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【発明の名称】 プローブ
【発明者】 【氏名】福岡 正二

【要約】 【課題】被験体の形状のいかんを問わず、探針を被験体の被計測領域に接触させた状態を持続し易いようにしたプローブを提供する。

【解決手段】本プローブは、被験体の電気的データを計測する際、導電体からなる探針を被験体の被計測領域に接触させ、探針と接続したリード線を介して被験体の被計測領域を計測装置に電気的に導通させるプローブである。更に、本プローブは、探針24に沿って探針から突出、後退自在なテストクリップ28を備えている。テストクリップは、リード線に接続された導電体から形成され、被験体を引っかける釣り針状の先端部32を有し、かつ、テストクリップに連結した連結棒体の基部に設けられたボタン34を押圧してテストクリップを突出させ、バネ力40により後退させるバネ付勢型押し出し駆動手段を備えている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 被験体の電気的データを計測する際、導電体からなる探針を被験体の被計測領域に接触させ、探針と接続したリード線を介して被験体の被計測領域を計測装置に電気的に導通させるプローブにおいて、リード線に接続する導電体で形成された釣り針状の先端部を有し、駆動手段により駆動されて、釣り針の尖端を探針に向け、探針の側縁に沿って突出、後退自在なテストクリップを探針の側縁に沿って備えていることを特徴とするプローブ。
【請求項2】 テストクリップの駆動手段が、テストクリップに連結した連結棒体の基部に設けられたボタンを押圧してテストクリップを突出させ、バネ力により後退させるバネ付勢型押し出し駆動手段、又はテストクリップに連結した連結棒体の基部をノックしてテストクリップを突出、後退させるノック式駆動手段であることを特徴とする請求項1に記載のプローブ。
【請求項3】 計測装置が、テスタ、又はオシロスコープであることを特徴とする請求項1又は2に記載のプローブ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被験体の電気的データを計測する際、導電体からなる探針を被験体の被計測領域に接触させ、探針と接続したリード線を介して被験体の被計測領域を計測装置に電気的に導通させるプローブに関し、更に詳細には、被験体の被計測領域の形状のいかんを問わず、探針を被験体の被計測領域に接触させた状態を持続し易いようにした、テスタ、オシロスコープ等の計測装置に設けるのに最適なプローブに関するものである。
【0002】
【従来の技術】電気・電子機器等の被験体の電圧、電流、抵抗等の電気的データを計測する際には、通常、プローブの探針を被験体の被計測領域に接触させ、探針と接続したリード線を介して被験体の被計測領域をテスタ等の計測装置に電気的に導通させて、計測している。ここで、図3を参照して、従来のプローブの構成を説明する。図3は、従来のプローブの構成を示す模式的な部分断面側面図である。従来のプローブ10は、図3に示すように、基本的には、銅、アルミニウム、クロム等の金属からなる先端の固定型探針12と、一方の端部で探針12の基部に接続し、他方の端部にプラグ(図示せず)を備え、テスタ、オシロスコープ等の計測装置のプラグ孔に差し込んで接続するようにしたリード線14と、探針12を固定し、手で保持するように形成された細い円管状の絶縁体からなる保持体16とから構成されている。プローブ10を使って被験体の電気的データを計測するには、プローブ10の探針12を被験体の被計測領域、例えば露出した金属端子又は露出した配線に接触させている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した従来のプローブは、探針が単に棒状体で形成されているために、被験体の形状によっては、被験体の被計測領域に探針を接触させた状態を持続することが難しい場合が多い。例えば、図4(a)に示すように、被験体の被計測領域が凹部状に形成されている場合には、探針を凹部に押し当てることにより、探針を被験体の被計測領域に接触させた状態を容易に持続できる。しかし、被験体の被計測領域が、図4(b)に示すように、ICの露出したピン等又は配線である場合には、探針の先端が尖状又は半球形等の曲面であるために、被験体の被計測領域に探針を接触させた状態を持続することは難しく、従って、被験体の正しい電気的データを得ることが難しかった。そこで、接触し易い形状の探針に交換したり、或いは適当な試験治具を使って被験体の被計測領域を保持して、それに探針を接触させたりして、計測しているものの、探針を交換したり、試験治具を使用したりするので、計測作業が煩雑になり、計測作業の作業性が悪かった。
【0004】そこで、本発明の目的は、被験体の形状のいかんを問わず、被験体の被計測領域に探針を接触させた状態を持続し易いようにしたプローブを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、探針に加えてテストクリップを設けることを着想し、試行錯誤して本発明を完成するに到った。上記目的を達成するために、本発明に係るプローブは、被験体の電気的データを計測する際、導電体からなる探針を被験体の被計測領域に接触させ、探針と接続したリード線を介して被験体の被計測領域を計測装置に電気的に導通させるプローブにおいて、リード線に接続する導電体で形成された釣り針状の先端部を有し、駆動手段により駆動されて、釣り針の尖端を探針に向け、探針の側縁に沿って突出、後退自在なテストクリップを探針の側縁に沿って備えていることを特徴としている。
【0006】被験体の被計測領域が、従来のプローブでは正確に計測することが難しい、例えばICのピン等である場合には、テストクリップの釣り針状先端部を探針の先端から突出させて、その釣り針状先端部でピンを引っかけ、接触状態を維持することができる。また、テストクリップの釣り針状先端部でピンを引っかけ、かつ釣り針状先端部の反対側からピンに探針の先端を当接させ、ピンを挟んだ状態でテストクリップとピンとの接触を維持することもできる。一方、被験体の被計測領域が凹部を有する場合には、従来と同様に、探針の先端を凹部状の被計測領域に接触させることができる。以上のように、本発明に係るプローブでは、被験体の被計測領域の形状に合わせて、テストクリップ又は探針を使い分けすることができるので、被験体の被計測領域を触針する際の態様がそれだけ多様になって、被験体の被計測領域の形状にかかわらず、プローブを介して計測装置により被験体の電気的データを正確に得ることができる。
【0007】また、テストクリップを突出、後退させる手段について制約はないが、例えばテストクリップの駆動手段は、テストクリップに連結した連結棒体の基部に設けられたボタンを押圧してテストクリップを突出させ、バネ力により後退させるバネ付勢型押し出し駆動手段、又はテストクリップに連結した連結棒体の基部をノックしてテストクリップを突出、後退させるノック式駆動手段である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に、実施形態例を挙げ、添付図面を参照して、本発明の実施の形態を具体的かつ詳細に説明する。
実施形態例本実施形態例は、本発明に係るプローブの実施形態の一つ例であって、図1は本実施形態例のプローブの構成を示す断面側面図である。本実施形態例のプローブ20は、図1に示すように、金属からなる先端の固定型探針22と、一方の端部で探針22の基部に接続し、他方の端部にプラグ(図示せず)を備え、テスタ、オシロスコープ等の計測装置のプラグ孔に差し込んで接続するようにしたリード線24と、探針22を固定し、手で保持するように形成された、細い円管状の絶縁体からなる保持体26とを備えている。
【0009】更に、プローブ20は、棒状体として形成され、探針22に沿って突出、後退自在なテストクリップ28を備えている。テストクリップ28は、尖端30を探針22に向けた釣り針状の先端部32(テストクリップが突出した状態を示す図2を参照する)を一方の端部に有し、保持体26内に延在して、保持体26の他方の端部から突出し、突出したテストクリップ28の他方の端部に押しボタン34を有する。テストクリップ28は、更に、テストクリップ28の他方の端部近傍であって、保持体26内にバネ押さえ板36を備え、保持体26の内部に固定され、テストクリップ28を貫通させる環状板38との間にバネ40を備えている。また、テストクリップ28は、リード線24の分岐線42に接続されていて、接続点44から押しボタン34までの棒状体は絶縁体で形成されているか、又は接続点44から貫通板38までの棒状体の一部が絶縁体で形成されていて、テストクリップ28の先端部32以外の部分をリード線24から電気的に絶縁している。
【0010】プローブ20を使用する際、被験体の被計測領域が図4(a)に示すように凹部を有する端子の場合には、従来と同様に、探針22の先端を端子の凹部に接触させ、接触させた状態をそのまま維持する。被験体の被計測領域が、図4(b)に示すように、ICのピン等の線状体である場合には、バネ40のバネ力に抗して押しボタン34を押圧し、図2(a)に示すように、テストクリップ28の釣り針状の先端部32を探針22から突出させ、図2(b)に示すように、先端部32でピンPを引っかけてテストクリップ28と接触を保持し、リード線42、24を介してピンPと計測装置(図示せず)との導通を維持する。また、別法として、図2(b)に示すように、先端部32でピンPを引っかけてテストクリップ28と接触を保持し、次いで、押しボタン34の押圧を解除すると、テストクリップ28の釣り針状の先端部32は、探針22に向かって後退する、実際には、探針22が釣り針状の先端部32に向かって前進して、図2(c)に示すように、ピンPを釣り針状の先端部32と探針22との間に保持する。以上のようにして、計測に必要な時間だけ、ピンPとテストクリップ28との接触を確実に維持することができる。
【0011】
【発明の効果】本発明によれば、被験体の電気的データを計測する際、導電体からなる探針を被験体の被計測領域に接触させ、探針と接続したリード線を介して被験体の被計測領域を計測装置に電気的に導通させるプローブに、リード線に接続した導電体からなる釣り針状の先端部を有し、釣り針の尖端を探針に向けて探針に沿って突出、後退自在なテストクリップを探針に沿って設けている。本発明に係るプローブを使用する際、被験体の被計測領域が凹部を有する金属端子等である場合には、従来と同様に探針の先端を被験体の被計測領域に接触させ、また、被験体の被計測領域がICのピン等の線状体である場合には、テストクリップを探針の先端から突出させて、テストクリップの先端で被験体を引っかけ、又は、テストクリップの先端と探針とで被験体を挟み、テストクリップと被験体との接触を確実に維持することができるので、接触不良等による電圧、電流、抵抗等の電気的データの測定誤りを防止することができる。
【出願人】 【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニー株式会社
【出願日】 平成9年(1997)11月25日
【代理人】
【公開番号】 特開平11−160354
【公開日】 平成11年(1999)6月18日
【出願番号】 特願平9−323074