160380
【公開日】 平成11年(1999)6月18日
【出願番号】 特願平9−326296