| 【発明の名称】 |
組み電池の電圧検出装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】飯野 潤一
【氏名】伊藤 雅也
【氏名】加藤 豪俊
【氏名】山下 貴史
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| 【要約】 |
【課題】各電池モジュ−ルが負担する差動型電圧検出回路によるモジュ−ル電圧検出のための入力信号電流の低減と、差動型電圧検出回路内の各素子の低耐圧化を図りつつ高精度の電池電圧の検出を実現した組み電池の電圧検出装置を提供すること。
【解決手段】組み電池19は互いに縦続接続される多数の電池モジュ−ル101〜120に区分され、各モジュ−ル電圧V1〜V21はそれぞれ差動型電圧検出回路で検出された後、A/D変換回路に送られる。互いに隣接する複数の電池モジュ−ルのモジュ−ル電圧を検出する複数の差動型電圧検出回路により電圧検出ブロックが構成される。同一の電圧検出ブロック内の各差動型電圧検出回路201〜205の入力側抵抗回路網の一端には、共通の基準電位V4が印加され、基準電位は各電圧検出ブロックごとに異なる値とされる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】互いに縦続接続されて高圧の組み電池を構成する多数の電池モジュ−ルの各モジュ−ル電圧を個別に検出する多数の差動型電圧検出回路と、各前記差動型電圧検出回路の出力電圧をそれぞれA/D変換するA/D変換回路とを有する組み電池の電圧検出装置において、互いに隣接する複数の電池モジュ−ルのモジュ−ル電圧をそれぞれ検出する複数の前記差動型電圧検出回路により構成される電圧検出ブロックを複数有し、同一の電圧検出ブロック内の各差動型電圧検出回路の入力側抵抗回路網の一端の電位からなる基準電位は共通とされ、前記基準電位は各電圧検出ブロックごとに異なる値とされることを特徴とする組み電池の電圧検出装置。 【請求項2】請求項1記載の組み電池の電圧検出装置において、前記A/D変換回路は前記各電圧検出ブロックごとに設けられ、各前記A/D変換回路は同一の電圧検出ブロックに属する全ての前記差動型電圧検出回路の出力電圧を順次切り替えてA/D変換することを特徴とする組み電池の電圧検出装置。 【請求項3】請求項2記載の組み電池の電圧検出装置において、前記各A/D変換回路の出力信号は、所定の低電源電圧で駆動されるデジタル信号処理回路へフォトカプラ素子を通じて出力されることを特徴とする組み電池の電圧検出装置。 【請求項4】請求項1記載の組み電池の電圧検出装置において、前記電圧検出ブロックは互いに隣接する3個以上の電池モジュ−ルのモジュ−ル電圧をそれぞれ検出する3個以上の前記差動型電圧検出回路からなり、前記基準電位は、前記互いに隣接する3個以上の電池モジュ−ルの最高電位より低く、その最低電位より高い中間電位に設定されることを特徴とする組み電池の電圧検出装置。 【請求項5】請求項4記載の組み電池の電圧検出装置において、前記基準電位は、同一の前記電圧検出ブロック内の各電池モジュ−ルの各端子電圧のうち、最も中間電位に近い電位に設定されることを特徴とする組み電池の電圧検出装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、組み電池の電圧検出装置に関する。 【0002】 【従来の技術】特開平5−64377号公報は、縦続接続形式の多数の単電池からなる組み電池を構成する複数のモジュ−ルのモジュ−ル電圧を個別に検出し、また、組み電池の電流を検出し、組み電池の充電制御を各モジュ−ル(連続して縦続接続された複数の単電池で構成される)ごとに行うことを提案している。 【0003】電気自動車などに搭載される組み電池の残存容量検出では、その総電圧と電流とから推定した開放端子電圧に基づいて行うことが一般的であるが、電気自動車の組み電池では数百の単電池を縦続接続して組み電池して高圧化することにより配線抵抗損失の低減を図るのが通常である。上述したように多数の単電池を縦続接続した電気自動車の走行電力発生用の組み電池では、電力消費の低減及び回路構成の簡素化を図りつつ総電圧を高精度に検出することが要求されているが、それは容易ではなかった。更に説明すると、たとえば電圧検出回路の電圧検出精度が0.1%とし、総電圧が300Vであれば0.3Vの誤差が生じることになるが、単電池の端子電圧が1.2V程度であるので、総電圧により単電池の不良などをチェックしたり、充電状況をチェックすることは困難であった。更に、検出された総電圧は、マイコン信号処理のためにA/D変換されることが通常であるが、A/D変換回路の分解能が11ビットとすれば上記と同様に0.15V程度の分解誤差が生じてしまうので、高価な高精度A/D変換回路を採用しなければならず、安価な低分解能のA/D変換回路では必要な検出精度が得られなかった。また、一挙に高電圧である総電圧を検出するには高電圧半導体素子を必要とするので、その特製のための費用を支出せねばならない。 【0004】このため、図5に示すように、組み電池を複数の電池モジュ−ル101〜120に分割し、各モジュ−ル電圧を差動型電圧検出回路201〜220により個別に検出し、それらを合計して組み電池の総電圧を算出したり、各電池モジュ−ルの充電状態を把握することが従来より提案されている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述したように各モジュ−ル電圧を多数の差動型電圧検出回路で個別に検出する場合、以下に説明する問題が発生することがわかった。各差動型電圧検出回路201〜220はそれぞれ、オペアンプと、その両入力端電位(仮想接地電位)を設定するための入力側抵抗回路網と、帰還抵抗とを少なくとも有するが、この入力側抵抗回路網の低位端は低位側電源端に接続され、仮想接地電位が所定の基準電位に設定されている。これにより、各差動型電圧検出回路201〜220の信号入力端に流れ込むあるいは流れ出る電流(以下、入力信号電流という)はこの入力側抵抗回路網を通じて上記低位側電源端に流れこむあるいは流れ出ると考えることができる。 【0006】このため、各電池モジュ−ル101〜120は、それぞれのモジュ−ル電圧を検出するための各差動型電圧検出回路201〜220に消費電流を供給することになる。従来は、この低位側電源端すなわちオペアンプの入力端仮想接地電位を組み電池100の低位側電源端に単一設定しているために、各電池モジュ−ル101〜120のうち、各電池モジュ−ルが負担する各入力信号電流の大きさが大きく異なり、それにより計測誤差や電池消耗のばらつきが生じる不具合が存在することがわかった。 【0007】以下、図5を参照して更に詳しく説明する。最高位の差動型電圧検出回路201の負入力端には電池モジュ−ル101の高位端から入力信号電流を給電され、この電流は差動型電圧検出回路201に入力側抵抗回路網を通じて組み電池100の低位側電源端まで流れる。結局、差動型電圧検出回路201の負入力端は、各電池モジュ−ル101〜120の全てから給電されることになる。なお、差動型電圧検出回路201の正入力端に接続される入力側抵抗回路網についても同じことが言える。 【0008】次の差動型電圧検出回路202の負入力端には電池モジュ−ル102の高位端から入力信号電流を給電され、この電流は差動型電圧検出回路202に入力側抵抗回路網を通じて組み電池100の低位側電源端まで流れる。結局、差動型電圧検出回路202の負入力端は、各電池モジュ−ル101〜120のうち電池モジュ−ル101を除く残りの電池モジュ−ルから給電されることになる。 【0009】以下同様に給電され、最低位の差動型電圧検出回路220の負入力端には電池モジュ−ル120の高位端から入力信号電流を給電され、この電流は差動型電圧検出回路220に入力側抵抗回路網を通じて組み電池100の低位側電源端まで流れる。結局、差動型電圧検出回路220の負入力端は、電池モジュ−ル120のみから給電されることになる。 【0010】上記の結果、最高位の電池モジュ−ル101は差動型電圧検出回路201だけの入力信号電流を給電し、最低位の電池モジュ−ル120は各差動型電圧検出回路201〜220すべての入力信号電流を負担することがわかる。これら入力信号電流と各電池モジュ−ルの内部抵抗との積は、その電池モジュ−ルの内部電圧効果となって電池モジュ−ル101〜120のモジュ−ル電圧を低下させる。この時、上述した作用により一部の電池モジュ−ル(たとえば電池モジュ−ル120やその近傍の電池モジュ−ル)は多くの差動型電圧検出回路の入力信号電流を負担するために、そのモジュ−ル電圧の低下が顕著となり、電力消費も大きくなる。 【0011】また、高位側の差動型電圧検出回路の入力側抵抗回路網には高電圧が印加されるのでその電力消費が増大する。それを抑止するために入力側抵抗回路網の抵抗値を高く設定すると熱抵抗雑音の増大や周波数特性の低下などの問題が生じる。更に、従来では差動型電圧検出回路の入力側抵抗回路網の抵抗の高耐圧化を行う必要もあった。 【0012】本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、各電池モジュ−ルが負担する差動型電圧検出回路によるモジュ−ル電圧検出のための入力信号電流の低減と、差動型電圧検出回路内の各素子の低耐圧化を図りつつ高精度の電池電圧の検出を実現した組み電池の電圧検出装置を提供することをその解決すべき課題としている。 【0013】 【課題を解決するための手段】請求項1に記載した本発明の組み電池の電圧検出装置によれば、高圧の組み電池は、互いに縦続接続される多数の電池モジュ−ルに区分され、各モジュ−ル電圧はそれぞれ差動型電圧検出回路で検出された後、A/D変換回路に送られる。本構成では特に、互いに隣接する複数の電池モジュ−ルのモジュ−ル電圧を検出する複数の差動型電圧検出回路により電圧検出ブロックが構成される。 【0014】更に、同一の電圧検出ブロック内の各差動型電圧検出回路の入力側抵抗回路網の一端には、共通の基準電位が印加され、基準電位は各電圧検出ブロックごとに異なる値とされる。このようにすれば、各電池モジュ−ルが負担する差動型電圧検出回路によるモジュ−ル電圧検出のための入力信号電流の低減、それによる電池モジュ−ルの電力消費の低減及び電池モジュ−ル間の電力消費のばらつきの低減、差動型電圧検出回路内の各素子の低耐圧化、電池電圧の高精度の検出を実現することができる。また、従来の電池モジュ−ル分散検出方式と同じく、差動型電圧検出回路及びA/D変換回路に高精度を必要としない安価な量産品を用いることができるという利点もある。 【0015】請求項2記載の構成によれば、請求項1記載の組み電池の電圧検出装置において更に、電圧検出ブロック内の共通の基準電位をもつ全ての差動型電圧検出回路の出力電圧を、同一のA/D変換回路に順次入力を切り替えて共用する。すなわち、各差動型電圧検出回路の基準電位が等しいので、単一のA/D変換回路を共用使用するのが容易となる。 【0016】請求項3記載の請求項2記載の組み電池の電圧検出装置において更に、各A/D変換回路の出力信号は、所定の低電源電圧で駆動されるデジタル信号処理回路へフォトカプラ素子を通じて出力される。多数の各A/D変換回路は高圧であり、しかも互いに異なるDC電位レベルをもつが、本構成のフォトカプラ素子の採用により、後段のデジタル信号処理回路(通常はCPU)の入力DCレベルの共通化と、低圧化とを実現することがができる。 【0017】請求項4記載の構成によれば請求項1記載の組み電池の電圧検出装置において更に、電圧検出ブロックは互いに隣接する3個以上の電池モジュ−ルのモジュ−ル電圧をそれぞれ検出する3個以上の前記差動型電圧検出回路からなり、基準電位は、互いに隣接する3個以上の電池モジュ−ルの最高電位より低く、その最低電位より高い中間電位に設定される。 【0018】このようにすれば、各電池モジュ−ル間の上記入力消費電流の大きさ及びそのアンバランスの一層の低減を実現することができるので、請求項1記載の作用効果の一層の向上を図ることができる。請求項5記載の構成によれば請求項4記載の組み電池の電圧検出装置において更に、基準電位は、同一の前記電圧検出ブロック内の各電池モジュ−ルの各端子電圧のうち、最も中間電位に近い電位に設定される。 【0019】このようにすれば、基準電位発生回路を省略することができ、回路構成を簡素化することができる。 【0020】 【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な態様を以下の実施例により詳細に説明する。ただし、本発明は下記の実施例の構成に限定されるものではなく、置換可能な公知回路を用いて構成できることは当然である。 【0021】 【実施例】本発明の組み電池の電圧検出装置の一実施例を図1、図2を参照して説明する。図1は、組み電池19の各モジュ−ル電圧をデジタル信号に変換する組み電池の電圧検出装置を示すブロック図であり、組み電池19、差動型電圧検出回路201〜220、A/D変換回路5〜8、フォトカプラ素子20aが図示されている。図2は図1のこの電圧検出装置を用いた電池モニタ装置の一実施例を示すブロック図である。 【0022】1は電池の充放電を制御するCPU、2はデマルチプレクサからなるクロック信号分配用のセレクタ回路(以下、クロック信号セレクタ回路ともいう)、3はデマルチプレクサからなる制御信号分配用のセレクタ回路(以下、制御信号セレクタ回路ともいう)、4はマルチプレクサからなるデジタル信号選択用のセレクタ回路(以下、デ−タセレクタ回路ともいう)、5〜10はA/D変換回路、201〜220及び13は差動型電圧検出回路、14はアナログ増幅回路、15は電流センサ、101〜120は組み電池19の各電池モジュ−ル(単にモジュ−ルともいう)である。ただし、図2において、電池モジュ−ル106〜120、差動型電圧検出回路206〜220、A/D変換回路6〜8は図示省略されている。 【0023】電池モジュ−ル101〜120はそれぞれ12個の単電池を縦続接続してなる。電池モジュ−ル101は最高位のモジュ−ル電圧をもち、電池モジュ−ル120は最低位のモジュ−ル電圧をもつ。20は各セレクタ回路2〜4と各A/D変換回路5〜10を接続するシリアル信号線群であり、この実施例では、各信号線はCPU1の保護のためにそれぞれフォトカプラ(たとえば20a)を有している。A/D変換回路5〜10はそれぞれ5チャンネル入力の切り替え入力型のA/D変換回路であり、入力される切り替え信号により、各A/D変換回路5〜10は同期してチャンネル切り替えされる。 【0024】図1からわかるように、モジュ−ル101のモジュ−ル電圧は差動型電圧検出回路201で所定の基準電位1に対する信号電圧に変換されてからA/D変換回路5でA/D変換される。同様に、モジュ−ル102のモジュ−ル電圧は差動型電圧検出回路202で所定の基準電位1に対する信号電圧に変換されてからA/D変換回路5でA/D変換され、モジュ−ル103のモジュ−ル電圧は差動型電圧検出回路203で所定の基準電位1に対する信号電圧に変換されてからA/D変換回路5でA/D変換され、モジュ−ル104のモジュ−ル電圧は差動型電圧検出回路204で所定の基準電位1に対する信号電圧に変換されてからA/D変換回路5でA/D変換され、モジュ−ル105のモジュ−ル電圧は差動型電圧検出回路205で所定の基準電位1に対する信号電圧に変換されてからA/D変換回路5でA/D変換される。 【0025】同様に、電池モジュ−ル106〜110のモジュ−ル電圧は差動型電圧検出回路206〜210を通じてA/D変換回路6に入力され、電池モジュ−ル111〜115のモジュ−ル電圧は差動型電圧検出回路211〜215を通じてA/D変換回路7に入力され、電池モジュ−ル116〜120のモジュ−ル電圧は差動型電圧検出回路216〜220を通じてA/D変換回路8に入力される。 【0026】また、組み電池19の総電圧は差動型電圧検出回路13で所定の共通接地電位に対する信号電圧に変換されからA/D変換回路9でA/D変換され、組み電池19の電流は増幅回路14を通じてA/D変換回路19でA/D変換される。各A/D変換回路5〜10の出力は、デ−タセレクタ回路4にて時間順次に選択され、信号SINとしてCPU1に読み込まれる。 【0027】A/D変換回路5〜10は同期動作シリアル出力型のA/D変換回路であって、変換デ−タすなわちシリアルデジタル信号はデジタル信号確定後に入力するクロックパルスに同期して出力される。更に説明すると、A/D変換回路5は、アナログ信号が入力されるアナログ入力端子、シリアル信号であるデジタル信号を出力するデ−タ出力端子、シリアル信号である制御命令が入力される制御命令入力端子、及び、同期用のクロックパルスが入力されるクロックパルス入力端子を有し、読み込み指令が制御命令入力端子へ入力されると、アナログ信号の読み込みが行われ、その後、次のクロックパルスの入力により8ビットのシリアルデジタル信号が出力される。その他のA/D変換回路6〜10も同じ構造を有している。 【0028】この組み電池の電圧検出装置の更に詳細な動作を以下に説明する。CPU1は、クロック信号セレクタ回路2へクロックパルスSCLK及びA/D変換回路選択信号SELを出力し、制御信号セレクタ回路3へ読み込み指令などの制御命令信号SOUT及びA/D変換回路選択信号SELを出力し、デ−タセレクタ回路4へA/D変換回路選択信号SELを出力し、デ−タセレクタ回路4からシリアルデジタル信号を受け取る。 【0029】(同時読み込み)CPU1は、A/D変換回路選択信号SELによりA/D変換回路5〜10の全てを選択することをクロック信号セレクタ回路2及び制御信号セレクタ回路3に通知し、これにより制御信号セレクタ回路3は読み込み命令をA/D変換回路5〜10全てに送信し、クロック信号セレクタ回路2はクロックパルスSCLKをA/D変換回路5〜10全てに送信し、各A/D変換回路5〜10は読み込み命令入力直後にアナログ信号の読み込みを行い、それを8ビットのデジタル信号に変換して保持する。なお、この時、A/D変換回路5〜10の全てを選択するA/D変換回路選択信号SELはデ−タセレクタ回路4に対してはデ−タセレクタ回路4の内部において無効とされる。 【0030】(順次出力)次に、CPU1は、A/D変換回路選択信号SELによりA/D変換回路5を選択することをセレクタ回路2〜4に通知し、これによりクロック信号セレクタ回路2はクロックパルスSCLKをA/D変換回路5にだけ送信し、これによりA/D変換回路5はクロックパルスSCLKのエッジに同期してシリアルデジタル信号をデ−タセレクタ回路4に出力し、デ−タセレクタ回路4はA/D変換回路選択信号SELによりA/D変換回路5を選択しているので、このA/D変換回路5からのシリアルデジタル信号はCPU1に送信される。 【0031】次に、CPU1は、A/D変換回路選択信号SELによりA/D変換回路6を選択することをセレクタ回路2〜4に通知し、その後は上記と同じ動作を行ってA/D変換回路6のシリアルデジタル信号をCPU1へ送信し、以下同様に、各A/D変換回路7〜10のシリアルデジタル信号がCPU1へ送信される。なお、上記一連の動作は入力切り替え型のマルチ入力A/D変換回路5〜10の第1の入力チャンネルに対して実行されるが、その後、上記一連の動作が、第2〜第5の各チャンネル入力に対して実施される。 【0032】次に、組み電池19の各モジュ−ル電圧を検出する差動型電圧検出回路201〜220について、図1を参照して説明する。この実施例では組み電池19を構成する合計240個の単電池が互いに縦続接続される20個の電池モジュ−ル101〜120に区分され、更に、電池モジュ−ル101〜105は第1の電圧検出ブロックを構成し、電池モジュ−ル106〜110は第2の電圧検出ブロックを構成し、電池モジュ−ル111〜115は第3の電圧検出ブロックを構成し、電池モジュ−ル116〜120は第4の電圧検出ブロックを構成している。 【0033】第1の電圧検出ブロックは、第1の基準電位である基準電位1をもち、第2の電圧検出ブロックは第2の基準電位である基準電位2をもち、第3の電圧検出ブロックは、第3の基準電位である基準電位3をもち、第4の電圧検出ブロックは第4の基準電位である基準電位4を有している。この実施例では、基準電位1は電池モジュ−ル103の低位側端子電圧(電池モジュ−ル104の高位側端子電圧)に設定され、以下同様に、各基準電位2〜4は、各電圧検出ブロックにおける高電位側から3番目の電池モジュ−ルの低位側端子電圧(低位側から2番目の電池モジュ−ルの高位側端子電圧)に設定されている。 【0034】すなわち、この実施例では、同一の電圧検出ブロック内の各差動型電圧検出回路の基準電位(入力側抵抗回路網の一端に印加される定電位)は等しくされ、また、各電圧検出ブロックには異なる基準電位1〜4が印加される。更に、各基準電位1〜4は、電圧検出ブロック内の各電池モジュ−ルの中間電位(最高端子電圧と最低端子電圧との中間の値にできるだけ近い値)に設定され、更に、各基準電位1〜4として電池モジュ−ルの端子電圧を用いている。 【0035】したがって、この実施例によれば以下の作用効果を奏することができる。まず、組み電池19の総電圧を各電池モジュ−ル101〜120のモジュ−ル電圧V1〜V20の合計で算出できるので、各差動型電圧検出回路201〜220及びA/D変換回路5〜8は個数は増大するものの、それらの必要精度、分解能を低減することができ、安価品を用いて高精度を得ることができ、ノイズの影響も低減することができる。 【0036】次に、この実施例では、各電圧検出ブロックごとに異なる基準電位を与えているので、各差動型電圧検出回路201〜220の入力消費電流の循環はこの基準電位を通じて行われるので、電力消費が少なくなる。更に、従来のように、組み電池の最高位の電池モジュ−ルが差動型電圧検出回路に給電する入力消費電流に対して、組み電池の最低位の電池モジュ−ルが差動型電圧検出回路に給電する入力消費電流が極端に大きくなり、電池消耗の程度に差が生じたり、それによる内部電圧降下によりモジュ−ル電圧の計測値に誤差が生じたりするのが抑止される。 【0037】更に、差動型電圧検出回路の入力側抵抗回路網の抵抗器の低耐圧化を図ることができ、回路の製造が容易となる。図3に差動型電圧検出回路201の回路図を示す。2011は入力抵抗r1及び帰還抵抗rf1をもつオペアンプであって、電池モジュ−ル101の高電位側の端子電圧V1と基準電位1(ここでは電池モジュ−ル103の低位側端子電圧(電池モジュ−ル104の高位側端子電圧に設定されている)との差(V4−V1)を検出する。 【0038】同様に、2012は入力抵抗r3、r5及び帰還抵抗rf2をもつオペアンプであって、電池モジュ−ル101の低電位側の端子電圧V2と差(V4−V1)との和から基準電位1(ここでは電池モジュ−ル103の低位側端子電圧(電池モジュ−ル104の高位側端子電圧に設定されている))を減算することにより、差V1−V2を検出する。 【0039】オペアンプ2011、2012の正、負の電源電圧は、オペアンプの正、負の入力端の電位が仮想接地電位すなわち、この実施例では基準電位V4にほぼ等しくなることから、正の電源電圧VHは基準電位V4より所定電圧(ここでは7.3V)高く設定し、負の電源電圧VLは基準電位V4より所定電圧(ここでは4.7V)低く設定した電圧を形成すればよい。 【0040】なお、基準電位V4はこの電圧検出ブロックの最高電位V1と最低電位V6の中間電位であればよく、特別の電圧発生回路を用いて形成してもよい。本実施例の回路装置の他の特徴を以下に説明する。まず、同一の電圧検出ブロック内において同一の上記基準電位をもつ全ての差動型電圧検出回路の出力電圧を同一の順次切り替え型のA/D変換回路に入力するので、検出すべき各電池モジュ−ルの電圧が大幅に異なるにもかかわらずA/D変換回路の共用化を実現して回路構成の大幅な簡素化を実現することができる。 【0041】また、各A/D変換回路の出力信号は、所定の低電源電圧で駆動されるCPU1へフォトカプラ素子(たとえば20a)を通じて出力されるので、前段の電圧検出ブロックの動作電圧に合わせてそれぞれ電源電圧が異なる各A/D変換回路の出力信号電圧のDC電圧差を解消すると共に、高圧をカットして低電圧で作動する単一のデジタル信号処理回路(通常はCPU)で信号をデジタル処理することができる。 【0042】上記各差動型電圧検出回路201〜220、A/D変換回路5〜10に印加される電源電圧(VH、VL)を形成する電源電圧発生回路の一例を図4に示す。301は電気自動車の補機に給電する低圧(12V)の補機バッテリであり、そのDC電力は発振回路302で交流電力に変換された4つの二次コイルをもつトランス303を通じて4つの電圧検出ブロック給電用電源回路304〜307に給電されている。 【0043】これら4つの電圧検出ブロック給電用電源回路304〜307は同じ回路構成であるので、最高電位の電圧検出ブロックに電源電圧を給電する電源回路304について以下に説明する。トランス303から印加された交流電圧は整流平滑回路3041で直流電圧に変換されて、差動型電圧検出回路201〜205の正負の電源端に印加される。 【0044】この実施例の特徴は、基準電位Vc1を発生する次の回路構成に特徴をもつ。具体的に説明すれば、定電圧回路3042とツェナダイオ−ド3043とを直列接続して整流平滑回路3041から直流電圧を印加する。そして、定電圧回路3042の出力電圧をA/D変換回路5の高位電源電圧VH’とし、定電圧回路3042とツェナダイオ−ド3043との接続点をA/D変換回路5の低位電源電圧VL’とし、更に、この低位電源電圧VL’を、差動型電圧検出回路201〜205に基準電位1=Vc1として給電する。 【0045】このようにすれば、簡単な回路構成でA/D変換回路5に定電源電圧を印加する定電圧回路3042に更にツェナダイオ−ド3043を一個追加するだけで、両電源オペアンプの電源を形成することができる。なお、電圧検出ブロック給電用電源回路304は差動型電圧検出回路201〜205及びA/D変換回路5に給電するのと同様に、電圧検出ブロック給電用電源回路305は差動型電圧検出回路206〜210及びA/D変換回路6に給電し、電圧検出ブロック給電用電源回路306は差動型電圧検出回路211〜215及びA/D変換回路7に給電し、電圧検出ブロック給電用電源回路307は差動型電圧検出回路216〜220及びA/D変換回路8に給電するのは当然である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004260 【氏名又は名称】株式会社デンソー
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)11月28日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】大川 宏
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| 【公開番号】 |
特開平11−160371 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)6月18日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−327399 |
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