| 【発明の名称】 |
光センサ装置およびそれに用いられる信号処理回路 |
| 【発明者】 |
【氏名】田伐 智
【氏名】石河 大典
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| 【要約】 |
【課題】フィルタ回路を含まない構成でも正確な計測を行え、その結果LEDをパルス的に駆動することができて消費電力の少ない光センサ装置を提供する。
【解決手段】光電流センサ信号処理回路11は、光電流センサ10が計測対象の電流を検知していないときに、最初光電流センサ10に所定の強度の直流光を供給し、次にその光の強度を光電流センサ信号処理回路11に戻ってきた光信号の強度が予め決められた値に等しくなるよう調節する。そして、光電流センサ10が電流を検知しているときに、光電流センサ10から出力される光信号を電気的に処理して電流を計測する。これにより、計測対象の電流による以外の強度変調がもたらす計測誤差が除去され、フィルタ回路を備えていなくても正確な計測を行える。フィルタ回路を備えていないため、光センサが電流を検知しているときに、LED118をパルス的に駆動して少ない消費電力で計測を行える。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 対象とする物理量の変化を光学的に捕捉して計測する光センサ装置であって、供給された光を、計測しようとする物理量の変化に応じて強度変調する光センサと、前記光センサに光を供給し、かつ前記光センサが強度変調して得られた光信号を処理して前記物理量の計測値を求める信号処理回路とを備え、前記信号処理回路は、前記光センサに供給するための光を出力する光出力手段と、前記光センサから出力される光信号を処理して前記物理量を計測する計測手段と、前記光出力手段を制御する制御手段とを含み、前記制御手段は、前記光センサが前記物理量を検知していない初期モードでは、前記光出力手段から前記光センサに予め決められた強度の直流光を供給させ、前記計測手段に入力される光信号の強度が予め決められた値になるように、当該直流光の強度を調節し、前記光センサが前記物理量を検知する計測モードでは、前記光出力手段から前記光センサに対し、前記初期モードで調整された強度を有するパルス光を供給させ、前記計測手段は、前記光出力手段から前記光センサに前記パルス光が供給されているときに、当該光センサから出力される光信号を電気的に処理して前記物理量を計測することを特徴とする、光センサ装置。 【請求項2】 前記計測手段は、前記光センサが強度変調して得られた光信号を光/電気変換するO/E変換手段と、前記O/E変換手段が変換して得られた電気信号をアナログ/デジタル変換するA/D変換手段と、前記A/D変換手段が変換して得られたデジタル信号をもとに前記物理量の計測値を算出する演算手段とを含む、請求項1に記載の光センサ装置。 【請求項3】 前記制御手段は、前記計測モードでは、さらに、前記パルス光を供給させる処理に同期して、前記O/E変換手段および前記A/D変換手段を動作/停止させることを特徴とする、請求項2に記載の光センサ装置。 【請求項4】 前記演算手段は、前記光出力手段から前記光センサに前記パルス光が供給されているとき、当該パルス光の強度が低レベルである各期間、動作速度が相対的に遅い省電力モードで動作することを特徴とする、請求項2または3に記載の光センサ装置。 【請求項5】 前記制御手段は、前記光センサが前記物理量を検知していない計測開始前に1度だけ、前記初期モードで動作することを特徴とする、請求項1に記載の光センサ装置。 【請求項6】 対象とする物理量の変化を光学的に捕捉して計測する光センサ装置に用いられる信号処理回路であって、前記光センサ装置には、供給された光を、計測しようとする物理量の変化に応じて強度変調する光センサが設けられ、前記光センサに供給するための光を出力する光出力手段と、前記光センサから出力される光信号を処理して前記物理量を計測する計測手段と、前記光出力手段を制御する制御手段とを含み、前記制御手段は、前記光センサが前記物理量を検知していない初期モードでは、前記光出力手段から前記光センサに予め決められた強度の直流光を供給させ、前記計測手段に入力される光信号の強度が予め決められた値になるように、当該直流光の強度を調節し、前記光センサが前記物理量を検知する計測モードでは、前記光出力手段から前記光センサに対し、前記初期モードで調整された強度を有するパルス光を供給させ、前記計測手段は、前記光出力手段から前記光センサに前記パルス光が供給されているときに、当該光センサから出力される光信号を電気的に処理して前記物理量を計測することを特徴とする、信号処理回路。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、光センサ装置に関し、より特定的には、光を強度変調することにより電流や電圧等の物理量を計測する強度変調型光センサ装置(以下、光センサ装置)およびそれに用いられる信号処理回路に関する。 【0002】 【従来の技術】光センサ装置は、ファラデー効果やポッケルス効果等を用いて光を強度変調することにより電流、電圧等の物理量の計測を行う装置である(例えば特開昭62−150170号公報に記載)。これら光センサ装置は、高耐圧性、高絶縁性の特徴を生かし、電力分野において特に配電線の電流/電圧計測装置や事故検出装置として応用されてきている。また、最近では光センサの高性能化、低コスト化に伴い、汎用の計測器としての応用も考えられており、そのための光センサ信号処理回路の開発も不可欠のものとなっている。 【0003】図3は、従来の光電流センサ装置の構成の一例を示すブロック図である。図3の装置は、光電流センサ30および光電流センサ信号処理回路31を備え、これら光電流センサ30と光電流センサ信号処理回路31とが光コネクタ32を介して光ファイバ33により接続されている。光電流センサ信号処理回路31は、O/E変換回路311、引き算回路312、フィルタ回路313、LED駆動回路314およびLED315を含む。 【0004】光電流センサ30は、図示しない磁気光学結晶を含み、計測しようとする電流(によって生じる磁界)の変化を検知し、検知結果に応じて光を強度変調する。光電流センサ信号処理回路31は、光電流センサ30に光(直流光)を供給すると共に、光電流センサ30が変調して得られた光信号に基づき電流値を算出する。ここで、直流光とは、LED315を直流電流で駆動した時の出力光である(以下同様)。 【0005】ここで、光電流センサ30がAC電流信号Isinωtに対してmの強度変調率をもつとすると、光電流センサ信号処理回路31から光電流センサ30に向けて出力される光の強度P0と、光電流センサ30から光電流センサ信号処理回路31に戻ってきた光信号の強度Pとの関係は、次式(1)のようになる。 P=αP0(1+m・sinωt)…(1) ただし、αは光電流センサ30、光コネクタ32、光ファイバ33等での光透過ロスに対応する係数である。光電流センサ信号処理回路31は、上式(1)で示される強度Pからm・sinωtの部分のみを抽出することにより、電流値Isinωt(∝m・sinωt)を得ている。 【0006】光電流センサ信号処理回路31では、O/E変換回路311が光電流センサ30からの光信号をO/E変換する。引き算回路312は、O/E変換回路311が変換して得られた電気信号から、予め決められた値(K)を引き算する。フィルタ回路313は、O/E変換回路311が変換して得られた電気信号からDC成分(Vα)を抽出する。LED駆動回路314は、LED315を駆動するための駆動電流を制御する。LED315は、与えられた駆動電流に応じて、光電流センサ30へ供給するための光を出力する。 【0007】以下には、図3の装置が電流を計測する基本動作を説明する。最初、光電流センサ信号処理回路31において、予め決められた初期駆動電流が与えられることにより、LED315から光が出力される。こうして光電流センサ信号処理回路31から強度P0で出力された光は、光ファイバ33中を伝搬し光電流センサ30に入力され、そこで強度変調された後、再び光ファイバ33中を伝搬して光電流センサ信号処理回路31に戻ってくる。光電流センサ信号処理回路31では、戻ってきた光の強度PをO/E変換回路311が電流値Vに変換し、さらに変換して得られた電流値Vから引き算回路312がDC成分に相当する値Kを引き算することにより、m・sinωtが抽出される。 【0008】上記の基本動作において、電流値Vに含まれるDC成分の値Vαは、光電流センサ30、光コネクタ32、光ファイバ33等での光透過ロスのため引き算回路312で引き算される値Kと一致せず、さらにはそれら各構成要素の経年変化等により変動するため、そのままでは正確な電流値Isinωt(∝m・sinωt)が得られない。そこで、図3の装置では、フィルタ回路313を設けてO/E変換回路311が変換して得られた電流値VからDC成分Vαを抽出し、抽出したVαが常に一定値Kと一致するように、LED駆動回路314がLED315の駆動電流を調整する。 【0009】上記の駆動電流を調整する動作はAPC(Auto Power Control)と呼ばれている。このAPC動作の結果、上式(1)で示された光電流センサ信号処理回路31の入出力の関係は、次式(2)のようになる。 P=k(1+m・sinωt)…(2) ただし、kは定数である。よって、上式(2)で示される強度PをO/E変換回路311が変換して得られる電流値Vは、次式(3)で表される。 V=K(1+m・sinωt)…(3) ただし、Kは定数である。 【0010】さらに、上式(3)で示される電流値Vが引き算回路312に入力され、そこでVから一定値Kが引き算される。その結果、引き算回路312からの出力Voutは、次式(4)のようになる。 Vout=V−K =K・m・sinωt(∝m・sinωt)…(4) こうして、図3の装置は、引き算回路312からの出力Voutにより、電流値Isinωt(∝m・sinωt)を得ることができる。 【0011】図4は、従来の光電流センサ装置の構成の別の一例を示すブロック図である。図4の装置は、光電流センサ40および光電流センサ信号処理回路41を備え、これら光電流センサ40と光電流センサ信号処理回路41とが光コネクタ42を介して光ファイバ43により接続されている。光電流センサ信号処理回路41は、O/E変換回路411、フィルタ回路412、引き算回路413、除算回路414、LED駆動回路415およびLED416を含む。 【0012】光電流センサ40は、図示しない磁気光学結晶を含み、計測しようとする電流(によって生じる磁界)の変化を検知し、検知結果に応じて光を強度変調する。光電流センサ信号処理回路41は、光電流センサ40に光を供給すると共に、光電流センサ40が変調して得られた光信号に基づき電流値を算出する。 【0013】ここで、光電流センサ40がAC電流信号Isinωtに対してmの強度変調率をもつとすると、光電流センサ信号処理回路41から光電流センサ40に向けて出力される光の強度P0と、光電流センサ40から光電流センサ信号処理回路41に戻ってきた光信号の強度Pとの関係は、上式(1)のようになる。光電流センサ信号処理回路41は、上式(1)で示される強度Pからm・sinωtの部分のみを抽出することにより、電流値Isinωt(∝m・sinωt)を得ている。この点で図4の装置は図3の装置と同様であるが、強度Pからm・sinωtの部分を抽出する仕方が図3の装置と異なっている。 【0014】光電流センサ信号処理回路41では、LED駆動回路415がLED416を駆動するための駆動電流を制御する。その際、LED駆動回路415は、出力する駆動電流を予め決められた一定値に等しくなるよう制御している。LED416は、与えられた駆動電流に応じて、光電流センサ40へ供給するための光を出力する。O/E変換回路411は、光電流センサ40からの光信号をO/E変換する。フィルタ回路412は、O/E変換回路411が変換して得られた電気信号からDC成分(Vα)を抽出する。引き算回路413は、O/E変換回路411が変換して得られた電気信号から、フィルタ回路412が抽出したDC成分を引き算する。除算回路414は、引き算回路413が引き算して得られた値をフィルタ回路412が抽出したDC成分で除算する。 【0015】以下には、図4の装置が電流を計測する動作を説明する。最初、光電流センサ信号処理回路41において、予め決められた一定の駆動電流が与えられると、それに応じてLED416から光が出力される。こうして光電流センサ信号処理回路41から強度P0で出力された光は、光ファイバ33中を伝搬し光電流センサ40に入力され、そこで強度変調された後、再び光ファイバ33中を伝搬して光電流センサ信号処理回路41に戻ってくる。光電流センサ信号処理回路41では、戻ってきた強度PをO/E変換回路411が電流値Vに変換する。このO/E変換回路411の出力Vは、次式(5)のように表される。 V=kV0(1+m・sinωt)…(5) ただし、kV0は強度Pを電流値に変換した時のαP0に相当する電流値である。 【0016】次に、上式(5)で示される電流値Vがフィルタ回路412に入力される。フィルタ回路412は、Vから次式(6)で示されるDC成分にあたる電流値Vαを抽出する。 Vα=kV0…(6) 【0017】次に、O/E変換回路411の出力Vとフィルタ回路412の出力Vαとが引き算回路413に入力され、さらに、この引き算回路413からの出力とフィルタ回路412からの出力Vαとが除算回路414に入力される。その結果、除算回路414からの出力Voutは、次式(7)のようになる。
こうして、図4の装置は、除算回路414からの出力Voutにより、電流値Isinωt(∝m・sinωt)を得ることができる。 【0018】 【発明が解決しようとする課題】以上のように、図3および4の装置では、いずれも計測対象の電流による以外の強度変調がもたらす計測誤差が除去され、計測を正確に行うことができる。図3および4以外の従来の光電流センサ装置、あるいは光電圧センサ装置等他の従来の強度変調型光センサ装置においても上記と同様の構成を有する信号処理回路によって所望の物理量の計測を行っている。 【0019】しかしながら、上記のような各従来の光センサ装置では、いずれも計測中常にLEDが駆動されている。LEDの駆動には多くの電力を必要とするため、この駆動電流を含め全体として数百mWの電力が光センサ信号処理回路に常時供給されている必要があった。 【0020】従来の光センサ装置は、配電自動化の一環として設置され、配電線の負荷の監視や事故情報等の検出を主眼として使用されていた。そのため、同一場所に長期間設置されることが多く、必要な電力も常時供給されており問題はなかった。ところが、例えば負荷の監視の場合、最近では様々な場所において負荷の変化などを把握する必要が生じており、そのため常設ではなくどこでも簡単に測定できる可搬性のある光センサ装置が望まれている。このような装置を実現するためには、消費電力を少なくして電池等の容量の限られた電源により装置を動作させることが必要になる。 【0021】消費電力を少なくするには、例えばLEDをパルス的に駆動することが考えられるが、以下の理由でそれが容易でない。すなわち、光センサ装置では、正確な計測値を得るために、O/E変換して得られた電気信号からDC成分を抽出する処理が不可欠である。そのため、従来の光センサ装置はどれも、図3または4の装置がそうであるように、DC成分抽出のためのフィルタ回路を含んでいる。フィルタ回路は一般に時定数が大きく、信号が入力されてから安定するまでに数秒〜数十秒かかってしまう。よって、従来の光センサ装置では、常時LEDを駆動させてDC成分を抽出する動作を連続的に行っている必要があり、LEDをパルス的に駆動することができなかった。 【0022】それゆえに、本発明の目的は、フィルタ回路を含まない構成でも正確な計測を行え、その結果例えばLEDをパルス的に駆動することができて消費電力の少ない光センサ装置を提供することである。 【0023】 【課題を解決するための手段および発明の効果】第1の発明は、対象とする物理量の変化を光学的に捕捉して計測する光センサ装置であって、供給された光を、計測しようとする物理量の変化に応じて強度変調する光センサと、光センサに光を供給し、かつ光センサが強度変調して得られた光信号を処理して物理量の計測値を求める信号処理回路とを備え、信号処理回路は、光センサに供給するための光を出力する光出力手段と、光センサから出力される光信号を処理して物理量を計測する計測手段と、光出力手段を制御する制御手段とを含み、制御手段は、光センサが物理量を検知していない初期モードでは、光出力手段から光センサに予め決められた強度の直流光を供給させ、計測手段に入力される光信号の強度が予め決められた値になるように、当該直流光の強度を調節し、光センサが物理量を検知する計測モードでは、光出力手段から光センサに対し、初期モードで調整された強度を有するパルス光を供給させ、計測手段は、光出力手段から光センサにパルス光が供給されているときに、当該光センサから出力される光信号を電気的に処理して物理量を計測することを特徴としている。 【0024】上記のように、第1の発明では、信号処理回路は、光センサが計測しようとする物理量を検知していないときに、光センサに予め決められた強度の直流光を供給し、その光の強度を信号処理回路に戻ってきた光信号の強度が予め決められた値に等しくなるように調節する。ここで、直流光とは、発光素子等を直流電流で駆動した時の出力光である。そして、光センサが物理量を検知しているときに、光センサから出力される光信号を電気的に処理して物理量を計測する。これにより、従来と異なり、フィルタ回路を備えていなくても正確な計測を行える。また、フィルタ回路を備えていないため、光センサが物理量を検知しているときに、光センサにパルス光を供給して計測を行うようにでき、その結果、時間的に変動する電流値を正確に、しかも少ない消費電力で計測することができる。 【0025】第2の発明は、第1の発明において、計測手段は、光センサが強度変調して得られた光信号を光/電気変換するO/E変換手段と、O/E変換手段が変換して得られた電気信号をアナログ/デジタル変換するA/D変換手段と、A/D変換手段が変換して得られたデジタル信号をもとに物理量の計測値を算出する演算手段とを含んでいる。 【0026】上記のように、第2の発明では、光センサからの光信号をO/E変換した後、さらにA/D変換し、得られたデジタル信号をもとに物理量の計測値を算出するようにしたため、パルス光に適した計測処理を行える。 【0027】第3の発明は、第2の発明において、制御手段は、計測モードでは、さらに、パルス光を供給させる処理に同期して、O/E変換手段およびA/D変換手段を動作/停止させることを特徴としている。 【0028】上記のように、第3の発明では、O/E変換手段およびA/D変換手段もパルス的に動作するため、より少ない消費電力で計測を行える。 【0029】第4の発明は、第2または3の発明において、演算手段は、光出力手段から光センサにパルス光が供給されているとき、当該パルス光の強度が低レベルである各期間、動作速度が相対的に遅い省電力モードで動作することを特徴としている。 【0030】上記のように、第4の発明では、演算手段が、計測実行時は動作速度が相対的に速い通常モードで動作し、計測停止時には動作速度が相対的に遅い省電力モードで動作するため、さらに少ない消費電力で計測を行える。 【0031】第5の発明は、第1の発明において、制御手段は、光センサが物理量を検知していない計測開始前に1度だけ、初期モードで動作することを特徴としている。 【0032】上記のように、第5の発明では、計測開始前に1度だけAPCを行うため、APCに要する消費電力を節約できる。 【0033】第6の発明は、対象とする物理量の変化を光学的に捕捉して計測する光センサ装置に用いられる信号処理回路であって、光センサ装置には、供給された光を、計測しようとする物理量の変化に応じて強度変調する光センサが設けられ、光センサに供給するための光を出力する光出力手段と、光センサから出力される光信号を処理して物理量を計測する計測手段と、光出力手段を制御する制御手段とを含み、制御手段は、光センサが物理量を検知していない初期モードでは、光出力手段から光センサに予め決められた強度の直流光を供給させ、計測手段に入力される光信号の強度が予め決められた値になるように、当該直流光の強度を調節し、光センサが物理量を検知する計測モードでは、光出力手段から光センサに対し、初期モードで調整された強度を有するパルス光を供給させ、計測手段は、光出力手段から光センサにパルス光が供給されているときに、当該光センサから出力される光信号を電気的に処理して物理量を計測することを特徴としている。 【0034】 【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る光電流センサの構成を示すブロック図である。図1の装置は、光電流センサ10、光電流センサ信号処理回路11、電源SW(スイッチ)14および電池15を備え、光電流センサ10と光電流センサ信号処理回路11とが光コネクタ12を介して光ファイバ13により接続されている。また、光電流センサ信号処理回路11と電池15とは、電源SW14によって互いに接続/切断される。なお、図1の装置は、例えば配電線を伝送される電流を任意の位置で計測するのに用いられ、1〜2mの棒の一端に光電流センサ10が設けられると共に、棒の中程に光電流センサ信号処理回路11、電源SW14および電池15が設けられた構造を有している。作業者は、棒の他端を把持して光電流センサ10を配電線に近づけ、計測作業を行う。 【0035】光電流センサ信号処理回路11は、O/E変換回路111、引き算回路112、A/D変換回路113、アナログ部電源回路114、演算処理回路115、表示回路116、デジタル部電源回路117およびLED118を含む。演算処理回路115は、演算部115a、メモリ115bおよびLED駆動制御部115cを含んでいる。 【0036】光電流センサ10は、図示しない磁気光学結晶を含み、計測しようとする電流(によって生じる磁界)の変化を検知し、検知結果に応じて光を強度変調する。付言すれば、磁気光学結晶では、電流によって生じた磁界の変化に応じて偏光子が回転し、透過光量が変化する。光電流センサ10は、この磁気光学結晶の性質を利用して電流の変化を光の強度変化に変換している。光電流センサ信号処理回路11は、光電流センサ10に光(直流光)を供給すると共に、光電流センサ10が変調して得られた光信号に基づき電流値を算出する。 【0037】ここで、光電流センサ10がAC電流信号Isinωtに対してmの強度変調率をもつとすると、光電流センサ信号処理回路11から光電流センサ10に向けて出力される光の強度P0と、光電流センサ10から光電流センサ信号処理回路11に戻ってきた光信号の強度Pとの関係は、上式(1)のようになる。光電流センサ信号処理回路11は、上式(1)で示される強度Pからm・sinωtの部分のみを抽出することにより、電流値Isinωt(∝m・sinωt)を得ている。 【0038】光電流センサ信号処理回路11では、LED118が、与えられた駆動電流に応じて、光電流センサ10へ供給するための光(直流光)を出力する。O/E変換回路111は、光電流センサ10からの光信号をO/E変換する。引き算回路112は、O/E変換回路111が変換して得られた電気信号から、予め決められた値(K)を引き算する。A/D変換回路113は、引き算回路112が引き算して得られたアナログ値をA/D変換する。アナログ部電源回路114は、LED118、O/E変換回路111、引き算回路112およびA/D変換回路113(以下、これら各要素をまとめてアナログ部と呼ぶ)に電源電流を供給する。 【0039】演算処理回路115は、A/D変換回路113がA/D変換して得られたデジタルデータに基づいてLED118に供給される駆動電流を調節し、またアナログ部電源回路114の供給動作を制御する。演算処理回路115では、演算部115aが上記の駆動電流調節を行うための演算を行い、メモリ115bは演算に必要な各種データや演算時の中間データ等を記憶する。LED駆動制御部115cは、LED118を駆動するための駆動電流(直流電流)を制御する。ここでいう制御は、電流値を時間的に変化させる処理、例えば電流値を常に一定値に調整したり(初期モード時)、パルス的に変化させる(計測モード時)などの処理を指す。 【0040】表示回路116は、演算部115aの演算結果等を表示する。デジタル部電源回路117は、演算処理回路115および表示回路116(以下、これら各要素をまとめてデジタル部と呼ぶ)に電源電流を供給する。 【0041】図2は、図1の装置が電流を計測する動作を示すフローチャートである。以下には、図1の装置が電流を計測する動作を図2を用いて説明する。いま、作業者は、図示しない配電線を伝送される電流を計測しようとしている。作業者は、光電流センサ10が配電線から離れた位置にある状態で電源SW14をONにする。応じて、電池15から電源電流の供給が開始される(ステップS201)。電源電流の供給が開始されると、図1の装置は、最初、APC(Auto Power Control)を行う(ステップS202)。以下、このステップS202のAPC動作について詳細に説明する。 【0042】ステップS202では、LED駆動制御部115cが初期モードの状態にあり、最初、その制御によってLED118に予め決められた初期駆動電流(直流電流)が連続的に供給されると、応じてLED118から光(直流光)が出力される。なお、先に述べておけば、次のステップS203では、LED駆動制御部115cが計測モードの状態に移行し、その制御によってLED118にステップS202のAPCの結果得られた、補正後の駆動電流がパルス的に供給され、応じてLED118からパルス光が出力される。 【0043】こうして光電流センサ信号処理回路11から強度P0で出力された光は、光ファイバ13中を伝搬し光電流センサ10に入力され、その後再び光ファイバ13中を伝搬して光電流センサ信号処理回路11に戻ってくる。強度Pで戻ってきた光は、光電流センサ10が配電線から離れた位置にあるため強度光変調を受けておらず、PとP0との関係は、次式(8)のようになる。 P=αP0ただし、αは光電流センサ10、光コネクタ12、光ファイバ13等での光透過ロスに対応する係数である。 【0044】つまり、戻ってきた光をO/E変換して得られる電気信号にはDC成分のみ含まれるため、従来のようにフィルタ回路を設けることなく、その電流値を計測するだけでDC成分が得られることになる。 【0045】次に、光電流センサ信号処理回路11では、O/E変換回路111が戻ってきた光の強度PをO/E変換し、引き算回路112は、変換して得られたアナログ電流値から予め決められた値(K)を引き算する。次に、A/D変換回路113が、引き算して得られたアナログ電流値をサンプリングによってA/D変換し、得られたデジタルデータを演算処理回路115に与える。演算処理回路115では、演算部115aが、与えられたデジタルデータに基づいて、引き算回路112が引き算して得られるアナログ電流値がゼロとなるような駆動電流値を算出する。算出結果は、メモリ115bに記憶されると共に、LED駆動制御部115cに与えられる。 【0046】LED駆動制御部115cは、与えられた算出結果に基づいて、LED118に与えられる駆動電流値を調節する。その結果、光電流センサ10が配電線の近傍に移動されて電流の計測が開始されたとき、電流による以外の強度変調がもたらす計測誤差が補正され、正確な計測を行える(後述)。以上でステップS202のAPC動作が完了する。以降、図1の装置では、電源が再投入されるまでAPCは実行されない。 【0047】ここで補足すれば、計測対象の電流による以外の強度変調の大きさは、光ファイバ13など伝送路の応力経年変化やLED118、O/E変換回路111に含まれるPDの経年劣化等により長期にわたって徐々に変化していく。よって、配電線に固定し長期間連続して電流計測を行うような従来の装置の場合、常にAPC動作を行う必要があるが、本発明が目的としているような可搬性のある光電流センサ装置の場合には、連続使用時間は長くても数時間程度であり、その程度の時間内に上記のような変化が起こることはほとんどない。よって、電源SW14がONされた直後1回だけAPC動作を行えば、十分に正確な電流計測が可能である。 【0048】ステップS202のAPC動作が完了すると、表示回路116によってその旨が表示される。表示に応じて作業者が光電流センサ10を配電線近傍に移動させると、図1の装置は、電流計測を開始する(ステップS203)。以下、このステップS203の電流計測処理について詳細に説明する。計測開始後、光電流センサ信号処理回路11に戻ってきた光は、光電流センサ10によって強度変調を加えられている。 【0049】光電流センサ信号処理回路11では、最初、O/E変換回路111が、戻ってきた光の強度PをO/E変換する。次に、引き算回路112は、O/E変換回路111が変換して得られたアナログ電流値から予め決められた値(K)を引き算する。このとき、引き算して得られたアナログ電流値には、ステップS202のAPC動作の結果、光電流センサ10によって加えられた強度変調に相当するAC成分のみが含まれている。次に、A/D変換回路113は、引き算して得られたアナログ電流値をサンプリングすることによりA/D変換する。そして、変換して得られたデジタルデータが演算処理回路115に与えられ、以上でステップS203の計測処理が完了する。 【0050】デジタルデータが与えられると、演算処理回路115では、演算部115aが最初、アナログ部電源回路114に指示してアナログ部(LED118、O/E変換回路111、引き算回路112およびA/D変換回路113)への電源電流の供給を停止させ(ステップS204)、次いで、与えられたデジタルデータに基づいて電流値を算出する(ステップS205)。そして、得られた算出結果が表示回路116によって表示される(ステップS206)。 【0051】このように、図1の装置では、光電流センサ信号処理回路11は、光電流センサ10が計測対象の電流を検知していないときに、光電流センサ10に予め決められた強度の直流光を連続的に供給し、その光の強度を光電流センサ信号処理回路11に戻ってきた光信号の強度が予め決められた値と等しくなるように調節する。そして、光電流センサ10が電流を検知しているときに、光電流センサ10から出力される光信号を電気的に処理して電流値を計測する。これにより、図1の装置は、図3または4の装置と異なり、フィルタ回路を備えていなくても正確な計測を行える。 【0052】また、図1の装置では、光電流センサ10からの光信号をO/E変換した後、さらにA/D変換し、得られたデジタル信号をもとに電流の計測値を算出するようにしたため、パルス光に適した計測処理を行える(後述)。 【0053】さらに、図1の装置では、計測終了後、アナログ部、特にLED118への電源電流の供給を停止するようにしたため、消費電力が少なくなる。 【0054】さて、図1の装置は、時定数の大きなフィルタ回路を含まない構成であるため、例えば以下のようにしてパルス的な計測を行える。すなわち、ステップS206の算出結果表示が開始された時点で、演算部115aが省電力モードに移行する(ステップS207)。演算部115aは、省電力モードでは動作速度が移行前の通常モードの場合よりも遅くなり、消費電力が少なくなる。算出結果の表示は、演算処理回路115から表示回路116への指示があるまで継続して行われる。 【0055】次に、演算部115aは、省電力モードに移行してから予め設定された時間(例えば1秒)が経過したか否かを判断し(ステップS208)、経過した時点で通常モードに移行する(ステップS209)。さらに、演算部115aは、電源SW14がOFFされたか否かを判断し(ステップS210)、OFFされていなければ、アナログ部電源回路114に指示してアナログ部への電源電流の供給を再開させる(ステップS211)。その後、ステップ203の処理に戻り、上記の動作が繰り返される。電源SW14がOFFされた場合には、動作を停止する。上記のパルス的な計測とは、こうして計測実行/停止を繰り返すことをいう。 【0056】なお、繰り返し時のステップS203の計測では、LED駆動制御部115cは、LED118に与えられる駆動電流値を制御メモリ115bに記憶されている値に等しくなるよう制御する。 【0057】こうしてパルス的な計測動作を行うことにより、図1の装置は、時間的に変動する電流値を正確に、しかも少ない消費電力で計測することができる。なお、上記のような1秒周期程度のパルス的な動作であっても、連続的な動作と比べて計測装置としての機能に何ら不足はない。なぜなら計測時、光電流センサ10に磁界を検知させてから計測値が表示され、さらに作業者がそれを読み取るまでに通常、少なくとも数秒を要するからである。 【0058】なお、本実施形態では、図1に示すような、光電流センサ10を備えた光電流センサ装置について説明したが、光電圧センサを備えた光電圧センサ装置であってもよい。さらには、他の物理量の変化に応じて光を強度変調するような光センサを備えた装置であれば、どのような光センサ装置であってもよい。いずれの装置でも、図1の光電流センサ信号処理回路11と同様の回路構成で信号処理回路を実現できる。 【0059】また、本実施形態では、光電流センサ10に供給する光を出力する素子としてLED118を用いているが、LDなど他の発光素子を用いてもよい。 【0060】また、本実施形態では、APCと計測とを同一の処理系で行っているが、APCを行う系と、計測を行う系と別々に設けてもよい。 【0061】また、本実施形態では、ステップS202のAPC動作において、ACアナログ信号のダイナミックレンジを大きくする目的で、ACアナログ信号から一定値(K)を引き算回路112で引き算し、引き算結果のアナログ電流値がゼロとなるようにLED118の駆動電流値を調整する構成としたが、引き算回路112を用いず、O/E変換回路111の出力があらかじめ決められたアナログ電流値となるように、LED118の駆動電流値を調整する構成としてもよい。 【0062】また、本実施形態では、電源SW14がONされた直後1回のみ自動的にAPC動作を行っているが、光電流センサ信号処理回路11にリセットSWをさらに設け、光電流センサ10が磁界を検知していない状態で作業者がこのリセットSWを押すことにより、任意のタイミングでAPC動作を行えるようにしてもよい。 【0063】また、本実施形態では、APC動作後、一定時間毎にパルス的に計測動作を行っているが、光電流センサ信号処理回路11に計測SWをさらに設け、電源SW14がONされAPC動作が行われた後、アナログ部への電源電流の供給が停止されかつ演算部115aも省電力モードに移行した状態で作業者によって計測SWが押されたときにのみ、演算部115aが通常モードに移行しかつアナログ部への電源電流の供給が開始されるようにしてもよい。この場合、作業者が計測SWを押したときのみ計測が行われるため、消費電力がさらに少なくて済む。 【0064】さらに、本実施形態では、演算処理回路115がアナログ部電源回路114を制御してアナログ部への電源電流の供給を停止/開始させているが、アナログ部自体が省電力モードを有し、演算処理回路115が直接的にアナログ部のモード切替を行うようにしてもよい(例えば、LED118の発光動作を停止させる場合、LED駆動制御部115cが駆動電流値をゼロに制御し、発光動作を行わせる場合には、メモリ115bに記憶された値に等しくなるよう制御するなど)。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005821 【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)11月28日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】小笠原 史朗
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| 【公開番号】 |
特開平11−160364 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)6月18日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−327879 |
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