| 【発明の名称】 |
銅張積層板の絶縁信頼性評価パターン |
| 【発明者】 |
【氏名】江里口 秀紀
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| 【要約】 |
【課題】短時間で銅張積層板の絶縁信頼性を評価する試験パターンを提供する。
【解決手段】絶縁されたスルホール間に直流電圧を印加して高温、高湿の環境下で2回路間の絶縁劣化を評価する銅張積層板の絶縁信頼性評価パターンにおいて、絶縁された2回路間のスルホールを対向して形成し、試料幅(L)を対向するスルホールピッチ間(P)の2倍として試験を行う。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 絶縁されたスルホール間に直流電圧を印加して高温、高湿の環境下で2回路間の絶縁劣化を評価する銅張積層板の絶縁信頼性評価パターンにおいて、絶縁された2回路間のスルホールを対向して形成し、試料幅を対向するスルホールピッチ間の2倍に加工したことを特徴とする銅張積層板の絶縁信頼性評価パターン。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、銅張積層板の絶縁信頼性試験方法、特に金属イオンのマイグレーションに関係する絶縁信頼性試験方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】銅張積層板に回路加工を施して得られたプリント配線板には、長期間実使用中に回路間に絶縁劣化を生ずることがある。これは、絶縁された2回路間に直流電圧が印加され続けた場合、2回路間の絶縁板中に金属イオンのマイグレーションが発生し絶縁が破壊されるもので、一般的に電食といわれる現象である。これまで絶縁信頼性を評価するためには、図2に示すような試験パターンを作製し、回路A−B間に直流電圧を印加し85℃、85%RHの高温、高湿の環境下で試験を行い、2000〜4000時間かけて絶縁劣化を評価していた。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、評価時間が2000〜4000時間と長時間必要になるため、短時間で評価できる方法が要求されている。本発明は、短時間で銅張積層板の絶縁信頼性を評価する試験パターンを提供することを目的としたものである。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明は、絶縁されたスルホール間に直流電圧を印加して高温、高湿の環境下で2回路間の絶縁劣化を評価する銅張積層板の絶縁信頼性評価パターンにおいて、絶縁された2回路間のスルホールを対向して形成し、試料幅を対向するスルホールピッチ間の2倍に加工したことを特徴とする銅張積層板の絶縁信頼性評価パターンである。 【0005】 【発明の実施の形態】上記目的を達成するための本発明の構成を実施例に対応する図1に基づいて説明すると、本発明は、絶縁されたスルホール間に直流電圧を印加して高温、高湿の環境下で2回路間の絶縁劣化を評価する銅張積層板の絶縁信頼性評価パターンにおいて、絶縁された2回路間のスルホールを対向して形成し、試料幅(L)を対向するスルホールピッチ間(P)の2倍に加工したことを特徴とするものである。従来の絶縁信頼性に用いている評価パターン、即ち図2において、60℃、60%RH等の高温、高湿の環境下で吸湿した水分は基板表面のみから浸透し、2回路間のスルホール間で電食の発生が促進されていた。そこで、本発明は水分の浸透を基板表面のみではなく、端面からも浸透するように2回路間のスルホール間が対向するように回路パターンを作製し、スルホールピッチ(P)の2倍の幅にパターン幅(L)を作製することによって目的を達成することができる。スルホールピッチを2倍以下に作製した場合、加工時にスルホールにダメージを与えるため適切ではない。 【0006】紙フェノールの銀スルホール用銅張積層板(FR−1)の銅箔を全面エッチングし、20mm×20mmと2mm×200mmの面積が同じ試料を作製した。この試料を60℃、90%RHの環境下で処理すると、処理時間と試料の吸湿率(wt%)は図3に示すように、細長い形状の試料(2mm×200mm)の方が速く飽和吸湿率に達する。従って、銅張積層板を細長い試料にし、基板端面からの水分の浸透を速めて電食の評価試験を行えばよいことが理解できる。 【0007】以下、本発明の銅張積層板の絶縁信頼性評価パターンについて具体的に説明する。図1は本発明の実施例を示す絶縁信頼性評価パターンの平面図、図2は従来の絶縁信頼性評価パターンを示す平面図、図3は紙フェノール両面銅張積層板の全面エッチングした基板の処理時間と吸湿率との関係を示す図である。 【0008】(実施例1)板厚1.6mm、銅箔35μmの紙フェノール両面銅張積層板(例えば、日立化成工業株式会社製、商品名、MCL−437(SRD)タイプ、FR−1グレード)を用いて、図2に示すように銀マイグレーション性評価パターンを作製する。銀マイグレーション性評価パターンは、1.0mmのランドに直径0.5mmの穴をドリルであけ銀ペーストを充填し硬化させ積層板の表裏の銅箔が銀ペーストにより接続するようにした。次に、図2で作製したパターンの回路A、Bの試料幅(L)を対向するスルホール間のピッチ(P)の2倍の幅にダイヤモンドカッターを用いて回路が中心になるように切断し、図1に示すような試料幅(L=2P)に作製する。この時の回路A−Bのスルホール間のピッチ(P)は1.5mmでスルホール壁間距離(D)は0.9mmになるように加工した。したがって、図1に示す試料幅(L)は3.0mmになる。 【0009】(比較例1)実施例1と同様に銀マイグレーション性評価パターンを作製し、図2に示すパターンを用いた。回路A−Bの形状やスルホール数は同じで試料の幅(L)は20mmに作製した。 【0010】(実施例2)ガラスエポキシ両面銅張積層板1.6mm、銅箔18μm(日立化成工業株式会社製、商品名、MCL E−67タイプ、FR−4グレード)を用い、銅スルホールめっきを行って、銅マイグレーション性評価パターン(図2)を作製した。後は実施例1と同様にして回路A−Bのスルホール間のピッチ(P)0.7mm、スルホール壁間距離(D)を0.4mmになるように加工した。試料幅(L)は1.4mmとなる。 【0011】(比較例2)実施例2と同様に、銅マイグレーション性評価パターンを作製し、図2に示すパターンを用いた。但し、試料の幅は20mmに作製した。 【0012】実施例1と比較例1の試料は、60℃、90%RHの恒温、恒湿槽に入れ、回路A−B間に直流電圧DC50Vを印加し、回路A−B間の絶縁抵抗が108Ω未満と絶縁が劣化する時間を測定した。実施例2と比較例2の試料は、85℃、85%RHの恒温、恒湿槽に入れ、回路A−B間に直流電圧DC100Vを印加し、回路A−B間の絶縁抵抗が108Ω未満となる絶縁が劣化する時間を測定した。測定した結果を表1に示す。 【0013】 【表1】 項目 実施例1 比較例1 実施例2 比較例2 絶縁劣化時間時間(時) 800 4200 400 2000 【0014】表1に示すように、従来行われていた比較例よりも短時間で銅張積層板の電食による絶縁劣化を評価できることがわかる。 【0015】 【発明の効果】本発明は、絶縁されたスルホール間に直流電圧を印加して高温、高湿の環境下で2回路間の絶縁劣化を評価する銅張積層板の絶縁信頼性評価パターンにおいて、絶縁された2回路間のスルホールを対向して形成し、試料幅を対向するスルホールピッチ間の2倍に加工した構成としたので、従来に比べ約1/5の処理時間で銅張積層板の絶縁信頼性を評価することができた。これにより、耐電食性に優れた配合を短時間で選別でき、また品質保証のための積層板の検査を短時間で評価できるようになる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004455 【氏名又は名称】日立化成工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)11月27日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】若林 邦彦
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| 【公開番号】 |
特開平11−160379 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)6月18日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−325548 |
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