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【発明の名称】 異常電圧検出回路
【発明者】 【氏名】川崎 祐嗣

【要約】 【課題】簡素化した回路で不足電圧と過電圧とを検出することができる異常電圧検出回路を提供する。

【解決手段】入力端子11の検知電圧VSが、ツェナーダイオード21で設定される下限電圧VL以下になると、トランジスタ25がオフ状態になって、抵抗器24、ダイオード26を介して抵抗器32に警報電流が流れる。一方、検知電圧VSが、ツェナーダイオード31で設定される上限電圧VH以上になると、このツェナーダイオード31を通して抵抗器32に警報電流が流れる。従って、出力端子13には、不足電圧と過電圧に対する警報信号が出力される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 監視対象の第1の電位及び基準となる第2の電位に接続され、該第1及び第2の電位の間の電位差が下限電圧以下の時に第1の警報電流を出力する不足電圧検出部と、前記第1及び第2の電位に接続され、該第1及び第2の電位の間の電位差が前記下限電圧よりも高い上限電圧以上の時に第2の警報電流を出力する過電圧検出部と、前記不足電圧検出部及び前記過電圧検出部の出力側に共通に接続され、前記第1または第2の警報電流を検出して警報信号を出力する出力部とを、備えたことを特徴とする異常電圧検出回路。
【請求項2】 前記出力部は、抵抗器またはフォトカプラで構成したことを特徴とする請求項1記載の異常電圧検出回路。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子回路等における異常電圧を検出する異常電圧検出回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図2は、従来の異常電圧検出回路の一例を示す回路図である。この異常電圧検出回路は、異常電圧の監視対象となる被監視回路の電源線等に接続するための入力端子11、基準となる接地電圧GNDに接続するための入力端子12を有している。入力端子11,12には、不足電圧検出部20が接続されている。不足電圧検出部20は、入力端子11にカソードが接続されたツェナーダイオード21を有しており、このツェナーダイオード21のアノードが抵抗器22,23を介して入力端子12に接続されている。また、入力端子11には抵抗器24の一端が接続され、この抵抗器24の他端がトランジスタ25のコレクタに接続されている。トランジスタ25のベースは抵抗器22,23の接続点に、エミッタは入力端子12にそれぞれ接続されている。トランジスタ25のコレクタと入力端子12との間には、フォトカプラ26が接続されており、このフォトカプラ26から不足電圧検出時に警報信号ALM1が出力されるようになっている。更に、入力端子11,12には、ツェナーダイオード31、抵抗器32、及びフォトカプラ33が直列接続されて構成された過電圧検出部30が接続されている。そして、フォトカプラ33から過電圧検出時に警報信号ALM2が出力されるようになっている。
【0003】このような異常電圧検出回路において、入力端子11に印加される検知電圧VSが、ツェナーダイオード21のツェナー電圧よりも低くなると、このツェナーダイオード21には電流が流れず、トランジスタ25のベース電圧は接地電圧GNDとなる。このためトランジスタ25はオフ状態になり、入力端子11から抵抗器24を介してフォトカプラ26に電流が流れる。これにより、フォトカプラ26から不足電圧検出の警報信号ALM1が出力される。一方、入力端子11に印加される検知電圧VSが、ツェナーダイオード31のツェナー電圧よりも高くなると、このツェナーダイオード31に電流が流れ、フォトカプラ33から過電圧検出の警報信号ALM2が出力される。また、入力端子11に印加される検知電圧VSが、ツェナーダイオード21のツェナー電圧よりも高く、かつ、ツェナーダイオード21のツェナー電圧よりも低いときには、不足電圧検出部20及び過電圧検出部30のいずれからも警報信号ALM1,ALM2は出力されない。このように、ツェナーダイオード21,31のツェナー電圧を検出すべき異常電圧に対応して設定することにより、検知電圧VSの異常を検出するようになっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の異常電圧検出回路では、不足電圧の検出と過電圧の検出を、それぞれ不足電圧検出部20と過電圧検出部30の別々の回路で行っており、別々に警報信号ALM1,ALM2が出力されるため、回路の部品点数が多くなるという課題があった。本発明は、前記従来技術が持っていた課題を解決し、簡素化した回路で不足電圧と過電圧とを検出することができる異常電圧検出回路を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するために、本発明の内の第1の発明は、異常電圧検出回路において、監視対象の第1の電位及び基準となる第2の電位に接続され、該第1及び第2の電位の間の電位差が下限電圧以下の時に第1の警報電流を出力する不足電圧検出部と、前記第1及び第2の電位に接続され、該第1及び第2の電位の間の電位差が前記下限電圧よりも高い上限電圧以上の時に第2の警報電流を出力する過電圧検出部と、前記不足電圧検出部及び前記過電圧検出部の出力側に共通に接続され、前記第1または第2の警報電流を検出して警報信号を出力する出力部とを備えている。
【0006】第2の発明では、第1の発明における出力部を、抵抗器またはフォトカプラで構成している。本発明によれば、以上のように異常電圧検出回路を構成したので、次のような作用が行われる。監視対象の電位と基準となる電位との電位差が下限電圧以下になると、不足電圧検出部から第1の警報電流が出力部に出力され、この出力部から警報信号が出力される。一方、監視対象の電位と基準となる電位との電位差が上限電圧以上になると、過電圧検出部から第2の警報電流が同じ出力部に出力され、この出力部から警報信号が出力される。
【0007】
【発明の実施の形態】第1の実施形態図1は、本発明の第1の実施形態を示す異常電圧検出回路の回路図であり、図2の従来の異常電圧検出回路における要素と共通の要素には共通の符号が付されている。この異常電圧検出回路は、例えば異常電圧の監視対象となる電源線等に接続するための入力端子11、基準となる接地電圧GNDに接続するための入力端子12、及び異常電圧を検出したときに警報信号ALMを出力するための出力端子13を有している。入力端子11,12には、ツェナーダイオード21、抵抗器22,23,24、トランジスタ25、及びダイオード27で構成される不足電圧検出部20Aが接続されている。即ち、入力端子11は、ツェナー電圧VZ21を有するツェナーダイオード21のカソードに接続され、このツェナーダイオード21のアノードがノードN1に接続されている。ノードN1には抵抗器22の一端が接続され、この抵抗器22の他端がノードN2に接続されている。ノードN2と入力端子12との間には、抵抗器23が接続されている。
【0008】また、入力端子11には抵抗器24の一端が接続され、この抵抗器24の他端がノードN3に接続されている。ノードN3にはトランジスタ25のコレクタが接続され、このトランジスタ25のベースはノードN2に、エミッタは入力端子12にそれぞれ接続されている。ノードN3にはダイオード27のアノードが接続され、このダイオード27のカソードがノードN4に接続されている。更に、入力端子11,12には、ツェナーダイオード31及び抵抗器34で構成される過電圧検出部30が接続されている。即ち、入力端子11は、ツェナー電圧VZ31を有するツェナーダイオード31のカソードに接続され、このツェナーダイオード31のアノードがノードN4に接続されている。また、ノードN4と入力端子12との間には、抵抗器34が接続されている。ノードN4と入力端子12との間に接続された抵抗器34は、不足電圧検出部20からダイオード27を通して出力される不足電圧に対する警報電流と、過電圧検出部30のツェナーダイオード31から出力される過電圧に対する警報電流とを検出して、警報信号ALMを出力するための出力部を兼ねている。抵抗器34の一端が接続されたノードN4は、出力端子13に接続されている。
【0009】この異常電圧検出回路は、入力端子11に印加される検知電圧VSが入力端子12の接地電圧GNDに対して、下限電圧VL(例えば、4V)以下の場合に不足電圧、上限電圧VH(例えば、6V)以上の場合に過電圧として異常を検出するものである。このような検出範囲を設定し、警報信号ALMのレベルを1V以上とした場合の、ツェナーダイオード21,31、及び抵抗器22,23,24,34の各定数の一例は次のとおりである。
ツェナー電圧VZ21=3.3Vツェナー電圧VZ31=5V抵抗値R22 =100Ω抵抗値R23 =10kΩ抵抗値R24 =1kΩ抵抗値R34 =2.3kΩ但し、トランジスタ25の閾値電圧は0.7V、また、ダイオード27の順方向電圧は0.7Vとする。
【0010】次に、図1の動作を、(1)正常電圧時、(2)不足電圧時、及び(3)過電圧時、に分けて説明する。
(1) 正常電圧時検知電圧VSが正常電圧、即ち、下限電圧VL<検知電圧VS<上限電圧VHの範囲にあると、ツェナーダイオード21に電流が流れ、ノードN1の電圧は、VS−VZ21>0.7Vとなる。このため、抵抗器22を介してトランジスタ25のベースにベース電流が流れ、このトランジスタ25はオン状態になり、ノードN3の電圧は、ほぼ閾値電圧(=0.7V)となる。従って、ノードN3からダイオード26を介して抵抗器34に流れる警報電流は存在しない。一方、VS<6Vであるから、ノードN4の電圧は、検知電圧VSからツェナーダイオード31のツェナー電圧VZ31(=5V)が差し引かれて、1V未満となる。これにより、出力端子13には、有効な警報信号ALMは出力されない。
【0011】(2) 不足電圧時検知電圧VSが不足電圧、即ち、検知電圧VS<下限電圧VLであると、ノードN1の電圧は、検知電圧VSからツェナーダイオード21のツェナー電圧VZ21(=3.3V)が差し引かれて、0.7V未満となる。このためトランジスタ25はオフ状態になり、入力端子11から抵抗器24、ダイオード27、及び抵抗器34を介して、入力端子12に警報電流が流れる。例えば、検知電圧VS=3Vの場合、ダイオード27の順方向電圧が0.7Vであるから、ノードN4の電圧は2.3Vとなる。これにより、出力端子13には、検知電圧VSに異常が有ることを示す警報信号ALMが出力される。
【0012】(3) 過電圧時検知電圧VSが過電圧、即ち、検知電圧VS>上限電圧VHであると、ツェナーダイオード21に電流が流れ、この電流が抵抗器22を介してトランジスタ25のベースに流れ、このトランジスタ25はオン状態になる。このためノードN3の電圧は、トランジスタ25の閾値電圧にほぼ等しくなり、ノードN3からダイオード27を介して抵抗器34に流れる警報電流は存在しない。一方、VS>VZ31となるので、ツェナーダイオード31から抵抗器34を介して入力端子12に警報電流が流れる。従って、ノードN4の電圧は、検知電圧VSからツェナーダイオード31のツェナー電圧VZ31(=5V)が差し引かれて、1V以上となる。これにより、出力端子13には、検知電圧VSに異常が有ることを示す警報信号ALMが出力される。
【0013】以上のように、この第1の実施形態の異常電圧検出回路では、不足電圧検出時に流れる警報電流と、過電圧検出時に流れる警報電流が、同一の抵抗器34を介して流れるように構成しているので、回路構成が簡素化できるとともに、1つの出力端子13で異常電圧を示す警報信号ALMを出力することができるという利点がある。
【0014】第2の実施形態図3は、本発明の第2の実施形態を示す異常電圧検出回路の回路図であり、図1中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。この異常電圧検出回路では、図1中の過電圧検出部30Aに代えて、図2中の過電圧検出部30と同じものを設けている。即ち、過電圧検出部30のツェナーダイオード31は、カソードが入力端子11に接続され、アノードが抵抗器32の一端に接続されている。抵抗器32は過電流制限用の抵抗であり、この抵抗器32の他端がノードN4に接続されている。また、フォトカプラ33内の発光ダイオード33aが、ノードN4と入力端子12との間に順方向に接続され、このフォトカプラ33内のフォトトランジスタ33bのエミッタとコレクタが、それぞれ出力端子13a,13bに接続されている。その他の構成は、図1と同様である。この異常電圧検出回路における異常電圧の検出時の動作は、図1の異常電圧検出回路の動作と同様である。但し、異常電圧検出時に流れる警報電流がフォトカプラ33を介して流れるようになっているので、警報信号ALMを出力する出力端子13a,13bを、被監視側の回路から電気的に絶縁することができるという利点がある。
【0015】なお、本発明は、上記実施形態に限定されず、種々の変形が可能である。この変形例としては、例えば、次の(a)〜(c)のようなものがある。
(a) 不足電圧検出部20Aの構成は、図1及び図3の構成に限定されず、検知電圧VSが下限電圧VL以下の時に、警報電流を出力するものであれば、どのような構成でも適用可能である。
(b) 過電圧検出部30A,30の構成は、図1及び図3の構成に限定されず、検知電圧VSが上限電圧VH以上の時に、警報電流を出力するものであれば、どのような構成でも適用可能である。
(c) 図1及び図3では、入力端子12の接地電圧GNDに対して、入力端子11の検知電圧VSがプラス側となるように構成しているが、ツェナーダイオード21,31、トランジスタ25、及びダイオード27の極性を逆にすることにより、検知電圧VSがマイナスの場合の異常電圧を検出することができる。
【0016】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、第1の発明によれば、監視対象の電位と基準となる電位との電位差が下限電圧以下になったことを検出する不足電圧検出部と、監視対象の電位と基準となる電位との電位差が上限電圧以上になったことを検出する過電圧検出部とを有し、かつこれらの検出部から出力される警報電流が共通に与えられる出力部を備えている。これにより、1つの検出部で不足電圧と過電圧の警報信号を出力することができるので、回路の簡素化が可能になる。第2の発明によれば、出力部を抵抗器またはフォトカプラで構成している。抵抗器で構成した場合には、回路が極めて簡素化できる。また、フォトカプラで構成した場合には、被監視側の回路から電気的に絶縁された回路によって警報信号を出力することができるという効果がある。
【出願人】 【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
【出願日】 平成9年(1997)11月25日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】柿本 恭成
【公開番号】 特開平11−160370
【公開日】 平成11年(1999)6月18日
【出願番号】 特願平9−323441