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【発明の名称】 電気式計器
【発明者】 【氏名】沼屋 宏康

【要約】 【課題】簡単な構成で半田付け工程を廃止できるとともに、計器本体をプリント基板にワンタッチで作業性よく電気接続することを可能とする電気式計器を提供する。

【解決手段】指針Pを駆動する指針軸10を備えたロータ磁石11と、このロータ磁石11の周囲に巻線されるコイル16と、このコイルを保持するボビン15とでなる計器本体1と、この計器本体1に電気信号を供給する回路基板2とで電気式計器を構成する。計器本体1には、指針軸10を軸心とした計器本体1の回動により回路基板2に係合する結合腕部 130と、コイル16と導通接続されると共に結合腕部130の近傍に位置し接続端部 182(端部)が計器本体1の指針軸10を軸心とした回動により回路基板2と電気的に接続される端子18とを設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 指針を駆動する指針軸にロータ磁石を固定し、このロータ磁石の周囲にコイルを巻線してなるボビンを設けた計器本体と、この計器本体に電気信号を供給する回路基板とを備え、前記計器本体には、前記指針軸を軸心とした前記計器本体の回動によりその端部が前記回路基板に係合する結合腕部と、前記コイルと導通接続されると共にその端部が前記計器本体の指針軸を軸心とした回動により前記回路基板と電気的に接続される端子とを設けたことを特徴とする電気式計器。
【請求項2】 前記結合腕部と前記回路基板との対向部に、前記計器本体の回動方向における位置決めを行うと共に前記端子と前記回路基板との接続位置を定める位置決め手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の電気式計器。
【請求項3】 前記端子がバネ性を有した状態で前記回路基板と電気接続されることを特徴とする請求項1もしくは請求項2記載の電気式計器。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、指針を取り付けた指針軸にロータ磁石を固定し、このロータ磁石の周囲にコイルを巻線してなる可動磁石式計器やステッピングモータ式計器等の計器本体を、プリント基板に電気接続してなる電気式計器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般にこの種の電気式計器、例えば可動磁石式の計器本体にあっては、例えば実公平3−2862号公報に開示されているように、計器本体の一部を構成するボビンにコイルと導通する端子を設け、この端子を計器本体より外部に突設し、さらにこの端子を計器本体を収納するケースから外側に露出させて、ビスやナット等により回路基板に締め付け固定して接続する構造が採用されている。
【0003】また、他の電気的接続手段としては、特開平7−139971号公報や特開平8−5667号公報に開示されるように、計器本体と回路基板とをメス,オスのコネクタ部材によりワンタッチで電気的接続を可能に構成したものもある。
【0004】また、別の電気式計器として例えば特開平9−149619号公報に示すようなステッピングモータ式の計器本体にあっては、計器本体の一部を構成するボビンにコイルと導通する端子を設け、この端子を回路基板に向けて延長させ、その延長端をプリント基板に直接半田付けすることにより、計器本体と回路基板との電気接続を行うものがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ビスやナット等により可動磁石式の計器本体と回路基板とを電気接続する従来の電気式計器にあっては、ビスやナット等の電気接続部品を用意しなければならないため部品数が増加し、またこれら電気接続部品の締め付け作業を行う必要あることから作業性も悪いものであった。
【0006】また、同じ可動磁石式の計器本体にして計器本体と回路基板とをオス,メスのコネクタからなる電気接続部品を用いて接続する従来の電気式計器にあっては、計器本体と回路基板との接続作業性自体は向上するものの、オス端子またはメス端子等の専用の電気接続部品を用意しなければならないため、部品点数が多くなり、また計器本体側と回路基板側両方に専用の電気接続部品を組み付ける工程を必要とすることから作業性も悪く、構造的にも複雑になりやすいものであった。
【0007】一方、ステッピングモータ式の計器本体にして計器本体と回路基板とを半田付けにより電気接続する従来の電気式計器にあっては、端子と回路基板との半田付け工程自体を省略したいという要望があり、また一旦半田付けしてまうと、計器本体たるステッピングモータを取り外すことが容易ではなくなり、パーツ交換要望に対応することができないという問題があった。
【0008】そこで本発明は、専用の電気接続部品を用いることなく計器本体と回路基板とを電気接続でき、且つ計器本体の回路基板に対する着脱も容易な電気式計器を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成するため、指針を駆動する指針軸にロータ磁石を固定し、このロータ磁石の周囲にコイルを巻線してなるボビンを設けた計器本体と、この計器本体に電気信号を供給する回路基板とを備え、前記計器本体には、前記指針軸を軸心とした前記計器本体の回動によりその端部が前記回路基板に係合する結合腕部と、前記コイルと導通接続されると共にその端部が前記計器本体の指針軸を軸心とした回動により前記回路基板と電気的に接続される端子とを設けたことを特徴とするものである。
【0010】また、前記結合腕部と前記回路基板との対向部に、前記計器本体の回動方向における位置決めを行うと共に前記端子と前記回路基板との接続位置を定める位置決め手段を設けたことを特徴とするものである。
【0011】また、前記端子がバネ性を有した状態で前記回路基板と電気接続されることを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明による電気式計器は、指針を駆動する指針軸を備えたロータ磁石と、このロータ磁石の周囲に巻線されるコイルと、このコイルを保持するボビンとでなる計器本体と、この計器本体に電気信号を供給する回路基板とを備えている。計器本体には、指針軸を軸心とした計器本体の回動により回路基板に係合する結合腕部と、コイルと導通接続されると共に結合腕部の近傍に位置しその端部が計器本体の指針軸を軸心とした回動により回路基板と電気的に接続される端子とを設け、一方、回路基板には、計器本体の結合腕部及び端子の端部に対応してこれらを貫通させる貫通部と、この貫通部に計器本体の結合腕部及び端子の端部を貫通した状態で計器本体を指針軸を軸心として回動させることにより結合腕部と当接する受部及び端子の端部と導通接続される接続部を設けたことにより、専用の電気接続部品を用いることなく計器本体と回路基板とが電気接続され、且つ計器本体の回路基板に対する着脱も容易となる。
【0013】また、結合腕部と回路基板との対向部となる結合腕部部分あるいは回路基板の受部に、計器本体の回動方向における位置決めを行うと共に端子と回路基板の接続部との位置を定める位置決め手段を設けたことにより、回路基板に対する計器本体の保持状態及び電気接続状態を安定的なものとなる。
【0014】また、端子がバネ性を有した状態で回路基板の接続部と接触するよう構成したことにより接続信頼性を高まる。
【0015】
【実施例】以下図面を基にして本発明の実施例を説明する。
【0016】図1〜図2は、実施例として本発明をたとえばステッピングモータからなる電気式計器(ステッピングモータ式電気式計器)に適用したものであり、図1はステッピングモータ式の計器本体と回路基板の一部とを別々に示す斜視図、図2(a)は、図1の組み付け状態を示す断面図、図2(b)は図1の組み付け状態を図2(a)とは異なる断面にて示す断面図である。
【0017】図1〜図2において、電気式計器は計器本体1と、硬質プリント配線基板からなる回路基板2とで構成されている。
【0018】計器本体1は、例えば特開平9−28072号公報に開示されている2相永久磁石型ステッピングモータに基本構造が一致するもので、指針軸10を備える永久磁石からなるロータ磁石11と、このロータ11の周囲を囲む内部が中空の同心的積層体からなるステータコア12と、このステータコア12内でロータ磁石11を回転自在に支持する一対の支持部材13,14とで構成され、指針軸10の先端には指針Pが固定されている。
【0019】ステータコア12は、絶縁性樹脂材料からなる一対のボビン15と、これらボビン15に巻回された一対のコイル16と、各々のボビン15を挟んで対向配置されると共にコイル16に電気信号が供給された際、コイル16に発生する磁界をロータ磁石11に導く4つのヨーク17とからなり、これらボビン15,コイル16,ヨーク17は、それぞれが環状に形成されると共に指針軸10の軸方向に従って同心的に積層され、これによりステータコア12は内部が中空の同心的積層体として構成されている。
【0020】支持部材13,14は双方が金属製であり、この場合、回路基板2側となる支持部材13には、複数(4つ)の結合腕部 130が指針軸10を中心とした同心円状に略同一間隔に形成され、これら結合腕部 130の各々は、支持部材13の一部を切り起こして略逆L字状に折り曲げてなり、回路基板2側に延長する基部 131と、この基部 131から回路基板2の板面方向に沿って外側に延びるよう折り曲げられた係合部 132とを有している。
【0021】また一対のボビン15のうち、回路基板2側に位置するボビン15には、端子18が固定されており、この場合、端子18は各コイル16の端部の数に対応した4つの細長金属板を、指針軸10を中心とした略90度の間隔で回路基板2側に位置するボビン15内に埋設固定してなるもので、ボビン15内を図中、水平方向に延びると共にボビン15の側面より突出し各コイル16に電気接続される第1の端子部 180と、この第1の端子部 180と連続してボビン15内を図中、指針軸10と平行に垂直方向に延びる第2の端子部 181と、この第2の端子部 181から回路基板2の板面方向に沿って外側に延びるよう折り曲げられた接続端部(端部) 182とで構成され、接続端部 182を含む第2の端子部 181は、ヨーク17及び支持部材13を貫通して回路基板2側に露出すると共に、係合部 132を含む結合腕部 130とは所定距離を隔てて隣接し、且つ接続端部 182と係合部 132とは略平行に延びている。
【0022】また、この場合、接続端部 182に対応する支持部材13位置には、接続端部 182を挿通するための挿通孔13aが形成されていると共に、第2の端子部 181に対応するボビン15位置には第2の端子部 181に沿ってこれを取り囲むように支持部材13位置まで延びる延長部15aが形成されている。この延長部15aは金属製の支持部材13との絶縁を考慮したものであるが、接続端部 182の近傍まで延長させることにより、第2の端子部 181を補強し、且つ結合腕部 130との絶縁状態を良好に保つようにしてもよい。
【0023】回路基板2には、各コイル16に計測量に応じた電気信号を供給するための図示しない駆動回路が搭載されていると共に、係合部 132及び接続端部 182に対応して、これらを回路基板2の計器本体1とは反対側に貫通させるための4つの切り欠き形状の貫通部21と、これら貫通部21に係合部 132及び接続端部 182を貫通させた状態で、計器本体1を指針軸10を軸心として回転させた際、係合部 132及び接続端部 182の回動軌道上に位置する受部22及び接続部23とを有し、接続部23は回路基板2に形成された回路パターンの一部で構成されている。
【0024】また、この場合、受部22と係合部 132との対向部にして、受部22側には孔部 220が形成され、またこの孔部 220に対応する係合部 132側位置には、孔部 220に嵌合する突起部 132aが形成され、これら突起部 132aと孔部 220とにより、計器本体1を前述のように回動した際、計器本体1の回動方向における位置決めを行うと共に端子18の接続端部 182と回路基板2の接続部23との位置を定める位置決め手段30を設けている。また接続端部 182には突部 182aが形成されており、接続部23に対し点接触するようになっている。
【0025】次に計器本体1と回路基板2との機械的固定及び電気接続について説明すると、まず回路基板2の貫通部21に計器本体1の係合部 132及び接続端部 182を挿入して、これらを回路基板2の計器本体1とは反対側に貫通させる。つぎに計器本体1を指針軸10を軸心として回動させることにより、受部22上を係合部 132及び接続端部 182が摺動するが、所定の回動位置にて係合部 132の突起部 132aが受部22の孔部 220に嵌合し、これにより計器本体1が回路基板2に対し位置決め保持され、計器本体1の回路基板2への機械的固定がなされると共に端子18の接続端部 182と回路基板2の接続部23との接触位置が定まり、計器本体1の回路基板2への電気接続がなされる。
【0026】なお、本実施例では、接続端部 182の第2の端子部 181からの折り曲げ角度は、接続部23との非接触状態で90度以下、例えば85度〜70度に設定されており、接続端部 182が回路基板2の接続部23と接触した際には、接続端部 182が接続部23側にバネ性(押圧力)を有するようになっている。
【0027】以上のように、本実施例では、指針Pを駆動する指針軸10を備えたロータ磁石11と、このロータ磁石11の周囲に巻線されるコイル16と、このコイルを保持するボビン15とでなる計器本体1と、この計器本体1に電気信号を供給する回路基板2とを備え、計器本体1には、指針軸10を軸心とした計器本体1の回動により回路基板2に係合する結合腕部 130と、コイル16と導通接続されると共に結合腕部130の近傍に位置しその接続端部 182(端部)が計器本体1の指針軸10を軸心とした回動により回路基板2と電気的に接続される端子18とを設け、一方、回路基板2には、計器本体1の結合腕部 130(係合部 132)及び端子18の端部(接続端部 182)に対応してこれらを貫通させる貫通部21と、この貫通部21に計器本体1の結合腕部 130(係合部 132)及び端子18の接続端部 182(端部)を貫通した状態で計器本体1を指針軸10を軸心として回動させることにより結合腕部 130(係合部 132)と当接する受部22及び端子18の接続端部 182(端部)と導通接続される接続部23を設けたことにより、専用の電気接続部品を用いることなく計器本体1と回路基板2とを電気接続することができ、部品点数を削減でき、しかも計器本体1を指針軸10を中心に回動するのみで計器本体1を回路基板2に対し着脱可能であるため、組付け性が良いと共にパーツ交換も容易となすことができる。
【0028】また、結合腕部 130と回路基板2との対向部となる結合腕部 130の係合部 132及び回路基板2の受部22に、計器本体1の回動方向における位置決めを行うと共に端子18と回路基板2の接続部23との位置を定める突起部 132aと孔部 220とでなる位置決め手段30を設けたことにより、回路基板2に対する計器本体1の保持状態及び電気接続状態を安定的に保持することができる。
【0029】また、端子18の係合部 132がバネ性を有した状態で回路基板2の接続部23と接触するよう構成したことにより接続信頼性を高めることができる。
【0030】なお、本発明においては、計器本体1の回路基板2への機械的固定部分となる結合腕部 130と、計器本体1の回路基板2への電気的接続部分となる端子18における接続端部 182とを別々に設けているが、このように機械的固定部分と電気的接続部分とを分けた構造は、本実施例のように、端子18をボビン15内に埋設する都合上、端子18が薄くする必要があり、端子18自体の強度に不安がある場合や、電気部材たる端子18に対し機械的な固定に係わるストレスを与えたくない場合に特に有利である。
【0031】また、本実施例では、接続端部 182が回路基板2の接続部23と接触した際には、接続端部 182が接続部23側にバネ性(押圧力)を有するよう、接続端部 182の第2の端子部 181からの折り曲げ角度を90度よりも少なく設定しているが、接続端部 182にバネ性を持たせる手段としては、例えば図3(a)に示すように、接続端部 182の接続部23と接触する部分を屈曲させ片持ち状に保持したり、あるいは図3(b)に示すように、接続端部 182に折り返し片を設け、この折り返し片を接続部23に接触させるようにしてもよい。
【0032】また、本実施例では、支持部材13,14のうち、支持部材13側に回路基板2が配置される場合を例に説明したが、支持部材14側に回路基板2が配置される場合にも本発明を適用できることはもちろんである。この場合、貫通部21は、結合腕部130や接続端部 182に対応してこれらを貫通可能な大きさで複数個設ければよい。
【0033】また、本実施例では、支持部材13が金属製の場合を例に説明したが、支持部材13を合成樹脂にて形成することもできる。この場合、結合腕部 130は型成型にて形成することができる。
【0034】また、本実施例では、計器本体1としてステッピングモータ式の計器本体1を例に説明したが、本発明を適用すべき計器本体1は、ステッピングモータ式の計器本体1に限定されるものではなく、例えば交差コイル式の計器本体1に適用することができ、この場合、ボビンを覆う磁気シールドケースに、前記本実施例のごとき結合腕部を設け、またボビンに固定される端子を前記実施例のごとく形成すればよい。
【0035】また、本実施例では、端子18の接続端部182が回路基板2を貫通する例を示したが、他の実施例として図4に示すように、接続端部182を支持部材13の板面に沿って折り曲げると共にこれに対応した回路基板の背面位置に接続部23を設け、支持部材13と回路基板2との対向部分で電気接続してもよい。この際、支持部材13は絶縁を考慮して合成樹脂にて形成することが望ましく。なお、図4中、符号133は支持部材13と回路基板との間隔を調整する膨出部である。このように支持部材13と回路基板2との対向部分で電気接続を行うことにより、接続端部 182と接続部23とが結合腕部 130を介して回路基板2と支持部材13との間で圧着され、電気的接続の確実性,信頼性を高めることができる。
【0036】
【発明の効果】以上本発明によれば、指針を駆動する指針軸にロータ磁石を固定し、このロータ磁石の周囲にコイルを巻線してなるボビンを設けた計器本体と、この計器本体に電気信号を供給する回路基板とを備え、前記計器本体には、前記指針軸を軸心とした前記計器本体の回動によりその端部が前記回路基板に係合する結合腕部と、前記コイルと導通接続されると共にその端部が前記計器本体の指針軸を軸心とした回動により前記回路基板と電気的に接続される端子とを設けたことにより、専用の電気接続部品を用いることなく計器本体と回路基板とを電気接続でき、且つ計器本体の回路基板に対する着脱も容易な電気式計器を提供することができる。
【0037】また本発明は、前記結合腕部と前記回路基板との対向部に、前記計器本体の回動方向における位置決めを行うと共に前記端子と前記回路基板との接続位置を定める位置決め手段を設けたことにより、回路基板に対する計器本体の保持状態及び電気接続状態を安定的なものとすることができる。
【0038】また本発明は、前記端子がバネ性を有した状態で前記回路基板と電気接続されることにより、接続信頼性を高めることができる。
【出願人】 【識別番号】000231512
【氏名又は名称】日本精機株式会社
【出願日】 平成9年(1997)11月28日
【代理人】
【公開番号】 特開平11−160359
【公開日】 平成11年(1999)6月18日
【出願番号】 特願平9−327440