| 【発明の名称】 |
交差コイル式計器、交差コイル式計器用コイルボビン並びに交差コイル式計器用コイルボビンにおける帰零用磁石の収容固定方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】戸塚 茂樹
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| 【要約】 |
【課題】交差コイル式計器において用いられる帰零用磁石の収容固定を容易にすることができる交差コイル式計器、交差コイル式計器用コイルボビン並びに交差コイル式計器用コイルボビンにおける帰零用磁石の収容固定方法を提供する。
【解決手段】交差コイル式計器において用いられる帰零用磁石が、上部フレーム若しくは下部フレームに設けた凹部に注入し硬化した磁性粉体を含む流動性材料を着磁して形成した磁石からなることを特徴としている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 上部フレームと下部フレームとにより形成され周囲にコイルが交差して巻回されたコイルボビン内に回転磁石を内蔵し、該回転磁石に貫挿した指針軸の上端を前記コイルボビンから突出させて指針を固定し、前記指針軸の下端を下部フレームによって軸受し、通電によって交差コイルが発生する合成磁界の方向に前記回転磁石を回転するようにするとともに、帰零用磁石を前記コイルボビンに収容固定してなる交差コイル式計器において、前記帰零用磁石が、前記上部フレーム若しくは前記下部フレームに設けた凹部に注入し硬化した磁性粉体を含む流動性材料を着磁して形成した磁石からなることを特徴とする交差コイル式計器。 【請求項2】 回転磁石に貫挿された指針軸の上端に指針が固定され、交差したコイルへの通電により発生する合成磁界の方向に前記回転磁石を回転するようにした交差コイル式計器において、前記回転磁石を回転自在に軸支するとともに周囲に前記コイルが交差して巻回される上部フレーム及び下部フレームを有し、該上部フレーム若しくは前記下部フレームに設けた凹部に帰零用磁石を収容固定してなるコイルボビンであって、前記帰零用磁石が、前記凹部に注入し硬化した磁性粉体を含む流動性材料を着磁して形成した磁石からなることを特徴とする交差コイル式計器用コイルボビン。 【請求項3】 回転磁石に貫挿された指針軸の上端に指針が固定され、交差したコイルへの通電により発生する合成磁界の方向に前記回転磁石を回転するようにした交差コイル式計器において、前記回転磁石2を回転自在に軸支するとともに、周囲に前記コイルが交差して巻回される上部フレーム及び下部フレームを有するコイルボビンの前記上部フレーム若しくは前記下部フレームに設けた凹部に帰零用磁石を収容固定する方法であって、磁性粉体を含む流動性材料を前記凹部に注入する工程と、前記流動性材料を硬化する工程と、前記硬化させた流動性材料を着磁する工程とを含むことを特徴とする交差コイル式計器用コイルボビンにおける帰零用磁石の収容固定方法。 【請求項4】 前記凹部に注入した流動性材料の表面を前記硬化前に整形する工程を含むことを特徴とする請求項3記載の交差コイル式計器用コイルボビンにおける帰零用磁石の収容固定方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、交差コイル式計器に係り、より詳細には、上部フレームと下部フレームとにより形成され周囲にコイルが交差して巻回されたコイルボビン内に回転磁石を内蔵し、この回転磁石に貫挿した指針軸の上端をコイルボビンから突出させて指針軸を固定し、下端を下部フレームによって軸受し、通電によって交差コイルが発生する合成磁界の方向に回転磁石を回転させて指針を所定の位置に戻す帰零用磁石をコイルボビンに設けられた凹部に収容固定してなる交差コイル式計器、交差コイル式計器用コイルボビン並びに交差コイル式計器用コイルボビンにおける帰零用磁石の収容固定方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、この種の計器として、実公昭56−55655号公報において提案された図1及び図2に示す第1の交差コイル式計器がある。図1は第1の交差コイル式計器を示す断面図である。図2は図1の交差コイル式計器のコイルボビンの底面図である。 【0003】第1の交差コイル式計器は、上部フレーム11と下部フレーム12とにより形成され、周囲にコイルL1及びL2が交差して巻回されたコイルボビン1内に回転磁石2を内蔵し、この回転磁石2に貫挿した指針軸3の下端を下部フレーム12によって軸受するとともに、回転磁石2と対面する下部フレーム12の外側表面円周上に8個の凹部14を設け、これらの適宜の位置の凹部14に、回転磁石2を回転させて指針4を所定位置に戻す帰零用磁石5を収容固定してなる。 【0004】また、実開昭59−116861号公報において提案された図3(a)及び図4に示す第2の交差コイル式計器もある。図3(a)は第2の交差コイル式計器の従来の例を示す断面図である。図4は図3(a)の交差コイル式計器のコイルボビンの分解斜視図である。 【0005】第2の交差コイル式計器は、コイルボビン1の周縁には、上部フレーム11及び下部フレーム12からその対角線上の上下方向に複数の端子保持脚部13を突設し、この端子保持脚部13に交差式コイルL1及びL2に通電するため外部と電気的に接続するための端子6を保持している。そして、端子保持脚部13の1つには、上部フレーム11及び下部フレーム12のそれぞれに凹部14を有し、上部フレーム11及び下部フレーム12それぞれの凹部14を接合することにより帰零磁石5を収容する空所を形成している。なお、7はコイルボビン1に巻回した交差コイルL1及びL2を磁気遮蔽するシールドケースである。 【0006】さらに、特開平5−188086号において公開された図5乃至図7に示す第3の交差コイル式計器がある。図5(a)は第3の交差コイル式計器の上部フレームを示す平面図であり、図5(b)は第3の交差コイル式計器の下部フレームを示す平面図であり、図6は図5の交差コイル式計器の断面図であり、図7は図5の交差コイル式計器の底面図である。 【0007】第3の交差コイル式計器において、コイルボビン1の上部フレーム11と下部フレーム12の周縁には、90°の等間隔となる用に対角線上に上下方向に端子保持脚部13が突設されるとともに、端子保持脚部13間にはコイルボビン1にコイルL1及びL2を平行に整列して巻回するために指針軸3の指示部15の幅と同等の幅のコイル案内脚部16が突設されている。上部フレーム11の端子保持脚部13には、上部フレーム11側から挿入された折り返し板形状の上部端子61を収容するための端子挿入孔13aが形成され、下部フレーム12の端子保持脚部13には、下部フレーム12側から挿入された板状の下部端子62を収容保持するための端子挿入孔13bが形成されている。 【0008】上記上部端子61と下部端子62はその係止片61a及び62aが端子収容孔13a及び13bの係止段部に係合することによってそれぞれ保持され、上部端子61には交差コイルL1及びL2のコイル端を電気接続するためのコイル接続部61bが形成されている。 【0009】また、図5(a)の左側に示すように、特定の上部端子61及び下部端子62間は下部端子62の板状部が上部端子61の折り返し上部に挿嵌されることによって電気的に相互接続され、他の特定のもの〔図5(a)の右側〕間は下部端子62の板状部が切断されて上部端子61と相互接続されないようになっている。なお、相互接続されない端子間はシールドケース7の外側において図示しない抵抗などの電子部品を介して相互接続される。このために、特定の上部端子61と下部端子62には、電子部品を接続するための部品接続部61c、62bがそれぞれ形成されている。 【0010】上記各端子保持脚部13には上部フレーム11と下部フレーム12との合わせ面の下部フレーム12側の端子収容孔13bを内側に拡幅して帰零用磁石5を収容するための凹部14が形成され、コイル案内脚部16には上部フレーム11と下部フレーム12との合わせ面の下部フレーム12側に帰零用磁石5を収容するための凹部14が形成されている。なお、17はシールドケース7を固定するため下部フレーム12側のコイル案内部16をシールドケース7から突出させて溶着した溶着部である。 【0011】コイルボビン1には回転磁石2の外周の同心円上に45°の等間隔で帰零用磁石5を収容するための8個の凹部14が形成され、この中の任意の凹部14に帰零用磁石5を収容することにより、交差コイル式計器における回転磁石の戻り動作が円滑に行われる。 【0012】 【発明が解決しようとする課題】以上、説明した従来の交差コイル式計器は、予め用意した帰零用磁石5を交差コイル式計器の組立前、若しくは組立時に上部フレーム11若しくは下部フレーム12に設けられた凹部14に収容固定していた。この従来の交差コイル式計器において用いられる帰零用磁石5は、凹部14の形状に基づいて設計されるため小型となり製造が困難であるという不都合が生じていた。さらに、帰零用磁石5の製造時に材料取りを工夫しても材料のロスが生じていた。 【0013】また、交差コイル式計器への帰零用磁石5の収容固定時においては、帰零用磁石5が小型であるため上部フレーム11若しくは下部フレーム12に設けられた凹部14に収容固定することが困難であるという不都合が生じていた。さらに、帰零用磁石5を凹部14に収容固定する際に帰零用磁石5の極性を誤って収容固定してしまうという不都合も生じていた。 【0014】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、交差コイル式計器において用いられる帰零用磁石を、上部フレーム若しくは下部フレームに設けた凹部に注入し硬化した磁性粉体を含む流動性材料を着磁して形成した磁石とすることで、上部フレーム若しくは下部フレームに設けた凹部に対する帰零用磁石の収容固定を容易とすることができる交差コイル式計器、交差コイル式計器用コイルボビン並びに交差コイル式計器用コイルボビンにおける帰零用磁石の収容固定方法を提供することを課題とするものである。 【0015】 【課題を解決するための手段】前記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、上部フレームと下部フレームとにより形成され周囲にコイルが交差して巻回されたコイルボビン内に回転磁石を内蔵し、該回転磁石に貫挿した指針軸の上端を前記コイルボビンから突出させて指針を固定し、前記指針軸の下端を下部フレームによって軸受し、通電によって交差コイルが発生する合成磁界の方向に前記回転磁石を回転するようにするとともに、帰零用磁石を前記コイルボビンに収容固定してなる交差コイル式計器において、前記帰零用磁石が、前記上部フレーム若しくは前記下部フレームに設けた凹部に注入し硬化した磁性粉体を含む流動性材料を着磁して形成した磁石からなることを特徴とする。 【0016】請求項2記載の発明は、回転磁石に貫挿された指針軸の上端に指針が固定され、交差したコイルへの通電により発生する合成磁界の方向に前記回転磁石を回転するようにした交差コイル式計器において前記回転磁石を回転自在に軸支するとともに周囲に前記コイルが交差して巻回される上部フレーム及び下部フレームを有し、該上部フレーム若しくは前記下部フレームに設けた凹部に帰零用磁石を収容固定してなるコイルボビンであって、前記帰零用磁石が、前記凹部に注入し硬化した磁性粉体を含む流動性材料を着磁して形成した磁石からなることを特徴とする。 【0017】請求項3記載の発明は、回転磁石に貫挿された指針軸の上端に指針が固定され、交差したコイルへの通電により発生する合成磁界の方向に前記回転磁石を回転するようにした交差コイル式計器において、前記回転磁石を回転自在に軸支するとともに、周囲に前記コイルが交差して巻回される上部フレーム及び下部フレームを有するコイルボビンの前記上部フレーム若しくは前記下部フレームに設けた凹部に帰零用磁石を収容固定する方法であって、磁性粉体を含む流動性材料を前記凹部に注入する工程と、前記流動性材料を硬化する工程と、前記硬化させた流動性材料を着磁する工程とを含むことを特徴とする。 【0018】また、請求項3記載の発明は、そのままで使用することができるが、請求項4記載の発明のように、前記凹部に注入した流動性材料の表面を前記硬化前に整形する工程を加えると、前記凹部の位置が他部材との合わせ面、若しくは他の部材と併設するような箇所に対しても、流動性材料を充填することができる。 【0019】 【発明の実施の形態】以下、本発明を従来の技術で説明した第1乃至第3の交差コイル式計器に用いた場合の実施形態を図1乃至図9を参照して説明する。なお、第1乃至第3の交差コイル式計器については上述した従来の交差コイル式計器の構造と同一のため同一図面を用いる。 【0020】本実施形態において、磁性粉体を含む流動性材料として、磁性粉体と紫外線で硬化するエポキシ樹脂からなるペースト材を用いている。なお、流動性材料としては熱や紫外線で硬化する樹脂であればエポキシ樹脂に限定するものではない。そして、ペースト材を注入するための手段としてディスペンサー、ペースト材の表面を整形する手段としてスキージー、ペースト材を硬化させる手段として紫外線ランプ、ペースト材に着磁させる手段としてコイルをそれぞれ用いている。なお、本発明は上述した手段に限定するものではなく、他の手段を用いることもできる。例えば、熱で硬化する樹脂からなるペースト材では、硬化させる手段として高温乾燥による手段を用いる。 【0021】図8は本発明に係る交差コイル式計器用コイルボビンにおける帰零用磁石の収容固定方法を示した図であり、帰零用磁石を収容するための凹部を拡大断面図である。図8において、(a)は帰零用磁石を収容するための凹部に流動性材料を注入する様子を示した図であり、(b)は注入された流動性材料の表面を整形する様子を示した図であり、(c)は流動性材料を硬化する様子を示した図であり、(d)は硬化した流動性材料を着磁する様子を示した図である。 【0022】なお、図8(a)乃至(d)において、12は下部フレームを示し、従来の技術でも説明したように、この下部フレーム12と上部フレーム11とが一体となってコイルボビン1を形成している。14は凹部を示し、凹部14は帰零用磁石5を収容するために設けられ、本実施形態においては下部フレーム12に設けられている。20はペースト材を示し、ペースト材20は磁性粉体を含む流動性材料からなる。これらの図中で用いられている符号は、図1乃至図9で用いている符号と共通である。 【0023】図8(a)において、21はディスペンサーを示し、ディスペンサー21によってペースト材20を凹部14に注入する。図8(b)において、30はスキージーを示し、スキージー30の内面を、ある角度を保って加圧しつつしゅう動することによりペースト材20の表面を整形する。20’は余分なペースト材を示し、スキージー30によって凹部14の外側に押し出された余分なペースト材である。 【0024】図8(c)において、40は紫外線ランプ、41は紫外線を示し、紫外線ランプ40より発光される紫外線41によってペースト材20を硬化する。図8(d)において、50はコイル、Hは磁界を示し、図示していない電源からの通電によりコイル50に磁界Hが発生し、この発生した磁界Hによって硬化されたペースト材20を着磁する。 【0025】本発明を第1の交差コイル式計器に用いた場合について説明する。第1の交差コイル式計器は、帰零用磁石5を収容固定する位置を多数設けることができるため、指針4を戻す位置の設定を比較的自由に行うことができる。 【0026】第1の交差コイル式計器において、回転磁石2と対面する下部フレーム12の外側表面円周上に8個の凹部14が設けられ、これらの適宜の位置の凹部に回転磁石2を回転させて指針4を所定位置に戻す帰零用磁石5が収容固定される。この所定位置は指針4が文字板上の目盛の0を指す位置を意味し、この所定位置付近の凹部14が帰零用磁石5を収容固定する凹部14となる。 【0027】凹部14にペースト材20をディスペンサー21によって注入する。ここで、ペースト材20の注入量は凹部14を満たす量であることが好ましいが、凹部14に注入したペースト材20の表面が下部フレーム12の表面より下になるような注入量とすれば、ペースト材20の表面を整形する作業を行う必要が無くなるとともに、ペースト材20の材料のロスもなくすことができる。 【0028】図8(a)に示すように、凹部14に注入されたペースト材20の表面が下部フレーム12の表面と一体的な表面となるようにスキージー30によって整形される。この作業は凹部14に注入されたペースト材20の表面が下部フレーム12の表面よりも盛り上がってしまった場合に行われる。したがって、凹部14の開放面が合わせ面、若しくは他の部材と併設するような構成の場合において、凹部14にペースト材20を充填する場合にこの作業を行う必要がある。 【0029】なお、第1の交差コイル式計器では、凹部14の開放面にはコイルボビン1に交差するように巻回されたコイルL1,L2が併設する。したがって、凹部14に注入したペースト材20の表面が下部フレーム12の表面に対して盛り上がるとコイルL1,L2により発生される磁界に影響を及ぼすため、計測量の表示の精度等に悪い影響を与える。したがって、凹部14に注入したペースト材20の表面は下部フレーム12の表面と一体的に形成されることが好ましい。 【0030】次に、凹部14に注入されたペースト材20が紫外線ランプ40より発光された紫外線41によって硬化される。硬化されたペースト材20はコイル50に対する通電により発生した磁界Hによって着磁され帰零用磁石5となる。 【0031】なお、着磁する際には帰零用磁石5の極性を予め規定しておく必要がある。図9は図1における回転磁石2の斜視図である。回転磁石2の上部表面のN,Sはそれぞれ極性のN極部、S極部を示し、回転磁石2の中心部を貫挿する指針軸3に対して対称となるように着磁されている。本実施形態においては、コイルL1,L2が通電されていない時に、帰零用磁石5の上方に回転磁石2のS極部が位置するように回転磁石2がコイルボビン1に収容される。 【0032】このような場合は、回転磁石2と対面する帰零用磁石5の表面がN極となるように着磁する。よって、図1に示す磁界Hを矢印方向に飽和磁束密度に達するまで帰零用磁石5に与えることで、回転磁石2と対面する帰零用磁石5の表面がN極となり、その反対の表面がS極となる。また、帰零用磁石5の上方に回転磁石2のN極部が位置するように形成される場合は、図1に示す磁界Hを矢印方向と反対の方向に与えることで対応することができる。 【0033】以上説明したように、本発明を第1の交差コイル式計器に用いることにより、帰零用磁石5は部品として製造するのではなく、磁性粉体を含む流動性材料として用意することになる。したがって、帰零用磁石5の製造時の問題点を解消することができる。また、帰零用磁石5を下部フレーム12に設けられた凹部14に注入し硬化した磁性粉体を含む流動性材料を着磁して形成した磁石とすることで、帰零用磁石5の収容固定が容易となるとともに、帰零用磁石5を凹部14に収容固定する際に帰零用磁石5の極性を誤収容固定を防ぐことができる。このように、従来の交差コイル式計器における帰零用磁石5の製造及び収容固定時の問題点を解消することができる。 【0034】次に、第2の交差コイル式計器について図3(b)を参照して説明する。図3(b)は本発明に係る第2の交差コイル式計器を示す断面図である。この第2の交差コイル式計器は、帰零用磁石5の収容固定する位置を多数設ける必要がなく、かつ、コイルボビン1を厚さ方向に小型化したい場合に適している。図3(a)に示す従来の計器では、コイルボビン1の周縁に凸設している複数の端子保持脚部13の1つに対し、上部フレーム11及び下部フレーム12に帰零用磁石5を収容する凹部14が形成され、帰零用磁石5が上部フレーム11と下部フレーム12とに跨設されていた。 【0035】一方、図3(b)は基本的な構成は図3(a)と同様で、帰零用磁石5が下部フレーム12に収容されている点のみが異なっている。これは図3(a)に示すように、帰零用磁石5を上部フレーム11と下部フレーム12とに跨設しようとする場合、上部フレーム11及び下部フレーム12の双方の凹部14に対してペースト材20を注入しなければならない。そして、ペースト材20に対する着磁は上部フレーム11と下部フレーム12とを組み合わせコイルボビン1を形成した後に着磁しなければならない。この場合、コイルボビン1内に収容された回転磁石2に対しても着磁する際の磁界Hの影響を与える、及び着磁された帰零用磁石5が上部フレーム11と下部フレーム12とにそれぞれ収容されていると上部フレーム11と下部フレーム12との組立が困難となる等の不都合が生じる。 【0036】したがって、図3(b)に示すように複数の端子保持脚部13の1つの上部フレーム11若しくは下部フレーム12のいずれか一方の凹部14に帰零用磁石5を収容することが好ましい。 【0037】本実施形態では下部フレーム12に設けられた凹部14に帰零用磁石5を固定収容する。これは図3(b)に示すように、上部フレーム11と下部フレーム12との合わせ面の位置が回転磁石2の上部表面に対し平行となり、下部フレーム12に設けられた凹部14に収容固定した帰零用磁石5が回転磁石2の横に位置させることができる。よって、上部フレーム11に凹部14を設ける場合は、合わせ面の位置を回転磁石2の下部表面に対し平行となるように設計することが好ましい。このように回転磁石4の横に帰零用磁石5を設置することで、帰零用磁石5によって戻る際の回転磁石4の動きを円滑に行うことができる。 【0038】第2の交差コイル式計器も第1の交差コイル式計器と同様に、凹部14にペースト材20をディスペンサー21によって注入する。次に、凹部14に注入されたペースト材20の表面が下部フレーム12の表面と一体的な表面となるようにスキージー30によって整形される。なお、第2の交差コイル式計器では、凹部14の開放面が上部フレーム11と下部フレーム12の合わせ面となっているが、下部フレーム12の凹部14の対面である上部フレーム11にも凹部14が設けられている。よって、下部フレーム12の凹部14に注入したペースト材20の表面が多少盛り上がってる程度であれば、上部フレーム11と下部フレーム12とを一体的に組み合わせることができる。したがって、第2の交差コイル式計器において、ペースト材20の表面を整形する工程はペースト材20の注入量によっては削除することができる。 【0039】凹部14に注入されたペースト材20が紫外線ランプ40より発光された紫外線41によって硬化される。硬化されたペースト材20はコイル50に対する通電により発生した磁界Hによって着磁され帰零用磁石5となる。第2の交差コイル式計器では、帰零用磁石5が回転磁石4の横に収容固定されているため、帰零用磁石5の対面に位置する回転磁石4の極性がS極となっている場合、回転磁石2よりの帰零用磁石5の表面がN極となるように着磁する。よって、図3(b)に示す磁界Hを矢印方向に飽和磁束密度に達するまで帰零用磁石5に与える。また、帰零用磁石5よりの回転磁石2の表面がN極となるように形成される場合は、図3(b)に示す磁界Hを矢印方向と反対の方向に与えることで対応することができる。 【0040】以上説明したように、本発明を第2の交差コイル式計器に用いることにより、第1の交差コイル式計器と同様、帰零用磁石5は部品として製造するのではなく、磁性粉体を含む流動性材料として用意することになる。したがって、帰零用磁石5の製造時の問題点を解消することができる。また、帰零用磁石5を下部フレーム12に設けられた凹部14に注入し硬化した磁性粉体を含む流動性材料を着磁して形成した磁石とすることで、帰零用磁石5の収容固定が容易となるとともに、帰零用磁石5を凹部14に収容固定する際に帰零用磁石5の極性を誤収容固定を防ぐことができる。このように、従来の交差コイル式計器における帰零用磁石5の製造及び収容固定時の問題点を解消することができる。 【0041】次に、第3の交差コイル式計器について、従来の技術でも説明した図5乃至図7を参照して説明する。この第3の交差コイル式計器は、帰零用磁石5の収容固定する位置を多数設ける必要が有り、かつ、コイルボビン1を厚さ方向に小型化したい場合に適している。 【0042】従来の技術でも説明したように、各端子保持脚部13には上部フレーム11と下部フレーム12との合わせ面の下部フレーム12側の端子収容孔13bを内側に拡幅して帰零用磁石5を収容するための凹部14が、コイル案内脚部16には上部フレーム11と下部フレーム12との合わせ面の下部フレーム12側に帰零用磁石5を収容するための凹部14が形成されている。そして、コイルボビン1には回転磁石2の外周の同心円上に45°の等間隔で帰零用磁石5を収容するための8個の凹部14が形成される。第1の交差コイル式計器と同様に、8個の凹部14から適宜の位置の凹部14を1つ決定し、回転磁石2を回転させて指針4を所定位置に戻す帰零磁石5が収容固定される。 【0043】第3の交差コイル式計器も第1及び第2の交差コイル式計器と同様に、凹部14にペースト材20をディスペンサー21によって注入する。次に、凹部14に注入されたペースト材20の表面が下部フレーム12の表面と一体的な表面となるようにスキージー30によって整形される。なお、第3の交差コイル式計器については、凹部14の開放面が上部フレーム11と下部フレーム12の合わせ面となっているため、凹部14に注入したペースト材20の表面が盛り上がっていると、上部フレーム11と下部フレーム12とを合わせる際に、合わせ面が一体的にならないという不具合が生じる。したがって、第3の交差コイル式計器においては、ペースト材20の表面を整形する工程は必要な工程となる。 【0044】凹部14に注入されたペースト材20が紫外線ランプ40より発光された紫外線41によって硬化される。硬化されたペースト材20はコイル50に対する通電により発生した磁界Hによって着磁され帰零用磁石5となる。第3の交差コイル式計器についても第2の交差コイル式計器と同様、帰零用磁石5が回転磁石4の横に収容固定することで、帰零用磁石5によって戻る際の回転磁石4の動きを円滑に行うことができる。なお、帰零用磁石5の対面に位置する回転磁石4の極性がS極となっている場合、回転磁石2よりの帰零用磁石5の表面がN極となるように着磁する。よって、図6に示す磁界Hを矢印方向に飽和磁束密度に達するまで帰零用磁石5に与える。また、帰零用磁石5よりの回転磁石2の表面がN極となるように形成される場合は、図6に示す磁界Hを矢印方向と反対の方向に与えることで対応することができる。 【0045】以上説明したように、本発明を第3の交差コイル式計器に用いることにより、第1及び第2の交差コイル式計器と同様、帰零用磁石5は部品として製造するのではなく、磁性粉体を含む流動性材料として用意することになる。したがって、帰零用磁石5の製造時の問題点を解消することができる。また、帰零用磁石5を下部フレーム12に設けられた凹部14に注入し硬化した磁性粉体を含む流動性材料を着磁して形成した磁石とすることで、帰零用磁石5の収容固定が容易となるとともに、帰零用磁石5を凹部14に収容固定する際に帰零用磁石5の極性を誤収容固定を防ぐことができる。このように、従来の交差コイル式計器における帰零用磁石5の製造及び収容固定時の問題点を解消することができる。 【0046】帰零用磁石5の収容固定方法は、ペースト材20を凹部14に注入し、このペースト材20を硬化させ、着磁するという一連の作業を行う。この作業を行う際は、凹部14にペースト材20を注入するため、凹部14の開放面を上向きにすることができ、かつ、平らにすることができる状態が好ましい。また、組み立て完成後の交差コイル式計器において、硬化したペースト材20に着磁すると、コイルボビン1に収容された図9に示すような予め着磁された回転磁石2にも影響を与えてしまうという不都合が生じる。以上のことを考慮すると、交差コイル式計器の組立前の下部フレーム12が単体の部品の状態で上述した帰零用磁石5の収容固定作業を行うことが好ましい。 【0047】なお、本実施形態では第1乃至第3の交差コイル式計器について説明したが、本発明はこの3つの交差コイル式計器に限定するものではなく、指針を所定の位置に戻す際に磁石を用いる他の交差コイル式計器に用いても有効である。また、本発明である交差コイル式計器用コイルボビンにおける帰零用磁石の装置方法は、細部に磁石を収容固定しなければならない、細かな磁石を複数収容固定しなければならない等の磁石の収容固定を必要とする部材に用いても有効である。 【0048】 【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、交差コイル式計器において用いられる帰零用磁石を、上部フレーム若しくは下部フレームに設けた凹部に注入し硬化した磁性粉体を含む流動性材料を着磁して形成した磁石とすることで、帰零用磁石の収容固定が容易となるとともに、帰零用磁石を凹部に収容固定する際に帰零用磁石の極性を誤って収容固定されることを防ぐことができる。 【0049】さらに、凹部に注入した磁性粉体を含む流動性材料の表面を整形することにより、凹部の位置が他部材との合わせ面、若しくは他の部材と併設するような箇所に対しても、流動性材料を充填することができる。また、帰零用磁石は部品として製造するのではなく、磁性粉体を含む流動性材料として用意することになるため、従来の帰零用磁石の製造時の問題点を解消することができる。 【0050】したがって、従来の交差コイル式計器における帰零用磁石の製造及び収容固定時に生じていた問題点を解消することができる。さらに、帰零用磁石として磁性粉体を含む流動性材料を用いているため、上部フレーム若しくは下部フレームに設ける凹部の形状に自由度を持たせることができる。よって、従来の帰零用磁石では困難であった帰零用磁石の異形化にも対応することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006895 【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)11月28日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】瀧野 秀雄 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−160361 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)6月18日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−329146 |
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