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【発明の名称】 ステッピングモータ式計器
【発明者】 【氏名】鶴巻 桂司

【要約】 【課題】電源オフ時における指針の浮き上がりを抑制しかつ浮き上がってもただちに起点位置に復帰して安定した指示位置を確保できるステッピングモータ式計器を提供することを目的とする。

【解決手段】励磁コイルLを巻装したボビン2と、複数の櫛歯Hを備えたヨーク3と、回転自在に軸支した回転マグネット4とにより構成されたステッピングモータ1を計器ムーブメントとし、前記回転マグネット4の回転出力軸5の先端に固着した指針6と、この指針6下方に配設され指示目盛Mを施した文字板7とでステッピングモータ式計器8を構成し、この計器指示面が水平に対して略45度以上の傾きとなるよう配置するとともに、指針6が指示起点Oにて下降拘束されるよう可動部と当接するストッパを設け、前記指針6を含む可動部をその回転中心より指針先端側に重心Pが位置するよう形成し、かつこの重心位置Pでの重量アンバランスによる指針回転力Tが前記ステッピングモータ1のヨーク櫛歯Hと回転マグネット4との磁気作用によるディテントトルクDよりも大きくなるよう構成した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 励磁コイルを巻装したボビンと、複数の櫛歯を備えたヨークと、回転自在に軸支した回転マグネットと、この回転マグネットの回転出力軸に固着された指針と、この指針下方に配設され指示目盛を施した文字板と、から指示計器を構成し、この指示計器をその指示面が水平に対して略45度以上の傾きとなるよう配置するとともに、指示起点位置にて指針を停止するよう指針と回転マグネットからなる可動体に当接するストッパを設け、この可動体の重心が回転軸中心より指針先端側に位置するよう構成したことを特徴とするステッピングモータ式計器。
【請求項2】 前記文字板の指示角度における下方略45度位置を指示起点として指針が当接するストッパピンを設けるとともに、前記指針をその回転中心より先端側に重心が位置するよう形成し、かつこの重心位置での重量アンバランスによる指針回転力が前記ステッピングモータのヨーク櫛歯と回転マグネットとの磁気作用によるディテントトルクよりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のステッピングモータ式計器。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、デジタル制御の容易な計器ムーブメントとして用いられ、たとえば、車輌用の走行速度やエンジン回転数のごとき測定量をこれに比例した周波数信号入力に基づいて計測指示するステッピングモータ式計器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般にこの種の計器装置にあっては、計器ムーブメントの駆動軸端に固着した指針を入力信号に対応して回動し、計測する測定量を表す数字や目盛を施した文字板との対比判読にて測定指示するようにしており、通常は略均等の目盛によるリニアな指示特性にて指示するよう構成される。
【0003】特に、ステッピングモータは、くし歯ヨークの歯数やその形成ピッチによってマグネットロータのステップ動作が決定し、円滑な回転動作を得るためには、歯数を多くしてくし歯のピッチを微小にするかあるいは駆動信号により所謂マイクロステップ駆動する必要があり、使用条件に応じたステッピングモータ本体の許容できる大きさや駆動回路を含むコストによってそれらの形態が選択される。
【0004】また、こうしたステッピングモータは、その使用用途の如何にかかわらず小型であることが望まれており、所謂PM型ステッピングモータが簡単な構成のため、ロータマグネットや櫛歯ヨークの改良によって使い易くなっている。
【0005】さらに、処理回路のデジタル化(マイクロコンピュータによる制御)に対して、パルス信号制御がなされるこうしたステッピングモータは、指針による文字板目盛との対比読み取りを行なう指示計器のムーブメントとしても注目され、たとえば、自動車用の走行速度計やエンジン回転計さらには検出信号のA/D処理により燃料計や温度計にも利用が可能であり、特開昭61−129575号,特開平1−223312号等にて開示されているように実用化に向けての種々の提案がなされている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このようなステッピングモータ式計器においては、交差コイル式計器のように入力信号に対して変換合成された回転磁気ベクトル方向への追従動作とは異なり、常に前回値からの最新変化分の増減処理によって指示をなす構成であるため初期値が正確に設定されねばならず、また外部振動によって櫛歯ステップ角分の変動いわゆる脱調現象に対する防止や補正が必要であり、指示基点である目盛の零位置への電源オフ時における指針復帰や指針の零位置保持が必要とされている。
【0007】たとえば、回転マグネットの櫛歯に対する吸引作用を利用し、指針の指示起点でのストッパによる停止位置にてこの吸引力を利用して浮き上がりを拘束する構成が提案されるが、この拘束力自体大きなものではなく、充分な浮き上がり抑止効果を得ることができない。
【0008】本発明は、磁気的操作や専用追加部品を伴うことなく、指針の指示起点位置への拘束を確実なものとし、電源オフ時における外部振動による指針の浮き上がりを抑制しかつ浮き上がってもただちに起点位置に復帰して安定した指示位置を確保できるステッピングモータ式計器を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、励磁コイルを巻装したボビンと、複数の櫛歯を備えたヨークと、回転自在に軸支した回転マグネットと、この回転マグネットの回転出力軸に固着された指針と、この指針下方に配設され指示目盛を施した文字板と、から指示計器を構成し、この指示計器をその指示面が水平に対して略45度以上の傾きとなるよう配置するとともに、指示起点位置にて指針を停止するよう指針と回転マグネットからなる可動体に当接するストッパを設け、この可動体の重心が回転軸中心より指針先端側に位置するよう構成したことものである。
【0010】また本発明は、前記文字板の指示角度における下方略45度位置を指示起点として指針が当接するストッパピンを設けるとともに、前記指針をその回転中心より先端側に重心が位置するよう形成し、かつこの重心位置での重量アンバランスによる指針回転力が前記ステッピングモータのヨーク櫛歯と回転マグネットとの磁気作用によるディテントトルクよりも大きくしたものである。
【0011】
【発明の実施の形態】励磁コイルLを巻装したボビン2と、複数の櫛歯Hを備えたヨーク3と、回転自在に軸支した回転マグネット4とにより構成されたステッピングモータ1を計器ムーブメントとし、前記回転マグネット4の回転出力軸5の先端に固着した指針6と、この指針6下方に配設され指示目盛Mを施した文字板7とでステッピングモータ式計器8を構成しており、この計器8をその指示面が水平に対して略45度以上の傾きとなるよう配置するとともに、前記文字板7の指示角度における下方略45度位置を指示起点Oとして指針6が当接するストッパピン9を設けるとともに、前記指針6をその回転中心より先端側に重心Pが位置するよう形成し、かつこの重心位置Pでの重量アンバランスによる指針回転力が前記ステッピングモータ1のヨーク櫛歯Hと回転マグネット4との磁気作用によるディテントトルクよりも大きくなるよう構成してある。
【0012】これにより、電源オフ時すなわち無励磁においては指針6がその重心により下方へ下がろうと作用し、文字板7上のストッパピン9に当接して拘束され、通常はこの指示起点位置に安定滞留するとともに、外部振動が加わって仮に指針6が若干浮き上がったとしてもただちに重心作用で起点位置に復帰し、起点から離れた位置に浮き上がって留まるといったことがなくなる。
【0013】
【実施例】図1は本発明のステッピングモータ式計器における傾斜配置状態での要部断面図を示すものであり、励磁コイルLを巻装したボビン2と、複数の櫛歯Hを備えたヨーク3と、回転自在に軸支した回転マグネット4とにより構成されたステッピングモータ1を計器ムーブメントとし、前記回転マグネット4の回転出力軸5の先端に固着した指針6と、この指針6下方に配設され指示目盛Mを施した文字板7とでステッピングモータ式計器8を構成しており、このステッピングモータ式計器8をその指示面が水平に対して略45度以上ここでは約70度の傾きをもって配置している。
【0014】ステッピングモータ式計器8は、励磁コイルLへの通電をなすべく駆動回路を実装したプリント基板10との接続を通電端子にて行うと共に、たとえばモータそのもののケースと一体に形成した取り付け片によりプリント基板10に加締めもしくは半田付け固定してある。
【0015】また図2にて示したように、前記文字板7の指示角度における下方略45度位置を指示起点Oとして指針6が当接するストッパピン9を設けるとともに、前記指針6をその回転中心より先端側に重心Pが位置するよう形成し、かつ図3にて示したようにこの重心位置Pでの重量アンバランスによる指針回転力Tが前記ステッピングモータ1のヨーク櫛歯Hと回転マグネット4との磁気作用によるディテントトルクDよりも大きくなるよう構成してある。
【0016】以上の構成により、これを自動車の走行速度計として用いた場合には、上記傾斜状態で運転席ダンシュボードに装着され、速度計測信号を適宜演算処理した駆動信号によって指示起点Oを零点として指針6回転駆動し、走行速度に応じた回転角度に逐次更新指示するものである。
【0017】また本発明によれば、電源オン状態での指示駆動から電源をオフしたとすれば、たとえば一時的なバックアップ電源によって帰零処理(指示信号を擬似的に生成し次第に復帰させる場合もあるが、通常は走行速度が低下するに従って指示も追従低下しほぼ指示起点O付近にて電源がオフされる)が行われるとともに、この復帰作用を助長するよう起点位置Oへの重心作用による下降動作が行われる。
【0018】また、電源オフ時すなわち無励磁においては傾斜配置によって指針6がその重心により下方へ下がろうと作用し、文字板7上のストッパピン9に当接して拘束され、通常はこの指示起点位置に安定滞留するとともに、外部振動が加わって仮に指針6が若干浮き上がったとしてもただちに重心作用で起点位置に復帰し、起点から離れた位置に浮き上がって留まるといったことがなくなる。
【0019】以上の実施例では、ステッピングモータ式計器8の指示面傾きを略70度になるよう配置したが、要は指針6が重心位置による重量アンバランス作用によって自然重力での充分な回転力が働けばよく、略45度以上の傾きに配置することでこうした作用が充分得られるものである。
【0020】また、ストッパを文字板7上のストッパピン9として構成したが、たとえば文字板7の下方位置で指針軸5から横方向に凸部を設け、ステッピングモータ1の上端軸受け部分にこの凸部が当接するリブ状ストッパを設けることにより、文字板7表面からは確認できない内部ストッパとして構成することができ、こうした構成とすることで、指針6の指示起点O指示位置において指針6とは一致しない適当な角度位置にてこうしたストッパを形成することができる。
【0021】
【発明の効果】以上のように、本発明は電源オン状態での指示駆動から電源をオフしたとすれば、たとえば一時的なバックアップ電源によって帰零処理が行われる場合、起点位置Oへの重心作用による下降動作によってこの復帰作用を助長することが可能となり、帰零動作を円滑に行うことができる。
【0022】また、電源オフ時すなわち無励磁においては傾斜配置によって指針6がその重心により下方へ下がろうと作用し、文字板7上のストッパピン9に当接して拘束され、通常はこの指示起点位置に安定滞留するとともに、外部振動が加わって仮に指針6が若干浮き上がったとしてもただちに重心作用で起点位置に復帰し、起点から離れた位置に浮き上がって留まるといったことがなくなるといったきわめて実用価値の高い保持効果を安価に提要提供できるものである。
【出願人】 【識別番号】000231512
【氏名又は名称】日本精機株式会社
【出願日】 平成9年(1997)11月28日
【代理人】
【公開番号】 特開平11−160360
【公開日】 平成11年(1999)6月18日
【出願番号】 特願平9−327477