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【発明の名称】 電波伝播試験システム
【発明者】 【氏名】松尾 伸吾

【要約】 【課題】試験結果をリアルタイムで得ることにより、試験の効率向上を図る。

【解決手段】受信機14は、移動局11から送信された電波の受信電界強度を測定し、その実測値をインタフェース17を介して表示ユニット16へ送出すると共に、受信した移動局11の位置データをインタフェース17を介して計算機15へ送出する。計算機15は、入力した位置データを基にして、基地局13と移動局11間の距離をリアルタイムで算出し、これを電界強度理論値算出プログラムに入力して、受信電界強度の理論値をリアルタイムで算出し、インタフェース18を介して、受信機14の実測値の送出とタイミングを合わせて表示ユニット16へ送出する。表示ユニット16は、受信機14から入力した実測値と計算機15から入力した理論値を、共に時間の関数として対応させて表示する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 移動局に搭載された送信機からの電波を、基地局に設置された受信機にて受信することにより電波伝播試験を行うシステムにおいて、前記受信機にて受信された電波の電界強度の実測値と、前記移動局の位置データをリアルタイムに計算機に取り込んで計算した電界強度の理論値とを、表示ユニットに同時に出力して表示することを特徴とする電波伝播試験システム。
【請求項2】 前記表示ユニットは、ペンレコーダであることを特徴とする請求項1記載の電波伝播試験システム。
【請求項3】 前記表示ユニットは、前記受信機からの受信電界強度の実測値と、前記計算機からの受信電界強度の理論値とを、共に時間の関数として表示することを特徴とする請求項1または2記載の電波伝播試験システム。
【請求項4】 前記計算機は、前記移動局の位置データから、前記移動局と基地局間の距離を算出し、該距離に基づいて前記電界強度の理論値をリアルタイムで計算する機能を備えていることを特徴とする請求項1記載の電波伝播試験システム。
【請求項5】 前記電界強度の理論値は、平均的な電界強度、またはフェージングを考慮した電界強度、または前記実測値の平均的な電界強度からの差であることを特徴とする請求項4記載の電波伝播試験システム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電波伝播試験の実施方法に関し、特に、受信波の電界強度の実測値と理論値をリアルタイムに比較し検討を行う電波伝播試験システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、基地局対移動局間の電波伝播試験を実施する場合、図2に示すように、現地において、移動局から送信された電波の受信電界強度を基地局に設置された受信機21で受信し、その実測値をペンレコーダ等の表示装置22に出力して表示させることにより得ている。一方、受信電界強度の実測値を評価するために必要となる基地局・移動局間の距離と受信電界強度の関係を示す理論値は、別途、計算機22により計算されたものが用いられる。
【0003】受信電界強度の実測値は、試験中ペンレコーダ等の表示ユニットへリアルタイムで出力され、時間の関数でもある。それに対して、計算機23による理論値は、移動局に搭載された送信機の位置データをリアルタイムで取り込むことができないため、時間の関数とはならない。
【0004】そこで、試験後に、試験を行った移動局の位置データを盛り込んで、計算機23による理論値の表示を、実測値と同様に時間の関数に変換して表示させ、両者の比較検討を行っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の電波伝播試験においては、計算機による理論値を、実測値と同様に時間の関数としてリアルタイムに出力することができないので、電波伝播試験中に、リアルタイムで受信電界強度の理論値と実測値の比較検討を行うことができず、その結果を現在行っている試験にフィードバックすることができないという問題がある。
【0006】本発明の目的は、上記問題点に鑑み、受信電界強度の実測値と理論値の比較検討結果を試験結果とする電波伝播試験において、前記試験結果をリアルタイムに近い形で得られるようにし、現在行っている試験に対して、その結果を即座にフィードバックさせ、電波伝播試験の効率向上を図ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の電波伝播試験システムは、移動局の位置データをリアルタイムで計算機に取り込む手段と、計算機にて、移動局の位置データを元にして、受信電界強度を時間の関数に変換した理論値をリアルタイムでペンレコーダ等へ出力し、実測値と対応させて表示する手段を有している。
【0008】なお、計算機においては、目的に応じて、平均的な電界強度、フェージングを考慮した電界強度、実測値の平均的な電界強度からの差などをリアルタイムで計算するとともに、実測値の平均的な電界強度からの差の値の分布特性などの統計計算を実施・表示することができる。
【0009】移動局の位置データをリアルタイムで計算機に取り込む手段には、移動局位置データを解読する機能、実測電界強度の計算機に対するアナログ/ディジタル変換機能、実測電界強度を計算機の理論値出力と同期させるための遅延機能、計算機に対するクロック供給機能等が備えられている。
【0010】また、位置データを元に計算され、時間の関数に変換された電界強度の理論値をリアルタイムでペンレコーダ等へ出力する手段には、計算機からディジタル値として出力される電界強度の理論値を、アナログ電圧値に変換する機能等が備えられている。
【0011】なお、電界強度の理論値と実測値は、計算機のディスプレイ上に表示できるが、通常、電波伝播データは膨大なデータ量となるので、データレコーダあるいはペンレコーダ等の外部記録装置へ出力するようにしている。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の形態を示すものであり、移動局11、移動局に搭載された送信機12、基地局13、基地局内に設置されている受信機14、計算機15、ペンレコーダ等の表示ユニット16により構成される。
【0013】図1において、移動局11に搭載された送信機12からは、予め設定された送信出力の電波が送出され、この電波は基地局13内に設置された受信機14により受信される。このとき、移動局11の送信機からは位置データも送信データの一つとして送信されており、受信機14は、移動局11から送信された電波の受信電界強度を測定して、その実測値をインタフェース装置17を介してペンレコーダ等の表示ユニット16へ送出するとともに、受信した移動局11の位置データを、インタフェース装置17を介して計算機15へ送出する。
【0014】移動局11の位置データは、例えば、GPS等を利用することにより移動局11において、移動局の緯度・経度データ、および移動局の高度データとして求めることができる。また、移動局11からの送信データとして送信出力データも送信し、位置データと共に計算機15に入力して電界強度の理論値計算に利用することもできる。
【0015】計算機15は、受信機14から入力した位置データを基にして、基地局13と移動局11間の距離をリアルタイムで算出し、これを電界強度理論値算出プログラムに入力して、受信電界強度の理論値をリアルタイムで算出する。そして算出結果を、インタフェース18を介して、受信機14の実測値の送出とタイミングを合わせて表示ユニット16へ送出する。
【0016】表示ユニット16は、受信機14から入力した受信電界強度の実測値と、計算機15から入力した受信電界強度の理論値とを、共に時間の関数として対応させて表示する。
【0017】インタフェース17は、移動局11の位置データを解読する機能、実測電界強度の計算機15に対するアナログ/ディジタル変換機能、実測電界強度を計算機の理論値出力と同期させるための遅延機能、及び計算機15に対するクロック供給機能を備えている。また、インタフェース18は、計算機15からの理論的な電界強度のディジタル値を、アナログ電圧値に変換する機能等を備えている。
【0018】表示ユニット16には、計算機15により、試験時の状況に応じた電波伝播シミュレーションをリアルタイムに実施したデータと、実際に受信機14により測定した実測データが同時に表示あるいは記録されるので、即時に両者の比較検討を行うことができ、この比較結果を参考にして、移動局の移動コースや送受信アンテナの向き、送信周波数のパラメータを臨機応変に変更し、様々なパターンを想定した試験を実施することができる。
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、試験で得た実測値と、計算機により算出した理論値の比較検討をその場で行うことができ、次の試験に即座にフィードバックすることができるので、試験内容の充実を図ることができる。
【0020】また、試験終了後の事後作業が必要なくなるので、作業効率の改善を図ることができる。
【0021】
【出願人】 【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
【出願日】 平成9年(1997)11月25日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康夫 (外1名)
【公開番号】 特開平11−160375
【公開日】 平成11年(1999)6月18日
【出願番号】 特願平9−338221