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【発明の名称】 バウンダリ・スキャン回路
【発明者】 【氏名】三森 浩二

【要約】 【課題】テスト時間を短縮するバウンダリ・スキャン回路の提供。

【解決手段】バウンダリ・スキャン・セルにおいて、シリアル入力用クロックSCLKからアップデート用クロックUPCLK2を生成し、シリアル入力端子SIからシフトレジスタを構成するラッチF1にクロックSCLKによりシリアル入力されたデータをクロックUPCLK2によりラッチF2にアップデートすることにより、ラッチF1にシリアル入力されたデータが連続的に出力端子POからパラレル出力される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】バウンダリ・スキャン回路において、シリアル入力用クロックによりパラレル出力用クロックを生成することにより、TAP(テストアクセスポート)コントローラのステートを遷移させることなしに、シリアルスキャンとパラレル出力を交互に連続して行えるようにしたことを特徴とするバウンダリ・スキャン回路。
【請求項2】シリアル入力用クロックによりシリアル入力を入力しシリアル出力を出力しシフトレジスタを構成する第1のフリップフロップと、アップデートクロックにより該第1のフリップフロップの出力をラッチしてパラレル出力端子に出力する第2のフリップフロップと、を備えたバウンダリスキャンセル回路において、前記シリアル入力用クロックを所定時間遅延した信号をアップデートクロックとして、前記第2のフリップフロップが前記第1のフリップフロップの出力をラッチして前記パラレル出力端子に出力し、TAP(テストアクセスポート)コントローラのステートを遷移させることなしに、シリアルスキャンとパラレル出力を交互に連続して行えるようにしたことを特徴とするバウンダリ・スキャン回路。
【請求項3】前記シリアル入力用クロックを所定時間遅延した信号と、前記TAPコントローラの状態を<Updata−DR>(アップデート・データレジスタ)に遷移させて発生させるアップデート用クロックとをモード切換信号によって切換出力する選択手段を備え、前記選択手段の出力を前記第2のフリップフロップのクロック入力とすることを特徴とする請求項2記載のバウンダリ・スキャン回路。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体集積回路に関し、特に、バウンダリ・スキャン回路に関する。
【0002】
【従来の技術】バウンダリスキャン回路については、例えば文献(IEEE Std 1149.1−1990(Includes IEEE Std 1149.1a−1993)IEEE Standard Test Access Port and Boundary-Scan Architecture、IEEE Computer Society、1993年10月21日発行)の記載が参照される。
【0003】図3に、IEEE標準に準拠した従来のバウンダリ・スキャン・セル(「BSC」という)を示す。図4に、このBSCを有するバウンダリ・スキャン回路の構成概略図を示す。さらに、図6に、テスト・アクセス・ポート(「TAP」という)コントローラのステート図を示す。
【0004】図3を参照すると、バウンダリ・スキャン回路は、BSCのシリアル出力端子SOが次段のBSCのシリアル入力端子SIとなるように接続されてシフトレジスタが構成されている。
【0005】TAPコントローラとは、バウンダリ・スキャン回路へのテスト命令やデータの流れをコントロールする16ステート・マシンである。
【0006】IEEE標準に準拠した従来のバウンダリ・スキャン回路において、シリアル入力端子SIからシフトレジスタF1にシリアル入力されたデータを、ラッチF2にアップデートし、パラレル出力端子POからパラレル出力させる場合、TAPコントローラのステートを、まず<Shift−DR>(シフト−データレジスタ)とし、シフト用クロックSCLKを発生させ、F1にデータをシフト入力し、次にTAPコントローラのステートを<Update−DR>(アップデータデータレジスタ)に遷移させ、アップデート用クロックUPCLKを発生させ、ラッチF2にデータをアップデートすることにより、パラレル出力端子POからパラレル出力させる。図4を参照すると、各BSC回路は、スキャンテスト時、前段のシリアル出力端子をシリアル入力端子に接続し、そのシリアル出力端子を後段のシリアル入力端子に接続してシフトレジスタを形成し、TAPコントローラのステートが<Update−DR>のとき、アップデートクロックにより各BSCのラッチF2の出力がパラレル出力端子OUTに出力される。なお、通常動作時には、パラレル入力PIがパラレル出力端子OUTに出力される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来のバウンダリ・スキャン回路において、BSCのパラレル出力端子と外部端子との接続テストを行う際、TAPコントローラのステートを<Shift−DR>に遷移させ、図5(a)に示すように、すべてのBSC、図ではBSC1〜BSC5に“0”をシリアル入力し、次にTAPコントローラのステートを<Update−DR>に遷移させ、そのデータをパラレル出力することにより、すべての出力端子OUT1〜OUT5を“0”の状態にする。
【0008】次に、図5(b)に示すような状態にするために、TAPコントローラのステートを<Shift−DR>に遷移させ、BSC1に“1”、他のBSCには“0”をシフト入力し、次にTAPコントローラのステートを<Update−DR>に遷移させ、出力端子OUT1から“1”、他の出力端子OUT2〜OUT5から“0”がパラレル出力されることを確認する。
【0009】次に、図5(c)に示すような状態にするために、TAPコントローラのステートをまた<Shift−DR>に遷移させ、BSC2に“1”、他のBSCには“0”をシリアル入力し、次にTAPコントローラのステートを<Update−DR>に遷移させ、出力端子OUT2から“1”、他の出力端子OUT1、OUT3〜OUT5から“0”がパラレル出力されることを確認することにより、どのセル、すなわち何番目のセルとどの外部端子とが接続されているかがテストできる。
【0010】このように一つのピンの接続テストを行う毎に、TAPコントローラのステートを、図6に示すフロー■のような遷移を繰り返さなくてはならない。
【0011】したがって、接続テストを必要とするピンが増えるほど、TAPコントローラのステートの遷移回数が増大し、これによりテストパターンが長くなり、テスト時間が増大する、という問題が生じる。
【0012】その理由は、以下の通りである。すなわち、F1にシリアル入力されたデータをF2にアップデートするためのクロックUPCLKは、TAPコントローラのステートが<Update−DR>のときに生成される。
【0013】このため、シリアル入力されたデータをパラレル出力させるためには、TAPコントローラのステートにおいて、<Shift−DR>→<Update−DR>→<Shift−DR>→<Update−DR>という遷移を繰り返さなくてはならない。
【0014】したがって、本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、バウンダリ・スキャン回路において、テスト時間を短縮させる、バウンダリ・スキャン回路を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明は、バウンダリ・スキャン回路において、シリアル入力用クロックによりパラレル出力用クロックを生成することにより、TAPコントローラのステートを遷移させることなしに、シリアルスキャンとパラレル出力を交互に連続して行えるようにしたことを特徴とする。
【0016】本発明は、バウンダリ・スキャン・セルにおいて、シリアル入力用クロック(SCLK)から所定時間遅延させてアップデート用クロック(UPCLK2)を生成し、シリアル入力端子(SI)からシフトレジスタを構成する第1のフリップフロップ(F1)にクロック(SCLK)によってシリアル入力されたデータを、アップデートクロック(UPCLK2)により第2のフリップフロップ(F2)にアップデートすることにより、第1のフリップフロップ(F1)にシリアル入力されたデータが連続的に出力端子(PO)からパラレル出力される。
【0017】[発明の概要]本発明においては、TAPコントローラのステートが<Shift−DR>のときにデータのアップデートに必要となるクロックをシリアル入力用クロックから生成させることのできるテスト・モードをもつBSCを用いる。TAPコントローラのステートが<Shift−DR>のままで、シリアル入力されたデータをパラレル出力することが可能となり、TAPコントローラのステートを遷移させること無しに、シリアル入力されたデータを連続的、すなわち次のデータがシリアル入力される前に、そのデータをパラレル出力させることが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について以下に説明する。図1は、本発明の実施の形態の構成を示すブロック図である。
【0019】図1を参照すると、本発明の実施の形態においては、シリアル入力用クロックSCLKを入力する遅延回路D1と、遅延回路D1の出力またはUPCLKをUPCLK2としてF2に出力するモード変換回路C1が、図3に示した従来の回路に追加されている。UPCLK2は、モード変換回路C1に入力される、遅延回路D1によってシリアル入力用クロックSCLKに対し、ある程度遅延を持ったクロックと、従来のアップデート用クロックUPCLKからモード切換によって選択できるようにし、シリアル入力用クロックSCLKからアップデート用クロックUPCLK2を生成することができるようなテスト・モードを持たせる。
【0020】テスト・モードに設定することにより、TAPコントローラのステートが<Shift−DR>のときに生成されるSCLKによって、SCLKに対しある程度遅延を持ったUPCLK2が生成される。
【0021】このように、本発明の実施の形態においては、従来のTAPコントローラでは、ステートが<Shift−DR>のときには生成されなかったアップデート用クロックUPCLK2を作り出すことにより、TAPコントローラのステートが<Shift−DR>のままでも、F1にシリアル入力されたデータを、連続的に、すなわち次のデータがシリアル入力される前にUPCLK2によってF2にアップデートされ、そのデータがPOからパラレル出力される。
【0022】したがって、TAPコントローラのステートを<Shift−DR>から<Update−DR>へ遷移させることなしにF1にシリアル入力されたデータを、POからパラレル出力することが可能となる。
【0023】
【実施例】上記した本発明の実施の形態について更に詳細に説明すべく、本発明の実施例を図面を参照して以下に説明する。図2は、本発明の一実施例の構成を示す図である。図2に示すように、本発明の一実施例においては、SCLKによりインバータINV1とマルチプレクサM3を介してUPCLK2を生成する。これにより、UPCLK2はSCLKに対し、半クロック位相のずれたクロックとなる。
【0024】よって、クロックSCLKによりF1にシリアル入力されたデータを、次のデータがシリアル入力される前に、クロックUPCLK2によりF2にアップデートでき、連続的にパラレル出力することが可能となる。
【0025】マルチプレクサM3は、従来モードと、本実施例のモードとの切り替えを行う。モード切換信号Tは、インストラクション・レジスタを1ビット増やし、この1ビット値で制御する。
【0026】これにより、従来モード、すなわち上記IEEE(米国電気電子技術者協会)に準拠した動作も保つことができる。
【0027】本実施例の動作について説明する。本実施例のBSCを用いたバウンダリ・スキャン回路において、パラレル出力端子と外部端子との接続テストを行う場合は、モード切換信号Tを“1”にし、UPCLK2をSCLKより生成する。
【0028】次に、TAPコントローラのステートを<Shift−DR>にし、“0”、…、“0”をシリアル入力し、図5(a)のようにすべての出力端子を“0”としたあと、“1”、“0”、“0”、…、“0”をシリアル入力すれば、“1”がシリアル入力されたBSCのパラレル出力端子に接続された外部端子から“1”が出力される。
【0029】これにより、どのBSC、すなわち何番目のBSCとどの外部端子が接続されているかのテストが容易化される。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、TAPコントローラのステートの遷移回路を減らすことができ、テスト・パターン長を短縮し、このためテスト時間を短縮する、という効果を奏する。
【0031】その理由は、TAPコントローラのステートが<Shift−DR>のときにシリアル入力用クロックとパラレル出力用クロックを共に生成させることにより、TAPコントローラのステートを<Shift−DR>から遷移させることなしに、シリアル入力されたデータをパラレル出力することを可能としたことによる。
【出願人】 【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
【出願日】 平成9年(1997)6月27日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 朝道
【公開番号】 特開平11−23670
【公開日】 平成11年(1999)1月29日
【出願番号】 特願平9−187767