| 【発明の名称】 |
二次電池の充電特性測定方法及び装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】嶺 貴宏
|
| 【要約】 |
【課題】多数の二次電池の充電特性を順次測定して、測定時に特性に異常のあるものを摘出し、また異常のないものについては測定結果を演算して、その平均値を出力することができる二次電池の充電特性測定装置を提供する。
【解決手段】複数の二次電池1a〜1dを充電する手段と、二次電池の電流と電圧を検出する手段7a、8aと、二次電池の充電特性の基準データをストアする手段(メモリ11b)と、二次電池の電流と電圧を検出する手段から得られた測定データと前記基準データを比較する手段(CPU11a)とを具備した二次電池の充電特性測定装置において、基準データの演算に際して、標準偏差の推定量から上限値と下限値を求め合否の判定をより的確にした。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数の二次電池を充電する手段と、前記二次電池の個々の電圧または電流を検出する手段と、前記二次電池の充電特性の基準データをストアする手段と、前記二次電池の個々の電圧または電流を検出する手段から得られた測定データと前記基準データを比較する手段とを具備した二次電池の充電特性測定装置において、前記電圧または電流を検出する手段から得られた所定のサンプル数の測定データから平均値を算出する手段と、前記測定データと前記平均値から標準偏差の推定量を算出する手段と、前記標準偏差の推定量から基準データの上限値と下限値を算出する手段とを具備したことを特徴とする二次電池の充電特性測定装置。 【請求項2】 前記比較する手段の比較結果に基づいて、前記測定データに異常のある二次電池を前記充電手段から切り離す手段を具備することを特徴とする請求項1に記載の二次電池の充電特性測定装置。 【請求項3】 測定データに異常のない二次電池の電圧変化または電流変化のデータを取得する手段と、前記データ取得手段から得たデータをストアする手段とを含むことを特徴とする請求項1に記載の二次電池の充電特性測定装置。 【請求項4】 前記複数の二次電池の個々の電流と電圧のデータの内少なくとも一方のデータを入力するマルチプレクサと、前記マルチプレクサの出力を前記二次電池毎に分別する手段と、前記分別手段によって分別したマルチプレクサの出力をストアする手段と、前記マルチプレクサの出力を一定の周期で前記二次電池毎に切り替える手段を具備したことを特徴とする請求項1ないし請求項3いずれか1項に記載の二次電池の充電特性測定装置。 【請求項5】 複数の二次電池を充電するステップと、前記二次電池の個々の電圧または電流を検出するステップと、前記二次電池の充電特性の基準データをストアするステップと、前記二次電池の個々の電圧または電流を検出するステップで得られた測定データと前記基準データを比較するステップを含む二次電池の充電特性測定方法において、前記電圧または電流を検出するステップで得られた所定のサンプル数の測定データから平均値を算出するステップと、前記測定データと前記平均値から標準偏差の推定量を算出するステップと、前記標準偏差の推定量から基準データの上限値と下限値を算出するステップとを具備したことを特徴とする二次電池の充電特性測定方法。 【請求項6】 前記比較するステップの比較結果に基づいて、前記測定データに異常のある二次電池を充電手段から切り離すステップを含む請求項5に記載の二次電池の充電特性測定方法。 【請求項7】 前記測定データに異常のない二次電池の電圧変化または電流変化のデータを取得するステップと、前記データ取得するステップで得たデータをストアするステップとを含むことを特徴とする請求項5または請求項6に記載の二次電池の充電特性測定方法。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、量産した二次電池の充電特性測定方法及び装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、量産した二次電池の平均充電特性を得るために、個々の二次電池の充電特性をプリントアウトしたシートを複数枚蓄積し、このシート上の特性曲線を平均化していた。二次電池の充電特性は図7に示すように、充電を開始してから終了するまでの二次電池の端子電圧Vtと充電電流itの変化曲線であり、充電電流itの積分値が二次電池の容量である。 【0003】しかし、この方法では人手による計算を伴うため、信頼性が悪い。計算の工数が非常にかかるので、実際の生産ラインにおける全てのチャンネルをカバーできない。また、情報を直接コンピュータで扱えないといった問題があった。また、充電試験において、不良品の摘出をすべく監視を行なう際は、監視用のパラメーター(合否の上限、下限)を充電装置に設定していた。しかし、その場合には、パラメーターの設定方法が複雑であり、妥当なパラメーターを決めるのに時間がかかる欠点があった。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明が解決しようとする課題は、量産した多数の二次電池の充電特性を順次測定して、測定時に特性に異常のあるものを摘出し、また異常のないものについては測定結果を基準データとして演算して、演算に際して標準偏差の推定量から上限値と下限値を算出することができる二次電池の充電特性測定方法及び装置において、電池特性の合否を決定する特性の上限値と下限値を求め合否の判定をより的確にした二次電池の充電特性測定方法及び装置を提供することである。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載の二次電池の充電特性測定装置は、複数の二次電池を充電する手段(充電用電源)と、前記二次電池の個々の電流と電圧を検出する手段(電流検出器、電圧検出器)と、前記二次電池の充電特性の基準データをストアする手段(マイクロプロセッサ)と、前記二次電池の個々の電流と電圧を検出する手段から得られた測定データと前記基準データを比較する手段(マイクロプロセッサ)とを具備した二次電池の充電特性測定装置において、前記電圧又は電流を検出する手段から得られた所定のサンプル数の測定データから平均値を算出する手段と、前記測定データと前記平均値から算出された標準偏差の推定量から基準データの上限値と下限値を算出する手段とを具備した構成とした。 【0006】本発明の請求項2に記載の二次電池の充電特性測定装置は、前記比較する手段の比較結果に基づいて、前記測定データに異常のある二次電池を前記充電手段から切り離す手段を具備することを特徴とする請求項1に記載の二次電池の充電特性測定装置の構成とした。 【0007】本発明の請求項3に記載の二次電池の充電特性測定装置は、測定データに異常のない二次電池の電圧変化または電流変化のデータを取得する手段と、前記データ取得手段から得たデータをストアする手段とを含むことを特徴とする請求項1に記載の二次電池の充電特性測定装置の構成とした。 【0008】本発明の請求項4に記載の二次電池の充電特性測定装置は、前記複数の二次電池の個々の電流と電圧のデータの内少なくとも一方のデータを入力するマルチプレクサと、前記マルチプレクサの出力を前記二次電池毎に分別する手段と、前記分別手段によって分別したマルチプレクサの出力をストアする手段と、前記マルチプレクサの出力を一定の周期で前記二次電池毎に切り替える手段を具備したことを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3に記載の二次電池の充電特性測定装置の構成とした。 【0009】本発明の請求項5に記載の二次電池の充電特性測定方法は、複数の二次電池を充電するステップと、前記二次電池の個々の電圧または電流を検出するステップと、前記二次電池の充電特性の基準データをストアするステップと、前記二次電池の個々の電圧または電流を検出するステップで得られた測定データと前記基準データを比較するステップを含む二次電池の充電特性測定方法において、前記電圧または電流を検出するステップで得られた所定のサンプル数の測定データから平均値を算出するステップと、前記測定データと前記平均値から標準偏差の推定量を算出するステップと、前記標準偏差の推定量から基準データの上限値と下限値を算出するステップとを具備したことを特徴とする二次電池の充電特性測定方法とした。 【0010】本発明の請求項6に記載の二次電池の充電特性測定方法は、前記比較するステップの比較結果に基づいて、測定データに異常のある二次電池を充電手段から切り離すステップを含む請求項5に記載の二次電池の充電特性測定方法とした。 【0011】本発明の請求項7に記載の二次電池の充電特性測定方法は、前記測定データに異常のない二次電池の電圧変化または電流変化のデータを取得するステップと、前記データ取得するステップで得たデータをストアするステップとを含むことを特徴とする請求項5または請求項6に記載の二次電池の充電特性測定方法とした。 【0012】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の二次電池の充電特性測定装置のシステムブロック図であり、まず被試験品の二次電池1a〜1dは保持機構2に保持されて、プローブ3a,3bから電源が供給されるごとくなされている。充電のための電源は充電用電源4であり、電流制御回路5a,5bを介して保持機構2のプローブ3a,3bに接続されている。 【0013】そして電流制御回路5aとプローブ3a間の電路6aには電流検出器7aと電圧検出器8aが接続されており、二次電池1aに流れる充電電流と充電につれて上昇する二次電池1aの充電電圧を検出するごとくなされている。これと隣接して保持機構2に保持されている二次電池1bも電路6bに電流検出器7bと電圧検出器8bが接続されており、二次電池1bに流れる充電電流と充電につれて上昇する二次電池1bの充電電圧を検出するごとくなされている。 【0014】ここでは図示していないが、被試験品の二次電池は256個あり、それらを保持機構2に保持し、二次電池それぞれに設けた電流制御回路を介して充電用電源4から充電電力を供給し、各電路にはそれぞれ電流検出器と電圧検出器が接続されている。そして電流検出器7a,7b、電圧検出器8a,8bの出力端子はマルチプレクサ9に接続され、その出力はA/D変換器10に入力される。 【0015】マルチプレクサ9は出力端子の数を減らして、装置の制御を容易にする回路であり、ここでは256個の二次電池のデータを分別し、その内の一つを選択することができるようになされている。データの選択は測定プログラムに沿って、マイクロプロセッサ11の制御線9aから選択コマンドが発せられる。そして、選択されたデータは、A/D変換器10でデジタル化され、CPU11a、メモリ11bを内装したマイクロプロセッサ11に伝送され、データを蓄積しうるようになされている。 【0016】マイクロプロセッサ11は電流制御回路5a,5bに接続されており、測定中の二次電池の充電特性に異常が検知されると、電流制御回路5a,5bを遮断し、その二次電池の充電を中止する。さらにマイクロプロセッサ11はインターフェース(I/F)12を介してホストコンピュータ13に接続されている。ここでは接続手段をLANケーブル14とし、ネットワークコントローラ15を介してホストコンピュータ13に接続する。 【0017】そしてホストコンピュータ13にはマイクロプロセッサ13a、測定データを表示するためのディスプレイ13bを備え、マイクロプロセッサ13aに二次電池の充電特性測定装置16を制御するためのコマンドを含む操作プログラムが搭載され、充電開始、電圧読み出し、電流読みだし、等のコマンドを二次電池の充電特性測定装置16に送り操作する。 【0018】また、ホストコンピュータ13は二次電池の充電特性測定装置以外の情報処理機器(例えば搬送システムのホストコンピュータ等)と通信することにより、生産システムと同期した動作を行なわせることができる。ディスプレイ13bには読み出しした充電電圧値、電流値を表示させ、また異常のため測定中止となった二次電池のアドレスを表示する。 【0019】ここで二次電池1a,1bは図2に示すように256個の升目に仕切られたトレイ17に端子電極が外に臨むように収納されている。そしてトレイ17を保持する保持機構2は、図3に示すように2枚の基板2a,2bを対向させ、この基板2a,2bの対向面には二次電池の端子電極と接触するプローブ3a,3b等を備え、基板2a,2bの両側はガイドバー2c,2dで支えてあり、基板2aを押圧するエアーシリンダ2e,2fにより基板2aを押圧するごとくなされている。 【0020】そして基板2a,2bの間に二次電池1a,1bを収納したトレイ17を置き、エアーシリンダ2e,2fを操作して、基板2a,2bを挟みつけると、各プローブ3a,3b等に二次電池1a,1bの端子電極が接触する。プローブ3a,3b等にはジャンパー線18が接続してあり、伝送路等に接続できるようになっている。ジャンパー線18に代えて基板2a,2bにプリントパターンで取り出しても良い。 【0021】次に、この二次電池の充電特性測定装置16の動作を図1〜図4を参照しつつ説明する。二次電池の充電特性測定装置16の保持機構2に保持された二次電池1a,1b等は、充電が開始されると図4に示すフローチャートのように動作する。まず、充電開始時点T=0からスタートし、予定された充電時間約7時間を経過しているか否かの判断ステップS1を経て、前の測定の結果から得た判定基準値を取り込み(ステップS2)。次に充電電圧、充電電流のいずれかのサンプル値を読み込み(サンプル取り込みステップS3)、そして、充電特性として正常かを判断する(合否判定ステップS4)。即ち、電流検出器7a、電圧検出器8bで読み込まれたデータをマルチプレクサ9、A/D変換器10を介してマイクロプロセッサ11に送る。そしてマイクロプロセッサ11のメモリ11bには予め基準となる充電特性のデータがストアされており、この基準データと送られた測定データをCPU11aの働きによって比較する。 【0022】その許容範囲は例えば統計的演算によって得たものであり、この許容範囲から外れる場合は、測定値NG(ステップS7)として処理フローのループから抜ける(終了ステップS8)。そして、正常ならば測定された充電電圧と充電電流を時間Tiを要素とするメモリ11bの配列に格納し(サンプルデータの記録S5)、充電時間Tをカウントアップ(ステップS6)する。この動作を二次電池のタイプ毎に定められた充電時間T(例えば7時間)を越えるまで行なう。 【0023】そして次に、充電時間Tに達すると、充電電圧と充電電流のサンプル値を更新(ステップS9)する。次いでサンプル値の平均値の演算を行う(ステップS10)。平均値の演算は数式1に示すごとくである。 【0024】 【数1】
【0025】サンプル数nは任意に決められるが、例えば3〜5位とする。即ちトレイ17を5回取り替えて、測定すれば5個のサンプルが得られる。Xiは各サンプルのデータ値である。そして、次にこれらのサンプルデータXiとサンプル平均値から標準偏差の推定量を算出する。その演算式は例えば、数式2で示すごとくである。 【0026】 【数2】
【0027】この推定量が算出されると、合否判定基準としての信頼区間の演算が可能となる。この信頼区間は、例えば90%の確率で設定する場合は、サンプル数に応じた対応表(図8)からt分布が求められ、数式3に示す演算式で下限値が求められ、また数式4に示す演算式から上限値が求められる。 【0028】 【数3】
【0029】 【数4】
【0030】そして図5、図6に示すような充電特性の信頼区間から成る基準値と実際値のグラフを作成し、必要に応じてディスプレイ13bに表示する。図5において、電圧カーブの信頼区間の上限は18a、下限は18b、実測した電圧カーブは18cで示されている。また、電流カーブの信頼区間の上限は19a、下限は19b、実測した電流カーブは19cで示されている。測定中に異常の検出された二次電池は、測定対象から除外されているが、ここで示されている正常な二次電池の充電特性は、基準値の上下区間以内に入っている。 【0031】 【発明の効果】本発明の二次電池の充電特性測定装置によれば、異常のある二次電池を確実に摘出できると共に異常のない電池を不良と判断する確率の少ない二次電池の充電特性の測定方法及び装置が提供できる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000002185 【氏名又は名称】ソニー株式会社
|
| 【出願日】 |
平成9年(1997)6月30日 |
| 【代理人】 |
|
| 【公開番号】 |
特開平11−23676 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)1月29日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−174776 |
|