| 【発明の名称】 |
正弦波位相計測装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】中原 智勇
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| 【要約】 |
【課題】この発明は、A/D変換の分解能の均一化を図り、分解能の低減を図ったうえで、高精度な位相測定を実現し得るようにすることにある。
【解決手段】被測定正弦波信号を信号分配部10で二つに分配して、その第2の正弦波信号の位相を移相制御した後、第1の正弦波信号及び第2の正弦波信号の振幅に対してA/D変換をそれぞれ施して、該第1及び第2の正弦波信号の振幅に基づいて被測定正弦波信号の位相を算出するように構成したものである。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 入力した被測定正弦波信号を複数に分配する信号分配手段と、この信号分配手段で分配した第1の正弦波信号の振幅に対してアナログ/デジタル変換を施す第1の変換手段と、前記信号分配手段で分配した第2の正弦波信号の位相を所定の位相間隔ずらす移相手段と、この移相手段で移相変換した第2の正弦波信号の振幅に対してアナログ/デジタル変換を施す第1の変換手段と、前記第1及び第2の変換手段で変換した第1及び第2の正弦波信号の振幅に基づいて前記被測定正弦波信号の位相を算出する算出手段とを具備した正弦波位相計測装置。 【請求項2】 前記算出手段は、第1及び第2の正弦波信号の位相を互いに対応した位相間隔で場合分けして、位相間隔毎に第1及び第2の正弦波信号の一方の振幅に対応する二つの位相を算出し、他方の振幅に基づいて二つの位相の一方を算出することを特徴とする請求項1記載の正弦波位相計測装置。 【請求項3】 前記算出手段は、第1及び第2の正弦波信号の位相を45°間隔で場合分けしたことを特徴とする請求項2記載の正弦波位相計測装置。 【請求項4】 前記移相手段は、第1及び第2の正弦波信号の一方の位相を90°ずらせることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の正弦波位相計測装置。 【請求項5】 前記信号分配手段は、被測定正弦波信号を二つの正弦波信号に分配することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載の正弦波位相計測装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、例えば気象観測等のレーダ装置に搭載され、送信信号等の正弦波信号の位相を測定するのに用いる正弦波位相計測装置に関する。 【0002】 【従来の技術】一般に、この種の正弦波位相計測装置は、図4に示すように正弦波信号が信号分配部1に入力される。信号分配部1は、その第1の出力端にA/D(アナログ/デジタル)変換部2が接続され、その第2の出力端に移相部3が接続される。そして、信号分配部1は、被測定正弦波信号が入力されると、該被測定正弦波信号を二つに分配して、その一方の正弦波信号をA/D変換部2に出力する。このA/D変換部2は、その出力端に演算部4が接続され、入力した一方の正弦波信号の振幅に対してをA/D(アナログ/デジタル)変換を施して演算部4に出力する。 【0003】同時に、信号分配部1は、他方の正弦波信号を移相部3に出力する。移相部3には、符号判定部5が接続され、入力した他方の正弦波信号の位相を90°ずらせて符号判定部5に出力する。符号判定部5は、その出力端に上記演算部4が接続され、入力した第2の正弦波信号の振幅の正、負を判別して、その判別信号を演算部4に出力する。 【0004】ここで、演算部4は、一方の正弦波信号が図5(a)に示すように振幅A1 に対する二つの位相φ及びφ´を求め、この一方の正弦波信号のサンプルタイミングにおける他方の正弦波信号(図5(b)参照)の符号を符号判別部からの判別信号に基づいて判定して位相φあるいはφ´を決定する。この他方の正弦波信号の符号に対応する一方の正弦波信号の位相φあるいはφ´が被測定正弦波信号の位相と決定する。即ち、符号判別部の判別結果が負を判別した場合には、振幅A1 に対応する位相がφとなり、判別結果が正の場合には、振幅A1 に対する位相がφ´となる。 【0005】しかしながら、正弦波位相計測装置では、その構成上、A/D変換部2の変換精度(分解能)が測定する位相値に応じて大きく異なり、位相値に応じて精度の低下を招くために、A/D変換の分解能を、最も高い分解能に対応して設定しなければ、位相全体を高精度に測定するのが困難であるという問題を有する。 【0006】すなわち、A/D変換部2に入力される一方の正弦波信号の位相が0°から1°に変化した場合には、その振幅が0からsin(1°)=1.74×10-2まで変化するのに対して、位相が90°から91°に変化した場合には、その位相変化量が、 sin(90°)−sin(91°)=1.53×10-4となる。このように、位相を1°の精度で検出しようとした場合、90°付近においては、0°付近と比較して100倍以上も高い分解能を持つA/D変換部2を備えなければ略同じ精度を得ることが困難となる。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、従来の正弦波位相計測装置では、位相に応じてA/D変換に要求される分解能が異なるため、最も高く要求される位相に対応した分解能に設定しなければならないという問題を有する。 【0008】この発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、A/D変換の分解能の均一化を図り、分解能の低減を図ったうえで、高精度な位相測定を実現し得るようにした正弦波位相計測装置を提供することを目的とする。 【0009】 【課題を解決するための手段】この発明は、入力した被測定正弦波信号を複数に分配する信号分配手段と、この信号分配手段で分配した第1の正弦波信号の振幅に対してアナログ/デジタル変換を施す第1の変換手段と、前記信号分配手段で分配した第2の正弦波信号の位相を所定の位相間隔ずらす移相手段と、この移相手段で移相変換した第2の正弦波信号の振幅に対してアナログ/デジタル変換を施す第1の変換手段と、前記第1及び第2の変換手段で変換した第1及び第2の正弦波信号の振幅に基づいて前記被測定正弦波信号の位相を算出する算出手段とを備えて正弦波位相計測装置を構成したものである。 【0010】上記構成によれば、第1及び第2の正弦波信号は、その振幅に対してA/D変換され、その各振幅に基づいて被測定正弦波信号の位相が算出されるため、位相変化量に相当する振幅の変化量が略均一に設定される。従って、A/D変換の分解能の軽減が図れたうえで、位相値による影響が非常に少ない、高精度な位相測定が可能となる。 【0011】 【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。図1はこの発明の一実施の形態に係る正弦波位相計測装置を示すもので、信号分配部10には、一方の出力端に第1のアナログ/デジタル(A/D)変換部11が接続され、他方の出力端に移相部12が接続される。信号分配部10は、入力した被測定正弦波信号を二つの第1及び第2の正弦波信号に分配して第1のA/D変換部11及び移相部12に出力する。 【0012】第1のA/D変換部11は、その出力端が演算部13に接続され、信号分配部10から入力された第1の正弦波信号(図2(a)参照)の振幅に対してA/D変換を施して演算部13に出力する。 【0013】他方、移相部12には、その出力端に第2のアナログ/デジタル(A/D)変換部14が接続され、信号分配部10を介して入力された第2の正弦波信号を図2(b)に示すように位相を90°ずらせて第2のA/D変換部14に出力する。この第2のA/D変換部14は、その出力端が上記演算部13に接続され、入力した第2の正弦波信号の振幅に対してA/D変換を施して演算部13に出力する。 【0014】上記構成において、信号分配部10は、被測定正弦波信号が入力されると、該被測定正弦波信号を二つに分配して,その第1の正弦波信号を第1のA/D変換部11に出力し、その第2の正弦波信号を移相部12に出力する。このうち第1のA/D変換部11は、入力した第1の正弦波信号の振幅に対してA/D変換を施して演算部13に出力する。 【0015】他方、移相部12は、入力した第2の正弦波信号の位相を、例えば90°ずらして第2のA/D変換部14に出力する。第2のA/D変換部14は、移相部12で位相が制御された第2の正弦波信号の振幅に対してA/D変換を施して演算部13に出力する。 【0016】ここで、演算部13は、第1及び第2のA/D変換部11,12の出力信号の振幅の双方を選択して被測定正弦波信号の位相を算出する。すなわち、演算部13は、先ず、図3に示すように第1の正弦波信号の位相を0〜45°、45°〜135°、135°〜225°、225°〜315°、315°〜360°に場合分けをし、第2の正弦波信号の位相を対応して275°〜315°、315°〜45°、45°〜135°、135°〜225°、225°〜315°に場合分けをする。そして、演算部13は、第1のA/D変換部11の出力の振幅が(−α〜+α)の場合、該第1のA/D変換部11の出力の振幅に基づいて位相が算出される。 【0017】また、第1のA/D変換部11の出力の振幅が(+α〜1)もしくは(−α〜−1)の場合には、第2のA/D変換部14の出力の振幅が(−α〜+α)となり、この第2のA/D変換部14の出力の振幅に基づいて位相を算出する。即ち、第1及び第2のA/D変換部11,14の各出力の振幅には、二つの位相が存在することで、該第1及び第2のA/D変換部11,14の一方の出力の振幅に基づいて二つの位相を選択して、この二つの位相の一方を、使用していない他方の出力の振幅が正あるいは負に基づいて決定する。 【0018】例えば、第1のA/D変換部11の出力の振幅の値が(−α〜+α)の場合には、第1のA/D変換部11の出力の振幅A2 に基づいて位相φ1 及びφ1'を算出し、第2のA/D変換部14の出力の振幅A3 に基づいて位相φ1 を決定する。そして、第1のA/D変換部11の出力の振幅がA4 の場合には、第2のA/D変換部14の出力の振幅A5 に基づいてφ2 及びφ2'を算出して、第1のA/D変換部11の出力の振幅A4 に基づいて位相φ2 を決定する。 【0019】このように、上記正弦波位相計測装置は、被測定正弦波信号を信号分配部10で二つに分配して、その第2の正弦波信号の位相を移相制御した後、第1の正弦波信号及び第2の正弦波信号の振幅に対してA/D変換をそれぞれ施して、該第1及び第2の正弦波信号の振幅に基づいて被測定正弦波信号の位相を算出するように構成した。 【0020】これによれば、被測定正弦波信号の位相変化量に相当する振幅の変化量が、位相変化量に応じて略均一に設定することができ、位相に影響されることが少なくなるため、A/D変換の分解能の均一化が図れることにより、高分解能化を図ることなく、容易に位相測定の高精度化が実現される。 【0021】例えば、位相を1°の精度で算出した場合には、1°の位相変化量に相当する振幅の変化量として、最小でも sin(45°)−sin(44°)=1.24×10-2となる。これに対して、前述したように図4に示す従来の場合には、90°付近の位相を1°の精度で算出使用とすると、 sin(90°)−sin(91°)=1.52×10-4となることで、A/D変換の分解能が従来に比して100倍近く向上されることが確認される。 【0022】なお、上記実施の形態では、被測定正弦波信号を分配した第1及び第2の正弦波信号の位相の場合分けを90°間隔で行うように構成した場合で説明したが、この場合分けに限ることなく、構成可能である。 【0023】また、上記実施の形態では、被測定正弦波信号を二つの第1及び第2の正弦波信号に分配するように構成した場合で説明したが、これに限ることなく、被測定正弦波信号を二つ以上、複数の正弦波信号に分配するように構成することも可能である。よって、この発明は、上記実施の形態に限ることなく、その他、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を実施し得ることは勿論である。 【0024】 【発明の効果】以上詳述したように、この発明によれば、A/D変換の分解能の均一化を図り、分解能の低減を図ったうえで、高精度な位相測定を実現し得るようにした正弦波位相計測装置を提供することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003078 【氏名又は名称】株式会社東芝
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)11月28日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外6名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−160373 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)6月18日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−328342 |
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