| 【発明の名称】 |
コンタクトプローブ |
| 【発明者】 |
【氏名】加藤 直樹
【氏名】佐々木 勇人
【氏名】吉田 秀昭
【氏名】石井 利昇
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| 【要約】 |
【課題】コンタクトピンの通電用接触部に端子の金属が付着してショートするのを防ぐ。
【解決手段】コンタクトプローブ30のコンタクトピン10は、Ni−Mn合金からなる内部層11の先端部10aを露出させて、その他の表面をAuの第一被覆層12で被覆する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数のパターン配線がフィルム上に形成され、これらのパターン配線の各先端が前記フィルムから突出してコンタクトピンとされるコンタクトプローブにおいて、前記コンタクトピンの針先は、Ni基合金からなる内部層が、通電用接触部を除いて導電性金属で被覆されていることを特徴とするコンタクトプローブ。 【請求項2】 複数のパターン配線がフィルム上に形成され、これらのパターン配線の各先端が前記フィルムから突出してコンタクトピンとされるコンタクトプローブにおいて、前記コンタクトピンの針先は、Ni基合金からなる内部層が白金族の金属で被覆されていることを特徴とするコンタクトプローブ。 【請求項3】 前記白金族の金属の表面は、通電用接触部を除いて導電性金属で被覆されていることを特徴とする請求項2記載のコンタクトプローブ。 【請求項4】 複数のパターン配線がフィルム上に形成され、これらのパターン配線の各先端が前記フィルムから突出してコンタクトピンとされるコンタクトプローブにおいて、前記コンタクトピンの針先は、Ni基合金からなる内部層のうち、通電用接触部が白金族の金属で被覆され、その他の部分は導電性金属で被覆されていることを特徴とするコンタクトプローブ。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、プローブカード等に組み込まれて、半導体ICチップや液晶デバイス等の各端子に接触して電気的なテストを行うコンタクトプローブに関する。 【0002】 【従来の技術】一般に、ICチップやLSIチップ等の半導体チップ、またはLCD(液晶表示体)の各端子に接触させて電気的なテストを行うために、コンタクトピンが備えられたコンタクトプローブが用いられる。例えば、図5及び図6に示すコンタクトプローブ30では、Cu等の金属層からなるグラウンド31上にポリイミド樹脂等からなるフィルム層32が積層され、このフィルム層32上に接着剤からなる接着剤層33を介してNi基合金等からなるパターン配線34が配列固定されている。このパターン配線34の先端部は狭ピッチで配列されてフィルム層32の先端部から突出しており、それぞれコンタクトピン3を構成する。このコンタクトピン3の針先に半導体ICチップや液晶デバイス等の端子が接触させられることになる。 【0003】このようなコンタクトプローブ30は図7及び図8に示すようにメカニカルピースに組み込まれてプローブカード(プローブ装置)36とされ、コンタクトピン3に半導体ICチップ等の端子が接触させられることになる。即ち、図7及び図8に示すプローブカード36において、中央窓部37aを有するプリント基板37の上に、例えばトップクランプ38を取り付ける。またトップクランプ38の下部にベースクランプ39をボルト40等で固定し、コンタクトプローブ30の先端側部分を両面テープ等でベースクランプ39の下面に取り付ける。そして略額縁形状のボトムクランプ41でコンタクトプローブ30の基部を押さえつけることにより、コンタクトプローブ30の先端側部分を傾斜状態に保持し、基部はボトムクランプ41の押さえゴム42でプリント基板37の下面に押しつけられる。これによって、コンタクトプローブ30のパターン配線34の後端部が窓部44を通してプリント基板37の下面の端子に押しつけられて接触状態に保持されることになる。このような状態で、半導体ICチップ1等の被検査物の端子2がコンタクトピン3に接触させられて電気的なテストが行われることになる。 【0004】ところで、例えば、図9に示すように、半導体ICチップ1の端子2として、金AuやハンダPb−Sn等の金属が用いられているものがある。これに対して、コンタクトプローブ30のコンタクトピン3は、テスト用通電時の高周波信号の劣化を防ぐ必要があり、導電率の良い材質を採用する必要がある。コンタクトピン3の材質として通常用いられるNi−Mn合金等は、硬度は高いが電気抵抗が大きいために、通電時に伝送信号が劣化してノイズを生じやすく、好ましくない。そのため、図9に示すように、コンタクトピン3はNi−Mn合金を用いて内部層4を形成し、その表面をAuを用いて被覆して被覆層5が形成されている。そして、テスト時にコンタクトピン3を端子2に接触させると、端子2とコンタクトピン3間では導電率の良い被覆層5を通して、信号の伝送がなされることになる。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】ところで、このようなコンタクトピン3を用いて、半導体ICチップ1等の電気的テストが繰り返して行われると、コンタクトピン3の先端に端子2のAuが付着して(これを付着部6という)徐々に成長するという現象が起こる。そのため、隣接する複数のコンタクトピン3,3で、各コンタクトピン3の先端に付着して成長した付着部6,6が、図10に示すように、互いに接触してショートするという問題を引き起こす。また、端子2の金属として、金以外にハンダ等の柔らかい金属を用いた場合にも同様な問題を引き起こすことになる。 【0006】本発明は、このような実情に鑑みて、コンタクトピンの通電用接触部に端子の金属が付着したりせずに、劣化を防いで信号の伝送を行えるようにしたコンタクトプローブを提供することを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】上述の課題に鑑みて、本発明者らが鋭意研究した結果、Au等のように非常に柔らかく、塑性変形しやすく、かつ化学的に非常に安定であるために表面皮膜が形成されにくいという性質を持った金属は、同一の金属間で相互接触すると、低接触力でもAu等の金属の表面に塑性変形によって新しい面が現れ、この新しい面で接触が行われるために粘着現象が発生することを見いだした。そのため、Au−Au等、同一の導電性の良い金属同士等の接触面では、通電状態だけでなく、通電しない場合でも一方に他方の金属が付着し易いという現象が見られる。本発明はこのような知見に基づくものである。 【0008】本発明に係るコンタクトプローブは、複数のパターン配線がフィルム上に形成され、これらのパターン配線の各先端がフィルムから突出してコンタクトピンとされるコンタクトプローブにおいて、コンタクトピンの針先は、Ni基合金からなる内部層が、通電用接触部を除いて導電性金属で被覆されていることを特徴とするものである。半導体ICチップなどの被検査物の端子にコンタクトピンの通電用接触部を接触させると、通電用接触部はNi基合金が露出しているために異種金属の接触となり、しかもNi基合金は硬度が高いために端子の金属が付着するのを防止できる。しかもコンタクトピンは、通電用接触部以外の部分がAu等の導電性金属で被覆されているから導電性が良く、しかも表皮効果を利用できるために信号が劣化することなく伝送され、高周波対応も可能である。尚、ここで導電性金属とは、導電性の良い、柔らかく、塑性変形しやすい性質を持った金属をいい、例えばAu、Ag、Cu等が含まれる。 【0009】また本発明に係るコンタクトプローブは、複数のパターン配線がフィルム上に形成され、これらのパターン配線の各先端がフィルムから突出してコンタクトピンとされるコンタクトプローブにおいて、コンタクトピンの針先は、Ni基合金からなる内部層が白金族の金属で被覆されていることを特徴とする。通電用接触部でNi基合金が露出しないから、この部分の酸化による接触不良が起こらず、しかも白金族の金属は端子と異種金属で硬度が高いので粘着現象を生じない。また、白金族の金属の表面は、通電用接触部を除いて導電性金属で被覆されていてもよい。硬度の高い白金族の金属からなる通電用接触部で端子と接触することで、通電用接触部に粘着現象が生じず、コンタクトピンの内部では、表皮効果でAu等の導電性金属の被覆層を信号が伝送されることになる。 【0010】また本発明に係るコンタクトプローブは、複数のパターン配線がフィルム上に形成され、これらのパターン配線の各先端がフィルムから突出してコンタクトピンとされるコンタクトプローブにおいて、コンタクトピンの針先は、Ni基合金からなる内部層のうち、通電用接触部が白金族の金属で被覆され、その他の部分はAu等の導電性金属で被覆されていることを特徴とする。硬度の高い白金族の金属からなる通電用接触部で端子と接触することで、通電用接触部に粘着現象が生じず、コンタクトピンの内部では、表皮効果でAu等の導電性金属の被覆層を信号が伝送されることになる。 【0011】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付図面により説明するが、上述の従来技術と同一の部分には同一の符号を用いてその説明を省略する。図1は第一の実施の形態によるコンタクトピンの針先の縦断面とICチップとを示す概略説明図である。図1において、半導体ICチップ1の端子2は少なくとも表面がAuで構成されている。また、図1で端子2は、1つを除いて省略されている。図1に示す実施の形態によるコンタクトピンが装着されるコンタクトプローブはコンタクトピンの部分を除いて上述の従来技術で開示したコンタクトプローブ30と同一構成である。図1に示すコンタクトピン10において、内部層11は、高い硬度と塑性変形しにくい特性を要求されるために、Ni基合金が用いられる。Ni基合金として、実施の形態では例えばMnを0.05〜1.5wt%含有したNi−Mn合金が用いられる。ここで、Mn量が0.05wt%未満では、Hv350以上の硬度が得られず高温加熱によって硬度が極端に低下するおそれがある。また、1.5wt%を超えると先端部の応力が増大してしまい湾曲するおそれがあるとともに非常に脆く靱性が低下してしまうことになる。尚、Ni基合金として、Ni−Co合金などを用いてもよい。 【0012】そして、コンタクトピン10の針先において、内部層11の先端部は外部に露出している(端子2との)通電用接触部であり、これをコンタクトピン10の先端部10aとする。そして、先端部10aを除いた内部層11の表面は、導電性の高いAuで被覆されて第一被覆層12とされる。ここで、内部層11の先端部10a以外の部分をAuで被覆したのは、Ni−Mn合金は電気抵抗が大きいために信号の伝送線路としては損失が大きく、信号が劣化してノイズが発生するためである。他方、高周波信号は一般にコンタクトピン10の表面を流れる特性を有する(表皮効果という)ために、コンタクトピン10の表面を導電性の良いAuで被覆することで、信号の劣化を防止できるためである。 【0013】次に上述した実施の形態によるコンタクトピン10の製造方法について説明する。コンタクトピン10を製造する工程は、例えば特公平7−82027号公報に開示されたものと同様である。即ち、ステンレス製の支持基板の上にCuめっきによりベースメタル層を形成する。このベースメタル層の上にフォトレジスト層を形成した後、フォトレジスト層に所定のパターンのマスクを施して露光し、フォトレジスト層を現像してコンタクトピンとなる部分を除去して、残存するフォトレジスト層に開口部を形成する。そして、この開口部にコンタクトピン10となるNi基合金層として、Ni−Mn合金をめっき処理により形成する。ここで、コンタクトピン10の先端部10aのみNi−Mn合金の内部層11を露出してAuの第一被覆層12で被覆する方法として、製作されたコンタクトピン10の内部層11の先端部10aを予めマスキングしてAuめっきする手法を用いる。或いは、コンタクトピン10の内部層11全体をAuめっきで被覆しておいて、先端部10aのみAuを剥離させる手法を用いてもよく、いずれを用いても良い。 【0014】上述のように本実施の形態によれば、コンタクトピン10を備えたコンタクトプローブを上述の図7及び8に示すプローブカード36等に装着して、コンタクトピン10の針先を半導体ICチップ1の端子2に接触させた場合、端子2の材質がAuであるのに対して、これに押圧されて接触するコンタクトピン10の先端部10aが、硬度の高い異種金属であるNi−Mn合金からなるために、先端部10aに端子2のAuが付着することがなく、粘着現象を生じることはない。しかも、端子2から先端部10aに伝送された高周波信号は、コンタクトピン10の表面であるAuで構成される第一被覆層12を流れるために、信号の劣化によるノイズの発生を最小限に抑えることができる。 【0015】尚、上述の第一の実施の形態によれば上述の作用効果を奏するが、コンタクトピン10の先端部10aにNi−Mn合金の内部層11が露出していることで、Ni−Mn合金が酸化し、そのために結果的に接触時の電気抵抗が増大し、接触不良が発生することがある。次に説明する本発明の第二の実施は、このような問題を改善したものであり、これを図2により説明する。図2に示すコンタクトピン14は、Ni−Mn合金からなる内部層11を、先端部14aを含めて全体に白金族元素の金属、例えば白金Ptで被覆して第二被覆層15が形成されている。ここで、白金Ptは、導電性はAuより劣るが、硬度が高く酸化しにくいので、端子2のAuが付着する粘着現象を確実に防ぐことができる。尚、第二被覆層15に用いる白金族元素の金属として、白金Pt以外に、Ru、Ph、Pd、Os、Ir等を採用することができる。 【0016】次に第二の実施の形態の変形例を図3により説明する。図3において、コンタクトピン16は、Ni−Mn合金からなる内部層11を、先端部16aを含めて全体に白金族の金属、例えば白金Ptで被覆して第二被覆層15が形成されている点で、第二の実施の形態によるコンタクトピン14と等しい。本変形例では、更に第二被覆層15の表面に、端子2との通電用接触部である先端部16aを除いた部分に導電性金属としてAuが被覆されて第三被覆層18が形成されている。この構成によれば、第二の実施の形態の効果に加えて、第二被覆層15の導電性がAuより劣っていても、端子2から先端部16aに伝送された信号は表皮効果によって導電性のよいAuからなる第三被覆層18を伝送されるから、信号の劣化によるノイズの発生を確実に防止できるという作用効果を奏する。 【0017】次に本発明の第三の実施の形態を図4により説明する。図4において、コンタクトピン20は、Ni−Mn合金からなる内部層11が、先端部11aを除いてAuからなる第四被覆層22で被覆されている。しかもコンタクトピン20の先端部20aでは、内部層11の先端11aが白金族の金属、例えば白金Ptで被覆されて第五被覆層24が形成されている。本実施の形態によれば、コンタクトピン20の先端部20aが白金Ptの第五被覆層24で被覆されているから、端子2のAuが粘着現象でコンタクトピン20の先端部20aに付着することはなく、しかも先端部20aを除いては内部層11の表面がAuの第四被覆層22で覆われているから、信号の劣化を確実に防止できる。 【0018】尚、Ni−Mn合金からなる内部層11を被覆する第一被覆層12,第三被覆層18,第四被覆層22を、Auに代えてAg、Cu等のいずれかの材質で構成しても良い。また、端子2の材質についても、Auに代えてはんだ(Pb−Sn)を用いてもよい【0019】 【発明の効果】上述のように、本発明に係るコンタクトプローブでは、コンタクトピンの針先は、Ni基合金からなる内部層が通電用接触部を除いて導電性金属で被覆されているから、半導体ICチップなどの被検査物の金やはんだ等の端子にコンタクトピンの通電用接触部を接触させると、通電用接触部では異種金属の接触となり、しかもNi基合金は硬度が高いために端子の金属が付着する粘着現象を防止できる。しかもコンタクトピンは、通電用接触部以外の部分がAu等の導電性金属で被覆されているから導電性が良く、しかも表皮効果を利用できるために信号が劣化することなく伝送され、高周波対応も可能である。 【0020】また本発明に係るコンタクトプローブでは、コンタクトピンの針先は、Ni基合金からなる内部層が白金族元素の金属で被覆されているから、通電用接触部の酸化による接触不良が起こらず、しかも白金族の金属は金やはんだ等の端子と異種金属で硬度が高いので粘着現象が生じない。また、白金族の金属の表面は、通電用接触部を除いて導電性金属で被覆されていてもよく、通電用接触部に粘着現象が生じない上に、表皮効果によって信号が劣化することなく伝送されるという効果を奏する。 【0021】また本発明に係るコンタクトプローブでは、コンタクトピンの針先が、Ni基合金からなる内部層のうち、通電用接触部が白金族元素の金属で被覆され、その他の部分はAu等の導電性金属で被覆されているから、通電用接触部に粘着現象が生じず、表皮効果によって信号が劣化することなく伝送される。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006264 【氏名又は名称】三菱マテリアル株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)11月28日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】志賀 正武 (外11名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−160355 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)6月18日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−329245 |
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