| 【発明の名称】 |
電力変換器用コンデンサの劣化検出方式 |
| 【発明者】 |
【氏名】立川 真
【氏名】椙山 繁
【氏名】梓沢 昇
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| 【要約】 |
【課題】オンラインのコンデンサーの容量減少を連続的に捉え、かつ、交流電動機の負荷電流や回転周波数によって大巾に変化する直流側リップル電圧による影響を受けることなく、コンデンサーの劣化を検出することにある。
【解決手段】商用電源10から可変直流電源を生成するコンバータ1と、可変直流電源から可変周波数電力を生成し、該電力を電動機11に供給するインバータ2と、可変直流電源に接続されたコンデンサ3からなる電力変換システムにおいて、インバータのキャリア周波数成分22とコンデンサー両端電圧23を入力し、キャリア周波数成分に同期したリップル電圧を検出するフィルタ手段4と、電動機負荷電流に見合った設定値を設定する手段6を設け、リップル電圧のピークホールド値25が設定値26より所定以上大きくなったとき、コンデンサーの容量が劣化したと判定する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 商用電源から可変直流電源を生成するコンバータと、前記可変直流電源から可変周波数電力を生成し、該電力を電動機に供給するインバータと、前記可変直流電源に接続されたコンデンサからなる電力変換システムにおいて、インバータのキャリア周波数成分に同期したコンデンサー両端のリップル電圧を検出し、該リップル電圧が電動機負荷電流に対応した値から所定以上大きくなったとき、コンデンサーの容量が劣化したと判定することを特徴とする電力変換器用コンデンサの劣化検出方式。 【請求項2】 商用電源から可変直流電源を生成するコンバータと、前記可変直流電源から可変周波数電力を生成し、該電力を電動機に供給するインバータと、前記可変直流電源に接続されたコンデンサからなる電力変換システムにおいて、インバータのキャリア周波数成分とコンデンサー両端電圧を入力し、キャリア周波数成分に同期したリップル電圧を検出するフィルタ手段と、電動機負荷電流に見合った設定値を設定する手段を設け、前記リップル電圧が前記設定値より所定以上大きくなったとき、コンデンサーの容量が劣化したと判定することを特徴とする電力変換器用コンデンサの劣化検出方式。 【請求項3】 請求項2において、前記フィルタ手段は、前記リップル電圧を微分回路によって微分し、その微分出力値をピークホールド回路によってピークホールドすることを特徴とする電力変換器用コンデンサの劣化検出方式。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、商用電源から可変周波数(含む直流)を出力する電力変換器に用いるコンデンサの劣化検出方式に係り、特に、コンデンサの容量減少(経年劣化)を検出する技術に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、電力変換器に用いるコンデンサの容量減少(経年劣化)を検出する技術として、種々の検知方式が知られている。その1は、特開平8−181343号公報に記載され、この公報によると、その検知方式は、(1)電力変換効率の低下を検出する、(2)その為に入力電圧を電流、出力電圧と電流を検出し、(3)電力変換効率を演算により求めて、初期値からの低下を検出する、(4)この検出に基づいてコンデンサーの経年劣化を判断する、という方式である。しかし、この方式は、測定方法が複雑でコストアップとなり、更に一般の電力変換器では効率の低下が非常に小さい為、他の要因を誤ってコンデンサーの経年劣化と判断する可能性が大である。その2は、特開平4−19073号公報に記載され、この公報による検知方式は、コンデンサーへの充電時間を測定し、劣化すると、コンデンサーの容量が低下するので、充電時間が短かくなることを捉え、経年劣化を検出する、という方式である。しかし、この方式は、変換器を一旦停止して、再度起動してコンデンサーに充電しなくてはならない。従って、オンライン(変換器の運転中)では使用することができない。実際、電力変換器は、無停電電源や連続生産設備に使用されているため、運転停止することは、経済的損失を招くことが多い。その3は、特開平4−192521号公報に記載され、この公報による検知方式は、上記特開平4−19073号公報が充電時間を利用しているのに対し、放電時間を用いて経年劣化を検出する。この方式もオンラインでしか使用できないため、その欠点は充電時間を利用する方式と同じである。その4は、特開平08−248086号公報に記載され、この公報による検知方式は、直流電源装置のリップルを取り出し、基準信号と比較し、コンデンサーの劣化を検出する、という方式である。しかし、可変周波数電源を発生するインバータやコンバータでは、数多くのリップルが存在し、更に負荷電流が常時プラスとマイナスに変化するので、リップル電圧値も大巾に変化する。そのため、この方式は、コンデンサーの劣化を検出する方式として不適切であり、使用できないことは明らかである。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】電力変換器等に使用されるコンデンサーが経年的に劣化(コンデンサー容量の減少)することは、一般的に知られている(特に、コンデンサーの温度が8〜10℃上昇する毎に、寿命が半減する。)。しかしながら、実際の電力変換器等においてコンデンサーの寿命を測定し、新しいコンデンサーに交換することは、人手と時間がかかり、大きな困難を伴う。即ち、(1)経年劣化は普通5年ないし10年以上経過してから起る。この間、経済的にコンデンサーの容量を測定監視する必要がある。 (2)コンデンサーの容量測定の為に、電力変換器を停止し、更にコンデンサーのみを主回路から切り離さなくてはならない。 【0004】本発明の課題は、従来の直接的な測定法による欠点をなくし、オンラインのコンデンサーの容量減少を連続的に捉え、かつ、交流電動機の負荷電流や回転周波数によって大巾に変化する直流側リップル電圧による影響を受けることなく、コンデンサーの劣化を検出するに好適な電力変換器用コンデンサの劣化検出方式を提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記課題は、インバータのキャリア周波数成分に同期したコンデンサー両端のリップル電圧を検出し、該リップル電圧が電動機負荷電流に対応した値から所定以上大きくなったとき、コンデンサーの容量が劣化したと判定することによって、解決される。 【0006】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。図1は、本発明の一実施形態による電力変換器用コンデンサの劣化検出方式を示す。図1において、交流可変電動機システムは、サイリスタ変換器やトランジスタ変換器、ゲートターンオフサイリスタ(GTO)変換器、IGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)変換器等のコンバータ(CONV)1、スイッチ素子(トランジスタ、GTO、IGBT等)を有するインバータ(INV)2、電解コンデンサー(C)3からなる。ここで、10は商用交流電源(AC)、11は交流電動機(ACM)を示す。コンデンサの劣化検出システムは、フィルタ(FLT)4、比較器(CMP)5、設定器(VR)6、ANDゲート7を有する。図1において、商用交流電源10からコンバータ1を用いて可変直流電源(VDC)23を生成すると共に、コンバータ1から直流電流IDCがコンデンサー3に流れ、コンデンサー3を充電する。コンデンサー3の両端の電圧は、インバータ2のスイッチ素子のオンとオフの周波数(これをキャリア周波数と称する。)によって三相交流(U、V、W相)に変換され、キャリア周波数fcに同期したリップル電流を含んだU相交流電流IU24(V相、W相のIV、IWも同様であり、以下、IUについてのみ説明する。)が交流電動機11に流れ込む。 【0007】この状態を図2、図3を用いて説明する。図2は、本実施形態のインバータ2の部分を示し、図3は、インバータ部のタイムチャートを示す。図2の場合、インバータ2はスイッチ素子としてトランジスタQUP〜QWNからなり、このトランジスタのオンとオフの周波数がキャリア周波数fcであり、キャリア周波数fcはある決められた値である。トランジスタのオンとオフの割合は0〜100%変化する。図3の1段目に、トランジスタQUPのオンとオフ及びキャリア周波数fcのときの線間電圧VUV及び周期TC=1/fcを示す。この線間電圧VUVと周期TCによって、交流電動機11に図3の2段目に記したリップル電流δIDCを含んだU相交流電流IUを供給する。このとき、コンデンサー3の両端の電圧VDCには、図3の3段目に示すリップル電圧δVDCが発生する。この原理は(1)式で表わせる。即ち、 δVDC∞(1/C)δIDC×TON=(1/C)δIU×TON (1) ここで、Cはコンデンサーの容量(F) δIDCは直流側電流の変化分(A) δIUはU相電流の変化分(A) TONはトランジスタQUPがオンしている時間(秒) である。従って、コンデンサー3の容量Cの値が経年劣化して容量が減少すると、キャリア周波数fcに依存したδVDCは増加することが解る。また、交流電動機11のU相交流電流(負荷電流)IUが増加しても当然δVDCは増加するし、更に、TONによってもδVDCは変化することが理解される。 【0008】そこで、本実施形態では、(1)リップル電圧δVDCは、キャリア周波数成分fc及び変換器のスイッチ素子のオン時間TONによつて大きな影響を受ける、(2)リップル電圧δVDCは、負荷電流IUが大きいと、比較的に大きくなる、(3)電動機の回転数に比例してリップル電圧δVDCの周波数成分も大巾に変化するが、キャリア周波数成分fcは十分回転数周波数に比べて大きな値を用いることが多いので、その影響を小さくできる、ことに着目し、まず、図1に示すフィルタ4に可変直流電圧VDC23とキャリア周波数fc22を入力し、キャリア周波数fcに同期し、変換器のスイッチ素子のオン時間TONに依存したリップル電圧δVDCのみを取り出し、リップルピーク電圧信号25を得る。 【0009】ここで、図4に、フィルタ4の詳細なフィルタ回路を示す。このフィルタ回路は、アナログスイッチ31、微分回路32、ピークホルダー回路33からなる。図4に示すように、フィルタ回路に可変直流電圧VDC23を入力し、キャリア周波数fc22における変換器のスイッチ素子のオン信号によって、アナログスッチ31を閉じると、微分回路32は可変直流電圧VDC23のリップル電圧δVDCを微分する。その微分出力値はピークホールド回路33によってピークホールドされる。このようにして、キャリア周波数fcに同期し、変換器のスイッチ素子のオン時間TONに依存したリップル電圧δVDCのみを取り出し、リップルピーク電圧信号25を得ることができる。 【0010】図5は、図4に示すフィルター回路のタイムチャートを示す。(a)はキャリア周波数fc22における変換器のスイッチ素子のオンとオフ信号、(b)は可変直流電圧VDC23のリップル電圧δVDC、(c)は微分出力、(d)はピークホールド出力である。図示の実線はコンデンサー3の容量が初期値のとき、破線は経年変化によって容量が低下したときの値を表す。図示のように、キャリア周波数fc22と変換器のスイッチ素子のオン時間が同一の条件において、リップル電圧δVDCは、コンデンサー3の容量が初期値のときに比し、その容量が低下したときの方が大きくなり、ピークホールド値が上昇する。 【0011】次に、フィルタ4によって得たリップルピーク電圧信号25を比較器5に入力し、一方、電動機11の負荷電流IU変流器CTによって検出し、先に述べたように、リップル電圧δVDCは、負荷電流IUが大きいとき、比較的に大きくなるため、電動機11の負荷電流IUに見合った設定値26を設定器6に設定し、この設定値26とリップルピーク電圧信号25を比較する。この比較した結果、キャリア周波数成分fcのリップルピーク電圧信号25が大きければ、異常信号として、コンデンサー劣化信号21を出力する。ここでは、コンデンサー劣化信号21は、交流電動機11の運転指示12を条件に入れて、システム全体の立上げ/停止時の誤動作を防止するため、ANDゲート7を介して出力する。 【0012】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、オンライン(常時運転中に)で電力変換器のコンデンサーの劣化を検出することができる。また、キャリア周波数に依存したリップル電圧を検出するので、交流電動機の負荷電流や回転周波数によって大巾に変化する直流側リップル電圧による影響を受けることなく、電力変換器のコンデンサーの劣化を検出することができる。また、電力変換器を停止してコンデンサーの劣化を測定する必要がないため、従来方式に比し、コンデンサーの保守のためのコストを大巾に低減することができる。また、電力変換器を停止しないので、操業を停止しなくて済み、生産性を著しく向上させることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005108 【氏名又は名称】株式会社日立製作所
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)12月1日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】笹岡 茂 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−160377 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)6月18日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−345891 |
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