| 【発明の名称】 |
電子部品接合部信頼性試験装置及び試験方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】松尾 俊和
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| 【要約】 |
【課題】エリア接合方式の電子部品の信頼性試験を行うために、電子部品の実使用時に生じる熱膨張による力学的状態を機械的に再現することができる電子部品接合部信頼性試験装置及び試験方法を提供することを目的とする。
【解決手段】電子部品1が実装された基板2を、引張試験機、又は疲労試験機等に取り付けられたつかみ部20でチャックし、面方向に機械的荷重によって変形させる。基板2の面方向の変形により接合部3の内部において、電子部品1の実使用時に生じるエリア接合電子部品1と基板2の熱膨張の差による力学的状態が再現され、電子部品1の実使用時に即した条件の実装部信頼性試験を行うことができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】電子部品が実装された基板の対向する縁部をチャックして基板に面方向の機械的荷重を付与するつかみ部と、基板の配線パターンと測定装置とを電気的に接続するコネクタとを有することを特徴とする電子部品接合部信頼性試験装置。 【請求項2】電子部品が実装された基板の対向する縁部をつかみ部でチャックし、機械的荷重を付与して基板を面方向に変形させた状態で、電子部品と基板の接合部の抵抗値を測定することを特徴とする電子部品接合部信頼性試験方法。 【請求項3】前記基板の配線パターンの配線方向を、前記基板の変形時において、前記機械的荷重の付与方向に対して所定の角度をなす方向としたことを特徴とする請求項2記載の電子部品接合部信頼性試験方法。 【請求項4】前記基板が複数のパターンニング層を有する基板であって、前記基板のいずれかの層にそれぞれ異なる方向にパターンニング形成された複数のひずみゲージにより、異なった方向のひずみを測定することを特徴とする請求項2記載の電子部品接合部信頼性試験方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、電子部品実装部の接合信頼性を評価する電子部品接合部信頼性試験装置及び電子部品接合部信頼性試験方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】電子部品を基板に実装した後、電子部品が基板に正しく実装されたかどうかの信頼性試験が行われる。以下、従来の信頼性試験について説明する。 【0003】図8は従来の電子部品接合部信頼性試験装置の全体斜視図である。図8において、1は接合部の信頼性試験対象となる電子部品であり、ベアチップ、CSP(Chip Scall Package)等下面に多数の接合端子を有するエリア接合方式の電子部品である。2は電子部品1が実装された基板でガラス繊維入りエポキシ樹脂積層板等から構成されている。3は電子部品1と基板2を電気的、機械的に接合する接合部である。4は電子部品1の側面に位置し、電子部品1に強制変位を加えるための変位作用部材であり、鉄鋼等剛性が高い材料で構成されている。5は基板2の周辺に設けられた、基板2を固定するための固定部材であり、鉄鋼等剛性が高い材料で構成されている。6は基板2上に設けられ、基板2と外部装置とを電気的に接合するためのコネクタである。7は基板2上に形成され、接合部3とコネクタ6とを電気的に接合する配線パターンであり、銅等で形成されている。8は電子部品1、及び接合部3の電気的性能を測定するための電気性能測定装置である。 【0004】図9は従来の電子部品接合部信頼性試験装置の強制変位作用時の側断面図である。図9において、9は接合部3の内部に設けられ、電子部品1と基板2とを電気的、機械的に接合するための半田である。10は電子部品1、基板2、半田9の間の隙間を封止するための樹脂で、エポキシ等で構成されている。但し、接合部3は半田9による接合のみで樹脂10を封止しない場合や、樹脂10の代わりに、ニッケル等の導電性材料を混入した樹脂を使用し、半田9を使用しない場合もある。 【0005】以上のように構成された電子部品接合部信頼性試験装置について、以下にその動作を説明する。図8、図9において、基板2は固定部材5によって固定されている。電子部品の実使用時には、電子部品の発熱、又は使用雰囲気温度の上昇等により、電子部品1と基板2の線膨張係数の差によって接合部3に熱応力等の力学的負荷が生じ、熱疲労破損をする。この力学的負荷を機械的に再現する目的で、変位作用部材4によって電子部品1に対して水平方向に強制変位を与える。 【0006】図10は従来の電子部品接合部信頼性試験装置の強制変位作用時の側断面図である。図10において、電子部品1に水平方向の強制変位を与えると、電子部品1の水平方向の変位に伴って、接合部3を形成する半田9、樹脂10に一様なせん断変形が生じ、応力などの力学的な負荷が作用する。電子部品1の実使用時には、電源ON,OFFや雰囲気温度の変化によって電子部品1の温度が変化するため、電子部品1に与えられる水平方向の強制変位を繰り返し作用させる。強制変位の繰り返し数の増加と共に、接合部3を形成する半田9、樹脂10が疲労破損を生じる。信頼性試験中の疲労破損は、接合部3の電気抵抗値の増加等を、配線パターン7、コネクタ6を介して電気性能測定装置8によって測定することで評価する。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従来の構成では、電子部品に水平方向の強制変位を与えるため、接合部全体が一様なせん断変形をし、実使用時に生じる部品と基板の熱膨張差による接合部の力学的状態を再現できていないという問題点があった。 【0008】本発明は上記した課題に鑑み、電子部品と基板との接合部に、熱膨張差によって生じる力学的状態を再現することができる電子部品接合部信頼性試験装置及び電子部品接合部信頼性試験方法を提供することを目的とする。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明の電子部品接合部信頼性試験装置は、電子部品が実装された基板の対向する縁部をチャックして基板に面方向の機械的荷重を付与するつかみ部と、基板の配線パターンと測定装置とを電気的に接続するコネクタとを備えた。この構成により、電子部品と基板の接合部に熱膨張差によって生じる力学的状態を再現し、接合部の信頼性の測定試験を行うことが出来る。 【0010】 【発明の実施の形態】請求項1に記載の発明は、電子部品が実装された基板の対向する縁部をチャックして基板に面方向の機械的荷重を付与するつかみ部と、基板の配線パターンと測定装置とを電気的に接続するコネクタとを有する。この構成により、電子部品と基板との接合部に、熱膨張差によって生じる力学的負荷を再現することができる。 【0011】請求項2に記載の発明は、電子部品が実装された基板の対向する縁部をつかみ部でチャックし、機械的荷重を付与して基板を面方向に変形させた状態で、電子部品と基板の接合部の抵抗値を測定する。この構成により、電子部品と基板の接合部に熱膨張差によって生じる力学的状態を再現し、接合部の信頼性の測定試験を行うことができる。 【0012】請求項3に記載の発明は、前記基板の配線パターンの配線方向を、前記基板の変形時において、前記機械的荷重の付与方向に対して所定の角度をなす方向とした。この構成により、配線パターンの伸びによる配線パターン内での電気抵抗値の変化を防止するといる作用を有する。 【0013】請求項4に記載の発明は、前記基板が複数のパターンニング層を有する基板であって、前記基板のいずれかの層にそれぞれ異なる方向にパターンニング形成された複数のひずみゲージにより、異なった方向のひずみを測定するようにした。この構成により、基板上の任意の点の複数の方向のひずみを同時に測定するという作用を有する。 【0014】(実施の形態1)図1は本発明の実施の形態1における電子部品接合部信頼性試験装置の全体斜視図である。図1において、電子部品1、基板2、接合部3、コネクタ6、配線パターン7、電気性能測定装置8であり、これらは従来例と同じである。20は基板2の対向する2つの縁部をチャックし、機械的荷重によって基板2の面方向に変形を加えるためのつかみ部である。つかみ部20は鉄鋼等の剛性が高い材料で構成されており、既存の疲労試験機、又は引張試験機等に取り付けられる。 【0015】図2は本発明の実施の形態1における電子部品接合部信頼性試験装置の基板変形前の側断面図、図3は(a)同基板変形後の側断面図、図3(b)は同基板変形後の一部拡大側断面図である。図2、図3において、半田9、樹脂10は従来例と同じである。また接合部3についても従来例と同様に、半田9による接合のみで樹脂10を封止しない場合や、樹脂10の代わりに、ニッケル等の導電性材料を混入した樹脂を使用し、半田9を使用しない場合もある。 【0016】以上のように構成された電子部品接合部信頼性試験装置について、以下にその動作を説明する。基板2はつかみ部20によってつかまれている。つかみ部20を取り付けている疲労試験機、又は引長試験機等を作動させると、つかみ部20が基板の面方向に引長、又は圧縮等、機械的荷重を与える。 【0017】図3(a)は基板変形時の側断面図、図3(b)は同一部拡大の側断面図である。図3において、与えられた機械的荷重によって、基板2は面方向に変形し、基板2は荷重方向に一様な垂直ひずみを生じる。基板2の変形に伴って、接合部3を形成する半田9、樹脂10はせん断変形をする。この際、電子部品1の中心から荷重方向に沿った距離xによってせん断ひずみγの大きさは異なる。即ちx1<x2のときγ1<γ2となり、熱膨張による力学的状態を再現することができる。 【0018】電子部品1の実使用時には、電源ON,OFFや雰囲気の変化によって電子部品の温度が変化するため、基板2を繰り返し変形させる。基板2の変形の繰り返し数の増加と共に、実装部3を形成する半田9、樹脂10が疲労破損を生じる。信頼性試験中の疲労破損は、従来例と同様に、接合部3の電気抵抗値との増加等を、配線パターン7、コネクタ6を介して電気性能測定装置8によって測定することで評価する。 【0019】なお、以上の説明では接合部3が半田9と樹脂10で構成された場合について説明したが、半田9による接合のみで樹脂10を封止しない場合や、樹脂10の代わりに、ニッケル等の導電性材料を混入した樹脂10を使用し、半田9を使用しない場合に対しても同様に実施可能である。 【0020】(実施の形態2)更に、本発明の他の実施の形態として、配線パターン7を、基板2の変形時に垂直ひずみが生じない方向に配線した場合について説明する。 【0021】図4は本発明の実施の形態2における電子部品接合部信頼性試験装置の上面図である。図4において、21は基板2上で荷重方向をx軸、荷重と垂直方向をy軸とした場合に、x軸と角θをなす方向に配線された配線パターンであり、銅などで構成されている。 【0022】角θは垂直ひずみが生じない方向の角度であり、基板2を等方等質の弾性体と仮定し、x方向のみに一様な垂直応力が作用した場合には基板2のポアソン比をvとして、cos2θ=(v−1)/(v+1)を満足するθで与えられる。ガラス繊維入りエポキシ樹脂基板の場合は、θ=61°を中心として、±2°以内が好ましい。 【0023】以上のように構成された電子部品接合部信頼性試験装置について、以下にその動作を説明する。信頼性試験中の疲労破損は、接合部3の電気抵抗値の増加等を、配線パターン21、コネクタ6を介して電気性能測定装置8によって測定することで評価する。信頼性試験中の荷重作用時は、基板2に対してx方向にのみ荷重を加えると、基板2はx方向に引長方向のひずみが生じ、y方向には圧縮方向のひずみが生じる。このとき角θ方向には垂直ひずみを生じないため、θ方向に配線された配線パターン21は配線方向の寸法変化を生じない。このため、基板2の変形時に配線パターン21の伸びによる配線パターン21内での電気抵抗値の変化を防止する。 【0024】(実施の形態3)図5は本発明の実施の形態3における電子部品接合部信頼性試験装置の裏面図である。図5において、22は基板2上の電子部品1の裏側に設けられ、基板2の荷重方向のひずみを検出するためのひずみゲージであり、銅などによって基板2上に直接パターンニングされている。23はひずみゲージ22が検出したひずみの値を測定するためのひずみ計測装置である。 【0025】以上のように構成された電子部品接合部信頼性試験装置について、以下にその動作を説明する。信頼性試験中、基板2に荷重を加え、基板2にひずみが生じると、ひずみゲージ22が荷重方向のひずみを検出し、そのひずみの値は、配線パターン21、コネクタ6を介して、ひずみ計測装置23によって測定される。従って、基板2に生じるひずみを計測するための、ひずみゲージ22が不要になる。更に基板2を多層基板とし、多層基板内層にもひずみゲージ22を設けた場合について説明する。 【0026】図6は本発明の実施の形態3における電子部品接合部信頼性試験装置の多層基板内層透視図であり、図6(a)は多層基板内層、図6(b)は多層基板裏面である。24はその内層にもパターンニングを可能とするために用いられる多層基板であり、ガラス繊維入りエポキシ樹脂積層板等から構成されている。25は多層基板24の内層において、多層基板24の板厚方向の電子部品1、ひずみゲージ22を通る直線上に設けられた、荷重と垂直方向のひずみを検出するためのひずみゲージであり、ひずみゲージ22と同様に、銅などによって多層基板24の内層に直接パターンニングされている。ひずみゲージ22とひずみゲージ25は、板厚方向の直線上にパターンニングされており、互いに異った方向のひずみを測定する。 【0027】以上のように構成された電子部品接合部信頼性試験装置について、以下にその動作を説明する。信頼性試験中、多層基板24に荷重を加え、多層基板24にひずみが生じるとひずみゲージ22が荷重方向のひずみを検出し、ひずみゲージ25が荷重と垂直方向のひずみを検出する。 【0028】ひずみゲージ22,25から検出されたひずみは、配線パターン21、コネクタ6を介して、ひずみ計測装置23によって同時にひずみの値が測定される。ひずみゲージ22,25は多層基板24の被測定方向に対して板厚方向に一直線上に位置しているため、被測定個所の複数の方向のひずみを同時に測定できる。基板2、多層基板24に作用しているひずみの値から接合部3に作用しているひずみ、又は応力を算出する場合は、基板2、多層基板24に生じたひずみを境界条件とし、有限要素方等、数値解析手法を用いる。なお、以上の説明はひずみゲージ22を多層基板裏面に設けた場合についてであるが、ひずみゲージ22,25とも多層基板内層に設けた場合についても同様に実施可能である。 【0029】(実施の形態4)図7は本発明の実施の形態4における電子部品接合部信頼性試験装置の透視図である。図7において、26は電子部品1が実装された基板であり基板2と同様にガラス繊維入りエポキシ樹脂積層板等から構成されている。基板26は基板幅Aがつかみ部20の幅より十分大きくなっており、かつ、つかみ部20からひずみゲージ22間までの距離Bと基板幅Aとの関係A<Bとなるように形成されている。27はつかみ部20の両脇に位置する低ひずみ領域である。つかみ部20の両脇はサンブナンの定理により作用する応力、及びひずみが小さい。コネクタ6は低ひずみ領域27内に設けられている。配線パターン21は、全て、実施の形態2で述べた角θで配線されている。A<Bであるため、ひずみゲージ22からコネクタ6まで一本の直線でパターンを配線できない場合は、角θで配線されたパターンの組合せで配線パターン21を形成する。ガラス繊維入りエポキシ樹脂基板の場合は、θ=61°を中心にして、±2°以内が好ましい。 【0030】以上のように構成された電子部品接合部信頼性試験装置について、以下にその動作を説明する。信頼性試験中の疲労破損は、接合部3の電気抵抗値の増加等を、配線パターン21、コネクタ6を介して電気性能測定装置8によって測定することで評価する。同時に、ひずみゲージ22が基板26の荷重方向のひずみを検出し、そのひずみの値は、配線パターン21、コネクタ6を介して、ひずみ計測装置23によって測定される。基板26の両端に荷重が作用した場合A<Bであるので、サンブナンの定理によりひずみゲージ22が設けられた部分には荷重方向に一様な垂直応力が生じる。このため、ひずみゲージ22でひずみを検出する領域内でひずみが一様になるという作用を有する。また、コネクタ6は低ひずみ領域27に設けられているので、コネクタ6と基板26の接合部に生じる力学的負荷が小さくなるという作用を有する。なお、実施の形態3で説明したように、基板26を多層基板とし、多層基板内層にもひずみゲージを設けた場合についても同様に実施可能である。 【0031】 【発明の効果】以上のように本発明は、エリア接合部品が実装された基板を、機械的荷重によって基板の面方向に変形させることによって、エリア接合部品と基板との接合部に熱膨張差によって生じる力学的負荷を再現可能である。従って、電子部品の実使用時に即した条件の実装部信頼性試験を行うことができ、実装部高信頼化が可能となる。更に、基板の配線パターンの配線方向を、基板の変形時において、垂直ひずみが生じない方向としたことによって、配線パターンの伸びによる配線パターン内での電気抵抗値の変化を防止することが可能である。従って、純粋に電子部品、及び接合部の電気性能の低下を測定でき、測定精度の向上が図れる。 【0032】また更には、基板として多層基板を用い、多層基板の表面、裏面、内層の板厚方向の直線上に少なくとも2つ以上のパターンニングによって形成されたひずみゲージがあり、それらのひずみゲージはそれぞれ異なった方向のひずみを測定するように配置されたことによって、基板上の任意の点の複数の方向のひずみを同時に測定可能である。従って、接合部に作用する応力、ひずみ等を数値解析する際に必要な境界条件等を正確に得ることができ、接合部の正確な応力、又はひずみの評価が可能になる。 【0033】また更には、配線パターンと外部の測定装置とを電気的に接続するコネクタを、基板上のつかみ部の両脇付近の低ひずみ領域に配置することにより、コネクタと基板との接合部の疲労破損を防止することが可能である。従って、信頼性試験中のコネクタ接合部の断線が生じず、信頼度の高い実装信頼性試験が可能となる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005821 【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)7月7日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】滝本 智之 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−23653 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)1月29日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−181055 |
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