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【発明の名称】 断線検出装置及びこれを利用した空気清浄装置
【発明者】 【氏名】橋本 信幸

【要約】 【課題】放電線などの導線の断線検出装置を簡単な構成で実現する。

【解決手段】回転軸60に軸支された支持体40と、電圧が印加される導電体20と、支持体40と導電体20の間に張架された1若しくは複数の導線30とを備え、支持体40は1若しくは複数の第1の付勢手段70によって第1の方向に付勢され、導線30が断線したとき、第1の付勢手段70の付勢力によって支持体40が回転し、この回転に伴って突出部40fが回転軸60を軸心として回転し、突出部40fの回転動作に伴って突出部40fの近傍に設けられた検出手段50が作動し、導線30の断線状態が検出される。このように、導線30が断線したことを支持体40の回転運動に変換し、この回転状態を検出することで、導線30の断線状態が瞬時かつ自動的に検出され、導線30に対する電圧の供給を停止させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 回転軸に軸支された支持体と、電圧が印加される導電体と、上記支持体と上記導電体の間に張架された1若しくは複数の導線とを備え、上記支持体は1若しくは複数の第1の付勢手段によって第1の方向に付勢され、上記導線が断線したとき、上記第1の付勢手段の付勢力によって上記支持体が回転し、この回転に伴って検出手段が作動し、上記導線の断線状態が検出されることを特徴とする断線検出装置。
【請求項2】 上記支持体は1若しくは複数の第2の付勢手段によって第2の方向に付勢され、上記導線が断線したとき、上記第1の付勢手段と上記第2の付勢手段の付勢力の差によって上記支持体が回転することを特徴とする請求項1記載の断線検出装置。
【請求項3】 上記第1の付勢手段は上記回転軸に設けられたことを特徴とする請求項1,2記載の断線検出装置。
【請求項4】 上記第2の付勢手段は上記導線の一端に設けられたことを特徴とする請求項1,2,3記載の断線検出装置。
【請求項5】 上記第1の付勢手段及び上記第2の付勢手段は上記導線の一端に連結して設けられ、上記支持体の一端に上記第1の付勢手段が張架されると共に、上記回転軸を介して上記支持体の他端に上記第2の付勢手段が張架され、上記導線が断線したとき、上記支持体の一端側を付勢する上記第1の付勢手段の付勢力の和と上記支持体の他端側を付勢する上記第2の付勢手段の付勢力の和の差によって上記支持体が回転することを特徴とする請求項1,2記載の断線検出装置。
【請求項6】 上記検出手段は上記回転軸近傍に設けられた突出部の回転動作によって作動することを特徴とする請求項1〜5記載の断線検出装置。
【請求項7】 上記検出手段は上記突出部の回転によって開状態となされるスイッチであることを特徴とする請求項6記載の断線検出装置。
【請求項8】 上記突出部は透光孔が設けられ、上記検出手段は上記突出部の回転によって発光手段からの光が遮光若しくは透光されることを検出することを特徴とする請求項6記載の断線検出装置。
【請求項9】 上記検出手段は上記突出部に対向して設けられたマイクロスイッチであることを特徴とする請求項6記載の断線検出装置。
【請求項10】 上記第1の付勢手段及び第2の付勢手段はコイルばねであることを特徴とする請求項1〜5記載の断線検出装置。
【請求項11】 負極側若しくは正極側の電圧が印加される集塵電極と、正極側若しくは負極側の電圧が印加される放電電極を有し、上記放電電極の放電により正極側若しくは負極側に帯電された塵埃が上記集塵電極に吸着されることにより空気の清浄化を行う空気清浄装置において、回転軸に軸支された支持体と、上記正極側若しくは負極側の電圧が印加される導電体と、上記支持体と上記導電体の間に張架された1若しくは複数の放電電極としての導線とを備え、上記支持体は1若しくは複数の第1の付勢手段によって第1の方向に付勢され、上記導線が断線したとき、上記第1の付勢手段の付勢力によって上記支持体が回転し、この回転に伴って検出手段が作動し、上記導線の断線状態を検出することを特徴とする空気清浄装置。
【請求項12】 上記支持体は1若しくは複数の第2の付勢手段によって第2の方向に付勢され、上記導線が断線したとき、上記支持体に対する上記第1の付勢手段と上記第2の付勢手段の付勢力の差によって上記支持体が回転することを特徴とする請求項11記載の空気清浄装置。
【請求項13】 上記第1の付勢手段は上記回転軸に設けられたことを特徴とする請求項11,12記載の空気清浄装置。
【請求項14】 上記第2の付勢手段は上記導線の一端に設けられたことを特徴とする請求項12,13記載の空気清浄装置。
【請求項15】 上記第1の付勢手段及び上記第2の付勢手段は上記導線の一端に連結して設けられ、上記支持体の一端に上記第1の付勢手段が張架されると共に、上記回転軸を介して上記支持体の他端に上記第2の付勢手段が張架され、上記導線が断線したとき、上記支持体の一端側を付勢する上記第1の付勢手段の付勢力の和と上記支持体の他端側を付勢する上記第2の付勢手段の付勢力の和の差によって上記支持体が回転することを特徴とする請求項11,12記載の空気清浄装置。
【請求項16】 上記断線状態の検出によって上記導電体への給電を停止するようにしたことを特徴とする請求項11〜15記載の空気清浄装置。
【請求項17】 上記断線状態の検出によって上記断線を報知するようにしたことを特徴とする請求項11〜15記載の空気清浄装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は放電線などの導線の断線検出装置に関する。詳しくは、導線が断線し、支持体の平衡状態が保持されなくなると同時に機械的または電気的な検出手段を作動させることによって、導線の断線状態が自動的に検出されて、導線に対する電圧の供給が自動的に停止されるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】近年、空気中に含まれる塵埃などを正電荷に帯電させた上で、負極性の集塵電極部に集塵することで空気を清浄化するイオン式の空気清浄装置が提案されている。図13は、このようなイオン式空気清浄装置内部に設けられた集塵機能を有するイオン風発生手段10の具体例であって、このイオン風発生手段10を利用することによって、空気中に含まれる塵埃などを正電荷に帯電して集塵することにより、空気を清浄化して装置外部に放出することができる。
【0003】この例では、装置の外枠を構成し、外気を取り込むための吸気口18を有するキャビネット(図は底部のみを示す)17に取り付け固定された導電板12と、同じくキャビネット17に取り付け固定された支持体15との間に、導電性の弾性体13を介して放電体としての導線(放電線)14が張架されている。
【0004】この放電線14と対峙する位置には、高圧発生回路11から負極性の電圧(この例では−6000V程度)が印加される板状の集塵電極16が、放電線14と所定の間隔をもって設けられている。また、放電線14には正極性の電圧(+6000V程度)が印加され、これらの間の電位差12000Vによって放電線14と集塵電極16との間で気中放電が生じる。これによって、吸気口18から取り込まれた空気の中に含まれる塵埃などが放電線14によって正電荷に帯電され、集塵電極16に引き寄せられる。
【0005】このように、帯電した塵埃などが放電線14から集塵電極16に向かって移動する際にイオン風と呼ばれるイオンの流れが生ずる。このイオンの流れとクーロン力(静電力)とによって、空気中に含まれる塵埃などが集塵電極16の表裏面に取り付けられたフィルタ1に集塵されて空気が清浄化され、装置外部(矢印S方向)に放出される。
【0006】イオン風を安定して発生させるためには、放電線14と集塵電極16との離隔距離を一定に保持する必要がある。そのため、放電線14は弾性体13から常に張力が与えられ、集塵電極16に対して平行を維持した状態で架張されているが、この放電線14はきわめて細い(直径0.3mm程度)ものであるため、長期間使用していると引張り応力や経年変化によって断線し易くなる傾向にある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したように放電線14には+6000Vもの高電圧が印加されており、この放電線14が断線した場合には、直ちに電圧の供給を停止した方がよい。しかも、断線した放電線14に高電圧が印加され続けると装置内の電源トランスが損傷を受けるなどの損害を被る恐れがある。
【0008】そこで、通常は、放電線14の電流値や抵抗値をマイコンなどの制御装置で監視し、断線時における電流値や抵抗値の変化によって放電線14の断線状態を検出して、電圧の供給を停止させる回路が装置内部に設けられている。しかし、放電線14は閉回路でないため、上述の電流値や抵抗値の変化を検出するのが難しく、これを達成するためには回路の構成が複雑になってしまい、装置本体のコストを低く抑えることが困難となる問題がある。
【0009】このような断線検出回路を設けない場合には、放電線14の断線を未然に防ぐために使用者が定期的に放電線14のメンテナンスを行う必要があるため、非常に面倒である。
【0010】そこで、この発明はこのような課題を解決したものであって、放電線の断線状態を自動的に検出し、放電線に対する電圧の供給が自動的に停止される断線検出装置を簡単な構成で実現することで、使用者が定期的に放電線を交換するなどのメンテナンスを行う必要がなくなる。放電線の断線を誤作動なく、確実にしかも迅速に検出できる装置本体の低コスト化を図ることが可能となる断線検出装置を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するために、請求項1に記載したこの発明に係る断線検出装置では、回転軸に軸支された支持体と、電圧が印加される導電体と、支持体と導電体の間に張架された1若しくは複数の導線とを備え、支持体は1若しくは複数の第1の付勢手段によって第1の方向に付勢され、導線が断線したとき、第1の付勢手段の付勢力によって支持体が回転し、この回転に伴って検出手段が作動し、導線の断線状態が検出されることを特徴とするものである。
【0012】また、請求項11に記載したこの発明に係る断線検出装置を利用した空気清浄装置では、負極側若しくは正極側の電圧が印加される集塵電極と、正極側若しくは負極側の電圧が印加される放電電極を有し、放電電極の放電により正極側若しくは負極側に帯電された塵埃が集塵電極に吸着されることにより空気の清浄化を行う空気清浄装置において、回転軸に軸支された支持体と、正極側若しくは負極側の電圧が印加される導電体と、支持体と導電体の間に張架された1若しくは複数の放電電極としての導線とを備え、支持体は1若しくは複数の第1の付勢手段によって第1の方向に付勢され、導線が断線したとき、第1の付勢手段の付勢力によって支持体が回転し、この回転に伴って検出手段が作動し、導線の断線状態を検出することを特徴とするものである。
【0013】この発明によれば、導線が断線したことを支持体の回転運動に変換し、この回転状態を検出することで、導線の断線状態が自動的に検出される。これによって、導線が断線したときは、瞬時かつ自動的に導線に対する電圧の供給を停止させることが可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】続いて、この発明に係る断線検出装置の一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0015】この実施形態では、断線状態を検出する手段として機械的または電気的な検出手段を用いたり、この電気的な検出手段としては接触型若しくは非接触型のものが用いられる場合が考えられる。また、複数本の導線の断線状態を同時に検出する場合も考えられる。
【0016】図1および図2は、導線の断線状態を検出する手段として機械的な検出手段を用いた場合に適用される断線検出装置110の平面図と側面図の構成を示すものである。
【0017】図1および図2に示すように、装置の外枠を構成するキャビネット17には、矩形状の導電板20が、絶縁性の材料で形成された支柱19を介して取り付け固定されている。この導電板20には、高圧発生ブロックから供給された正極性の高電圧(この例では+6000V)が印加されている。そして、導電板20の右側端部20a側には、回転軸60に軸支された矩形状の支持体40が、この導電板20と所定の間隔をもって設けられている。そして、これらの導電板20と支持体40との間には導電性の弾性体90を介して放電体としての導線(放電線)30が張架されている。
【0018】放電線30が正常状態にあるときは、回転軸60を中心に支持体40を矢印T方向に回転させる力が、弾性体90の張力によって支持体40に付勢される。しかし、この支持体40はキャビネット17に設けられた柱状のストッパ45によって係止されており、これによって支持体40の平衡状態が保持されている。
【0019】支持体40の回転軸60が挿通される部分は筒状に形成され、この筒状部40eの上部には突出部(トリガ)40fが設けられている。そして、これらを接点51a,51bで挟み込むようにして、断線検出手段50としてのリーフスイッチ51が設けられている。
【0020】トリガ40fの下方には、第1の付勢手段としてのトーションスプリング(以下、Tスプリング)70が筒状部40eを巻装するように設けられ、放電線30が断線したとき、このTスプリング70の付勢力によって、支持体40が回転軸60を中心に矢印T方向と反対側(矢印P方向)に回転される。
【0021】このとき、筒状部40eに設けられたトリガ40fも共に回転するから、リーフスイッチ51の接点51a,51bがトリガ40fによって開放され、これによって放電線30に対する電圧の供給が自動的に停止される。
【0022】図1に示すように、支持体40は絶縁性を有する樹脂材料で成形された板状体であり、この支持体40の上面であって上端面40c寄りには、放電線30を掛着するための掛着部40gが鉤状に形成されている。この支持体40の下面であって下端面40d寄りには、筒状部40eが支持体40と一体に形成されており、この筒状部40eの上部にはトリガ40fが設けられている。このトリガ40fは、支持体40の左側端部40aに対して略直角となるように右側端部40b側に突出して設けられている。
【0023】この支持体40の筒状部40eに回転軸60を挿通して、これをキャビネット17に取り付け固定することによって、支持体40が軸支される。この回転軸60の上部は図2に示すように、支持体40が回転動作時に回転軸60から離脱しないように挿通軸部よりも径大となされている。
【0024】トリガ40fの下方には、筒状部40eを巻装するようにTスプリング70が設けられており、このTスプリング70の一方の遊端部はキャビネット17に嵌着され、他方の遊端部が支持体40の左側端部40aに当接されている。このように掛着したTスプリング70によって、回転軸60を中心として支持体40を矢印P方向に回転させるための付勢力が、この支持体40に付与される。
【0025】この例では、放電線30は直径0.3mm程度のタングステン線で構成され、その両端に導電性の金属で形成されたリング31,31が嵌着されている。この放電線30の一端部は支持体40の掛着部40gに掛着され、他端部が第2の付勢手段としての弾性体90の一端部に掛着される。この弾性体90の他端部は、導電体20の右側端部20a寄りに穿設された透孔20bに掛着される。
【0026】このように、放電線30が弾性体90を介して導電板20と支持体40との間に掛着されると、弾性体90の張力によって、回転軸60を中心として矢印T方向に支持体40を回転させる付勢力が、支持体40に対して作用される。この例では、弾性体90は導電性の金属で形成されたエキスパンションスプリング(Eスプリング)が適用されている。
【0027】ところで、この弾性体90の張力は上述したTスプリング70の付勢力よりも大きく選んであるため、支持体40は矢印T方向に回転される。しかし、キャビネット17に設けられた柱状のストッパ45に、支持体40の左側端部40aが当接することで支持体40の回転が規制され、支持体40の平衡状態が保持される。この例では、導電板20の右側端部20aと支持体40の左側端部40aが、放電線30に対して略直角となって支持体40が係止されるような位置にストッパ45が植立されている。
【0028】また、支持体40に作用する弾性体90とTスプリング70の付勢力の釣合いを保つように弾性体90とTスプリング70を選定することで、上述したストッパ45を設けることなく、支持体40の平衡状態を保持することもできる。
【0029】このように、平衡状態が保持された支持体40のトリガ40fの近傍には、支持体40の回転動作を検出する検出手段50としてリーフスイッチ51が設けられている。リーフスイッチ51は導電性の金属板で形成された一対の接点51a,51bで構成され、トリガ40fと筒状部40eの外周部の一部を、これらの接点51a,51bで挟み込むように設けられている。このリーフスイッチ51は電源部81(図4参照)に、電源遮断用の非常用検出スイッチとして設けられており、支持体40の平衡状態が保持されているときはオンとなるように、接点51aと51bが接触した状態にある。
【0030】そして、放電線30が図3に示すように断線すると、支持体40に対する弾性体90の張力が失われるため、断線と同時に、Tスプリング70の付勢力によって支持体40は矢印P方向に回転する。このとき、支持体40に形成された筒状部40eとトリガ40fも共に回転するため、リーフスイッチ51の接点51b側がトリガ40fによって押し広げられ、接点51aとの接触状態が開放される。これによって、リーフスイッチ51がオフし、放電線30に対する電圧の供給が瞬時かつ自動的に停止される。
【0031】そのため、断線検出装置110の作動回路200は図4のように構成される。同図に示すように、作動回路200には電源プラグ80が設けられ、例えばAC100Vに接続されて使用される。電源プラグ80には電源部81が接続されており、電源スイッチ82をオンすることによって、AC100Vが出力段に供給される。
【0032】電源部81の出力段にはDC−DCコンバータ83が接続される。DC−DCコンバータ83ではAC100Vが一旦直流電圧に変換され、その直流電圧がチョッピング制御された後、高圧発生ブロック84内の変圧器により昇圧されて、この変圧器の出力を整流して直流高電圧が得られる。この実施形態では接地部(GND)の電位を0Vとすると、正極性の電圧としてVa=+6000Vが放電線30に印加され、負極性の電圧としてVk=−6000Vが集塵電極16(図13)に印加される。
【0033】このように構成された作動回路200の電源部81に、上述したリーフスイッチ51が検出手段50として接続され、放電線30が断線して支持体40の平衡状態が保持されなくなると同時にリーフスイッチ51がオフして、出力段に対する電圧の供給が停止される。
【0034】この実施形態では支持体40の回転動作を検出する検出手段50としてリーフスイッチ51が適用されているが、図5および図6に示すように押圧状態でオンとなるタイプのマイクロスイッチ52を用いることもできる。この例では、回転軸60の近傍であって支持体41の右側端部41bに、三角形状の突出部(トリガ)41fが形成されており、このトリガ41fの先端部と対峙する位置にマイクロスイッチ52が設けられている。
【0035】支持体41の平衡状態が保持されているときは、トリガ41fの先端部でマイクロスイッチ52の操作子が押圧されてオン状態となる。放電線30が断線して支持体41が矢印P方向に回転するとトリガ41fがマイクロスイッチ52から離脱し、これによって、マイクロスイッチ52がオフして、放電線30に対する電圧の供給が瞬時かつ自動的に停止される。
【0036】また、リーフスイッチ51やマイクロスイッチ52などの接触型の検出手段50の他に、非接触型の検出手段50として、図7および図8に示すようなフォトインタラプタ53を適用することもできる。この例では、回転軸60の近傍であって支持体42の右側端部42bに、板状の突出部(トリガ)42fが設けられている。フォトインタラプタ53は、発光素子53aと受光素子53bとで構成され、トリガ42fに穿設された透光孔(スリット)42gを、発光素子53aと受光素子53bとで挟み込むように設けられている。
【0037】支持体42の平衡状態が保持されているときは、発光素子53aから照射された光がスリット42gを介して受光素子53bに受光される。この状態でフォトインタラプタ53はオンとなっているが、放電線30が断線して支持体42が矢印P方向に回転するとスリット42gとフォトインタラプタ53の位置関係にずれが生じ、図示せずも支持体42の近傍に設けられた係止手段によって発光素子53aから照射された光がトリガ42fによって遮られる位置で支持体42の回転動作が係止される。これによって、フォトインタラプタ53の検出出力が反転するので、この検出出力を利用することによって、放電線30に対する電圧の供給を瞬時かつ自動的に停止させることができる。
【0038】なお、この例では発光素子53aから照射された光がスリット42gを通過して、この光を受光素子53bで受光する透過型のフォトインタラプタ53が適用されているが、発光素子から発射された光を反射膜で反射し、この反射光を受光素子で受光する反射型のフォトインタラプタを用いてもよい。また、この他に磁気センサなどを使用して同様に検出手段を構成することもできる。
【0039】上述した各実施形態では、リーフスイッチ51などの検出手段50が作動することで、放電線30に対する電圧の供給が自動的に停止されるようになされているが、これに加えて、放電線30が断線し、これらの検出手段が作動することによって音声や光などの信号を発生させ、使用者に放電線30が断線したことを知らせることもできる。
【0040】この発明によれば、マイコンなどの制御装置を用いなくても、簡単な構成によって放電線が断線したことを瞬時かつ自動的に検出できる装置を実現することができるため、装置本体の低コスト化を図ることができると共に、放電線の定期的なメンテナンスを行う必要がなくなり、装置の取り扱いが簡便となる。
【0041】さて、上述したイオン式の空気清浄装置において、集塵効果をより一層高めるため、放電線が複数本使われることがある。このような場合に適用される断線検出装置の一実施形態について図9から図12を用いて説明する。
【0042】図9は、放電線30を2本使用した場合に適用される断線検出装置120の具体例を示すものである。
【0043】この例において、支持体43はその略中央部に設けられた回転軸60に軸支されており、支持体43の上下両端部(43c,43d)側には2本の放電線30a,30bを掛着するための掛着部43h,43iが、回転軸60を中心として等間隔(L1=L2)に設けられている。回転軸60が挿通される筒状体43eには、支持体43の左側端部43aと右側端部43bの両側に突出するように、この例では一対のトリガ43f,43gが設けられている。
【0044】放電線30a,30bの一端部は夫々支持体43の掛着部43h,43iに掛着され、他端部が夫々第1および第2の付勢手段としての弾性体91a,91bの一端部に掛着される。そして、これらの弾性体91a,91bの他端部が夫々導電体21に穿設された透孔21a,21bに掛着される。これらの弾性体91a,91bは夫々、張力の等しい(F1=F2)ものが用いられている。これによって、M=F×Lで表されるモーメントが回転軸60を中心に支持体43に対して等しく働くため、支持体43の平衡状態が保持される。
【0045】この例では、平衡状態が保持された支持体43のトリガ43f,43gの近傍に、支持体43の回転動作を検出する検出手段50としてリーフスイッチ51が設けられている。このリーフスイッチ51は導電性の金属板で形成された一対の接点51a,51bで構成され、トリガ43f,43gと筒状部43eを、これらの接点51a,51bで挟み込むようになされており、支持体43の平衡状態が保持されているときは接点51aと51bが接触している。
【0046】そして、図10に示すように、放電線30の一方(例えば30a)が断線すると、F1=0となるから、弾性体91bの張力F2によって支持体43が矢印P方向に回転し、トリガ43gによって接点51aが押し広げられ、リーフスイッチ51がオフとなる。これによって、放電線30に対する電圧の供給が瞬時かつ自動的に停止される。反対に、放電線30bが断線した場合には、F2=0となるから、弾性体91aの張力F1によって支持体43が矢印T方向に回転し、トリガ43fによって接点51aが押し広げられ、リーフスイッチ51がオフとなる。
【0047】この例では、支持体43の筒状部43eに一対のトリガ43f,43gが設けられているが、支持体43の左側端部43aと右側端部43bのどちらか一方のみにトリガが設けられている場合でも、接点51a,51bを開放させることは可能である。
【0048】次に、放電線30を3本使用した場合に適用される断線検出装置130の具体例を図11に示す。
【0049】この例において、支持体44は上端部44cから略1/3の長さの位置に設けられた回転軸60に軸支されており、支持体44の上面には3本の放電線30c,30d,30eを掛着するための掛着部44h,44i,44jが設けられている。そして、掛着部44h,44iは回転軸60を中心として等間隔(L1=L2)に設けられ、掛着部44jは掛着部44iの下方であって回転軸60から所定の間隔(L3>L2)をもって設けられている。回転軸60が挿通される筒状体44eには、支持体44の左側端部44aと右側端部44bの両側に突出するようにこの例では一対のトリガ44f,44gが設けられている。
【0050】放電線30c,30d,30eの一端部は夫々支持体44の掛着部44h,44i,44jに掛着され、他端部が夫々弾性体92,93,94の一端部に掛着される。そして、これらの弾性体92,93,94の他端部が夫々導電体22に穿設された透孔22a,22b,22cに掛着される。これらの弾性体92,93,94は、第1および第2の付勢手段として支持体44の平衡状態を保持するため夫々所定の張力(F1>F2>F3)を有するものが用いられている。これによって、M=F×Lで表されるモーメントが、回転軸60を中心に釣合いを保つように(F1×L1=F2×L2+F3×L3)支持体44に働くため、支持体44の平衡状態が保持される。
【0051】この例では、平衡状態が保持された支持体44のトリガ44f,44gの近傍に、支持体44の回転動作を検出する検出手段50としてリーフスイッチ51が設けられている。このリーフスイッチ51は導電性の金属板で形成された一対の接点51a,51bで構成され、トリガ44f,44gと筒状部44eを、これらの接点51a,51bで挟み込むようになされており、支持体44の平衡状態が保持されているときは接点51aと51bが接触している。
【0052】そして、図12に示すように、放電線30のいずれか(例えば30d)が断線すると、F2=0となるから、支持体44に働くモーメントの不均衡(F1×L1>F3×L3)によって支持体44が矢印T方向に回転し、トリガ44fによって接点51aが押し広げられ、リーフスイッチ51がオフとなる。これによって、放電線30に対する電圧の供給が瞬時かつ自動的に停止される。また、放電線30eが断線した場合も、支持体44はこれと同じように動作される。反対に、放電線30cが断線した場合には、F1=0となるから、支持体44に働くモーメントの不均衡によって支持体44が矢印P方向に回転し、トリガ44gによって接点51aが押し広げられ、リーフスイッチ51がオフとなる。
【0053】この例では、支持体44の筒状部44eに一対のトリガ44f,44gが設けられているが、支持体44の左側端部44aと右側端部44bのどちらか一方のみにトリガが設けられている場合でも、接点51a,51bを開放させることは可能である。
【0054】上述した例と構成を同じくして、支持体44が下端部44dから略1/3の長さの位置に設けられた回転軸60に軸支される場合には、弾性体92,93,94は、第1および第2の付勢手段として支持体44の平衡状態を保持するため夫々所定の張力(F1<F2<F3)を有するものが選ばれる。
【0055】このように、複数本の放電線30が用いられた場合でも、この発明によれば各放電線30の断線を一つの検出手段によって同時に監視することができる。このため、マイコンなどの制御装置を使って複雑な検出回路を設ける必要がなくなるため、断線を確実に検出できると共に、装置本体の低コスト化を実現することができる。
【0056】上述したように複数本の放電線30が用いられた場合でも、放電線30の断線を検出する手段として、上述したマイクロスイッチ52やフォトインタラプタ53などの検出手段50を適用できることは言うまでもない。
【0057】上述した実施形態においては、片側が電気的に開放状態となされた放電線の断線を検出するために、この発明に係る断線検出手段が適用されているが、これに限定されることなく、閉回路における電圧が印加された導線の断線状態を検出する場合についてもこの発明を適用することができる。
【0058】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明によれば、マイコンなどの制御装置を用いなくても、簡単な構成によって導線が断線したことを瞬時かつ自動的に検出できる装置を実現することができる。
【0059】これによって、装置本体の低コスト化を図ることができると共に、導線の定期的なメンテナンスを行う必要がなくなるため、装置の取り扱いが簡便となる特徴を有する。
【0060】したがって、この発明は量産型の電気機器における導線の断線検出回路などに適用して極めて好適である。
【出願人】 【識別番号】000000491
【氏名又は名称】アイワ株式会社
【出願日】 平成9年(1997)11月26日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】山口 邦夫 (外1名)
【公開番号】 特開平11−160378
【公開日】 平成11年(1999)6月18日
【出願番号】 特願平9−324881